THE MATCHロスでキックに興味が向かない。改めて武尊は那須川天心に手も足も出ずに負けてる。ゴンナパー・ウィラサクレックvs白鳥大珠戦、原口健飛vs山崎秀晃戦が好きすぎて

THE MATCHロスでキックに興味が向かない。改めて武尊は那須川天心に手も足も出ずに負けてる。ゴンナパー・ウィラサクレックvs白鳥大珠戦、原口健飛vs山崎秀晃戦が好きすぎて

2022年6月19日に東京ドームで開催された「Yogibo presents THE MATCH 2022」。
“世紀の一戦”と銘打たれた那須川天心vs武尊戦を含む全15試合(オープニングマッチを入れて16試合)が行われている。
 
その“世紀の一戦”からすでに1か月以上経つのだが、実を言うと僕の中での“THE MATCHロス”が尋常じゃない
 
那須川天心がキックを引退、武尊が長期休養を表明したものの、大会の中心的存在だったK-1、RISEの両団体はすでに次のステージに進んでいる。
2022年8月11日には福岡国際センターでK-1 WORLD GP、同21日にはエディオンアリーナ大阪でRISEの大阪大会が予定されており、ムエタイの石井一成がK-1デビュー戦を控え、RISEでは原口健飛とペットパノムルン・キャットムーカオの再戦が組まれている。
 
だが、困ったことに僕はどちらの大会にも興味が向かない。
もともとキックボクシングに関してはニワカなフワッと勢なのだが、武尊のいないK-1、天心のいないRISEはちっとも視聴意欲がわかない。
 
K-1 vs RISE対抗戦感想。キックの深みをより感じる6試合だった。メンバーはよく知らんけど。そしてなぜ安保瑠輝也はここに名前がねえんだよ笑
 
以前「那須川天心vs武尊戦はキックボクシング界が前に進むためにやらなきゃダメな試合」などと偉そうなことをほざいたものの、いざ終わってみたら目の前は焼け野だった。
完全にあの2人ありきのキックボクシングだったことに気づかされた次第である。
 
そう考えると、青木真也の「この両者はやらないままでいた方がいい」という主張はある意味正しかったのかもしれない。
 
THE MATCH 2022結果一覧&ひと言感想(メイン)。いよいよ那須川天心vs武尊。よくここまでこぎ着けたよ
 

〇那須川天心vs武尊×(判定5-0 ※29–28、30-28、30-28、30-28、30-27)

まずメインイベントの那須川天心vs武尊戦については下記の通り。


冷静になって再視聴してみると思った以上に天心の圧勝だったことがわかる。
それこそ60kg契約&戻し制限なしでも結果は変わらなかったんじゃないの? というくらい。
 
武尊のvsサウスポーの動きが2019年11月の村越優汰戦からあまり変わっていないことに加え、クリンチで動きを封じられるとすぐに頭に血がのぼる。K-1以外の舞台に慣れていないことは明らかである。
 
 
両者の対戦が正式発表されたのが2021年12月24日。
そこから約半年(決まっていたのは恐らくもっと前)の準備期間がありながらも中間距離で何もできなかったのが厳しい。
極論、開き直ってゴリゴリ前に出た2R後半以降の方がよっぽど天心をモタつかせていたのが……。
 
「ド派手な打ち合いやKO決着に特化したK-1は若干インテリジェンスに欠ける」「3Rをトータルで組み立てるRISE&SB勢にキワキワの部分で競り負けるケースが多い」と申し上げたが、もしかしたら那須川天心vs武尊戦はその最たる例だったのかもしれない。
 
K-1は最高だけど最強じゃなかった。K-1勢が苦戦した理由? よくも悪くもキックボクシングではなく“K-1”なんだろうな。RISE&SBとの対抗戦感想、雑感
 
てか、言うまでもなく志朗や風音の方がはるかに天心を攻略してましたからね。
この日の那須川天心がここ何戦かではダントツに強かったとはいえ、長年団体を支えた絶対エースが完膚なきまでに負けた事実はK-1にとって相当重いのではないか。
 
 
今後K-1がどんな方針でいくのか(これまで通りK-1の中だけの“最強”を決めるのか、他団体と交流するのか)は不明だが、個人的には多少風通しをよくした方がいい気もする。
 
たとえば2年に1回くらいのペースで対抗戦を開催するとか。
あそこまでの規模でなくても、国内の全キック選手が目標とする(K’FESTAやRISE ELDRADOとは別の)舞台を作れれば。
 
競技レベルの向上はもちろん、“団体の威信をかけた”勝負は(サッカーや野球の国際大会からクラス対抗の球技大会まで)問答無用にワクワクしますからね。
 
 
一応言っておくと、完敗を喫したとはいえ武尊のカリスマ性には文句のつけようがない。
那須川天心戦が発表されて以降、“悲劇のヒーロー”を演出する計算高さを含めて周りを巻き込む振る舞いにはいちいち感心させられる。
 
先日MBS系列バラエティ「ごぶごぶ」でダウンタウン浜田雅功と共演していたが、「ファイトマネーがたくさん入ったんで今日は奢りますよ」と言いながら札束でパンパンになった財布を取り出す様子はいわゆる“憧れを抱かせる格闘家”の姿そのものだった。
 
格闘技ファンは今度から「那須川天心と武尊の試合あったじゃん」と言える。THE MATCHにより天心と武尊はジャンルを超えたスターに。でもフジテレビの判断は正しかったよ
 

