2022年僕のベストバウトTOP5。「あの試合がない」「これが入るの?」ってなるかもしれないけど“僕のベストバウト”だから許してね。1位はどう考えてもアレしかないでしょ

2022年僕のベストバウトTOP5。「あの試合がない」「これが入るの?」ってなるかもしれないけど“僕のベストバウト”だから許してね。1位はどう考えてもアレしかないでしょ

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2022年も残り数日となり、仕事やプライベートでバタバタされている方も多いのではないか。
僕もご多分に漏れずその1人なのだが、それはそれとして。
 
今回は「2022年僕のベストバウトTOP5」と題して2022年に行われた試合の中からベストバウトを5つ選出してみようと思う。
個人的に今年は観戦熱の浮き沈みが激しく有名選手の試合をスルーすることもあったのだが、同時に「おお、すげえ!!」という試合も多かった(気がする)。
 
2023年僕のベストバウトTOP5。今年も同じことをやってみる。いつも通り“僕のベストバウト”なので異論は認めない。あの試合を入れないのはさすがに違うとオモタ
 
というわけで、僕による僕のための2022年ベストバウトTOP5(異論は認めない)のスタートである笑
 
 
ちなみに最初にお断りしておくと、2022年6月にさいたまスーパーアリーナで行われた井上尚弥vsノニト・ドネアVol.2は入っていない。
 
理由はいまだに僕が再視聴していないから。
 
僕自身が会場に足を運んだことに加えて「今年のベストバウトは?」と聞かれれば確実にランクインする試合だとは思うが、ドネアの散り様が悔しすぎて……。
 
井上尚弥のリアル鷹村守化完了。さすがのドネアもこの日の井上には勝つのは難しい。悔しすぎてインタビューも聞かずに会場を出ちゃったけど
 
狂おしいほど好き笑


オマイラ2人ともサイコーやでww
 

2022年僕のベストバウトTOP5:第5位

「エスネス・ドミンゴvs富岡浩介
 
まず第5位はコレ。
12月26日に東京・後楽園ホールで行われたフライ級8回戦、フィリピン出身のエスネス・ドミンゴが日本の富岡浩介に4R2分21秒TKOで勝利した一戦である。
 
エスネス・ドミンゴが富岡浩介を1発KO。ドミンゴすげえな。前回の飯村戦も素晴らしかったし。富岡は完全に勝ち試合だったけどな。ちょっと富岡樹コースに乗った感が…
 
この試合はAbemaTVで視聴したのだが、もうめちゃくちゃすごかった。
4Rの中盤まではほぼ富岡ペース。手詰まり感が色濃くなっていたドミンゴだが、右1発ですべてをひっくり返してしまうという。
 
僕は前戦の飯村樹輝弥戦を現地観戦したのだが、その試合では被弾に耐えながら距離を詰めてフルスイングをぶち当てるドミンゴの根気強さに釘付けになった記憶がある。
で、サウスポーの富岡浩介相手にはどうなるか? ちょっと苦労するのでは? と思っていたのだが、そういった諸々を吹き飛ばす大逆転に度肝を抜かれた次第である。
 
正直、この試合は「2022年のベストバウト」に選出するにはやや地味だが、そんなことは知ったこっちゃない。
 
翌日以降も尾を引くインパクトに加えてここ最近雑に扱われているフィリピン勢の逆襲という意味でもとんでもない爽快感。
 
今後、エスネス・ドミンゴには何かしら(地域タイトル等)のチャンスが訪れることを願っている。
 

2022年僕のベストバウトTOP5:第4位

「デビン・ヘイニーvsジョージ・カンボソス2」
 
続いて第4位は10月にオーストラリア・メルボルンで行われたデビン・ヘイニーとジョージ・カンボソスによる世界ライト級4団体統一戦。初戦に続きヘイニーが3-0の判定で勝利し4本のベルトを防衛した試合である。
 
