オリベイラvsマカチェフUFCライト級頂上決戦最高かよ。ここまでオリベイラが何もできないとは。思てたんとは違ったけど大満足【UFC280感想】

オリベイラvsマカチェフUFCライト級頂上決戦最高かよ。ここまでオリベイラが何もできないとは。思てたんとは違ったけど大満足【UFC280感想】

2022年10月22日(日本時間23日)にアラブ首長国連邦・アブダビで開催されたFC280。
メインイベントではライト級王座決定戦が行われ、前王者チャールズ・オリベイラとイスラム・マカチェフが対戦。マカチェフが2R3分16秒肩固めで一本勝ちを収めて初戴冠に成功している。


僕はUFCに関しては「毎回メインイベントは観ているけど、絶対にリアルタイムで!! というほどでもない」いわゆる“フワッと”勢である。
 
だが、今回のライト級タイトルマッチだけは食い入るように観戦させていただいた。
 
前王者チャールズ・オリベイラは僕がUFCの中でトップクラスに好きな選手。特に頭角を現した? ここ数年は毎試合チェックしている。
前回のジャスティン・ゲイジー戦での体重超過→王座剥奪は残念だったが、あの勝ち方を見れば王座決定戦が組まれることは想像に難くない。
 
一方のイスラム・マカチェフだが、こちらもヤバい。
UFCでの戦績が13戦12勝1敗。2016年9月以降無敗を継続中で、もはやタイトルマッチを組まれるのが遅すぎたくらい。
王座に君臨していたオリベイラに比べれば対戦相手は一段落ちるものの、試合運びは凄まじいのひと言。それこそ「(幼馴染らしい)元王者ハビブ・ヌルマゴメドフにも勝てるんじゃねえか?」というほどの強さを発揮している。
 
 
個人的にヌルマゴメドフはカマル・ウスマンと並ぶPFP(当時)だと思っていたのだが、そのヌルマゴに勝てる可能性のある選手がわずか2年で2人(オリベイラ、マカチェフ)も登場した。
しかも今回はその2人が王座をかけて対戦する。
 
こんな試合が楽しみじゃないわけがない笑
 
マイケル・“ヴェノム”・ペイジがUFCデビュー戦を勝利。ケビン・ホランドにスタンドで判定勝ち。MVPのUFCでの立ち位置? 上位陣には苦戦しそうな…
 

マカチェフ圧勝でしたね。オリベイラが打撃でどこまでやれるかが見どころだと思ってたけど

というわけで試合の感想を言っていくわけだが。
 
まず何より今回はマカチェフの圧勝だった。
オリベイラも要所で持ち味を発揮していたが、全体を通してみればマカチェフのペース。ほぼワンサイドと言っていいのではないか。
 
序盤のスタンド→グランドの流れなどは典型的。
解説は「オリベイラがグランドに引き込んだ」と言っていたが、むしろ逆ではないか。僕にはマカチェフがオリベイラをねじ伏せたようにしか見えなかったのだが。
オリベイラがマカチェフの圧力に耐えられずに自分のタイミングとは違う寝かされ方をしたというか。
 
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もともとチャールズ・オリベイラは柔術ベースのグラップラーだが、スタンドでもストライカーに打ち勝つほどの打撃を兼ね備える。
マイケル・チャンドラー戦やジャスティン・ゲイジー戦でも一度はピンチを迎えたものの、そこから見事に盛り返してみせた。
 
対するマカチェフはヌルマゴと同じロシア出身&サンボをバックボーンとする。
ただ、ヌルマゴよりもフィジカルが強く打撃も得意で、強フィジカルを全面に出した打撃で相手を潰す→上からパウンドを落とす→極めに入る流れを得意とする。
 
 
なので、試合の展望としてはオリベイラがスタンドでどこまでやれるか。ある程度の被弾はあると思うが、そこで怯まないことが重要になる。チャンドラー戦のように序盤をしのいで徐々にペースを引き寄せていければ。
 
逆にマカチェフとしては、あの超ド級の馬力と“上になる技術”を駆使してオリベイラを制圧したい。
恐らくマカチェフにとってもこのレベルのグラップラーと対峙するのは初めて。オリベイラ相手にもこれまでと同じことができるかどうかが見どころになりそう。
 
