山本由伸復帰登板感想。まだまだこんなもんじゃないから。打者を絶望させるのが本来の山本由伸だから。大谷翔平、今永翔太、ダラス・カイケル【2024.9.11】

山本由伸復帰登板感想。まだまだこんなもんじゃないから。打者を絶望させるのが本来の山本由伸だから。大谷翔平、今永翔太、ダラス・カイケル【2024.9.11】

2024年9月11日にMLBロサンゼルス・ドジャースの山本由伸がシカゴ・カブス戦に登板、4回59球を投げて1失点、8奪三振と好投している。
 
山本由伸の登板は6月16日のロイヤルズ戦以来約3か月ぶり。右肩腱板損傷による長期離脱からの復帰を果たしたわけだが。
 
 
今シーズンは開始からMLBを注視していたものの、山本由伸の離脱でテンションがダダ下がりに。
それ以降はちょぼちょぼとしか観ていない。
MLBの記録を次々塗り替える大谷翔平、移籍初年度で二けた勝利を挙げた今永昇太などもハイライトで眺める程度になっていた。
 
で、山本由伸が復帰すると聞いて久しぶりにガッツリ視聴した次第である。
 
山本由伸、今永昇太ともに初勝利。山本は本調子ではない、今永は思った以上にやりそう。野手は右投げ左打ちに限界がきているような…
 
まあ、山本由伸は見るからに身体に悪そうな投げ方ではあるんですよね。
僕には科学的な知識など皆無だが、過酷なMLBの環境で肩の負担も大きくなったと想像する。
 

山本由伸

まずは山本由伸について。
この日は復帰登板ということで59球(60球以内)で降板している。
 
内容的にはなかなかよかったと思う。
本人も「今年トップと言っていいくらい」とコメントするなど好感触を得たとのこと。
 
確かにまっすぐは96、97マイルがポンポン出ていた上にフォーク(スプリット)もよく落ちていた。
相変わらずカーブの割合が多かったものの(スライダー、シンカーをもっと使えばいいのに)、球の勢い、キレは離脱前の水準を超えていたのではないか。
 
球数が少ないので何とも言えないが、離脱期間にしっかり適応してきた感じ。
 
だが、足りない。
まだ全然足りない。
 
山本由伸はこんなもんじゃない。
僕がこのピッチャーに求めるレベルはさらに上である(何様だよ?笑)。
 
いや、実際とんでもないですからね山本由伸は。

フォーク、スライダーは視界から消えるしシンカーは逆方向に鋭く落ちる。
で、低めをたっぷり意識させたところで真ん中高めの4シーム。
 
力のないスイングで空振り三振した打者が絶望の表情を浮かべるまでが山本由伸だからw
 
 
今回の出来くらいで「悪魔のような~」と言われても困るんですよ笑

 
何も知らないメリケンどもには「日本一のピッチャーを舐めるな」と言いたい(だから何様だよ?笑)。


 
シーズン前に
「山本由伸はMLB基準では出力が小さい気がする」
「もしかしたらちょっと苦労するかも?」
などと申し上げたが、今となってはそんなことはどうでもいい。
 
開幕直後に打たれた際に「メジャーの洗礼」と言われまくったのを受けて「山本がんばれ」の方向に180度転換している笑
 
スライダーを投げない山本由伸。捉えられ始めた今永昇太。おい、がんばれよ山本由伸。舐められっぱなしじゃダメだろw 今永はそろそろ注意かな?
 

大谷翔平

この日の大谷は4打数無安打だったが、スイングを観る限りまったく心配はなさそう。
 
そしていつの間にか50本塁打、50盗塁の50-50の話題で持ち切りになっているのが……。
開幕してしばらくは「長打が多すぎるせいで盗塁が増えない」と言われていて爆笑したのだが笑
 
 
なお、先日片手ですくい上げたホームランが絶賛されていたが、


日本時代からこういう打ち方が得意でしたよね。
低めに沈む球を少し泳ぎながらヘッドを走らせて片手で持っていくヤツ。

すごいことには違いないが、「こんな打ち方でスタンドインするヤツは初めて」とまではいかない。
ホームランにはならなくてもクソ長いリーチを目いっぱい使った片手打ちで野手の間を抜く、頭を超えるヒットはちょいちょい出ている。
 
