亀田興毅、河野に判定負け!! ダウンも奪われ完敗、試合後に引退を表明する。ボクシング界の風雲児がリングに別れを告げる

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夕焼け空イメージ
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亀田興毅が河野公平に12R判定負け!! 落日の亀田興毅が試合後に引退を表明する。

2015年10月16日(日本時間17日)にアメリカ・シカゴのUICパビリオンにおいて、WBA世界S・フライ級タイトルマッチが行われれ、チャンピオンの河野公平が挑戦者の亀田興毅を12R判定で退け、2度目の防衛に成功した。

この試合に敗れた亀田興毅は試合後、現役引退を表明している。

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概ね予想通りの試合展開。亀田が前に出て河野が右を当てる

試合展開としては、概ね前回の予想記事で書いた通りだった。

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結果的に亀田興毅の劣化は致命的だった。河野程度のボクサーに負けるようでは先はない。そういう残酷な結末だった。

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「亀田興毅には内藤戦のように足を使って勝ちに徹したボクシングをしてもらいたかった」という意見もあるようだが、残念ながらそれは違う。今の亀田興毅にあの頃のボクシングはできないのだ。肉体の劣化が精神にも影響して弱気になってしまっている亀田興毅が活路を見出すには、あの戦い方しかなかったのである。

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至近距離でカウンターを狙いながらボディを中心に攻める作戦の亀田興毅。勝利を掴むにはどれだけ勇気を持って距離を潰せるか、接近戦での打ち合いに持ち込めるか。
対する河野はいつも通り、中間距離よりやや近めの位置での打ち合いながら右のカウンターを叩き込めるかどうか。
これを実践できた方が勝利を掴めるのではないかと思っていた。

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1Rを観た限り、試合をコントロールしていたのは亀田興毅だった。河野は相変わらずの当て勘の悪さで、このままいけば亀田が完封勝ちか? と思わせるような立ち上がりだった。

そして河野はボディが弱い。これも思った通りだった。
2Rに両者の距離が詰まったところで、果敢にボディを攻めた亀田興毅。ローブローもあったと思うが、あきらかに河野の表情は苦悶に歪んでいた。コーナーで浴びせ倒すように河野を押し倒したシーン。結果的にローブローと判断されてしまったが、あれはダウンにしてもよかったのではないかと思う。それくらい河野はボディ攻撃に苦しんでいたのだ。

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その後、ローブローが重なり亀田興毅が2点減点されてしまうのだが、あの減点は本当に痛かった。あれがきっかけで明らかに積極的にボディを攻めにくくなっていたし、ちょっと亀田興毅がかわいそうに思えた場面だった。

試合再開直後に河野の右がカウンターで亀田興毅を捉える。アゴの先端に河野の右をまともにもらい、尻餅をつくようにダウンする亀田興毅。会場の空気や試合の流れが一気に変わった瞬間だった。

これも思った通りだった。河野の右は亀田興毅に当たるのだ。
ただ、それがまさか2Rにくるとは思わなかった。

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河野が勝つにはどこかで右のビッグパンチをヒットさせて流れを一気に掴むことだと予想していたが、こんなに早くその流れがくるとは思わなかった。
さらに言うと、河野の右が予想以上に亀田興毅に当たったことも意外だった。一発逆転の可能性を秘めたパンチだとは思っていたが、あれだけ亀田興毅が被弾するとは思わなかった。同時に、亀田興毅の劣化をまざまざと思い知らされたシーンでもあった。

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距離を支配する河野。亀田はあと半歩間合いを詰めたかった

3R以降、距離を支配したのは河野。
中間距離よりやや近めの位置で、伸び上がるように打ち込む河野のパンチが亀田興毅の顔面を何度も跳ね上げる。

そう、この距離は河野なのだ。中間距離よりやや近い位置。サウスポーの亀田興毅の右足と、オーソドックスの河野の左足がシューズ半分ほど開いた距離。この距離こそが、河野が自分の腕を思い切り振り回せる位置なのである。

