佐々木尽vs小原佳太→100点満点、阿部麗也vsキコマル→微妙、井上拓真vsリボリオ・ソリス→ダントツ最下位。天心、オラスクアガ、佐々木尽がこの日の功労者【結果・感想】

佐々木尽vs小原佳太→100点満点、阿部麗也vsキコマル→微妙、井上拓真vsリボリオ・ソリス→ダントツ最下位。天心、オラスクアガ、佐々木尽がこの日の功労者【結果・感想】

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2023年4月8日に東京・有明アリーナで行われた「Prime Video Presents Live Boxing 4」。
 
第3試合の那須川天心vs与那覇勇気戦を目当てに現地に足を運んだのは下記でお伝えした通り。
 
那須川天心vs与那覇勇気現地観戦。天心すごかった。Amazonの中継は絶対に必要だよね。試合順は「打順」なんだよ
 
日本バンタム級2位の与那覇勇気を完封したことで「やっぱり天心はすげえな」となった次第である。
 
 
そして今回はそれ以外の試合について。
 
・阿部麗也vsキコ・マルティネス
・佐々木尽vs小原佳太
・井上拓真vsリボリオ・ソリス
の3試合である。
 
全編の視聴は下記から↓

 
イベント全体の感想を含め、思ったことを適当に言っていくことにする。
 

○阿部麗也vsキコ・マルティネス×(判定3-0 ※117-111、119-109、119-109)

まずは第2試合のIBF世界フェザー級挑戦者決定戦、阿部麗也とキコ・マルティネスの12回戦について。
 
日本拳法出身の前田稔輝に勝利してこの試合にコマを進めた阿部麗也と、2014年の長谷川穂積戦以来約9年ぶりの来日となったキコマル。
サウスポーのアウトボクサーvs小柄な連打型という真反対の組み合わせを楽しみにしていたのだが……。
 
感想としては、ちょっと微妙だったなぁと。
 
特にキコマルの動きの悪さが……。
この選手はサウスポーを追いかけるのが得意なイメージで、長谷川穂積をけちょんけちょんにした試合はかなりよかった記憶がある。
 
今回も阿部が距離ばかりを重視すると危ないのではないか、正面に立って打ち合う展開も作った方がいいかも? などと漠然と考えていた。
 
佐々木尽vs小原佳太、阿部麗也vsキコマルは興味深い。拳四朗vsゴンサレス、拓真vsソリスは正直…。那須川天心vs与那覇勇気戦以外の展望
 
だが、思った以上にキコマルのプレスがヌルい。
右回りで正面を外す阿部麗也についていけず、何度もサイドに回られ振り向きざまに連打を浴びる。
長谷川戦ではもっと鋭角に詰めていた覚えがあるが、さすがに9年前と同じとはいかないか。
 
一方の阿部麗也はキコマルの動き出し、攻防のつなぎを狙って連打を浴びせていく。
距離を詰めて連打に巻き込むスタイルのキコマルだが、比較的芯でもらいやすいのも特徴。しかも動き出しや方向転換の際にわずかな間ができるので、阿部にその瞬間を狙われ前進を寸断させられる。
 
 
恐らく阿部麗也陣営も相当研究してこの日を迎えたのだと思うが、中間距離で細かい連打が機能したことが一番の勝因と言えるのではないか。
 


 
まあでも、あそこまで弱らせたら決めてもらいたかったですけどね。
ペースアップしたキコマルにタジタジになるシーンも目についたし、配信一発目の試合としては少々物足りなかった。
 
清水聡vsロベイシ・ラミレス決定! ドコモが井上尚弥を囲ってくれてよかったじゃん。2度とボクシングに関わるなまで言ってたのも見たけど。思い入れはゼロだけど
 

○井上拓真vsリボリオ・ソリス×(判定3-0 ※116-112、117-111、118-110)

