山本由伸MLBデビュー戦で1回5失点、負け投手に。メジャーの洗礼以前に調子が悪すぎた。カッターしか頼る球がない→それを狙われてドカン【2024.3.21感想】
大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレスによる開幕戦2試合が2024年3月20、21日に韓国・ソウルで行われ、第1戦は5-2でドジャースが勝利、第2戦は15-11でパドレスが勝利した。
なおドジャースに所属する大谷翔平は2試合とも2番DHでフル出場、2戦目に先発した山本由伸は1回43球5失点で負け投手となっている。
山本由伸が1回KOでメジャーの洗礼「シーズンは長い。これから良いピッチングを」/一問一答 #山本由伸 https://t.co/pMlwGDuXlx
— 日刊スポーツ西部本社(九州・山口) (@SNikkansports) March 21, 2024
MLB2024開幕戦韓国シリーズ。
普段は時差の関係でなかなかリアルタイム視聴できないMLBだが、今回は韓国開催ということでガッツリ観ることができた。
中でも注目していたのが第2戦に先発したドジャースの山本由伸。
12年総額3億2500万ドル(約463億円)の大型契約が記憶に新しいが、何より日本一のピッチャーがMLBでどこまでやれるかにはめちゃくちゃ興味がある。
そのデビュー戦ということでしっかりと観た次第である。
山本由伸復帰登板感想。まだまだこんなもんじゃないから。打者を絶望させるのが本来の山本由伸だから。大谷翔平、今永翔太、ダラス・カイケル
大谷翔平、松井裕樹、ダルビッシュ有の感想
まず最初に山本由伸以外の日本人選手について。
・大谷翔平
いい感じでスイングできている。
2戦目は5打数1安打だが、球場によってはスタンドインしていた打球が2つある。調子自体はよさそう。
ただ若干早打ちすぎるのが……。
あれには何か理由があるのかだろうか。
・松井裕樹
短いイニングなら十分通用しそう。
でも、2戦目は出来が悪かった。
・ダルビッシュ有
まあ、あんなもんじゃないの?
ここ数年のダルビッシュは支配力よりもQSを優先する割り切りが目に付く。
今回も球自体はビミョかったが、それを含めてダルビッシュの現在地なのだろうと。
まだ足りない山本由伸。打者に反応すらさせるな。根こそぎ自信を奪え。今永翔太は悪いなりに勝利。スライダーがよかったね
なお大谷翔平に関してはチームの通訳が解雇されるまさかの事態となっているが、それがどの程度影響するかはわからない。
と言いつつ、もともとあの通訳に何の思い入れもないので基本はどうでもいい。
本気でマズいことになって「大谷翔平、日ハムに電撃復帰!!」などと発表されたらさすがに笑ってしまうがw
メジャーの洗礼以前に調子が悪すぎた。そりゃ打たれるよね
そして肝心の山本由伸について。
まず上記記事を含め各所で「メジャーの洗礼」という言葉が見られたが、そういうことではない。
メジャーは甘くないとか球が高い、低いでもない、配球云々も関係ない。
単純にこの日はダメダメすぎた。
ひたすらに球が遅い、調子が悪すぎただけの話。
「そりゃ打たれるよ」としか言いようがない。
ようやく実力の片鱗を見せた山本由伸、無双中の今永昇太にはチームも気を使う。過去の日本人投手が軒並み肘をイワしたからねw
唯一機能していたのがカッター。それに頼りきりになる→狙われてドカン
スライダー、シンカー、フォークはうまく制御できず変化もトロい。
そのせいで緩急をつけるためのカーブもなかなか効果を発揮しない。
唯一機能していたのはカッターくらい。
この球をカウント球として左バッターの膝もとに投げていたが、それに頼りきりになったところでスコーンと打たれてしまった。
もともとこのピッチャーはすべての球種を高次元で操れるのが持ち味。
総合力で勝負する反面、突出した球種がないので調子が悪い日は一気に崩れる。
OP戦ではまっすぐを狙われていた印象だが、さすがにまっすぐとカッターだけでは厳しい。せめてもう一つ頼れる球種がほしかった。
多少調子が悪くても日本なら95マイル(約153km)のまっすぐで押し込めるのだが、MLBではあのまっすぐは脅威にならない。
そういう意味では“メジャーの洗礼”と言えるのかもしれないが。