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前にも言ったが、河野はこの距離以外では何もできないボクサーである。当て勘が悪く、一定以上近づくと自分の腕を持て余すという凡ボクサーぶり。インファイターのくせに接近戦が下手というわけのわからないスペックの持ち主なのだ。
すなわち、自分の得意な距離で相手のパンチを被弾しながらも手を止めないスタイル。相手よりも自分のパンチを多く打ち込むことだけに特化した戦い方なのである。

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亀田興毅としては、あと半歩近づいてこの距離を潰したかった。もう半歩近づいた距離で打ち合えば、河野は一気に何もできなくなったはずなのだ。
至近距離での打ち合いが下手な河野に対して、亀田興毅は腕をたたんでの連打がうまい。亀田興毅の右足と河野の左足のつま先が触れるくらいまで前に出れば、すべての展開は変わっていたはずである。

4Rの残り1分20秒辺りのリング中央での打ち合い。さらに7Rの残り40秒辺りで見せた至近距離でのパンチの交換。
これを見れば明白なのだが、河野は本当に至近距離での打ち合いが下手だ。中間距離よりやや近い位置。ここで戦うことしかできないボクサーなのである。何度も言うが、もう半歩距離を詰めることができれば、亀田興毅は河野に何もさせずに勝てたはずなのだ。

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どうにか接近戦に持ち込みたい亀田興毅。
頭をつけて左右のパンチを振るうのだが、河野の前進を受け止められずに押し返されてしまう。そしてロープ際でのもみ合い。ガードの上から河野の左右フックを受けて身体が流れるシーンも印象的だった。改めて亀田興毅の劣化の度合いを知らされる光景である。
ラウンドが進むごとに左の目が腫れる亀田興毅の姿が、河野のカウンターの被弾数を如実に物語っていた。

亀田興毅の引っ掛け気味の右がもっと当たると思っていたが、どちらかと言えば当たっていたのは左のカウンターだった。これも亀田興毅が至近距離で踏ん張りきれなかった証拠である。

前進する力を失う亀田興毅。河野の時間が続く

8Rに入ると、もう亀田興毅には前進して至近距離で打ち合う体力は残っていなかった。ポイント的には一進一退だったと思うが、実質なすすべがなくなったラウンドだったと思う。

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こうなればこの試合は河野の独壇場だ。思う存分自分の距離で腕を振り回すことができる。カウンターをもらうのは百も承知。もらった分返す。それだけである。

ラウンド開始直後は身体を密着させようと前に出る亀田興毅だが、河野は待ってましたとばかりに身体全体で迎え撃つ。
9Rの減点後に左のカウンターをモロにもらってぐらつく場面があったが、こんなことは大した問題じゃない。とにかく一発でも相手よりも多く自分がパンチを出す。これこそが河野にとって唯一無二のスタイルなのだ。
バランスやフォームなど関係ない。自分の距離を保って手を出し続ける。これが雑草ボクサー河野の本領なのである。

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河野が3-0で勝利!! 亀田興毅もがんばった。死力を尽くした好ファイト

10Rに河野の右を受けてぐらつく亀田興毅。
再びロープに押し付けられてラッシュを浴びる。だが、どうにか根性でリング中央に戻す。
亀田興毅も負けていない。両者の気持ちがぶつかり合う白熱した時間帯だった。

と思ったが、ここで亀田興毅の体力が底をつく。
有利なはずの至近距離でさえ打ち負けるシーンが目立ち始める。
対する河野。カウンターをまともにもらいながらも手を出し続ける。根性とスタミナで完全に亀田興毅を上回った瞬間だった。

「負けるな」
「打ち負けるな」
セコンドで親父の声が虚しく響く。

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12Rに入ると、亀田興毅の足が完全についていかなくなる。
だが、河野も疲れた。パンチを出した後に盛大に身体が流れて亀田興毅にもたれかかる。
それでもパンチを出し続ける両者。死力を尽くしたクライマックスの打ち合い。
2人が頭を密着させてガチャガチャに打ち合ったところで試合終了のゴング。

