日本vsオランダ感想。強豪相手に“普通にやれてる”時点で日本は強い。4年前とは別チームレベルでの進化。高度にシステム化された近代サッカーを肌で感じたよ【サッカーW杯2026 1次リーグF組初戦】
サッカーW杯2026、北中米3カ国大会に出場中の日本代表が6月14日(日本時間15日)に米・テキサス州でオランダと対戦(1次リーグF組初戦)、2-2で引き分けている。
<速報>日本、試合終了間際のゴールで追いつき2-2で試合終了 W杯オランダ戦https://t.co/CzTzqdexwK
サッカーのW杯北中米3カ国大会で、日本代表は6月14日午後3時から、ダラスで、オランダとの1次リーグF組の初戦に臨んだ。日本は、オランダと2―2で引き分け。強豪国相手に貴重な勝ち点1を手にした
— 産経ニュース (@Sankei_news) June 14, 2026
現地時間6月11日に開幕したサッカーW杯。
僕は普段サッカーを観ないが4年に1度のW杯だけ追いかける(日本戦に限る)クソニワカである。
その流れで今回も初戦を視聴したわけだが、困ったことに今の段階でも状況が掴めていない。
アメリカ・カナダ・メキシコの3カ国共同開催というのも知らなかったし、日本の2戦目がチュニジアであることもさっき知った。
そもそも開幕日すら把握しておらず、マジで気がついたら始まっていた。
東京ヴェルディvsジェフユナイテッド市原・千葉戦現地観戦。地味ぃ~な試合でしたね。ジェフのサイド攻撃をヴェルディの堅守が封じる。味スタのバックスタンドが逆光過ぎてw
開始早々に「日本強くね?」ってオモタ。強豪相手に“普通にやれている”時点で…
まず開始早々に思ったのが、
「あれ? 日本強くね?」
2022年のカタール大会ではひたすら守備を固めてカウンター狙いに徹した印象だが、今回のオランダ戦は“普通にやれている”。
中盤でのパス回し、サイドを走らせてのロングパス、ディフェンスの裏に出る一瞬のスピード、などなど。
ゴール前をガッチガチに固めていた前回のスペイン戦、ドイツ戦とは大違い。
しっかりとボールをキープ、パスを回して勝負できている。
スタッツを見てもそれが顕著で、今回のオランダ戦のボールポゼッションは40%とのこと。
カタール大会でのスペイン戦が17.7%、ドイツ戦が24.0%なので、今大会の日本がいかに“普通にやれている”かがわかる。
近年の日本は過去に例を見ないほど強い、凄まじい進化を遂げているという話はちょいちょい耳にしていたが、開始数分で「こりゃ強いわ」となった次第である。
日本がスペインに逆転勝利。三苫薫のすごさと能力の高さを見せた久保建英。でもスペインのゆったりなパスサッカーは案外やりやすかったかも?
ちなみにガツガツプレッシャーをかけてくるスペインやドイツに対してオランダはある程度引いて“面”で守るスタイルなので、相対的にスペースを確保しやすいのもあるらしい。
貢献度が高いと思ったのが佐野海舟、鎌田大地、伊藤洋輝の3人
しかもすごいのが、今の日本は深い位置でパスをつなぐ選択肢もある(らしい)こと。
真ん中から自陣寄りでのパスが増えれば、わずかなミスであっという間にピンチになる。
その反面、あえて引くことで相手を前に出させる→両サイドを走らせてロングパスでチャンスメイクという流れが作りやすくなる。
要するにどんな状況でもパス回しができる、縦につなげる技術力が、自陣でボールを奪われるリスクを上回っているのだろうと。
この日は右サイドから堂安律と久保建英、左サイドから中村敬斗が走り込んでいたが、その起点となっていたのがボランチの鎌田大地。
相手の攻撃を佐野海舟と伊藤洋輝が寸断、鎌田が広い視野とパスの精度を活かして前線にボールを送る。
この3人を中心としたディフェンスがあってこその組み立てだったと思うのだが、どうだろうか。
町田ゼルビアvs鹿島アントラーズ、百年構想リーグ第7節現地観戦。俺たちの黒田剛監督のパワハラ報道があって興味が湧いた試合。平日夜に観客4万人超えはすごいんでない?
