カネロカワイソスw 金儲けマッチを否定はせんけど今回は度を超えてるかな。DAZNにスポーツを育てる長期的視野なんかないからね
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ここ数日、S・ミドル級/ミドル級世界王者サウル・“カネロ”・アルバレスの周辺がきな臭いことになっていると思っていたのだが、あれこれ情報を漁ってようやく状況が理解できた。
I combined my slew of tweets into one spot for those interested in my take on the Canelo/GB/DAZN situation. I have no dog in fight and look at it as an unbiased observer with decades of experience covering this sort of thing in #boxing. Here you go: https://t.co/OP8iOKgtpA
— Dan Rafael (@DanRafael1) September 9, 2020
現役最高峰カネロ GBPデラホーヤ氏とDAZN提訴
スーパー・スターの次戦はさらに迷走https://t.co/912vN8xJ5J— ボクシングビート (@beat_macc) September 11, 2020
米スポーツライターのダン・ラファエルのおっさんのFacebook上での見解や「Boxing News」サイトの記事を読むと、どうやら相当こじれているらしい。
カネロとGPBは5年11試合、総額約408億円とも言われる巨額契約をDAZNと結んでおり、この2年で3戦を消化している。
だがDAZN側は当初から元ミドル級統一王者ゲンナジー・ゴロフキンとの第3戦を求めており、なおかつ2戦に1戦は「プレミアムな相手」と対戦しなければならない。その際、カネロ陣営の選んだ相手を拒否できる契約だったとのこと。
ところが当のカネロは対戦相手を拒否できる旨の契約内容を知らされていなかった。
2020年に入ってから対戦交渉を進めていたS・ミドル級王者ビリー・ジョー・サンダースやカラム・スミスは、DAZNにとっては「プレミアムな相手」には当たらない。
代わりにDAZNが提示したのは2008年に引退し現在47歳のオスカー・デラホーヤや、UFCファイターであるハビブ・ヌルマゴメドフ、ホルヘ・マスヴィダルらとのマネーファイト。
もともと新型コロナウイルスの影響で興行全体がストップする中、カネロ側はDAZNからのファイトマネーの減額や無観客での試合要請を了承していた。
そんな中でのDAZNやGBPの不誠実な対応に不信感が積もり積もった結果、止むを得ず訴訟に踏み切った。
僕のクソ英語力をGoogle先生の翻訳で補完しながら読んでみたのだが、大体こんなところだろうか。
この訴訟が長引けばカネロのキャリア停滞は避けられず、期待されていたvsゲンナジー・ゴロフキンVol.3の計画や日本の村田諒太との東京ドームマッチといった妄想もすべて吹っ飛ぶことになる。
カネロの試合を楽しみにしている人間としては残念極まりないのだが、お互いの事情を考えると仕方ない部分もあるのかな? という気もする。
ボクシング好きな選手TOP10完結編。カッコいいかどうかが大事なんだよな結局。大きく変動したランキングにニューカマーの登場。でも絶対外せない不動の選手もいる
カネロがGBPとDAZN相手に訴訟…。要するにDAZNに金がないんだろうな。固定費を削る方向に舵を切っている
カネロがGBPの代表オスカー・デラホーヤとDAZNを相手取って2億8000万ドル(約297億円)の損害賠償を求める訴訟を起こしたとのこと。
ここ数日、カネロの周辺がかなりヤバい雰囲気になっているのは知っていたが、まさかここまでこじれていたとは。
特にDAZNの懐事情が厳しいのは火を見るより明らかで、ひょっとしたらこのままポシャるのではないか? と思うほど。
先日、JリーグがDAZNとの独占契約を2028年まで延長したことが報道されたばかり。
正直、今回のコロナ禍の中でずいぶん景気のいい話だなと思っていたのだが、落ち着いて読んでみると実はそんなことはなさそうである。
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Jリーグと日本国内の放映権契約年数を2年延長
2028年までのパートナーシップを締結
\新しい形でのパートナーシップは、Jリーグの未来と #DAZN が日本のファンにとって一番のフットボールメディアとなることを支えていきます。
詳細はこちらから?https://t.co/6OkwrjRKK2
— DAZN Japan (@DAZN_JPN) August 26, 2020
?新契約??
