アイスホッケー新リーグ「IJリーグ」(アイスホッケー日本リーグ)発表。北海道ワイルズがアジアリーグ参入辞退、東京を拠点に。いや、何やってんのよ笑

アイスホッケー新リーグ「IJリーグ」(アイスホッケー日本リーグ)発表。北海道ワイルズがアジアリーグ参入辞退、東京を拠点に。いや、何やってんのよ笑

2024年2月29日にアイスホッケーの新リーグ「IJリーグ」(アイスホッケー日本リーグ)の立ち上げが正式発表された。


現在、アイスホッケーのトップリーグは国内5チームと韓国の1チームによる「アジアリーグ」が存在するが、それとは別の新リーグを2025年をめどに立ち上げるとのこと。
 
下記によると、新リーグはアジアリーグを脱退した「ひがし北海道クレインズ」の元選手などが所属する「北海道ワイルズ」を中心に国内外あわせて4チームで始動する。


また日程はアジアリーグがオフとなる春から夏にかけての開催を予定しており、2024年はプレシーズンとしてエキシビジョンを行うことになる。
 

北海道ワイルズが新リーグを立ち上げる? 拠点を東京に移す? 何が起きているのか理解が追いつかない

2023年5月に発足した北海道ワイルズ。
 
2022年後半から続く給料の未払いや球団からの虚偽の説明等を理由に選手やスタッフがひがし北海道クレインズを脱退、アジアリーグ参戦を目指して新たに北海道ワイルズを立ち上げる。
 
ところが2023-24シーズンのリーグ加盟は認められず。
さらに同年12月にワイルズはリーグ加盟を辞退、拠点を東京に移すことが発表された。
 
 
ひがし北海道クレインズのゴタゴタ、北海道ワイルズが今シーズンのアジアリーグ加盟が認められなかったことは僕も見聞きしていたのだが、細かい部分まではわかっていない。
 
来シーズンは北海道ワイルズの参戦が決まって再び6チーム制に戻るのだろうと思っていたら……。
 
は?
加盟を辞退?
東京に拠点を移す?
しかも新リーグを立ち上げる?
 
正直、この展開はまったく予想していなかった。
 
いや、なーにをやっとんねん。
国内に5チームしかないトップチームが分裂してどうすんねん。
 
それ以前にいったい何が起きとるんじゃ。
 
 
東京住まいの僕にとって関東にチームが増えるのは大歓迎だが、いきさつがあまりに意味不明。
 
以前「ひがし北海道クレインズ離脱→北海道ワイルズ発足」の流れが2004年のプロ野球再編問題とそっくりだと申し上げたが、今回はそれをさらに上回る。
2001年のバスケ2リーグ問題、bjリーグとNBLの分裂を思い出した方も多いのではないか。
 
クソニワカの僕にはマジで理解が追いつかない。
 

法人化されていないアジアリーグ。オーナーの声が大きくなりやすい合議制。それぞれの主張が少しずつ食い違った印象

というわけで、アイスホッケーメディア「ICE PRESS JAPAN」の取材記事を読んでみた。
 
連載「岐路に立つ21年目のアジアリーグ」(1-前)
連載「岐路に立つ21年目のアジアリーグ」(1-後)
連載「岐路に立つ21年目のアジアリーグ」(2)
連載「岐路に立つ21年目のアジアリーグ」(3)チェアマンは解任されるべきか?
連載「岐路に立つ21年目のアジアリーグ」(4)そしてチームの歴史はまた1つ途絶えた
 
