前のめり過ぎる拳四朗。粘りと誤魔化しのカニサレス。長谷川穂積っぽさがさらに増した気が…。京口戦が一番バランスがよかった【結果・感想】

前のめり過ぎる拳四朗。粘りと誤魔化しのカニサレス。長谷川穂積っぽさがさらに増した気が…。京口戦が一番バランスがよかった【結果・感想】

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2024年1月23日に大阪・エディオンアリーナ大阪で開催された「Prime Video Presents Live Boxing 6」。
メインイベントではWBC/WBA世界L・フライ級統一王者寺地拳四朗とWBA1位カルロス・カニサレスが対戦し、2-0(113-113、114-112、114-112)の判定で寺地が勝利。王座防衛を果たしている。
 
与那覇勇気 vs 辰吉寿以輝、アルテム・ダラキアン vs. ユーリ阿久井政悟、20時頃から那須川天心 vs. ルイス・ロブレス、寺地拳四朗 vs. カルロス・カニサレス
 
拳四朗にとってWBC4度目、WBA3度目の防衛戦となった今回。
挑戦者のカルロス・カニサレスは対日本人の戦績2勝1分の強豪。田口良一や木村翔といった世界王者経験者相手に互角以上のパフォーマンスを見せた選手である。
 
僕も今の拳四朗に勝つとすればカニサレスかな? と思っていて、アップセットに期待しつつ視聴をスタートした次第である。


 
那須川天心vsルイス・ロブレス。腰を落として被弾を嫌がらずに圧力をかける。過去2戦との違い。練習でやったことをそのまま出せる天心の器用さ
 

拳四朗に勝てるならカニサレス。お互い打ち合うスタイルだから中盤くらいで決着がつく?

まず適当に考えた展望は下記。
 
拳四朗vsカニサレス、那須川天心vsロブレス、ユーリ阿久井vsダラキアン。カニサレスのアップセット、ロブレスのぶん回し、ユーリ阿久井の右に期待
 
・今の拳四朗に勝てるとすればカニサレス
・矢吹やオラスクアガのように喧嘩ができるタイプ
・しかもカニサレスはパンチがシャープで連打も利く
・中盤まで体力が残っていればカニサレスにもチャンスがある?
・勝敗予想は拳四朗の6RKOだけど
 
ここ数戦、拳四朗は前重心で打ち合う傾向が強くその分被弾も増えた。
前回のヘッキー・ブドラーは1発の威力、怖さが足りなかったが、カニサレスはひと味違う。
矢吹正道やアンソニー・オラスクアガ同様“自分から喧嘩ができる”タイプ。今の拳四朗相手に勝機を見出せるとすればこの選手かもしれない。
 
たとえば拳四朗のペースが落ちる中盤5、6Rあたりまでスタミナを残していれば、もしかしたら……。
 
 
まあでも、最後は拳四朗が勝ちそうだけど。
これまで通り得意の右1発で決まるような……。
 
どちらにしろお互いに打ち合うスタイルなので中盤くらいに決着がつくのではないか。
カニサレスのがんばりに期待しつつ拳四朗の6RKOを予想しておく。
 
だいたいこんな感じである。
 
すげえおもしろかった与那覇勇気vs辰吉寿以輝、モヤッとした&身体に悪そうだった栗原慶太vsサルダール。気になっていた試合の感想
 

カニサレスの粘りに驚いた。何度効かされてもラウンド終盤に盛り返す

結果としては、カニサレスのがんばりと拳四朗の危なっかしさがどちらも予想を超えていた笑
 
2Rに豪快にダウンを食ったカニサレスの盛り返し、1Rからずーっと攻撃偏重の拳四朗。
双方に対して「おいおい、これは聞いてねえぞ」と思いながら眺めていたことをお伝えする笑
 
 
特にカニサレスの粘り、しぶとさにはめちゃくちゃ驚かされた。
 
2Rのダウン直後は足がガクガクだったが3、4Rあたりでしっかり戻してくる。
それ以降もボディを効かされて動きが止まる、顔面を揺らされて怯む等、何度ピンチを迎えてもそのたびに驚異的な粘りを見せる。
 
しかもラウンド終盤のラッシュで逆に拳四朗を追い詰めるという。
それこそ「拳四朗、抵抗しないと止められるぞ」と思わせるシーンすらも。
 
結局最後まで失速することはなく。
タフさはもちろん、誤魔化し方を含めてマジですごかった。
 
井上拓真vsジェルウィン・アンカハス。いや~、すまん拓真。ナイスファイト。接近戦はオドレエタ。アンカハスは数年前に比べて足が動かなかったな
 

矢吹との再戦をきっかけに攻撃型に。京口紘人戦では度肝を抜かれた

対する拳四朗だが、申し上げたようにこちらはちょっと(だいぶ)危なっかしい。
 
矢吹正道Vol.2をきっかけに攻撃型に覚醒したわけだが、それが過ぎるというか。
特に前回、今回とマズい方向に拍車がかかっている(気がする)。
 
もともとこの選手はジャブとフットワークを駆使したアウトボクサーで、絶えずアングルを変えながら射程の外側から削るファイトを得意としていた。
 
ところが2021年9月の矢吹正道Vol.1では生命線でもある左リードにカウンターを合わせられた。
矢吹はL・フライ級では破格のリーチの持ち主+身体を目いっぱい伸ばして打ち込んでくる。このカウンターにガードが低く単発気味? の拳四朗のジャブがドンピシャリで合ってしまった。
 
