4団体統一王者デビン・ヘイニーがロマチェンコの追い上げを振り切り僅差判定勝利。またしても不動のPFP No.1っぷりを証明したな【結果・感想】
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2023年5月20日(日本時間21日)に米・ネバダ州で行われたライト級世界4団体統一戦。同級統一王者デビン・ヘイニーと元3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコが対戦し、3-0(116-112、115-113、115-113)の判定でヘイニーが勝利。昨年10月のジョージ・カンボソス戦に続いて2度目の防衛に成功した試合である。
元3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコがライト級4団体統一王者でPFP No.1(僕が決めた)のデビン・ヘイニーに挑んだ一戦。
ここ最近、ボクシング中継をリアルタイムで観る機会が減っているのだが、今回に関しては以前から楽しみにしていたこともあり時間通りにスタンバイした(アンダーカードには間に合わなかった)。
ちなみに僕が応援するのはデビン・ヘイニー。
塩分濃いめの試合が多いせいか日本では(も)やたらと不人気なヘイニーだが、そんなことは関係ない。僕はこの選手がかなりお気に入りである笑
ただ、この試合ではロマチェンコ人気のおかげで日本では完全に敵役状態。キャリアも後半に差し掛かっていることを考えるとロマチェンコが勝った方がドラマチックなのかな? とも思うが……。
そんな感じで「どちらもがんばれ」「でも、僕はヘイニーに勝ってほしい」というややヘイニー寄りのテンションで視聴をスタートした次第である。
ヘイニーvsロマチェンコ再視聴。言うほどロマチェンコは勝ってない、ヘイニー勝利と断言するほどでもない。理不尽な罵声を浴びせられたヘイニーが闇落ち。あ〜あ…
- 1. 勝敗予想はロマチェンコの判定勝利予想。案外ヘイニーを置いてきぼりにするのでは? と思ったよね
- 2. ヘイニーのデカさを目の当たりにしてあっという間に揺らいだw だってめちゃくちゃデケえんだもんヘイニー
- 3. ヘイニーが自ら前に出たのは驚いた。ジャブ主体の塩漬け作戦だと分が悪いと判断したか?
- 4. ボディを真正面からザクザク突き刺したのはよかった。ピンチの局面もあのボディで切り抜けたよね
- 5. やるべきことをやり続けたロマチェンコ。でも、壁のようなヘイニーの圧力を捌ききることはできず
- 6. ロマチェンコの終盤の追い上げはさすがだったよ。両者ナイスファイトだったしヘイニーが“前”で勝負したおかげで思った以上に楽しめた
勝敗予想はロマチェンコの判定勝利予想。案外ヘイニーを置いてきぼりにするのでは? と思ったよね
まず試合前の僕の展望は下記。
デビン・ヘイニーvsワシル・ロマチェンコは案外ロマチェンコ有利かも? でも応援するのはヘイニー。「ヘイニーよ、お前がNo.1だ…」って言いたい笑
・この試合はヘイニーがロマチェンコを釘付けにできるかの勝負になる
・ヘイニーがジャブで安全圏をキープできればヘイニー有利
・ロマチェンコが中に入るシーンを多く作れればロマチェンコ有利
・ヘイニーは中盤から後半にかけてグダるが、ロマチェンコは逆に後半に伸びる
・ヘイニーはジャブはいいが横の動き、接近戦はそこまで得意ではない
・恐らくジャーメイン・オルティスのような対応はできない
・案外ロマチェンコに置いてきぼりを食う可能性もある?
・ヘイニーが勝つには序盤の貯金が重要
・ロマチェンコが勝つには様子見のラウンドを少なくペースアップを早めに
・勝敗予想は思い切ってロマチェンコの判定勝利
・でも、応援するのは断然ヘイニー
恐らくヘイニーはジャブとバックステップを駆使して距離を取る作戦でいくはず。
いわゆる塩試合というヤツで、ロマチェンコを遠間に釘付けにしたままポイントアウトを狙う作戦。
なので、ロマチェンコが勝つにはヘイニーのジャブをかいくぐって中で勝負することが必須になる。両者の体格差を考えると相当苦労すると思うが、それでも勝利のためにはやるしかない。
ただ、ヘイニーはジャーメイン・オルティスほど接近戦がうまくない&横の動きへの反応もいまいち。
また過去の試合でもサウスポーのいきなりの右を食うシーンが多く、相手の動き出しを察知する能力も高くなさそう。
そう考えると、案外ロマチェンコがヘイニーを置いてきぼりにするパターンもあり得る?
