寺地拳四朗vsアンソニー・オラスクアガ。MVPはオラスクアガで決まり!! 驚異の粘りで拳四朗の心を折りかける。フライ級なら京口よりも強いかもしれんな【結果・感想】

寺地拳四朗vsアンソニー・オラスクアガ。MVPはオラスクアガで決まり!! 驚異の粘りで拳四朗の心を折りかける。フライ級なら京口よりも強いかもしれんな【結果・感想】

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2023年4月8日に東京・有明アリーナで行われたWBC/WBA世界L・フライ級タイトルマッチ。同級統一王者寺地拳四朗がWBAランキング4位のアンソニー・オラスクアガと対戦、9R58秒TKOで勝利した試合である。
 
 
キックボクシングから転向した那須川天心のデビュー戦目的で会場に足を運んだのは下記の通り。
 
那須川天心vs与那覇勇気現地観戦。天心すごかった。Amazonの中継は絶対に必要だよね。試合順は「打順」なんだよ
 
日本バンタム級2位の与那覇勇気に何もさせずに快勝した天心に驚かされたわけだが……。
 
 
メインの拳四朗vsオラスクアガ戦もまたすごかった。
WBO王者ジョナサン・ゴンサレスが離脱→本番10日前に急遽抜擢されたオラスクアガだが、正直ゴンサレスよりも強いのでは? と思うほど。何度追い詰められてもケロッと復活してくる姿は不気味ですらあった。
 
 
つーわけで今回はこの試合の感想を。
イベント自体に言いたいこともあるのだが、それはまた今度ということで。
 
前のめり過ぎる拳四朗。粘りと誤魔化しのカニサレス。長谷川穂積っぽさがさらに増した気が…。京口戦が一番バランスがよかった
 

オラスクアガはいい選手だけど、拳四朗には及ばないんじゃない? 前回のインパクトがあまりにすごくて…

まず試合の全編は下記↓

 
そして試合前に考えた僕の展望がコレである↓
寺地拳四朗vsアンソニー・オラスクアガ。あれ? これはvsジョナサン・ゴンサレスよりもおもしろいんじゃ…。興味が薄かった試合が楽しみになった笑
 
・オラスクアガはなかなかよさそう
・前に出る馬力と連打がハイレベルでリーチも長い
・元王者のエルウィン・ソトよりも強いのでは?
・だが、モンスター化した拳四朗には及ばない(と思う)
・出入りと打ち合いについていけず亀になる流れが濃厚か
・打ち終わりのカウンターが機能すればオラスクアガにも勝機が?
・拳四朗の想定以上にパンチが伸びれば
・矢吹正道が初戦で見せた戦略を踏襲できれば
・また、急遽相手が変わったことで拳四朗が調子を崩せば
・勝敗予想は拳四朗の10RKO
・でも、vsジョナサン・ゴンサレスよりは可能性を感じる
 
 
代役のアンソニー・オラスクアガはかなりよさげ。
パッと見、元王者のエルウィン・ソトよりも強く思える。
やりにくさはジョナサン・ゴンサレスだが、単純な強さ、怖さではオラスクアガの方が上。
 
と言いつつ、矢吹正道との2連戦を経てモンスター化した拳四朗に勝てるか? と聞かれれば正直難しい。
拳四朗の出入り、連打のスピードについていけずにガード一辺倒にさせられるのではないか。
 
いい選手だとは思うが、全体的に粗削りな印象。前回の京口紘人よりもうまく立ち回れるとは思えない。
 
佐々木尽vs小原佳太→100点満点、阿部麗也vsキコマル→微妙、井上拓真vsリボリオ・ソリス→ダントツ最下位。天心、オラスクアガ、佐々木尽がこの日の功労者
 
オラスクアガが勝機を見出すなら打ち終わりのカウンターが機能した場合。矢吹正道がやったように拳四朗の回避よりも先にカウンターが届けば、もしかしたら。
 
勝敗予想は拳四朗の10RKOだが、オラスクアガのタフネスや当日のコンディションなど未知数な部分に左右されそう。
でも、少なくともvsジョナサン・ゴンサレスよりはよっぽど可能性があるんじゃない?
 
相手が変わったことで俄然興味がわいたものの、拳四朗の絶対優位は動かないというのが大まかな展望である。
 
 
てか、オラスクアガの勝利を予想している人が割と多くてちょっと意外だったんですよね。
いい選手なのは間違いないと思うが、今の拳四朗を何とかできるほどか? と。
 
前回の試合があまりに凄まじかったせいでバイアスがかかっているのかもしれないが。
拳四朗のあの強さが脳みそにこびりついて離れない……笑
 
寺地拳四朗vs京口紘人戦再視聴。京口が思った以上にがんばってた。でも、改めて拳四朗の強さがドン引きするレベル。「そこからまだ上があるのかよ」って思ったよね笑
 

矢吹正道と同じカウンターで対抗するオラスクアガ。粘り、力強さには驚いた。フライ級なら京口よりも強いかも?