〇原口健飛vs山崎秀晃×(2R33秒TKO)

この試合は発表されたときから楽しみにしていた&期待以上の内容に大満足だった一戦。
 
感想としては、原口健飛の強さにただただ驚かされた
山崎秀晃が馬力で飲み込むパターンもあるかな? とも思っていたが、実際にはそんな気配はまったくなく。最初から最後まで原口が一方的に山崎に何もさせずに仕留めてしまった。
 
 
マジな話、原口健飛の実力は一段も二段も上だったと思う。
 
開始直後から山崎の攻撃がギリギリ当たらない距離で対峙し、微妙に角度を変えながらタイミングを測る。
前蹴りやローでスペースを作りつつ山崎の飛び込み際のカウンターを狙う流れ。
 
試合後に「この日の山崎はいつもの積極性がなかった」と言われていたが、アレは恐らくそういうことじゃない。
積極性がないのではなく単純にいけなかっただけ。
 
原口が射程の外をキープし続ける&カウンターを狙っていることがわかるせいで山崎はなかなか自分からアクションを起こせない。
意を決して前に出るが、案の定打ち終わりに右を被弾→豪快にグラつかされる。で、それ以降は足に来たまま打ち合いを強いられ2Rでジ・エンド。
 
2021年2月の白鳥大珠戦でもわかるように原口健飛は一瞬の爆発力も兼ね備える。
あれだけ効かされた状態の山崎に勝ち目があるはずはなく、2R早々に危険な状態に陥りストップ負けを喫してしまった。
 
THE MATCH 2022結果一覧&ひと言感想(セミセミとセミの2試合)。原口がすごすぎたし野杁vs海人はハイレベルすぎて意味不明
 
原口も流れの中で側頭部に被弾して一瞬ガクッときたが、危なかったのはそこだけ。
山崎にとってはワンパンKO負けを喫した大和哲也戦よりもはるかに圧倒された試合だった。
 
 
しかし、改めて原口健飛はクレバーな選手だなと。
試合内容はもちろん、安保瑠輝也(-67.5kg)の対戦要求に「体重が無理です」と即答したのもさすがである笑

野性的な風貌とは真逆というか、冷静さと一瞬の爆発力を兼ね備えたスペシャルな選手。8月に行われるペットパノムルンとの再戦もぜひともがんばってもらいたい。
 
THE MATCHロスのせいで興味はわかないけど笑
 

〇ゴンナパー・ウィラサクレックvs白鳥大珠×(1R2分47秒KO)

このゴンナパーvs白鳥戦はTHE MATCHの中で僕が一番好きな試合。
 
組み合わせが発表された際に「おお、ゴンナパーが出るのか!!」「しかも相手は白鳥大珠!!」とテンションが上がり、できもしない勝敗予想までおっ始めるという。
 
白鳥大珠vsゴンナパー、山田洸誓vs安保瑠輝也予想。THE MATCHで意外とおもしろそうな組み合わせなので展望を考えてみた。でも地上波はいらんけどね笑
 
実際の試合も「これぞK-1」と言わんばかりの内容。上述の原口vs山崎戦以上に期待を超えた一戦だった。
 
下記でも申し上げているのだが、白鳥大珠の試合運びはよかったと思う。
 
THE MATCH 2022結果一覧&ひと言感想(中盤4試合)。ゴンナパー最高かよ。僕はこの試合を一番楽しみにしてたんだよ笑
 
前手のジャブや前蹴りでゴンナパーの突進を寸断、打ち終わりにスルッとサイドに動いて正面を外す。
この選手はvsムエタイファイターが得意という話だったが、なるほど確かに。サイズ差とボクシングテクニックを活かした立ち上がりはそのままポイントアウトする気配すら感じさせた。
 
ただ、改めて観直すと早い段階からゴンナパーの右フックが危ないタイミングで顔をかすめていることがわかる。
白鳥のスピーディなコンビネーションの合間にねじ込む攻撃が印象的で、どこかの段階で右が当たりそうな雰囲気はビリビリ感じる(結果を知った上で観ているのもあるけど)。
 
 
これも以前申し上げたのだが、恐らく白鳥大珠はRISE&SB勢の中でもっとも貧乏くじを引かされた人。
 
ゴンナパーはタイトルホルダーでもなければK-1の看板選手でもない。
だがムエタイのタフネスを維持したまま3Rのスピード感に対応したガチの強者で、若干フィジカル面が心もとない白鳥にとっては天敵の部類だった。
 
 
K-1勢の中では野杁正明と並ぶ実力者だが、人気、知名度は高くない。
地味強を地でいくタイプというか、はっきり言って“美味しくない”相手である。
 
そのゴンナパー相手にインパクトを残すのならああいう負け方しかなかったという噂も?
 
 
 
繰り返しになるが、僕はゴンナパーvs白鳥戦が大好きである笑
 
試合後に「ムエタイNo.1!!」と絶叫したヤツも最高に好き。
 
いや、何でそれを言っちゃうんだよお前ww
せっかく「これぞK-1!!」な勝ち方だったのに。
そういうとこだぞゴンナパー。
 
でも、それも含めてマジで好き。
 
この貫禄でまだ20代なのも好き。好きすぎて辛い笑

というわけで今日もまた試合を観直そう笑
 

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