ヘイニーがリマッチでもカンボソスを圧倒。ジャブとアウトボクシングだけじゃない、パンチ力とインテリジェンスも証明した試合だったな。PFP No.1がより盤石に
 
一応言っておくと、もしかしたら「なぜこの試合が4位?」と疑問に思った方もいるかもしれない。
 
だが、逆に聞きたい。
なぜこの試合がランクインしないと思うのか? と。
 
 
50000人を超える大観衆の前で行われた初戦はヘイニーの安全策&カンボソスの無策っぷりが大いに不評を買った。
 
続く約4か月後の再戦では会場はキャパ15000人弱のロッド・レーバー・アリーナに、試合直前にFITE.TVの中継がなくなる(日本でも初戦を中継したWOWOWが華麗にスルー)など、期待値の低さが顕著となっていた。
 
おう、だからどうした?
 
激戦区と言われるライト級で20代前半で4団体統一を果たしたデビン・ヘイニー。
これまで苦戦らしい苦戦もなく、つまらないと酷評されるジャブ中心のファイトをまともに攻略できた選手はいない。
 
今回のカンボソスVol.2でも、前戦の失敗? を踏まえて接近戦を仕掛けるカンボソスを右カウンターで迎撃。ジャブ主体の初戦とは打って変わったスタイルで幅の広さと力強さを証明してみせた。
 
つまり、この試合でヘイニーはPFP No.1の地位をより盤石なものにしたと言える。
 
“プエルトリコの至宝”と目されたフェリックス・ベルデホを激闘の末にKOした東洋で敵なしの中谷正義に手も足も出させず完勝した元P4P No.1のワシル・ロマチェンコを終盤までスピード&パワーで圧倒して判定勝ちを収めた“テイクオーバー”テオフィモ・ロペスから初回にダウンを奪いド根性で大金星を掴んだジョージ・カンボソスをアウェイの舞台で左手1本で完封し4団体統一を果たしたデビン・ヘイニーが約4か月後の再戦でもカンボソスの作戦を打ち砕いた。
 
まさに本物中の本物。真のPFPは井上尚弥でもオレクサンドル・ウシクでもテレンス・クロフォードでもない。
デビン・ヘイニーなのである()
 
と同時に、これだけの偉業を成し遂げた選手がリング誌のPFPにランクインしていない事実はどうしても受け入れがたい。
 
 
 
PFPランキングを真剣にギロンするのは改めて無意味だなぁと思いますねボカァ笑
 

2022年僕のベストバウトTOP5:第3位

「尾川堅一vsジョー・コーディナ」
 
6月に英・カーディフで行われたIBF世界S・フェザー級タイトルマッチ。同級王者尾川堅一がジョー・コーディナに2R1分15秒KOで敗れ、コーディナが初戴冠に成功した一戦である。
 
尾川堅一がジョー・コーディナの狙いすました右で撃沈。距離の遠さとタイミングに慣れる前にもらったな。フラグになるから勝敗予想をしなかったのに笑
 
この試合はKOのインパクトはもちろん、残念感が尋常じゃなかったことを覚えている。
 
僕はもともと尾川堅一のボクシングが好きで、2021年11月のアジンガ・フジレ戦での勝利にはめちゃくちゃテンションが上がった。
 
日本拳法をベースとした右ストレートは日本人選手が苦手とするクネクネサウスポーとの相性がよく、階級内でシャクール・スティーブンソンに勝てる可能性のある唯一の存在だとすら思っていた(今でも思っている)。
 
ただ、初防衛戦で対戦するジョー・コーディナは恐らくかなりの強敵。
過去の試合を観る限りぶっ飛んだ強さは感じないが、動きの端々に「お?」と思わせる鋭さがある。
一瞬のスピードも鋭利なジャブも尾川に負けていない。これはなかなかの接戦になるのでは? と思ったのだが……。
 
