カンボソスvsヒューズは114-114かな。那須川天心vs与那覇勇気みたいな試合だった。カンボソスはヘイニー相手にこれをやれれば勝てたのかも?【結果・感想】

カンボソスvsヒューズは114-114かな。那須川天心vs与那覇勇気みたいな試合だった。カンボソスはヘイニー相手にこれをやれれば勝てたのかも?【結果・感想】

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2023年7月22日(日本時間23日)に米・オクラホマ州で行われたライト級12回戦。同級前3団体統一王者ジョージ・カンボソスJr.とIBF9位のマキシ・ヒューズが対戦し、2-0(117-111、115-113、114-114)の判定でカンボソスが勝利。昨年10月のデビン・ヘイニー戦からの再起に成功した試合である。
 
 
デビン・ヘイニーに2連敗を喫し、3団体統一王者から一気にキャリアの窮地を迎えたジョージ・カンボソス。
 
僕は個人的にデビン・ヘイニーが好きなこともあってヘイニーに敗れたカンボソスの動向にも注目していた。
 
ロマチェンコvsカンボソス。何も変わってなかったカンボソス。ロマチェンコとの相性最悪なまま置いてきぼりを食って11RTKO負け
 
そして今回、トップランク興行で再起戦に臨むと聞いて「じゃあ観てみるか」と。
相手のマキシ・ヒューズのことはまったく知らなかったのだが、戦績を見るとそこそこ強い選手っぽい。
 
また4団体統一王者のヘイニーが階級アップを示唆しているとのことで、負ければキャリアが大幅に停滞する、逆にいい勝ち方をすれば再びトップ戦線に絡む可能性が生まれる。カンボソスは絶対に失敗が許されない試合である。
 
あまり話題にはなっていないが、僕は密かに注目していたことをお伝えする。
 

僕の素人クソ採点は114-114のドロー。ヒューズの勝ちもあり得るけど“盗まれた”というほどじゃない

表題の通りだが、まず僕の素人採点は114-114のドロー
 
一部? ではマキシ・ヒューズが勝った、カンボソスが判定を盗んだと言われているようだが、はっきりとヒューズの勝ちというほどではない(と思う)。
一方で117-111に対しては「おお、そこまで開くか?」という印象。
 
スコアカードを確認したが、やはり114-114をつけたジャッジが僕の採点と一番近い。
と言いつつ、迷ったラウンドが3つほどあるので117-111もなくはない? かも?
 
どちらにしろカンボソスは苦戦を強いられたが負けまではいかない。ジャッジの好みで勝ちを拾ったと考えればそこまでおかしな結果ではない。
これ↑が僕のファイナルアンサーである。
 
ケル・ブルックのキャリアを振り返ってみた。クロフォードvsスペンス戦を受けてブルックの試合を漁る。ウェルター級最強(当時)が喫した3敗はすべて強豪
 

カウンター使いのカンボソスは相手を崩すのが苦手。ヘイニーとの2戦でもジャブとカウンターを駆使するヘイニーを攻めきれず

試合の感想としては、マキシ・ヒューズはカンボソスの苦手なタイプだった&元王者を食うには少し足りなかったなぁと。
 
 
カンボソスは基本的にカウンターが得意な“待ち”のタイプ。
 
腕を下げた構えと見切りで初弾を避け、打ち終わりにカウンターを被せる。
大金星を挙げたテオフィモ・ロペス戦ではごり押しファイトでねじ伏せにきたロペスに抜群のタイミングでカウンターをぶち込みダウンを奪ってみせた。
 
テオフィモ・ロペス陥落。カンボソスの研究と覚悟に無策のロペス。あれだけ顔面丸出しで攻めればw スペックの高さは文句なしだから復活を期待するよ
 
逆に遠間でカウンターを狙う相手を崩すのは苦手。
攻め手は「思い切り飛び込んで連打を出す」のみで、ガードを上げてプレスをかけるような重厚感はない。
一定レベルまでならスピード差で上回れるが、鋭いジャブと見切り、カウンターを兼ね備えたトップ選手には通用しなくなる。
 
実際、デビン・ヘイニーとの2戦では距離を取ってカウンターを狙うヘイニーを攻めきれず。
腕を下げて構える分、鋭いジャブに回避が間に合わずカウンターのタイミングも掴めない。
前手のジャブで動き出しを狙われ、中間距離の差し合いでごっそりポイントを奪われてしまった。
 
「向かってくる相手にはカウンターが機能するが、自分から攻める際はあっという間に単調になる」ことがヘイニーとの2戦ではっきりしたと言えるのではないか。
 
 
実はテオフィモ・ロペスも似たタイプ(だと思っている)なのだが、あの選手は踏み込みスピードと一瞬の火力がとんでもない。
しかも対戦相手や試合の大きさによって出来不出来が変わるので過去の試合が参考にならないのも特徴。
 