当たり負けしない、視野が広い、キープ力、パスの精度も兼ね備える佐野海舟すげー
もちろんひたすら走り続ける前田大然、エースであり黒子にもなれる久保建英、その久保とのレフティーコンビとして機能した堂安律、左サイドから鋭角に切り込む中村敬斗と、クソ素人の僕ですら「すげえなコイツ」と思うメンバーは山ほどいる。
ただ、この試合に関しては佐野海舟のディフェンス、鎌田大地のインテリジェンスが際立っていたのではないか。
佐野海舟ってアレなんですよね。
当たり負けしないフィジカルと足元の技術が両立してるんですよね。
深い位置でボールを持った際に巨漢の相手にぶつかられても体幹がぶれない。ボールをキープする、的確なパスを出す技術と視野の広さを兼ね備えた選手。
近代サッカーでは何でもできるのが大前提、「ゴッツいけど不器用」「何でもできるけどフィジカルは豆腐」みたいなタイプに居場所がないのは何となく理解できたが、それを踏まえた上で佐野海舟の能力は頭抜けているように思えた。
システム化によるポジションレスが進んだ近代サッカー。もはやこの世にトップ下など存在しない
徹底したシステム化によりポジションレスが進んだ近代サッカー。
2010年代までの本田圭佑、香川真司、長友佑都時代のような分業制は消滅し、「全員が何でもできるサイボーグになること」を求められる(らしい)。
「トップ下の選手が優雅にパスを受けてしっかり前を向く→パスコースを探して芸術的なスルーパスを~」みたいなプレーが物理的に不可能なのはこの試合だけでもわかる。
もはや今のサッカーにトップ下なるものは存在しない。
そんな場所に突っ立ってボールをもらいでもしたら、0.5秒後には囲まれて一網打尽にされる。
前線でパスを待つ、攻撃に特化するなどなおさらあり得ない。
鎌田大地がやったようにゲームメイクはあくまで一番後ろ。
パスを受ける側はスペースに走り込むタイミング、コース、スピードすべてが要求され、急激なストップから正確なクロスを上げる技術、バランスも必須。
インテル時代の長友佑都のオーバーラップが注目されていた記憶があるが、そんなものは大前提中の大前提。90分走り回れるスタミナ、当たり負けしないフィジカルを兼ね備えた上で、プラス“何ができるか”が重要になる。
2000年代のレアル・マドリードはジダン、フィーゴ、ロナウド、ベッカムといったスター選手を集めて銀河系軍団を形成したが、近代サッカーではこの布陣は持て余すのではないか。
ロナウド(フェノーメノ)のような攻撃特化型を活かすには、それこそ佐野海舟(ボールを奪える、キープできる、前を向ける)タイプが不可欠な気がする。
FC町田ゼルビアvsFC東京現地観戦。本日も正義を執行!! 俺たちのスター黒田剛はリアリストであり軍曹でもある笑
現代表の王様は遠藤航らしいけど、この選手もボランチだしね。あと、勝つためにはおっさんの力が必要なんだよ
現日本代表の王様をあえて挙げるとすれば(負傷離脱した)遠藤航らしいが、この選手のポジションもやはりボランチである。
長年日本の中盤に君臨した遠藤保仁や、2018年のロシアW杯で大活躍した柴崎岳のような天才、「スピードとフィジカルはちょっと足りないけど、視野の広さとパスのセンスはすごい」タイプは近代サッカー(世界のトップ)ではどう考えても厳しい。
柴崎がスペインでいまいちハネなかったのは、2010年代後半~2020年代前半のシステム化の波に飲まれたのが要因かもしれない。
黒田剛「我々が正義」←これがおもしろすぎて町田ゼルビアvsアビスパ福岡戦を現地観戦。つまらないと評判の町田ゼルビアどうなの?
なお長友佑都が代表に呼ばれたのはモチベーター、メンターとしての役割を期待されてのことだと思うが、近代サッカーが高度にシステム化されているからこそ、というのもあるのではないか。
全員がシステムの歯車、サイボーグ化を期待されるのが現代表。
若いサイボーグ軍団だけにわずかな狂いが全体に影響しかねない。
それを未然に防ぐ、精神的な支えとして長友の存在はむしろ大きくなっている気がする。
いわゆる「勝つ(優勝する)ためにはおっさんの力が必要」というヤツ。
観戦スポーツとしておもしろいかは別問題。前半ははっきり言って退屈だった
以前、中田英寿とフランチェスコ・トッティの対談で
「ファンタジーあるプレーはもう見られない」
「今10番の選手を見つけるのは難しい」
と近代サッカーに対するネガティブなコメントが出ていた。
これは今回の試合でも感じたことで、今のサッカーは
・全員が何でもできることが大前提
・その中でいかに長所で勝負するか
・システムの中でうまく機能するか
という争いになっている(と思う)。
攻撃特化型に居場所はない、サイドのプレイヤーは単なるオーバーラップだけでは通用しない。
中田やトッティの時代に比べれば選手の能力も戦術もはるかにレベルアップしている。
だが、それと観戦スポーツとしておもしろいかは別問題。
今回の試合も前半ははっきり言って退屈だった。
両チームとも引いて“面”で守るスタイル。
後方の選手がゲームメイクを担い、スピードとパワーを兼ね備えたプレイヤーが両サイドから走り込む。
さらに両チーム無得点の状況ではどちらもリスクを冒さない。
その結果、ボールがU字に動く時間が延々と続く。
かつてあったと言われるトップ下の天才が見せる一瞬の閃き、前戦のFWによる爆発など起こりようがない。
ロマンを徹底的に排除した機械的で無機質なサッカーである。
後半は疲労や状況の変化(リードされている日本は勝負しなくてはいけない)によってアクションが増えたものの、前半の膠着が続いた場合はシャレになっていなかった笑
徹底的にPKを対策してきたのはいいね!! 4年前の「PKは運」発言には心底失望したから
なお現代表は、国際親善試合において結果に関係なく試合終了後にPK戦を実施してきたとのこと(対戦相手の合意が得られれば)。
おお!!
これはいいですね。
前回大会の決勝トーナメント1回戦、クロアチアにPKで敗退した際、解説の本田圭佑が「PKなんて運ですからね」とコメントして「はあ?」と思った覚えがある。
PKは運か実力か? それを議論するレベルに至ってないと思うぞ。「PK苦手なんですよねw」って舐め腐ってた結果が「人生最悪な日」なんだよ
決勝トーナメント全16試合のうちPK戦までもつれたのは5試合。
つまり、約1/3の確率でPKが発生する計算になる。
それをロクに対策もせずに立候補制にした無能采配にも腹が立ったし、PKで競り負けた直後に「PKは運」とほざくサッカー関係者には心底失望した。
仮に運だとしてもやれることをやれよ。
思いつく限りの対策をして、「結果運でした」なら納得できる。
何もせずに「運だから(笑)」「仕方ない(笑)」というのは違うでしょ。
現実問題、決勝トーナメント1回戦をPKで負けてるんだから。
と思っていたら、今大会は現場レベルでしっかりと対策していたと。
もしかしたら日本代表の進化はこういう部分も影響しているのかもしれない。
まあ、4年に1度しか代表の試合を観ないニワカなんですけどね笑
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