まさかあんな結末が待っているとは。
 
スピーディなジャブの差し合い、緊張感満載の立ち上がりから右1発で終わった2R。
 
1R終了時点では若干尾川の方が上回っている印象だったが、まあ、あの右をもらったらどうしようもないですよね。
ジョー・コーディナがお見事だったとしか言いようがない。
 
 
なお、敗れた尾川は後日現役続行を発表している。
 
正直、階級と年齢を考えると引退でも仕方ないかな? と思っていたのでこれは嬉しい。
負けはしたが動き自体が落ちていたとは思わない。もうしばらく尾川堅一の試合が観られることは僕にとっては朗報中の朗報である笑
 

2022年僕のベストバウトTOP5:第2位

「吉野修一郎vs中谷正義」
 
第2位は11月にさいたまスーパーアリーナで行われたWBOアジアパシフィックライト級タイトルマッチ。同級王者吉野修一郎が元OPBF王者中谷正義に6R1分14秒TKOで勝利した一戦である。
 
吉野修一郎vs中谷正義現地観戦。凄みを感じさせた中谷、割り切りとタフネスの吉野。めちゃくちゃ感動したけど中谷敗北のショックも大きい
 
これはもう、ランクインさせざるを得ないというか、僕の中では「そりゃそうでしょ」という試合。
 
 
吉野修一郎、中谷正義ともに以前から応援していた選手で、同時に激戦区のライト級で“世界”に対抗できる可能性のありそうな両者でもある。
 
実際、中谷はテオフィモ・ロペス、フェリックス・ベルデホ、ワシル・ロマチェンコととんでもない3連戦を経て再びトップ戦線を狙っている。
 
対する吉野修一郎は2017年の日本王座戴冠から4年半以上、国内の強豪相手に勝利を重ねて無敗を継続中。OPBF王座を11度防衛した中谷と比べてもまったくそん色はない。
 
正直この両者の対戦はもっと上の舞台で実現してほしかったというか、これでどちらかが脱落するのはあまりに切ない。
両選手に思い入れが強すぎるせいで勝敗予想もまともにできない、正式に対戦が発表された瞬間からずーっと複雑な感情が続いていたことをお伝えしておく。
 
 
本番の試合も残酷極まりない結果に。
序盤は中谷が得意のジャブでペースを掴むものの、吉野が身体の強さを活かしたプレスでだんだんと距離を詰めていく。
 
で、ジャブの戻り際に一気に踏み込み身体を伸ばすような左クロスをヒット。
 
ジャブで距離を確保→右の打ち下ろしにつなぐ勝ちパターンを崩された中谷は徐々に追い込まれ、5R終盤についにダウンを喫する。
 
ここは何とかしのいだ中谷は6R開始とともに猛ラッシュで勝負をかけるが、ダメージのせいか1発1発に体重が乗らない。対する吉野は落ち着いてガードを固めて前進。再び中谷にロープを背負わせ左右フックでとどめのダウンを奪う。
 
 
申し上げたように応援していた選手同士の対戦は一方が生き残り、もう一方が派手に散る残酷で切ない結末に。
 
試合は文句なしにおもしろかったし思っていた以上の大激戦に満足度も高い。
 
ただ、絶対的にハッピーが足りない
 
あ~、やっぱりキツいっすねぇ。
「勝者がすべてを手に入れ、敗者は去る」というのが一発勝負の醍醐味なのは理解しているが、それでも。
 
何年もチャンスを待ち続け、ようやくそれを手にしたが高い壁に阻まれた中谷正義と、「これに勝てば次が見える」という試合を何度も組まれ、そのつどクリアしてきた吉野修一郎。おまけにインタビューでチケット手売りの厳しさを話しただけで関係者から謎のディスを浴びたこともある。
 
 
僕自身、あまり選手個人に思い入れを持つ方ではないのだが、この両者に関してはちょっと別格だったりする笑
 

2022年僕のベストバウトTOP5:第1位

「那須川天心vs武尊」
 
6月に東京ドームで行われた「THE MATCH 2022」。メインイベントではRISE代表那須川天心とK-1代表武尊が対戦、5-0の判定で那須川天心が勝利している。
 