結論としては、モンスター化した拳四朗はやっぱりすごかった
 
オラスクアガもめちゃくちゃがんばったしあの粘りは驚異的。
たとえば主戦場のフライ級で(階級アップを予定している)京口紘人と対戦したとして、京口が勝てるかどうか。
 
特にピンチに陥った際のタフネスや気持ちの強さは過去の試合ではわからなかった部分。多くの方がおっしゃるようにいずれ世界タイトルに絡むポテンシャルはありそう。
 
 
オラスクアガの前に出る馬力、リーチの長さ、連打のスムーズさはだいたい想像に近い。
 
サイドに回りながらジャブを出す拳四朗に対し、同時打ちのタイミングでカウンターを返す。
リーチの長さ、サイズのおかげで拳四朗のジャブは京口戦よりも当たりが浅く、逆にオラスクアガのカウンターはそのつど拳四朗の顔面をかすめる。
 
想定より伸びるパンチで拳四朗に得意な距離を作らせない。
それどころか自ら手を出すのは危険だと思わせ、強制的に遠間からの手数を封じる。
ここまでは完全に矢吹正道Vol.1と同じ流れである。
 
しかも矢吹と違ってオラスクアガは自ら打ち合いを挑むことも可能。
基本は“待ち”中心のカウンター使いの矢吹に対し、オラスクアガは自分から試合を動かす幅の広さを持ち合わせる。階級上の選手だけあり、瞬間的な爆発力も矢吹以上だったのではないか。
 
拳四朗vsカニサレス、那須川天心vsロブレス、ユーリ阿久井vsダラキアン。カニサレスのアップセット、ロブレスのぶん回し、ユーリ阿久井の右に期待
 

拳四朗の別格っぷり。各局面でオラスクアガを圧倒する。矢吹戦前の拳四朗なら危なかったかもしれん

だが、やはり随所で拳四朗の別格っぷりが……。
 
申し上げたようにオラスクアガは打ち終わりのカウンターに加えて打ち合いでの力強さも兼ね備える。やっかいさでは矢吹正道を凌駕していた(と思う)。
 
そして、当の拳四朗は各局面でそれを上回ってしまう。
 
アウトボクシングだけでは危ないとわかれば自ら距離を詰めて打ち合いに応じ、オラスクアガの強烈な右を大きなスウェイで威力を殺す。
 
で、根本的なスピードの違いを活かした連打、遠間からのボディを駆使して徐々にガード一辺倒に追い込んでいく。
オラスクアガにロープを背負わせつつ、深追いせずにHP残量を確認しながら確実にポイントを奪取する。
 
立ち上がりはやや拮抗したものの、中盤に差し掛かるとペースは完全に拳四朗。両者の根本的な力量差が如実に表れていた。
 
 
正直、今回の相手は矢吹戦前の拳四朗だったら相当危なかったと思う。
 
だが、何度も連呼しているように今の拳四朗は覚醒を経てモンスター化している。
オラスクアガは文句なしの強者だが、残念ながら相手が悪すぎた。
 
拳四朗の接近戦で矢吹正道陥落。そりゃ序盤から倒しにくるよ。ガードを上げた拳四朗を初めて観た。不必要な再戦を強いられた矢吹の不憫さ
 
これはどこかで拳四朗がKOするだろうなと思いながら観ていた次第である。
 

オラスクアガの予想外の粘り。ピンチを迎えてもラウンド開始時にはケロッとして向かってくる。この日のMVPで間違いないでしょ

ところが……。
ここからオラスクアガが予想外の粘りを発揮する。
 
上述の通り中盤からは拳四朗のスピード、連打、出入りに置いてきぼりにされるオラスクアガ。
そのつどロープを背負って亀になるのだが、そこで折れない、倒れない。
 
新しいラウンドが始まるたびにそれまでの苦戦がなかったかのようにピンピンして前に出る。
で、打ち合いの中で拳四朗の回避を超える長い右をヒット。思わず拳四朗が距離を取るシーンに会場からもどよめきが起きる。
 
ボディを効かされ、顔面に連打を浴び、ガードを上げて耐えるだけの状態……なのにラウンド開始のゴングが鳴れば元気いっぱいでプレッシャーをかけてくる。
 
階級差なのか、単純なタフネスなのか、その両方なのかは不明だが、とにかくすごい。
試合後に拳四朗が「心が折れそうになった」とコメントしていたが、何度追い詰めてもラウンドが始まるとケロッとして向かってくるのは確かにしんどい笑
 
さすがに負けることはないと思ったが、最後までピリピリが続いたことも事実。セミファイナルの弛緩しきった空気とは真逆の緊張感である。
 
 
もうアレだ。
今回のMVPはオラスクアガで決まりですよ。
 
試合のインパクトは佐々木尽vs小原佳太戦、話題性は那須川天心vs与那覇勇気戦だが、興行そのものを救ったという意味ではこの選手がNo.1。
 
もちろん拳四朗もがんばったが、それもこれもオラスクアガあってのこと。
 
だってそうでしょ。
当初の予定通り相手がジョナサン・ゴンサレスだった場合は……。
井上拓真vsリボリオ・ソリス戦からの拳四朗vsゴンサレス戦など、はっきり言って絶望しか見当たらない笑
 
Amazonの中継をギリギリでつなぎとめた(かもしれない)ことを含めて正真正銘のナイスファイトだった笑
 


 

改めて拳四朗は「デカくて動ける人」。“アウトボクサー寄りの万能型”だけど、フライ級でどうなるかには興味がある

てか、改めて思ったけど拳四朗はやっぱり「デカくて動ける人」ですよね。
 
L・フライ級の中では破格の高身長(那須川天心よりもデカい)と出入りのスピード、運動量で相手を置いてきぼりにするスタイル。
 
同じくサイズとリーチを兼ね備える矢吹正道やオラスクアガのカウンター作戦には手間取ったものの、勝負どころのインファイトという選択肢を得たことで手が付けられないモンスターに進化した。
 
ヘビー級のタイソン・フューリー同様、“アウトボクサー寄りの万能型”というヤツ。
 
ワイルダーが稲妻のような右でヘレニウスを1RKO。やっぱりワイルダーは動けてナンボの規格外マンだった。それだけにフューリーの人外っぷりが際立つ
 
逆にこの選手がフライ級に上げた場合にどうなるかには非常に興味がある。
 
今回のオラスクアガのように自分と同サイズの相手もポツポツ出てくるだろうし、どこかの段階で「デカくて動ける」が通用しなくなる可能性も?
 
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