長谷川穂積、カルロス・ルイスを迎えての再起2戦目をクリアできるか? 12月11日の試合を予想する

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2015年12月11日、元2階級王者の長谷川穂積の試合が神戸市立中央体育館で行われる。対戦相手はWBO世界S・フェザー級5位のカルロス・ルイス。右構えのオーソドックススタイルの22歳である。

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半年ぶりの再起第2戦目となる今回の試合。
次戦以降に世界への再挑戦を視野に入れる長谷川穂積は、この試合をクリアして勢いをつけることができるか。

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また強い相手連れてきちゃったよ長谷川さん

今回の長谷川穂積の対戦相手であるカルロス・ルイス。キレのいいジャブと右ストレート、そして左のボディへのつなぎが持ち味のオーソドックスなファイターだ。
少し映像を見た印象だが、はっきり言って弱くないと思う。しかも未知の階級であるS・フェザー級。前回のオラシオ・ガルシア戦に続き、またしても難敵の登場である。

どうも世間では無難に長谷川が勝って世界タイトル挑戦に弾みをつける試合という風潮があるが、まったくそんなことはない。簡単に勝てるような相手ではないと思う。
むしろ、再起戦の相手によくこんなやっかいな選手を連れてきたなという印象である。

逆に長谷川がこの選手を相手に自分のボクシングで完勝できれば、世界再挑戦へのゴーサインを出してもいいのではないだろうか。

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強い身体とワンツー、左ボディが持ち味の正統派のファイター

メキシコ出身の22歳であるカルロス・ルイス。
戦績やKO率を見ると、そこまでパンチはなさそうに思える。

だが、実際パンチ自体は強いと思う。
パンチ力がないのではなく、当て勘がよくない。

なかなかトップ戦線に食い込めない原因は恐らくここにあって、当て勘の悪さによる決定力不足でインパクトのある試合が少ないのではないだろうか。いいものは持っていても、ちょっと足りない選手。惜しいところで一皮むけることができない選手の典型なのではないかと予想する。

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防御のスタイルは基本的にはブロックのみで、ダッキングやスウェーは少ない。一発一発にかなり力を込めるので、打つ瞬間や打ち終わりに隙ができやすい。だが、身体の強さがあるので少々の被弾では倒されることはない。頑丈な体幹を活かして相手のパンチを受け止めるのが防御のスタイルといえるだろう。

相手の突進を左回りにステップして避けることもあるようだが、そこまで脅威になるほどの動きではない。
相手の攻撃を避ける技術に関しては多少難がある選手といって間違いなさそうである。

サウスポーと対戦する映像が見つけられなかったので何とも言えないのだが、パッと見た印象だとあまり得意ではなさそうに思える。

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攻撃パターンは基本的に左のジャブからのワンツー。もしくはジャブから左ボディ。主にこのパターンが多い。

ただ、先ほども言ったようにかなり力を込めてジャブを打ち込むのでそこは要注意だ。油断して顔面にもらい続ければすぐに足に来るほどの力強さを感じるパンチである。

かなり力んでパンチを打つために、打つ瞬間や打ち終わりに大きな隙ができる。狙い目はやはりここだろう。この瞬間を狙ってうまくカウンターをとれれば、かなり有利な展開に持ちこめるのではないだろうか。

距離感やスピードをインプットしてタイミングを合わせてくるタイプでもなさそうなので、モンティエル戦やジョニゴン戦のように強烈なカウンター一発で吹き飛ばされる可能性も低そうである。

相手の右に左のクロスを合わせたりもするようだが、あくまで対オーソドックスでのパンチなのでサウスポーの長谷川はそこまで気にする必要はないと思われる。

勝敗予想は長谷川の判定勝ち。持ち味のヒット&アウェイでカルロス・ルイスを翻弄せよ

勝敗予想は長谷川穂積の10R判定勝ち
これでいきたいと思う。

難敵だとは言ったが、冷静に戦うことさえできれば普通に勝てる相手ではないだろうか。
スピード差やパンチの正確性、サウスポーの優位を考えれば長谷川の有利は動かないように思える。相当大きなミスさえしなければ、まず大差判定での勝利は間違いないだろう。

長谷川の作戦としては、やはり足を使ったアウトボクシング。これに尽きる。

一番参考になりそうなのは前回のオラシオ・ガルシア戦だ。
相手の左ジャブを右でパーリングしながら距離をとる。
相手が出てくる瞬間に一歩踏み込み、カウンターで軽いパンチをヒットする。細かい連打で相手の出足を止める。
すぐに身体を入れ替え、絶えず右に回りながら相手の死角からパンチを当てていく。
右に回りながらの細かい右。これは間違いなく当たる。このパンチを中心に、スピードと手数でカルロス・ルイスをかく乱するのである。

当然軽いパンチだけではカルロス・ルイスの前進を止めることはできない。どこかのタイミングで相手の右フックに左ストレートを合わせて前進を寸断しておく必要があるだろう。
相手の左足の外側に踏み込み、カルロス・ルイスの右が当たらない位置から強い左を打ち込むのだ。

さらに左ストレートから返しの右フック。
カルロス・ルイスの得意な左ボディに気をつけながら細かいパンチを次々に当てて、ポイントを確実に奪取するのである。

正面に立たないように注意しつつ、徹底して相手のパンチ力を半減させるポジションから打ち込む。パンチに強弱をつけてヒット&アウェイを貫き、スピード差で翻弄する。これが長谷川が最も安全かつ確実に勝利できる戦い方だろう。

前回のオラシオ・ガルシア戦では足を痛めている状態でもあれだけ動けたのだから、身体さえ健康ならどうにかなると思うのだが、いかがだろうか。

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打ち合いだけはダメ。一発でももらえば試合が終わる

懸念材料があるとすれば、無理に打ち合ってしまった場合だろう。
強引に出てくる相手とムキになって打ち合ってしまうのは長谷川の悪い癖だ。比較的楽な相手との防衛戦を長期間続けたことによる弊害の一つである。

特に今回の試合は打ち合っては絶対にダメだ。
スピード差があるからといって、階級差のある相手と打ち合ってはいけない。

前回の試合でも時おりロープを背負って打ち合うシーンが見られたが、あれは本当に止めた方がいい。心臓に悪いことこの上ない。
ましてや今回は初体験のS・フェザー級の選手が相手である。当然耐久力もパンチ力も今までの相手よりもワンランク上がる。
無理に打ち合って一発でも被弾すれば、また棒立ち状態で連打を受けてレフェリーストップというパターンになりかねない。

力を込めて打ち込むことは必要だが、倒しにいくべきではない。打たせずに打つ自分のスタイルを徹底するべきである。

もしも打ち合う以外に方法がないほど足が衰えているのであれば、もはや長谷川には引退しか道はないといっても過言ではない。

長谷川伝説最終章第二幕のスタート

この先の世界再挑戦を見据える長谷川穂積。今回の試合にいい勝ち方をすれば一気に道が開けるはずだ。
まだまだ長谷川穂積というボクサーが終わっていないことを証明するためにも、今回はぜひとも大差をつけて勝利したいところである。

日本が生んだ天才ボクサー、激闘王長谷川穂積の最終章第二幕のスタートだ。

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