お次はセミファイナルで行われたWBA世界バンタム級王座決定戦。井上拓真がリボリオ・ソリスを3-0の判定で下した一戦である。
 
何度か言っているが、この試合は全5試合(アンダーカードも入れれば6試合)の中でダントツの最下位。試合前や試合後の拓真の振る舞い、試合内容を含めていいところがまったく見当たらない。僕の中では100点満点中マイナス500点である。
 
 
展望としては、この試合は基本的に拓真を勝たせるためのマッチメーク。
正直、40歳オーバーのリボリオ・ソリスに拓真が負けるとは考えにくい。その上ガードを上げてにじり寄るスタイルはアウトボクサーの拓真にとってやりやすくもある。
 
逆に言うと絶対に負けられない試合でもあり、ここまでお膳立てしてもらってトチった場合はシャレにならない。ガチで引退も視野に入るレベル。
 
ただ、ソリスは普通にいい選手なのでそこまで簡単とも思えない。
それこそ2022年6月に対戦した古橋岳也よりも一段上の選手。ぼちぼち苦労する可能性もあるのではないか。
 
井上拓真vs古橋岳也、平岡アンディvs赤岩俊、石井渡士也vs福永輝、岩下千紘vs山名生竜。井上vsドネア2アンダーカード振り返り。あと、レイチェル・マーシャルさんがヨカタヨ
 
そして、マジでその通りだったなと。
 
腕を高く掲げる&腰を落として構えるソリスは顔面が遠く、なおかつリーチが長くジャブが異様に伸びる。
出入りが持ち味の拓真もこのジャブが邪魔でなかなか前に出られず打ち終わりのカウンター狙いに終始。
 
一方のソリスも随所に上手さは見せるものの、拓真のスピードに置いてきぼりを食うシーンが目立つ。パンチの芯を外すディフェンスはキコマルとは比較にならないが、そこからのプラスαがない。
 
中に入れない拓真といまいち決め手がないソリス。
必然的に遠間でお見合いする時間が長くなり、試合はクッソ退屈なものに。
 
僕も途中からだいぶダレて「早く終われ」「拳四朗、ホントに頼むぞ」と思いながら眺めていたのだが、後ろに座っていた人はかなりご立腹だった笑
 
「いけよ!!」
「そこで見ちゃダメなんだよ!!」
「チッ」
 
ヤジを飛ばすでもなく、聞こえるか聞こえないかのトーンでつぶやく呪詛は逆に怖いww
めちゃくちゃ気持ちはわかるけど!!
 


 
また天心が一生懸命に興行をアピールする中、セミファイナル&世界タイトルマッチに出場する立場のくせに目立ったプロモーションもしないのはどうなのよ?
 
チケットの売れ行きがいまいち、本番1週間前の大事な時期に天心が公開スパーリングに駆り出されている横で最後まで我関せずだったのは本気であり得ないのだが。
 
え? 座長とも言える立場でろくに宣伝活動もしない、しかも試合も超絶退屈ってどういうこと?
 
やったことと言えば、2秒でつまらないとわかる漫画をTwitterで共有したくらい?
あんなキャプテン翼を18段階ほど劣化させたようなスポ根謎漫画をアピって何の効果があんの?
 
細かい高等技術の応酬?
天心の試合とはレベルが違う?
 
知らんがな笑
何をどう擁護しようがつまらんもんはつまらんですよ。
 
 
てか、改めてなぜこの試合を天心vs与那覇戦の後ろに持ってきたのかがわからない。
この両者の試合がクッソ退屈なものになるのは明白過ぎるくらい明白だったと思うのだが。
 
天心効果で集まった人、視聴者をごっそり離脱させる愚策中の愚策。
久しぶりに「コイツの試合は二度と観たくない」と思わせる低調さだった。
 
カシメロvsリゴンドーとかいう放送事故。ハリー「こんな競技好きな人がいるんだね」←これは完全に正しいw 別にどっちの勝ちでもいいよ
 

○佐々木尽vs小原佳太×(3R1分3秒TKO)

