阿部麗也がルイス・アルベルト・ロペスに8RTKO負け。ちょっと失望したな。久しぶりに「値しない」「ふさわしくない」って思っちゃった【結果・感想】

阿部麗也がルイス・アルベルト・ロペスに8RTKO負け。ちょっと失望したな。久しぶりに「値しない」「ふさわしくない」って思っちゃった【結果・感想】

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2024年3月2日(日本時間3日)に米・ニューヨーク州で行われたIBF世界フェザー級タイトルマッチ。同級王者ルイス・アルベルト・ロペスとランキング1位阿部麗也が対戦し、8R39秒TKOでロペスが勝利。3度目の防衛に成功した一戦である。
 
 
ルイス・アルベルト・ロペスvs阿部麗也。
ここ最近、僕がもっとも楽しみにしていたのがこの試合である。
 
それこそ先日のAmazon中継、寺地拳四朗や那須川天心が出場した第6弾、井上拓真や中谷潤人の第7弾よりも楽しみだったくらい。
 
また2月22日の松本圭佑vs前田稔輝戦(日本フェザー級タイトルマッチ)がよかったこともあって期待はさらに高まっていた。
 
松本圭佑vs前田稔輝。期待通りのおもしろい試合。松本圭佑の達人っぷりに驚いた。前田稔輝は右リードが通用するかなんだろうな
 
ポスタービジュアルのカッコよさも手伝ってウッキウキだったわけだが……。


 

思った以上に完敗だった。せめて一矢報いる場面があればと思ったけど…

まず僕はこの試合をリアルタイム視聴できずにニュースで結果を知った次第である。
「完敗だった」「ロペスは強かった」「何もできなかった」という阿部麗也のコメントを見て「そうか、ダメだったか」と。
 
だが、内容はどうだったのか。
 
上述の通り僕は先日の松本圭佑vs前田稔輝戦に感動したばかり。
しかも阿部麗也は現日本フェザー級の代表とも言える存在。
 
下馬評では阿部の不利予想が多かったが可能性はなくはない。
結果は残念だったが、せめて一矢報いる場面でもあれば…。
 
と思って視聴をスタートしたところ……。
 
アカン。
全然アカン。
 
思った以上にアカン。
 
本人の「完敗だった」「何もできなかった」のコメントそのまんま。
マジで手も足も出ない負け方だった。
 
力石政法vsマイケル・マグネッシ全然わからんな。中谷潤人vsジーメル・マグラモが理想なんだろうけど。過去一狭いリングらしいね
 

ロペスは恐らく阿部麗也の苦手なタイプ。でも、前手のリードとフットワークで翻弄できればチャンスはある?

僕が戦前に適当に考えた展望は下記。
 
田中恒成vsエドゥアルド・バカセグア、阿部麗也vsルイス・アルベルト・ロペス。田中の相手、これでいいの? 見間違いじゃなくて? 阿部麗也はホントにがんばってもらいたい
 
・ロペスはベタ足でのしのし近づき腕をぶん回す
・射程が見た目以上に長い
・リズムに乗るとどんどん調子を上げるタイプ
・ガードの甘さと機動力のなさが目につく
・阿部麗也は恐らくこういうガツガツ系が苦手
・ただ、ここ数戦で力強さが増しているので可能性はある
・前手のジャブとフットワークで翻弄できれば
・勝敗予想はロペスの10RKOだけど
 
王者ルイス・アルベルト・ロペスはベタ足のぶん回し系、変則気味だが迫力満点のファイター。
 
背筋が立った構えでのしのし距離を詰め、射程に入ったところで剛腕を振り回す。
 
また見た目以上に射程が長くペースを掴むとどんどん調子に乗るタイプ。
ガードの甘さ、フットワークのなさが目につくものの、かなり強そうな王者に思える。
 
 
そして恐らく阿部麗也はこれ系が苦手。
過去、佐川遼の伸びる右をさばききれずに判定負けを喫し、キコ・マルティネスの圧力にはタジタジさせられた。
技巧派のアウトボクサーではあるものの、1試合を通して逃げ切れるほどのフットワークはない。
 