 
うっすらとだが、今回の流れが把握できた気がする。
 
アジアリーグは発足から20年以上経っても法人化されていない。
また合議制を採用しているため意思決定の際に各チームの利害関係が表面化しやすい。
 
現チェアマンの武田芳明氏はこれまでのお飾りチェアマンとは違い、自ら動くタイプ。今後数年で大手スポンサーの獲得、法人化を目指す方針を打ち出しているとのこと。
 
 
また北海道ワイルズがアジアリーグ参戦を断念せざるを得なかったのはリーグからの指示が二転三転したこと、他チームの関係者から辛辣な言葉をかけられたことが大きな要因。
 
この辺は合議制のデメリットが出たと言えそうである。
 
 
リーグが法人化されていないことや牧歌的な意思決定のやり方、その他。
運営の危なっかしさを理由に企業がスポンサードに二の足を踏むパターンは多い。
 
 
ほほう、なるほど。
これはもはや誰の責任か? といった単純な話ではなさそう。
 
それぞれに考えやメンツがあり、双方の主張が少しずつズレた結果というか。
段階を踏んで徐々にこじれていった印象である。
 
一番アカンのは大事な局面でバックれたひがし北海道クレインズの社長なのは大前提として。
 

現チェアマンの前向きさは何となく伝わってきた。確かにアジアリーグはいい感じだったんですよ笑

アジアリーグの現チェアマンが珍しく“自ら動く”“問題点を洗い出して解決に勤める”タイプというのは何となくわかる。
 
以前にもちょろっと申し上げたが、近年のアジアリーグは「お? いいっすね」と思うことが多かった。
 
横浜GRITSvs北海道ワイルズ交流戦を現地観戦した。クレインズのゴタゴタは見聞きしてたけど。もはや既存のお客を繋ぎ止める努力をする段階?
 
ただ、僕が観始めた頃はなかなかの惨状だったことも事実。
 
公式HPの放置具合は特に酷い。
リーグを脱退したチームの名前がずーっと残っていたり、チケットのページがリンク切れになっていたり。
試合結果は可読性ゼロのPDFをアップロードしてはい、おしまい。
 
SNSもまともに機能しておらず対外的なアピールはほぼ皆無だった。
 
 
だが最近は試合結果やスケジュール等が整理されてSNSも活発。
 
何よりよかったのが、ホームチームに丸投げだった試合中継を一元化、月額制の「アジアリーグアイスホッケーTV」を立ち上げたこと。
記事によると、コロナの助成金が続いているうちにチェアマンの判断で前倒しスタートしたとのこと。
 
いきなりすべては無理でもやれるところから手をつけていく感じはめちゃくちゃ伝わってきた。
 
 
また、こういうキャッチフレーズも恐らく今までのアジアリーグにはなかったもの。
一番間違えてはダメなところを間違えるポンコツっぷりも憎めない笑


コロナの影響、クレインズ→ワイルズのゴタゴタで停滞気味ではあるが、少なくとも現状を打破しようという前向きさは感じられる。
年1、2回現地観戦するだけのフワッと勢な僕でも「おお!!」と思うことが多かった。
 

北海道ワイルズは釧路でどう思われてるの? 「クレインズ」の名前があってこそっていうのはあったかも

そして、北海道ワイルズが釧路でどう思われているかにも非常に興味がある。
 
2019年に日本製紙クレインズ(ひがし北海道クレインズの前身)の廃部が発表された際、チーム存続を求める署名は10万件を超えたとのこと。
 
一方、今回のクレインズのゴタゴタを受けて日本アイスホッケー連盟に提出された嘆願書はわずか680件。
 
展開が急すぎる、内部の事情がよくわからない等の理由はあると思うが、2019年の廃部問題ほど支持を得られていない(ピンときていない)印象である。
 
 
上記の記事内で栃木日光アイスバックスのセルジオ越後代表の

「スポーツのクラブというのは、地元地域の人たちが話題にし、一緒に応援し、そして地域の人たちを束ねてくれる存在」

「簡単には作れない大事なコミュニティーができる。だからこそそれを自覚して運営すべき」

という言葉が紹介されているが、一連の流れを見るとワイルズにはこの部分が不足している気がする。
 
置いてきぼりにされたファンがポカーンとしているというか。
 
ある日突然
「選手が全員クレインズを脱退しまーす」
「新しいチームを作りまーす」
「(1990年代から使用してきた)チーム名も変えまーす」
と宣言されても「は?」となるだけ。
 