ジョシュ・テイラーが負けただと…? 絶好調のテオフィモ・ロペスがテイラーのカウンターをボディで攻略、見事2階級制覇。際どい試合だったけどロペスががんばりましたね
 
その点、カンボソスには相性の悪さを覆すほどのスペシャル感はない、嘘だろ? と思わせるような意外性も持ち合わせていない。
 

マキシ・ヒューズはカンボソスの苦手なタイプ。那須川天心vs与那覇勇気戦と少し印象が被ったよ

上述の通りマキシ・ヒューズはカンボソスにとってかなり苦手なタイプ。
 
絶えず左右に動くフットワークが持ち味で、アングル調整をしつつ空いた場所を狙う的確さもある。
 
英国出身の選手にはこれ系が多いというか、何となくポール・バトラーを左構えにした印象である。
 
中谷潤人vsアルヒ・コルテス。中谷有利だと思うけどコルテスの健闘に期待する。あるかもしれない井岡vs中谷戦()に向けて。でも、中谷の後半KOかなぁ
 
・自分から手を出してこない
・正面に立ってくれない
・打ち終わりにカウンターを狙われる
・動きを止めた瞬間にスパスパ軽打を当ててくる
 
先に手を出させたいカンボソスとしては、この手のタイプはめちゃくちゃやりにくい。
サウスポーとの対戦経験がどの程度なのかは不明だが、パッと見あまり得意でもなさそうな……。
 
 
フワッとした印象だが、今回の試合は今年4月に行われた那須川天心vs与那覇勇気戦と少し被った。
マキシ・ヒューズは天心ほど上体をクネクネさせるわけではないが、正面を外す動きが得意という部分で。
 
あとはアレだ。
ジョージ・カンボソスは少しだけ与那覇勇気っぽさがあるような、ないような……。
 
那須川天心vs与那覇勇気戦を再視聴したら天心のすごさにオドレエタ。これは相当すごいな。試しに誰が天心を攻略できそうかを考えてみた
 
114-114をつけたジャッジが前半はヒューズ、後半はカンボソスを支持していたが、僕の採点も概ねこんな感じである。
 

後半以降はカンボソスのペース。ヒューズは横の動きが鈍ってカウンターを回避されるシーンが増えた

114-114をつけたジャッジ(と僕)は後半以降カンボソスを支持しているわけだが、実際7Rくらいからカンボソスがヒューズのカウンターを回避するシーンが目に付く。
 
「ヒューズが待ち構えるところにカンボソスが飛び込む→1発目のビッグパンチをヒューズが回避」するまでは同じ。
だが、7R以降はヒューズのカウンターをカンボソスがスウェイorダッキングで避け、その直後にカウンターを被せていく。
 
これはカンボソスがパンチの軌道に慣れたのはもちろん、ヒューズのフットワークが鈍ったのもありそう。
カウンターを狙うあまり横への動きが減り、正面に立つケースが目立った(気がする)。
 
また、根本的にヒューズはジャブの鋭さが足りなかった。
基本は出入りと横移動による回避のみで相手の突進を止める手立てがない。
ヘイニーは得意のジャブを駆使して中間距離を支配したが、ヒューズのジャブにはそこまでの精度、威力は感じられなかった。
 
カンボソスを苦戦させるネタは持っていたが、要するにトップ戦線に食い込むにはもう1歩足りなかったのかなぁと。
 
 
ちなみに横の動きとジャブを両立できる&長身の三代大訓ならワンチャンあるんじゃねえか? と思っていた次第である。


勝てるかはわからないが、少なくともいい勝負はできそうな……。
 
黒木優子vsモンセラット・アラルコン。黒木優子は王座統一ヨカタ。結構際どかったけど。女子ボクシングは男子とは別競技だよね
 

カンボソスはヘイニー戦でこの試合の後半をやれていれば。と言いつつ、あのジャブに対応できない時点で詰みかな…

逆にカンボソスはこの試合の後半をヘイニー戦でやれていれば!!……といったところか。
 
1、2戦目ともにヘイニーのジャブで出足を止められまくったカンボソスだが、この試合(の後半)ではヒューズがジャブを出す前に懐に入ることができた。
 
相手のカウンターをギリギリで回避→カウンターにカウンターを被せる流れは恐らくヘイニー戦でやりたかったこと。
 
実際、後半のカンボソスは流れがきていることを感じながら戦っていたのではないか。
 
 
まあ、結局ヘイニーのジャブに対応できなかった時点で勝つのは難しかったとは思うが。
 
ヘイニーがリマッチでもカンボソスを圧倒。ジャブとアウトボクシングだけじゃない、パンチ力とインテリジェンスも証明した試合だったな。PFP No.1がより盤石に
 
申し上げた通りカンボソスはテオフィモ・ロペスと同じ? カウンター使い(僕の中では)だが、ロペスほどの意外性も爆発力もない。
 
「もしかしたら相手によっては王座返り咲きもあり得るが、長期防衛や複数階級制覇は難しそう」というのがこの3戦におけるカンボソスの印象である。
 
 
そう考えると、調子乗りのテオフィモ・ロペスが舐めプしてきたのはガチで絶妙なタイミングだった笑
何だかんだでデビン・ヘイニーは最初から最後まで真面目だったしね。
 
 
一応言っておくと、カンボソスvsテオフィモ・ロペス戦は文句なしにナイスファイトでした。
 
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