逆にめちゃくちゃよかったのがこの試合。佐々木尽がダウンの応酬の末に小原佳太を3RTKOで下した一戦である。
 
これに関しては対戦発表の段階から驚かされまくった。
3か月弱のスパンで試合を受けた佐々木尽はもちろん、海外のルートを模索すると思っていた小原佳太が参戦したことも。
 
吉野修一郎の活躍が影響しているのだと思うが、Amazonのボクシング中継はやはり中量級の選手にとって最高のアピールの場と言えそうである。
 
 
展望としては、ジャブとフットワークを駆使する小原とそれを追いかける佐々木尽のどちらが上回るか。
普通に考えれば小原に分がありそうだが、佐々木の剛腕がどこかでさく裂しそうな気も……。
ゲストの村田諒太も言っていたが、まさに“裏メイン”と呼べる絶妙なマッチメークだった。
 
そして、結果は佐々木尽の3RTKO。
開始直後から鋭いジャブとスピーディな踏み込みで小原の懐に侵入、接近戦での強さ、豪打でねじ伏せてしまった。
 
特にビックリしたのがジャブの鋭さ。
開始直前にコーナーで佐々木が無造作に出した左に「は? 何これ」「あんなに鋭かったっけ?」と思ったのだが、本番でもそれをそのまま実践してみせた。


これまでの佐々木尽は左右フックのぶん回しが中心で、どちらかと言えば一か八かの要素が強い。
1発の威力、試合のド派手さは群を抜いているが、相手のレベルが上がるとどうしても頭打ちになる。
 
で、2021年7月の湯場海樹戦、同年10月の平岡アンディ戦でそれが表面化した。
 
平岡アンディvs佐々木尽、栗原慶太vs中嶋一輝。数日遅れで視聴したので感想を。さすがの平岡アンディと栗原慶太の圧勝っぷり
 
中間距離での打ち合いにはめっぽう強いが、その間合いで勝負してくれない場合にあっという間に脆くなる。今回の小原佳太もそのタイプで、これはかなり苦労するのでは? と思っていたところ……。
 
いや、あんなジャブが打てるんかいと。
前手のジャブで小原の動きを止め、距離を詰めて一気に打ち合いに巻き込む。
顔面への強打を警戒させたところで左ボディを突き刺しダウンを奪う。
 
カウンターをもらってダウンを喫したものの、何ごともなかったように立ち上がり再びジャブでペースを引き寄せる。
ボディを効かせつつ上下の打ち分けで混乱させる→最後は側頭部に右フックをヒットしジ・エンド。
 
試合のインパクトだけなら文句なしにこの日No.1である。
 
 
これはすごい。
マジですごい。
 
佐々木尽、いつの間にあんなジャブが打てるようになったのか。
 
漫画「はじめの一歩」にも試合前に無造作に出したジャブで相手の好調っぷりがわかる旨の描写があったが、現実にそういうことってあるんすね。
 
佐々木尽の復帰戦がビミョい。ジョー・ノイナイに5RKO勝利。「スタニオニスとバリオスには勝てる」←それを東京ドームで言わんかいw
 
・頭の位置が変わらない
・力むとぶん回し一辺倒になる
 
まだまだ危なっかしさも残るが、今後に期待が持てる勝ち方だったことも確か。
過去二度海外のリングで跳ね返された小原佳太に引導を渡す? 見事な世代交代マッチだった。
 


 
てか、小原佳太はやっぱりふくらはぎの負傷以降、ちょっとカクカクしましたよね。
以前はもう少しスムーズに跳ね回る印象だったが、それが薄れて移動距離も短くなった気が……。
 
小原佳太vs小畑武尊、渡来美響vsロメル・ピニリ。小原佳太はさすがの中間距離での強さ。でも動きがちょっとカクカクして滑らかさが失われたような
 

続きは次回に

ここから先はイベント全体についてあれこれ言おうと思ったのだが、ちょっと長くなってきたので。
続きは次回ということで。
 
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