JリーグがDAZNと放映権契約を2年延長、12年総額2239億円 ラシュトンCEO「日本にフルコミット」https://t.co/GkAe2SD0yF✍️?編集部より
「JリーグとDAZNが共同会見を実施。2017から10年2100億円で締結していた放映権契約を2028年まで延長しました」— サッカーキング (@SoccerKingJP) August 25, 2020
10年総額約2100億円の契約から、新たに12年総額約2239億円の契約を締結。「レベニューシェアの新たなルール導入」なるものがこの契約の目玉らしいが、よくよく読むとDAZNがJリーグに支払う年間の固定費がガッツリ下げられていることに気づく。
「契約延長を2028年までとすることでバランス良く、安定的にリーグの発展」
「メリットの創出」
あれこれとそれっぽい言葉を並べてはいるが、要するに金がねえんだろうなと。
“レベニューシェア”なる利益配分のルールがどんなものかは不明だが、どちらにしてもDAZN側の事情が色濃く反映された契約であることは間違いなさそうである。
今後加入者が増えればお互いの取り分も増えるが、そうでない場合はDAZN側は支払い額を抑えることができる。win-winの契約をうたってはいるが、実際には契約年数をエサにJリーグ側が減額を飲まされたと考えていいのではないか。
その他、改めて見るとDAZNがさまざまなところで固定費を削っていることがわかる。
野球はいつの間にかMLB中継がなくなっているし、総合格闘技ベラトールとの契約が2020年で打ち切りになるという噂もある。
恐らくJリーグやNPB、大坂なおみのいるテニスなど、一部のドル箱コンテンツに絞ったスリム化を図っている最中なのだろうと。
そんな中、5年11試合、総額約400億円などというバカげた契約を結んでしまったスーパー不良債権のカネロを何とかしようというのは当然の流れに思える。
FAのカネロがカラム・スミスとWBAタイトル戦。カネロの保持タイトルと王座の細分化がエグくて目がチカチカすんなw
今回に関してはカネロがかわいそうだな。プレミアムな相手云々も、完全にファイトマネーを値切るための難癖ですよね
上記の事情を踏まえた上で、なおかつダン・ラファエルのおっさんの見解が正しかったと仮定して。
今回のカネロに対するDAZNの対応は酷い。契約者数が減少して苦しいのはわかるが、あまりに度が過ぎていると思う。
まず2019年5月のダニエル・ジェイコブス、同年11月のセルゲイ・コバレフを「プレミアムな相手」とは認めないというDAZN側の主張。
これはちょっと無理があるし、特にコバレフ戦での豪快なKO勝利はカネロをPFP No.1ファイターに押し上げる大きな要因となっている。
それこそゲンナジー・ゴロフキンとの第3戦を除けば、あの時点ではベストな2人だったはず。
セルゲイ・コバレフベストバウト3選。やっぱりコバレフ超カッコいい。圧倒的な“クラッシャー”っぷりと人間味溢れるコバレフが大好きですww
さらにS・ミドル級王者のビリー・ジョー・サンダース、カラム・スミスも上記2人に勝るとも劣らない。ネームバリューはやや落ちるかもしれないが、両者ともにこれまでピンチらしいピンチを見せたことのない無敗王者である。
ミドル級王者の村田諒太に関してはネームバリュー、実績ともにカネロとは釣り合いが取れないものの、この選手には巨大な日本のファンベースがある。地上波離れが続く中で視聴率20%を叩き出すボクシング界のスターであり、日本最王手の広告代理店電通様()のお抱えでもある。
それこそカネロが来日するとなれば、1990年以来の東京ドームマッチも夢ではない。
どう考えてもDAZNの言い分は難癖としか思えないし、何とかしてファイトマネーを値切ってやろうとしているのは見え見えである。
ヌルマゴメドフやマスヴィダルがプレミアムな相手? いや違うでしょw 金儲け優先の異種格闘技戦を否定する気はないけど
そして、DAZNの提示する「プレミアムな相手」としてUFCファイターのハビブ・ヌルマゴメドフやホルヘ・マスヴィダルの名前が挙がっているとのことだが、これもちょっと違う。
異種格闘技戦の是非については2017年のフロイド・メイウェザーvsコナー・マクレガー戦を引き合いに出す方もいるが、あの試合と今回はあまりに事情が違う。
パッキャオvsメイウェザーの世紀の一戦から5年だって。WOWOWがパッキャオ特集やるらしいけど、あの試合に総額300億の価値はあった?