結果は115-109、113-111、116-108の3-0で文句なしの河野の勝利。

亀田興毅は2ポイントの減点がなければ。2Rのローブローがダウンと判定されていれば。
逆に河野は9Rの減点がなければ。
いろいろとタラレバが考えられる荒れた試合だったが、概ね河野の勝利で文句はない。

そしてナイスファイトだった。
お互い死力を尽くしたいい試合だったと思う。

落日の亀田家。進むべき道が見えていた河野。ほんの少しメンタルで上回った結果の試合

試合後に引退を表明した亀田興毅。
勝っても負けてもこの試合をラストマッチにすると決めていたというコメントが本心からのものかはわからないが、引退という選択自体は正解だろう。

今回の試合は、残念ながらここから復活することは不可能に近いと感じさせるに十分な内容だった。
ボクサーとしての劣化は極めて深刻で、このまま続けていても健康を損なう可能性すらあるのではないかと思う。幼い頃からの勤続疲労によるものだと思うが、河野程度の相手にこんな姿を晒してしまうのであれば引退するのが賢明だろう。むしろ、よくこの状態でここまで健闘したと言った方が正解か。幼少期からのボクシング生活というのも身体的な影響を考えるとあまりよくないことかもしれない。

これで亀田家は4連敗。次男の大毅の引退は間違いないだろうし、長男の興毅も引退。残るは三男だけだが、同じ相手に連敗を喫したことで行く道は険しい。実質ボクシング一家としての亀田三兄弟は終わったと断言して間違いなさそうだ。

「無策の亀田和毅、マクドネルとの再戦に完敗。ダウンも奪われ王座奪取ならず」

・三兄弟での世界チャンピオン
・日本人初の三階級制覇
・奇抜なパフォーマンスや言動
・よくわからないけど、とにかく声がデカい親父
.嫌われれば嫌われるほど強固になる家族の絆

よくも悪くもボクシング界に疾風を巻き起こしたボクサーであったことは間違いない。まさしく稀代のピエロ。果たして今後、これだけ世間に浸透してこれだけ嫌われるボクサーが現れるだろうか。

僕は個人的に亀田興毅に対して何の感情も持っていなかったが、類いまれなる存在感を持った希有なボクサーだったのは間違いないし、引退となると少々寂しさも感じる。
とりあえずは現役生活お疲れさまでしたと心から申し上げたい。

対する河野公平。
まず、この試合の河野はかなり調子が良かったと思う。僕が観た試合の中でも抜群に身体のキレがあったのではないだろうか。

このボクサーがチャンピオンの器ではないという意見は相変わらず変わりないが、勝ち運というか勝負の流れを持っているボクサーなのだとは思った。
タイトルを奪取したのもロートルのデンカオセーンだし、初防衛戦はスレスレの引き分け判定である。そして劣化しまくった亀田興毅に大激戦の判定防衛。間違いなく強くはないが、勝利の流れを持っているボクサーである。

そして、恐らく今後も他団体のチャンピオンから相手にされることはないだろう。実力的にもネームバリュー的にも統一戦をする価値はないし、そもそも存在自体を認識されていない可能性すらある。
つまり、もうしばらくは楽な相手を日本に呼んで防衛戦を重ねられるということだ。あと2回ほど防衛して4度防衛のチャンピオンともなれば、実績としては十分な部類である。

恐らく河野自身がひたむきにボクシングと向き合い続けた結果、自分に吹いた追い風を逃さなかった結果なのだろう。努力の賜物というのはまさしくこういうことを言うのだ。

この試合で終わることを決めていた亀田興毅とここで止まってなるものかという決意で臨んだ河野。何となくだが、このメンタルの差が結果として出たのではないかと思う。

ボクシングのレベルはともかく、非常におもしろい試合だった。
興味がない興味がないと言いつつも、実際観てみたらとても楽しめた。そんな試合だった。

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