那須川天心vs武尊感想。衝撃的に強かった天心。この日の天心には誰も勝てないんじゃない? 武尊もあきらめずにがんばった感動的な試合
 
はい。
「2022年僕のベストバウトTOP5」堂々の第1位は那須川天心vs武尊戦である。
 
 
うん、まあしゃーないよ。
これはしゃーない。
 
いろいろあった2022年だが、結局はTHE MATCH。
競技の枠を超えた対戦というか、2022年の格闘技を象徴する一戦だった。
 
え?
いきなりキックの試合ってどういうことだよって?
 
別にボクシングに限るとは言ってねえし。
あくまで「2022年僕のベストバウト」だし。
 
などという詭弁はともかく。
 
どちらにしろ2022年の格闘技は那須川天心vs武尊戦(THE MATCH)抜きには語れない。
そこに関してはご納得いただけると思っている(納得できなくても関係ないけど)。
 
 
実際の試合もお互いの特徴がよく出た展開に。
いつも通りゴリゴリ前に出て腕を振る武尊に対し、天心はジャブを出しながら正面を外しつつ絶妙なタイミングでカウンターを合わせていく。
 
1R終盤に天心の放った左カウンターはあまりの鮮やかさに一瞬言葉を失うほど。格闘技史に残ると言っても過言ではない1発だった。
 
そして当然のように立ち上がり、ピンピンしたまま試合続行に応じた武尊も同じくらいとんでもない。
 
2R後半から3Rにかけて天心が武尊の圧力に苦労していたことを考えると、もしかしたら5Rなら結果は逆になっていた可能性も?
50回やっても天心が勝ちそうなくらいの完勝ではあるが、とにかくどちらもすごかった。まさしく2022年No.1のスーパーファイトというヤツ。
 
 
また、全体を通してルールの違いによる繊細さもめちゃくちゃ感じた。
 
今回のTHE MACTHはGRORYなどで採用される“キックボクシングのスタンダード”に近いルール(だよね?)で、その分K-1勢の大味さが表面化した大会でもある。
 
KOこそ至上、観客を沸かせてこそナンボのK-1はクリンチやワンキャッチすらも認めないルールでエキサイティングさに特化している。
一方のRISEはワンキャッチやクリンチはOK、ディフェンシブな作戦も許されているためときには塩っぽい試合も発生する。
さらに他流試合に積極的に参加してきたシュートボクシング勢はルールの違いにも柔軟に対応してみせた。
 
THE MATCHロスでキックに興味が向かない。改めて武尊は那須川天心に手も足も出ずに負けてる。ゴンナパー・ウィラサクレックvs白鳥大珠戦、原口健飛vs山崎秀晃戦が好きすぎて
 
要するに「最高で最強」だと思っていたK-1は、実は限定された枠内でのものだった。
閉鎖された空間から一歩外に出たことでより洗練された“キックボクシング”の洗礼を受けた。
 
仮にK-1が今後も他団体との対抗戦を継続するなら、今回のように4番打者を揃えるだけでは同じことの繰り返しになる。
いわゆる他流試合向きの“対抗戦用”メンバーを選出する必要があるのだろうと。
 
この部分の奥深さを知れたのもTHE MATCHのおかげである。
 
ちなみに僕がK-1勢の中で対抗戦に向いてそうだなと思ったのは和島大海と安保瑠輝也だったりする。
 
 
なお那須川天心vs武尊戦を除いた試合の中でもっともすごかったのが海人vs野杁正明戦。
“怪物”の異名を持つ野杁を延長の末に下した海人のがんばりは天心vs武尊戦とはひと味違う感動があった。
 
ところがその海人も海外勢相手には根本的なフィジカル面でのモタつきが目立つ。
改めて70kgオーバーが別世界であることを見せつけられている。
 
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