しかもロペスの圧力、荒っぽさは彼らよりはるかに上。
気を抜いた途端に一気に飲み込まれるパターンもあるのではないか。
 
ただ、阿部麗也はここ数戦で力強さを身につけている。
丸田陽七太に何もさせず、前田稔輝のパワフルな左、スピーディな出入りをねじ伏せた。
 
阿部麗也vs前田稔輝、松村虎太朗vs廣瀬悠斗戦現地観戦。試合はよかったけど、イベントも長いしアングラ過ぎてウンザリした
 
今回も前手のリードとフットワークでロペスを翻弄できれば可能性はありそう。
 
ロペスのガードの甘さと阿部のフットワークのヌルさ、どちらが表面化するかが見どころかなぁと。
 

言い訳のしようがない完敗。開始早々まっすぐ後退する姿に「あれ?」となった

で、結果は1mmの言い訳もできないくらいの完敗
あまりに一方的すぎて戦前のウキウキ感、松本圭佑vs前田稔輝戦の余韻がすべて吹っ飛んだほど。
 
 
まずファーストコンタクトで「あれ?」となったことをお伝えする。
 
ゴングと同時にまっすぐ後退、早々にコーナーを背負う阿部麗也。
 
対するロペスはいつも通り。
のしのしと近づき射程に入ったところで無遠慮に剛腕を振るう。
 
早くも袋小路に追い詰められた阿部は身体をひるがえして脱出するが、死に体で踏ん張りが利かない。
そこに方向転換したロペスの左をもらって大きくのけぞる。
 
それ以降もロペスの圧力にひたすら後退させられ、まっすぐ下がるせいでロペスの伸びる左を避けきれない。
ラウンド後半には早くも顔が紅潮し始める。
 
うん、ダメだ。
この流れはダメだ。
 
亀田和毅vsケビン・ビジャヌエバ。元祖亀田家スタイルで押し潰す。ルイス・アルベルト・ロペスに同じことができるかは…
 

前手のリードとフットワークの両立が不可欠だったのに。阿部麗也にとっては一番ダメな流れ

思うに、阿部麗也が勝機を見出すには前手のリードとフットワークの両立が不可欠だった。
 
要するに中間距離での差し合い。
右リードでペース争いをしつつ左カウンターのチャンスを探す。
 
ロペスの馬力に中間距離でどこまで耐えられるか。
いかにロペスのぶん回しに飲み込まれずにカウンターを狙えるかの勝負。
 
 
上述の通りこの選手のフットワークはインファイターから12R逃げ切れるほどではない。
それをジャブ中心の差し合いで補ってきた&最近は力強さがついてきたわけだが、今回は肝心のジャブがまったく出ない。
 
ロペスの圧力が強くて出せないのか、メンタルがやられたのか。そもそもああいう作戦だったのか。
 
とにかくあの後ろ向きなファイトでは阿部に勝ち目はない。
どこかの時点で捕まるのは必然。というよりすでに捕まっている。
 
 
いや、マジか。
こうなったらどうにもならんというか、阿部麗也にとっては一番ダメな流れ。
ロペスの圧力、ぶん回しに飲み込まれてはいけないどころか自らその機会を与えてしまった印象である。
 
力石政法vsマイケル・マグネッシ。すっげえ二番底。あそこで出力が上がるのはとんでもない。途中までは完全に負け試合だったのに
 

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この舞台に「値しない」って思っちゃった。和氣慎吾vsジョナサン・グスマンを思い出した

正直、今回はかなり失望した。
 
こんなことを言うと怒られるかもしれないが、この舞台にふさわしかったのかすら……。
 
上述の展望記事で
「田中恒成と対戦するバカセグアは世界戦の舞台に立っていい選手なのか?」
「どれだけ努力しようが実力が伴わなければしゃーないでしょ」
「世界一を決める舞台なんだから、そのレベルにない選手が出てくればそりゃ文句は言うよ」
と喚き散らしたが、こちらの試合ではより強く思ったことを告白する。
 
 
イメージ的には2016年7月の和氣慎吾vsジョナサン・グスマン戦とそっくり。
 
前手のリードが足りず、後ろ体重のフットワークで逃げ回るも回避が間に合わずにロープ際でボコされる。
国内、アジア圏ではテクニシャンと言われていたサウスポーが野生味溢れる剛腕系にメタクソにされるパティーン。
 
あの試合同様、いわゆる「値しない」と思ってしまった……。
 

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やっぱり足を止めての打ち合いは必要だよね。大事な試合でよそ行きのファイトをしてどうすんねん

無理矢理“たられば”を言うなら、もう少し足を止めての打ち合いができていれば。
 
5Rや6Rあたりに足を踏ん張って右を出す→ロペスのフルスイングにカウンターを合わせにいくシーンが見られた。
また左右の連打を浴びたロペスが「効いてないよ」と首を振る仕草を見せていたが、実はそれなりに効果があったと想像する。
 
なので、ああいう場面をもっと多く作れれば。
ダメージの少ない序盤1、2Rであれをやれていればペースを崩すことができた? かも?
 
田中恒成vsクリスチャン・バカセグア。1Rで「田中が勝ちそう」ってなった。でもバカセグアの粘りもよかった。田中vsフェルナンド・マルティネスは実現してほしい
 
ロペスは多少の被弾はお構いなしにグイグイくるタイプだが、阿部が勝機を見出すにはまずはあの前進を止めなければならない。
 
そして、それをやるには相応の覚悟が必要になる。
「基本はアウトボクシングでも勝負するときは勝負をする」というか。
場面によって打ち合う、結果倒されても仕方ないという腹の括り方が足りなかったのかもしれない。
 
まともに打ち合えばあっさり終わる危険があるのはその通りなのだと思う。
ただ、やらなければ勝ち目がない上にここ最近の阿部麗也はそうやって勝ってきている。
 
 
なのに大一番でよそ行きのファイトをしてどうすんねんと。
そこに失望したと申し上げている。
 
ロペスの強さに面食らった、やりたくてもできなかった。
射程の長さやタイミングに対応する前に右目が腫れたというのは承知しつつ。
 
とにかく残念な試合だった。
 
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