最初はヘイニーが若さと体格差でねじ伏せると思っていたが、あれこれ考えていくうちにロマチェンコが機動力と手数で体格差を覆す気もしてきた。
というわけで、勝敗予想は思い切ってロマチェンコの判定勝利でいかせていただく。
デビン・ヘイニーvsレジス・プログレイスが待ち遠しいw ヘイニー判定勝利が濃厚と言われてるけどプログレイスにも勝ち筋はある?
ヘイニーのデカさを目の当たりにしてあっという間に揺らいだw だってめちゃくちゃデケえんだもんヘイニー
ところが。
試合が近づきプロモーション動画が出回り始めると……。
ヘイニーがデカい。
いや、改めてヘイニーがデカいなと笑
もちろんデカいことは知っていたが、動いている映像(減量前)を目の当たりにすると……。
以前「ツンツンの髪型にしてからヘイニーがチャーロ兄にしか見えない」と冗談っぽく言ったが、マジでそんな感じ。
ロマチェンコが手数と機動力で体格差を覆すとほざいておいてアレだが、さっそく考えが揺らいだことを報告する笑
デビン・ヘイニーがツンツン頭にしてから上半身のゴツさと相まってチャーロ兄にしか見えなくなってるんだけど、いやホントにデカいなコイツ笑
たまたま練習動画が流れてきたんですが。
ロマチェンコが勝つんじゃないの? と思ってたけどちょっと厳しいか?
まあ、ヘイニーは不動のPFP No.1だからね。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) April 22, 2023
最初は6:4~7:3でヘイニーだったものが5:5、もしくは4:6でロマチェンコに変わり、ヘイニーのデカさを見せつけられてから5.5:4.5くらいでヘイニー有利に落ち着いた。
我ながら予防線張りまくりでしょーもないのだが、それくらい際どい試合になるのでは? と思っていた次第である。
ロマチェンコが苦労の末に判定勝利。ジャーメイン・オルティスは期待以上にいい選手だった。でも勝負どころを見極めたロマチェンコはさすが。衰えについては…
ヘイニーが自ら前に出たのは驚いた。ジャブ主体の塩漬け作戦だと分が悪いと判断したか?
前置きが長くなったが試合の感想を。
上述の通り結果は3-0(116-112、115-113、115-113)の判定でヘイニーの勝利。
終盤怒涛の追い上げを見せたロマチェンコだったが一歩及ばず。ヘイニーの馬力、圧力を攻略しきれず僅差判定負けを喫している。
今回もっとも驚いたのが、ヘイニーが自ら前に出て勝負したこと。
僕はヘイニーはジャブ中心のアウトボクシングに徹すると思っていたのだが、まったくそうはならず。
1R開始直後からガードを高く上げる&腰を落としてジリジリと前に出る。
そして、ロマチェンコの射程内で上下の打ち分けを浴びせていく。
おお、なるほど。
そっちできましたか。
申し上げたようにこの試合はロマチェンコがいかに中に入るか、ヘイニーが安全圏を維持できるかの勝負になると思っていた。
ただヘイニーは接近戦がそこまで上手ではなく、なおかつ縦横無尽に動き回る相手への対応もヌルい。
左リードは確かに脅威だが、そこさえかいくぐれば十分攻略は可能。ロマチェンコにとっては実は相性が悪い相手ではない。
恐らくだが、ヘイニー自身もそれをわかっていたのではないか。
ジャブとバックステップだけではロマチェンコからは逃げきれない。
しかも近場の差し合いになればロマチェンコの方がはるかに上。
体格差のアドバンテージはあるものの、まともに対峙すれば分が悪い(かもしれない)。
諸々を踏まえた上で、物量で押し潰す作戦を選択したのだと想像する。
ヘイニーがPFP1位で異論ないよな? “あの”カンボソスを塩漬けにしたんだぞ。井上尚弥、カネロがはるか彼方にふっ飛ぶ偉業。ジャブ、ダッキング、クリンチが最強。以上!!