とにかくどうなるかがまったくわからない対戦で、繰り返しになるがUFCフワッと勢の僕にとってもここ何年かでダントツの好カードだったことを報告させていただく。
 

打ち終わりを狙われ倒されるオリベイラ。マカチェフに上からパウンドを落とされ防御で手いっぱいに

いや、しかし。
まさかオリベイラがあそこまで余裕を失うとは。
 
序盤の打撃→グランド移行の流れはいつも通りだが、この日のオリベイラにはどこか余裕がない。
 
打ち終わりに腕を掴んだマカチェフがオリベイラを倒してガードポジションが発生。下からの極めを狙うオリベイラに対してマカチェフはじっくりと圧力をかけながらパウンドを落としていく。
 
あ、マズいぞオリベイラ。
マカチェフのパワーに対応しきれてない。
 
いったん立ち上がったものの、マカチェフは大外刈りのような投げで豪快にオリベイラを倒す。
 
おいおい、すげえなマカチェフ。
 
オリベイラがまったく自分のタイミングで動けとらんじゃねえか。
得意なはずのグランドでも防戦一方だし。
 
解説は「オリベイラが引き出しを開けるか?」と言っているが、いやいや、そんな場合じゃないでしょ。
仮にここをしのいだとしても、次のラウンドで何かを起こす余力が残っているかどうか。
 
伊澤星花vsフォントーラ、RENAvsアナスタシア、パク・シウvs浅倉カンナ、浜崎朱加vsジェシカ・アギラー。メインの仕事をした伊澤とカッコいいパク・シウ。やや低調だったRENA
 

ほぼ制圧されたオリベイラ。マカチェフはいつもの王道パターンで勝利

そして案の定、2R中盤にマカチェフがカウンターの右でオリベイラをダウンさせる→上からのパウンド→肩固めで一本勝ちという。
上述の勝ちパターン「打撃で圧倒→パウンドを落とす→一本を極める」をそのまま踏襲してしまった。
 
う〜わ……。
すげえわマカチェフ。
マジですげえ。
 
自分でも驚くほど語彙が貧弱だが、マジですげえ。
 
あのオリベイラがここまで何もできないとは。
スタンドでの打撃でどこまでやれるか、ある程度拮抗できればオリベイラが有利では? と申し上げたが、実際にはまったく対応できず。
 
1発目を距離で外され、打ち終わりにカウンターを狙われる。
で、怯んだところで上から潰されグランドに移行→パウンドを落とされ、しのぐのが精一杯に。常に自分のタイミングではない展開を強いられ、どんどん疲弊させられた末に最後は肩固めでジ・エンド。
 
マジで一方的だったというか、すべての局面で制圧され続けた一戦。この両者がこういう結末を迎えたのはちょっと意外である。
 
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あとはアレだ。
オリベイラ大好きな僕としても残念でしたね。
 
まあでも、マカチェフのことも普通に好きなので素直にナイスファイトと思っているが。
 
楽しみにしていた頂上決戦が期待以上の結末を迎えたことに大満足である笑
 

マカチェフvsボルカノフスキー? そりゃまたすげえ試合だなオイ。ボルカノは下の階級だからこそってのもありそうだけど

なおイスラム・マカチェフは今回の勝利を経て次はフェザー級王者アレキサンダー・ボルカノフスキーとのPFP決戦に進むとのこと。
正直、これはかなり意外だった(周知の事実なの?)のだが、もちろん楽しみでしかない。
 
168cmの身長に対してリーチが180cmと異様に腕が長いボルカノフスキー。
ローキックで下半身をぶっ壊し、長い腕を目いっぱい使って相手をコントロールする。さらに2021年9月のブライアン・オルテガ戦のようにピンチを迎えてもギリギリでフィニッシュを許さない粘りも兼ね備える。
 
僕はボルカノならフェザー級時代のコナー・マクレガーにも勝てると思っていて、現状この選手が負ける姿はまったく想像がつかない。
 
それが階級上のマカチェフ相手にどうなるか。
契約体重等、詳細は不明(ライト級でいいの?)だが、とにかくめちゃくちゃ楽しみである。
 
 
てか、ボルカノはもともとウェルター級でキャリアをスタートしてるんですよね。
下の階級だからこそ強さを発揮できる部分は大いにあると思うのだが、どうだろうか。
 

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