 
まあ、低めのフォークを膝をつきスイングですくい上げたこれには「う~わ……」となったが笑


 
侍ジャパンが3-2でアメリカを下して優勝。大谷vsトラウト? フィクションとしては落第だけどこれは現実。世界一の野球小僧を宇宙一うまく使える栗山英樹
 

今永昇太

カブスの今永昇太はドジャース山本由伸と初めて投げ合い、7回89球7安打3失点で12勝目(3敗)を挙げたわけだが。
 
なお僕は7回裏が終わった時点で「今永はこの回までかな」と思って離脱している。
 
で、しばらく経って結果を見ると……。
ドジャース負けててワロタw
 
中継ぎ陣のグダグダっぷりはプレーオフでは致命的になりそう。
 
 
この日の今永はそこまでいいとは思わなかったが、それでも7回3失点はさすが。
何度か申し上げているようにシーズン前に「菊池雄星の初年度くらいやれれば」「防御率ギリギリ4点台いけば御の字」などとほざいたことを全力で謝罪したい笑
 
山本由伸、今永昇太、上沢直之のオープン戦を観た感想。山本、今永は通用する。上沢は厳しいかも? よくも悪くもNPB基準
 
ホップ成分の高いまっすぐが持ち味の今永だが、少しでも威力が落ちるとMLBの舞台では捉えられてしまう。
 
今回はトミー・エドマンのレベルスイングと軌道がバッチリ合ってしまったのだろうと。


 
マックス・マンシーに打たれたホームランはやや低すぎた。


もう少し高めに伸びていれば空振りorフライアウトになっていたと思う。
 

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ダラス・カイケル

番外編として、7月30日にNPB千葉ロッテマリーンズに入団が発表されたダラス・カイケルについて。
2023年にDeNAでプレーしたトレバー・バウアーに次ぐサイヤング賞受賞投手の来日が話題となったわけだが。
 
だが近年のカイケルは絶賛低迷中で、2024年は4試合に投げて0勝0敗、防御率5.40。
映像を観てもサイヤングイヤーの2015年に比べてはっきりと衰えている。
 
正直、これは日本でも厳しいのではないか。
 
というよりMLBで通用しなくなったピッチャーにあっさり活躍されちゃうのはどうなのよ?
曲がりなりにもオリンピック、プレミア12、WBCの三冠を達成した国のリーグが舐められたらアカンですよ?
 
その反面、通用しそうな要素を持ち合わせているのも確か。
・左のシンカー使いという希少性
・外に広いゾーン
・飛ばないボール、超投高打低のシーズン
・強風のZOZOマリンが本拠地
 
そんな感じで注目していたところ……。
 
サイヤング賞投手ダラス・カイケルが千葉ロッテ入団。近年はシンカーが打ちごろの球に。ZOZOマリンでのチェンジアップ次第かな
 
結果としては後者だったという(今の段階では)。
 
9月11日現在、5試合に登板して2勝1敗、防御率2.57。
平均5、6イニングと投球回こそ少ないものの、安定したピッチングが続いている。
 
 
実際の試合を観ても各球種はそこまですごくはない。

だが軸となるシンカーと決め球のチェンジアップ、時おり投げるスライダー(カッター)のコンビネーションが秀逸。テンポのよさも相まってめちゃくちゃ打ちにくそうである。
 
特に全投球の半分以上を占めるシンカーは……。
130km後半~140km前半の球速で打者の手元でスッと沈む。
速くもない、遅くもない球速と何とも言えない微妙な変化に打者が戸惑っているのが伝わってくる。
 
で、そこにシンカーよりも変化量の多いチェンジアップが加わる。
 
「球質が平均から逸脱すればするほど打ちにくくなる」という話は聞いたことがあるが、カイケルの球はまさにそれなのだと思う。
 
2023年WBCの東京ラウンドで130kmに満たない&沈む球をひたすら投げ続けた中国のピッチャーもそう。
いくら一流の打者でもあそこまで変な球だと慣れるまでに数打席を要する。
 
侍ジャパン4連勝で準々決勝進出。プールB東京ラウンド感想。弱者の兵法の中国、打撃のチェコ。ヌートバー、大谷翔平、ダルビッシュその他
 
逆にNPBの打者は145km前後の4シームにはめっぽう強い。
もっとも馴染んだ球速帯というのが主な理由だが、“速球派”と呼ばれるピッチャーの球をポンポン打ち返すのは非常に見慣れた光景である。
 
 
そういう意味でダラス・カイケルの球はNPBではまずお目にかかれない球質、その中でも上位に位置するのだろうと。
 
それでもMLBで通用しなくなった投手にホイホイ抑えられるのはダメだと思いますけどね。


 

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