まあ、デカくて動ける側が体格差とパワー差でねじ伏せにかかるのはまったくおかしいことじゃないですからね。
これまでのヘイニーの試合運びからそこに思い至らなかっただけでw
ボディを真正面からザクザク突き刺したのはよかった。ピンチの局面もあのボディで切り抜けたよね
中でもよかったのがボディ。
テオフィモ・ロペスはサイドからのボディでロマチェンコの横の動きを封じたが、正直ヘイニーにそれができるとは思えず。
ロマチェンコvsテオフィモ・ロペス感想。115-113ロペスかな。ロペスの対策が素晴らしかったしやっぱりスピード&パワー大正義
じゃあどうするの? と思っていたところ、真正面からカウンター的にザクザク打ち込んでみせた。
自ら前に出て圧力をかけ、ロマチェンコが出てきたところにズドン。
ジャブでスペースを作り、ロマチェンコがふっと気を抜いた瞬間に踏み込んでズドン。
ロマチェンコの連打とサイドへの動きにタジタジになるシーンもあったが、要所であのボディが絶大な効果を発揮する。
それこそ中盤ロマチェンコのペースが上がらなかったのはボディへの警戒心&ダメージによるものだったはず。
これは僕の勝手な想像だが、今回のヘイニーは中谷正義がやるべきだったことを高次元で実践したのではないか。
自ら前に出て圧力をかけることでロマチェンコの横の動きを制限、強引に踏み込んできたところを真正面からのボディで迎撃する。
ジャブ中心の塩漬け作戦だけでは十中八九置いてきぼりを食う。
それを防ぐために体格差を活かして“前”で勝負することで逆に逃げ場を制限する。
中谷正義がロマチェンコにTKO負け…。「悔しい」しか感想が出てこない理由? 中谷正義が負けて悔しいからですよ。完全に攻略されてたな
ロマチェンコにとっては追いかける作業を省ける分ありがたいかも? とも思ったが、そこをさらに上回ったヘイニーは文句なしで素晴らしかった。
やるべきことをやり続けたロマチェンコ。でも、壁のようなヘイニーの圧力を捌ききることはできず
一方、敗れたロマチェンコもやるべきことをやり続けた(と思う)。
案の定接近戦では圧倒していたし、いきなりの左でヘイニーの顔を何度も跳ね上げていた。
実際、ヒット数だけならロマチェンコの方が上だったのではないか。
ただ、どちらのパンチが有効だったかというと……。
1発1発が重く力感も十分なヘイニーに対し、ロマチェンコのパンチは精度こそ高いがダメージを与えているようには見えない。
特にロマチェンコに疲れが見えた中盤は両者のフィジカル差がはっきりと感じられた。
ロマチェンコが勝つにはとにかく動き回って手数を出すしかないわけだが、それができないくらいに疲弊させられていたような……。
マジな話、ロマチェンコがコーナーを背負ったシーンではヘイニーが壁みたいでしたからね。
あの圧力を受けながら動き回るのは心身ともに激しく消耗しそうである。
ロマチェンコの終盤の追い上げはさすがだったよ。両者ナイスファイトだったしヘイニーが“前”で勝負したおかげで思った以上に楽しめた
それでも終盤の追い上げはさすがのロマチェンコ。
ラスト3Rでのペースアップはテオフィモ・ロペス戦と同じパターンだが、そこにヘイニーの失速? が加わり試合はよりエキサイティングなものに。
もしかしたらあの後半の伸びはロマチェンコの一番の持ち味かもしれない。
滑るようなフットワークやポジショニング、精度の高い連打以上に。
テオフィモ戦同様、アレをもっと早くやれよという話なのだが、恐らくそういう話ではないのだろうと。
ジョシュ・テイラーvsテオフィモ・ロペス戦がいつの間にか近づいてきた。テイラーの動向が謎すぎて興味を失いつつあった。階級アップ後のテオフィモは確かにビミョいな
どちらにしろ両者ナイスファイト。
デビン・ヘイニーが“前”で勝負したおかげで思った以上に楽しめた。
116-112、115-113×2の3-0でデビン・ヘイニー 勝利。
いや〜、おもしろい試合でした。
ヘイニーが前に出てのボディ狙いを選択したのは驚いた。
アウトボクシングだけだと追いつかれると判断した感じか。
確かに接近戦はロマチェンコが上だったしな。一進一退の接戦でしたね。
両者ナイスファイト。 https://t.co/KcoxfgSwHd— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) May 21, 2023
というわけでいつものヤツを。
“プエルトリコの至宝”と目されたフェリックス・ベルデホを激闘の末にKOした東洋で敵なしの中谷正義に手も足も出させず完勝した元P4P No.1のワシル・ロマチェンコを終盤までスピード&パワーで圧倒して判定勝ちを収めた“テイクオーバー”テオフィモ・ロペスから初回にダウンを奪いド根性で大金星を掴んだジョージ・カンボソスをアウェイの舞台で左手1本で完封し4団体統一を果たし、約4か月後の再戦でも追いすがるカンボソスを退け、次戦で元P4P No.1のワシル・ロマチェンコに僅差判定勝ちを果たしたデビン・ヘイニー。
クロフォードvsスペンス戦正式決定? 僕はここからの決裂もあると思ってるよw 勝敗予想はクロフォード:4、スペンス:3、交渉決裂:3くらい
ちなみにWOWOWエキサイトマッチは出演陣にジョー小泉の名前があったために消音設定で視聴している。
なので、アイツがどんなコメントを発したか、どう老害っぷりを発揮したか(老害発動が前提になってるw)についてはいっさい存じ上げない笑
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