そんなポッと出のチームを“オラが町の!!”と愛するのは難しい。
 
スポンサー獲得が思ったように進まなかったのも「クレインズ」の名前が消えたのが大きかったのかもしれない。
 
親の代からの付き合いだったり、地元の名士だったり。
人間同士の関係なら浪花節的なノリは絶対にあるはずなので。
 
 
もちろん一番の原因はクレインズの代表の不誠実さだとは思うが。
記事によるとスポンサーへの説明不足やボランティアの冷遇等、なかなかのアレだったらしい。
 
そこに新型コロナウイルスが重なり、いよいよ立ちいかなくなったのだと想像する。
 
 
あとはまあ、選手(兼任コーチ)の酒気帯び運転がとどめを指したのもあるかもしれませんね。


これに関しては無関係の僕でも「は? 何やってんの?」となったし、チームが公表していなかったのもタチが悪い。
スポンサーへの影響を考えたのだとは思うが、クソすぎてお話にならない。
 

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出直すなら東京の方が可能性はあるのだと思う。交通費が浮くのは大きいよね

現実問題、チーム存続を考えるなら東京で出直す方が可能性はあるのだと思う。
釧路への愛着や選手個人の感情を抜きにすれば首都圏は有利な面が多い(気がする)。
 
デュアルキャリアやスポンサー集めはもちろん、何より交通費が浮くのが大きい。
 
これまでは横浜グリッツ(新横浜)や東北フリーブレイズ(八戸)、HLアニャン(韓国・安養)とそのつど海を渡る必要があった。
中でも韓国に行くにはいったん羽田空港に出なければならず、往復だけで1人15万円以上かかる(実際は不明)。
 
それに対して新リーグ「IJリーグ」は関東、関西、中部での活動を想定しているとのこと。
中国チームも参加予定とあるので中国への遠征もあるのかもしれないが、その場合でも東京が拠点なら釧路←→羽田or釧路←→新千歳の移動を省ける。
 
アジアリーグに匹敵する集客が見込めるのか、参加チームのレベルがどうなのか等、不透明な部分は多いが、少なくとも釧路に留まるよりはフットワークが軽くなるのではないか。
 
 
「IJリーグ」(アイスホッケー日本リーグ)という名称も対外的なものを意識していることがわかる。
“日本”を入れることで国内リーグ感を出してアジアリーグとの差別化を図りつつ、JリーグやBリーグと同系統の雰囲気を出そうという打算が見え隠れする笑
 
アイスバックスvsレッドイーグルス北海道、全日本選手権現地観戦。こんな劇的な幕切れは初めてでした。横浜グリッツは不祥事のワイルズには負けちゃダメだった
 

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横浜グリッツの新リーグ参入は必須。そのためにアジアリーグと開催時期をずらしたんだろうし

そして何より横浜グリッツの参入は必須である。
 
アジアリーグに匹敵する競技レベルをアピールするならワイルズ以外のトップチームの存在は不可欠だし、アジアリーグと開催時期をずらしたのも恐らくそのため。
 
また交流戦等、横浜グリッツは北海道ワイルズにもっとも協力的だったのも大きい。ワイルズがグリッツと同様のデュアルキャリアを掲げているのもなるほどと思う。
 
 
下記を見ると、今シーズンのワイルズは横浜グリッツとの交流戦を含む計27試合を消化している(残り2試合)。
 
「─試合情報・結果─」
 
新リーグに参戦する4チームは横浜グリッツのほかに「北京市アイスホッケー代表」「サンエスオルクス(名古屋)」あたりが候補なのかな? と。
 
 
最初に申し上げた通り東京にアイスホッケーのトップチームができるのは僕としては大歓迎。
あとはアジアリーグと本格的に対立して分裂するような事態にならなければと思う。
 
せっかく代表チームがいい感じなのに、ここで弱体化したらマジでシャレにならんので。

 

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