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山本由伸はMLBでそこまで無双する感じがしない。千賀滉大のフォークみたいな超一級品の球種がない
以前から何度か申し上げているが、僕は山本由伸がMLBでそこまで無双する感じはしていない。
最初にそれを思ったのが2023年WBCでのメキシコ戦。
各打者が山本の球を嫌がる素振りがない、楽に打ち返してくる光景に「ああ、そうか……」となった。
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球のスピード、変化球の軌道はシーズン中とそん色ない。
だがマウンドでの佇まいや投げている姿がいまいちピンとこない。
スケール感が足りないというか、エンジンが小さいというか。
申し上げたようにこのピッチャーのキモは総合力、平均点の高さ。
勝負する舞台が一段(以上?)上がった分、持ち味が目減りしているのだろうと。
ダルビッシュ有や大谷翔平、藤浪晋太郎のようなフィジカルお化けとの違いはその部分である。
たとえば千賀滉大のように超一級品の球種(フォーク)があればそれに頼れるのだが。
それこそ千賀の場合は1試合観ただけで「これは大丈夫だろ」となったわけで。
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山本由伸もなるべく早く軸となる球を見つけることが重要になると予想する。
なお繰り返しになるが、山本由伸がMLBでやや苦戦するのでは? という展望と今回の1回5失点はまったくの別ものである。
この日は単純に調子が悪すぎただけでスケール云々以前の話。
ボールやマウンドの違いが影響したのか、それ以外の要因があるのか。
本人がコメントしていたように次回以降に期待である。
度会隆輝のKY力、思った以上にいいエスピノーザ、評判通りのアンドレ・ジャクソン。レイノルズとディカーソンがいきなり消えたw
MLBのレベルの高さ(打者陣)に驚く。今永昇太がどこまでやれるかに俄然興味が出てきたよ
表題の通りだが、この2試合を観て改めてMLBはすごい場所だなと思った。
特に打者陣はNPBとはレベルが違う。
「お、いいピッチャーが出てきたな」と思っても少し球威が落ちるとあっという間に外野の深いところまで持っていかれる。
山本由伸が打たれたのはもちろん、各打者のスイングがNPBとは段違いである。
僕の勝手な印象としては、MLBの打者は日本よりも三回りほどスケールが上。
去就の決まらないトレバー・バウアーがMLBにこだわるのも、筒香嘉智が通用しないのも納得せざるを得ない笑
と同時に、今永昇太のようなタイプがどこまで通用するかには俄然興味が出てきた。
しかし改めてMLBはすげえ舞台だよな。
特に打者は日本とは三回りくらいスケールが違う。
そりゃバウアーはここで勝負したいと思うし、筒香嘉智が通用しないのも仕方ない。
こうなると今永昇太みたいなパラメーターが尖ったヤツがどこまでやれるかには俄然興味がわいてきたな。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) March 21, 2024
あの浮き上がる4シームの希少性はMLBでも高く評価されているとか。
しかも前回登板ではウイニングショットのチェンジアップがうまく機能していた。
Shota Imanaga racks up 9 K on the day. 💨 pic.twitter.com/So6MMtrRYQ
— MLB (@MLB) March 14, 2024
うん、これはいいですね。
最初に観たときは感覚を掴み切れていなかったが、この登板ではしっかり制御できている。
山本由伸、今永昇太、上沢直之のオープン戦を観た感想。山本、今永は通用する。上沢は厳しいかも? よくも悪くもNPB基準
今永の場合はこのチェンジアップ次第で対右打者がめちゃくちゃ有利になる。
そこに左打者の外角に逃げるスライダーが加わればさらによくなるのではないか。
その日の調子に加えて中4、5日の登板間隔、環境の違い、その他。
不確定要素は多いが、ぜひともがんばってほしい。
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