それを受けて再戦ではハイガード+自ら距離を詰めることで矢吹のカウンターを封じてみせた。
このファイトに面食らった矢吹はまったく立て直せずに3Rで撃沈。多くのファンが度肝を抜かれたと想像する。
 
拳四朗の接近戦で矢吹正道陥落。そりゃ序盤から倒しにくるよ。ガードを上げた拳四朗を初めて観た。不必要な再戦を強いられた矢吹の不憫さ
 
で、2022年11月の京口紘人戦では出入りとインファイトを織り交ぜて京口を圧倒、7RTKOで王座統一を果たす。
 
マジな話、あの日の拳四朗はシャレにならない強さだった。
L・フライ級歴代最強(全員を知ってるわけじゃないけど)と言っても過言ではないほどのパフォーマンスである。
 
寺地拳四朗vs京口紘人ほか振り返り。拳四朗のあまりの強さに目が覚めた。皮肉でも批判でもなく拳四朗は事件を起こしてから一気に人生が開けたよな
 

ここ数戦でどんどん前のめりに。ブドラーは血まみれで打ち合う相手じゃないでしょ

ところがその試合から少し様子がおかしくなる。
アンソニー・オラスクアガとの激闘を制したまではよかったが、前回のヘッキー・ブドラー戦は……。
 
そこまでやる必要ある? というくらいの前のめりっぷり。
 
足をガバっと広げて腰を落とし、見るからに踏ん張ってパンチを打ち込む。
その分左右への動きが目減りし相手の正面に立つシーンが目立つ。
 
過剰な打ち合いのせいで被弾も増え、ブドラーの粘りもあって後半までもつれる。
 
下記の通り「前のめり過ぎて足も動かない」「試合はおもしろいけどよくない兆候」と感じたのがこの試合である。
 
寺地拳四朗vsヘッキー・ブドラー。拳四朗がちょっとおかしい? 前のめり過ぎて足も動いてない。試合はおもしろいけどアカン兆候が出てる?
 
てか、ヘッキー・ブドラーは血まみれになって打ち合うような相手じゃないですからね。
 

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足を踏ん張って攻めまくるせいで回避が間に合わない。こんな命を削る試合ばかりでいいとは思えないけど…

そして迎えたカルロス・カニサレス戦。
 
最初に申し上げたようにこの選手は“自分から喧嘩ができる”タイプで馬力も思い切りのよさもブドラーより上。1発の精度や連打は矢吹やオラスクアガを上回る。
 
寺地拳四朗vsアンソニー・オラスクアガ。MVPはオラスクアガで決まり!! 驚異の粘りで拳四朗の心を折りかける。フライ級なら京口よりも強いかもしれんな
 
そのカニサレス相手に拳四朗は足を踏ん張ってゴンゴン手を出していくため回避が間に合わない。
「近場でジャブを出す→カニサレスがカウンターを合わせる→前傾姿勢過ぎて回避が間に合わずに被弾」の繰り返し。
 
以前は矢吹以外に誰も届かなかったカウンターが余裕で当たる。
しかも初弾のジャブを封じられると手が止まる&上体を大きく倒す動作のせいで次のアクションに遅れが生じる。
 
中間距離で打ち負ける→ロープ際で防戦一方になるシーンが再三見られたが、機動力を放棄した負の要素がモロに出た印象である。
 
 
ラスト2Rのアウトボクシングでどうにか逃げ切ったものの、はっきり言って内容はよろしくない。
エキサイティングな試合も結構だが、こんな命を削るようなファイトを量産することが正しいとは思えないのだが。


今となっては2022年11月の京口紘人戦が一番バランスがよかったかもしれませんね。
 

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ユーリ阿久井政悟がダラキアンを圧倒して初戴冠。準備、勝負どころの見極めに驚いた。こういうのを“チームの勝利”って呼ぶんじゃないの?
 

減量もそろそろキツいのかも? 頬のコケ方がバンタム級ラスト2試合の井上尚弥と被る

ついでに言うと、そろそろ減量が限界な気もする。
 
前回、今回とやたらと色白(関係ある?)で頬もコケていた。
この辺はバンタム級ラスト2試合の井上尚弥と少し被る。
 
井上尚弥vsノニト・ドネア in さいたまスーパーアリーナイベントをPrime Videoで視聴。井上の頰がゲッソリだったな。バンタムに留まれる時間も残り少ないのかも?
 
あれだけ被弾するのは前のめり過ぎるメンタルに加えて思ったように足が動かないのもあるのかもしれない。
11、12Rのアウトボクシングもちょっと足取りが怪しかったしね。
 
 
 
ちなみに拳四朗の次戦は6月を予定しているとか(どこかで見かけた)。
 
いや、微妙っすね~。
今回の激闘っぷりを考えると長めに休んだ方がいいと思うが、時間が経てば経つほど減量はキツくなる。
統一戦が実現するなら6月にGo、そうでない場合は階級アップ+6月はパスがベストかな? と思ったり。
 
 
ま、がんばって。
 
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