引退から2年が過ぎた40歳オーバーのメイウェザーと、今がまさに全盛期のカネロを同列に語るのはあまりにナンセンス。そもそもアレはメイウェザー自身が望んだ試合であって、純粋に強敵とのボクシングマッチを求めているカネロにそれを強いるのは無理がある。
一応言っておくと、僕は異種格闘技戦自体は嫌いではない。
賛否両論巻き起こした2018年末のメイウェザーvs那須川天心戦も普通に楽しんだし、話題先行の金儲けマッチを否定する気はない。
しかも今回はパンデミックによって全世界のスポーツ興行がストップする前代未聞の状況。長期的視野云々以前に、目先の利益を優先することはある程度仕方ないとも思っている。
スポーツライターの杉浦氏もおっしゃっているように、大風呂敷を広げ過ぎたDAZNの見通しの甘さは指摘されて然るべきだが、大前提としてコロナ禍の影響を考慮する必要がある。
DAZNの見通しの甘さは言われてる通りですが、ただ、パンデミックがなければ、2020年のカネロは5月サンダース、9月ゴロフキン、12月村田戦というビジネス面も含めて充実の1年になった可能性があったのも事実。より大掛かりな世界戦略を発表した直後のコロナショックは、本当に最悪のタイミングでした
— daisuke sugiura 杉浦大介 (@daisukesugiura) September 10, 2020
日本のRIZINがクラウドファンディングでの資金集めを試みた際、鬼の首を取ったように地上波頼りの収益構造の歪さを叫ぶ方もいたが、RIZINがピンチに陥った最大の要因は誰にも予想できない事態が起きたせいという事実を忘れてはいけない。
RIZINがとうとう未払い!? と思ったらムサエフ本人が否定。今回はある程度同情の余地があるかな。日本格闘技界の収益構造の歪さとは別問題
あの試合はマクレガーだったから成り立ったわけで。ヌルマゴもマスヴィダルも断じて「プレミアムな相手」ではないからね
だが、そこまで考慮してもカネロにヌルマゴメドフやマスヴィダルとのボクシングマッチを強いるのは違う。全然違う。
なぜなら、彼らは「プレミアムな相手」ではないから。
そもそも論として、2017年のメイウェザーvsマクレガーはあの両者だったからこそ成立したものだと思っている。
メイウェザーとUFC代表のダナ・ホワイトには何年も前から妙な因縁があったし、メイウェザーも現役当時からUFCを意識した発言を繰り返してもいた。
で、近年躍進著しいUFCからコナー・マクレガーというスーパースターが生まれ、その選手がボクシングの帝王に噛み付いた。
貧困層の生まれであることや、階級上のネイト・ディアスに相手の体重を合わせた上でリベンジを果たしたこと、エディ・アルバレスを秒殺KOで下してライト級王座を戴冠したこと。などなど。
試合前のトラッシュトークを含め、当時のマクレガーは完全に総合格闘技というジャンルを超えていた。
時代の寵児とも呼べるスターが人気絶頂の中、無敗のボクシング王者に相手の土俵で喧嘩を売ったのだから、話題にならないわけがない。
下記を見れば、マクレガーがどれだけジャンルを超えたスターか、メイウェザー戦の効果がいかに絶大だったかは明白である。
2016年8月、vsネイト・ディアスVol.2:PPV165万件
2016年11月、vsエディ・アルバレス:PPV130万件
2017年8月、vsフロイド・メイウェザー:PPV430万件
2018年10月、vsハビブ・ヌルマゴメドフ:PPV240万件
それに比べれば、ヌルマゴメドフやマスヴィダルではまったく物足りない。わざわざボクシング界の顔とも言えるカネロを異種格闘技戦に引っ張り出すには完全に役者不足である。
というか、あのメイウェザーvsマクレガー戦は僕がこれまで観た異種格闘技戦の中でもトップクラスにいい出来でしたけどね。
UFCトップどころのストライカーの打撃技術をたっぷり見せたマクレガーと、全盛期から比べれば見る影もないほど鈍重な動きながらも、ボクシングでしっかりと圧倒したメイウェザー。後味のよさも含めて文句のつけようのないファイトだったと思うのだが。
逆にグラップラー系のヌルマゴにあのクオリティを期待するのは難しいし、ネームバリュー同様、カネロ相手のボクシングマッチにはそそられるものがまったくない。
ヌルマゴなんて、ボクシングで言えばアルツール・ベテルビエフみたいなもんですからね。
決してUFCファイターを見下しているとかではなく、彼らはジャンルを飛び越えた異種格闘技戦に駆り出されるタイプではないですよという意味で。
47歳のオスカー・デラホーヤvsカネロの噂に関しては、痛々しくてコメントする気にもならない。
サンダースvsマレー、安定のクソ試合サンキューで~す。この試合を実現するのに3年もかかるボクシング界ってやっぱり問題だよな
DAZNにスポーツを育てる長期的視野なんてない。金儲けマッチを否定はしないけど、ものごとにはバランスってのがあるからね
マジな話、DAZNにスポーツを育てる長期的視野などあるわけがない。
これだけ無節操にスポーツ中継をかき集めていることが何よりの証拠だし、それもかなり中途半端だったりする。
ラグビーやアメフト、バスケは中継があると言っても全試合が中継されるわけではなく、NBAやUFCはあっさりと手放してしまった。
一時期、日本でのボクシング中継を強化しようという動きもあったが、2018年10月にロブ・ブラントに村田が敗れたのを受けてさっさと撤退している。
恐らく思った以上に加入者が伸びなかったのが原因だと思うが、あの撤退っぷりには清々しさすら感じさせた。
これだけ推していた村田をさっさとポイ捨てする潔さはある意味お見事ですらある。
繰り返しになるが、DAZNにスポーツを育てる長期的視野など存在しない。
あるのは儲かる選手、ドル箱コンテンツを札束で引っ張ってくる姿勢とダメならすぐにポイ捨てする節操のなさ、切り替えのよさ。
人気YouTuberのKSIとローガン・ポールの一戦をデビン・ヘイニーやビリー・ジョー・サンダースの試合を差し置いてメインに据えたことからもはっきりとわかる。
そして僕自身、それが悪いとは思っていない。
思ってはいないが、さすがに全盛期のカネロをUFCファイターとの異種格闘技戦に引っ張り出すのは違うよねと申し上げている。カネロにとっても、UFCファイターにとっても。
だってアレじゃん。
ものごとにはバランスってあるじゃん。
何ごとも0か1ではなく、その間の“ほどほどの塩梅”が絶対必要ですからね。
そもそもコロナ禍の中で独自の路線を貫き、USAスポーツの先頭をひた走る今のUFCが、看板選手であるヌルマゴやマスヴィダルを金儲けマッチに差し出すとは思えないのだが。
しかしUFCはホントにすげえな。
クソほど反対されながらも自分の所有する島でやるとまで言って開催に踏み切った結果、マジでUSAスポーツの先頭走ってるわ。
ゴリ押しリーダーシップで無理やり正解を引っ張り出したダナ・ホワイト、恐れ入りました。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) June 8, 2020
てか、ボクシング側にも話題先行の金儲けマッチに乗ってきそうな選手が2人ほどいますけどね。
マニー・パッキャオとセルゲイ・コバレフっていうんですけど。
ボクシングの日本ランキングが思った以上にスカスカで驚いた話。格闘技に向いてる? あの競技から引っ張ってこられないんかね
どちらにしろ、僕にとってのDAZNは必ずしもボクシング観戦だけのものではないので、何とか持ちこたえてもらいのだが。
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