MLB日本人選手振り返り。上り調子の秋山翔吾と相変わらずの筒香。山口俊、田中マー君、マエケン、ダルビッシュ有【2020.9.14感想】

MLB日本人選手振り返り。上り調子の秋山翔吾と相変わらずの筒香。山口俊、田中マー君、マエケン、ダルビッシュ有【2020.9.14感想】

66日間60試合という短縮シーズンの2020年MLB。日本時間9月14日時点で各チーム残り15試合弱という信じられないクソシーズンなのだが、とりあえず日本人選手の動向くらいは注視しておくかということで。
 
気になる選手を気が向いたときに振り返る企画の第4段である。
 
 
ちなみにだが、今回は大谷翔平にはノータッチである。
これまで「MLBの舞台でスターターとして投げるレベルにない」「打者大谷は速球にまったくついていけていない」「対左がダメダメ過ぎる」などと散々言ってきたわけだが、それでも前回は「どん底は脱したかも?」と申し上げている。
 
投手大谷翔平が酷い。世界最高峰のリーグでスターターを務めていいレベルではない。MLB開幕日本人投手登板振り返り
 
ところが、結局その後も大して成績は変わらず。ついに2試合連続スタメン落ちで、打率も.189と低空飛行のままという。
 
何だかんだでそのうち状態を上げてくるのではないか? と期待していたのだが、さすがに試合にすら出ないのではどうしようもない。
 

日本人野手陣感想(2020年9月14日時点)

ではまず日本人野手陣について。
 
レイズの筒香嘉智とレッズの秋山翔吾は開幕からずっと1割台後半の打率が続いており、とにかく早急にMLBの環境に慣れる必要がある。特に巧打者タイプ+外野手の秋山は打率1割台ではお話にならない。ここがもっとも深刻度が高いのではないかと申し上げたわけだが……。
 

筒香嘉智(レイズ)

38試合 打率.196 本塁打7 打点21 安打22 盗塁0
 
 
前回9月2日時点の打率.191から微アップ、本塁打も2本増えて7本。一応、コンスタントにスタメンに名を連ねていることを考えると、チームはそれなりに我慢してくれているのか。
 
と言っても、2週間弱で本塁打を2本しか打たない1割台の長距離砲を「チームに貢献している」と言っていいかは甚だ疑問だが。
 
 
前回記事でも申し上げたようにこの選手の弱点は本当にはっきりしている。
試合を観るとわかるが、とにかく速いストレートが打てないのがキツい。
 
田中マー君、今回もいい感じ。6回3安打2失点でようやく初勝利。ダルビッシュ、マエケン、山口もよかった。でも打者が…
 
低めに沈む変化球や左右高低の揺さぶりなどにはしっかりついていけているし、体形に似合わず? スイングは柔らかくめちゃくちゃ器用。
 
ただ、ストレートの球速が93マイルを超えた途端にあっという間に打球が前に飛ばなくなる。終盤に出てくるリリーバーなどはマジでどうにもならない感じ。
 
MLB移籍前から再三指摘されていたことだが、改めてここが課題だなと。
 

秋山翔吾(レッズ)

42試合 打率.220 本塁打0 打点6 安打26 盗塁6
 
 
お次はレッズの秋山だが、実はここ最近かなり調子が上向いている
 
前回、打球が上がらずに苦しんでいる旨の記事を紹介するなど、MLB移籍以降は非力マンっぷりを露呈していると申し上げたが、その直後から一気に対応力が上がった印象。
 
この前までは93マイル以上のストレートに差し込まれ、その球に対応するために始動を早くすると今度は変化球に泳がされる状態が続いていた。
MLBの投手の球威にことごとく詰まらされていたのが、この数試合でそれが間に合うようになっている。
 
何というか、待ち方がいい。
遅れていた動き出しのタイミングが合い、低めの変化球にはバットが止まる。
うまく言えないのだが、とにかく“間に合っている”。
 
もともと球を引きつけて広角に強い打球を打てるのがこの選手の特徴だが、それが機能し始めているのが一目でわかる。
内側のストレートを腰を激しく回転させてライト線に打ち返すなど、多少何かを掴んだと言えるのではないか。
 
おかげで直近15試合で打率.300、直近7試合では.364と見事な上昇気流である。
 

日本人投手陣感想(2020年9月14日時点)

続いては投手陣の振り返り。
 
何度も言うように今シーズンはどの投手もそこそこ出来がいいのだが、直近の登板でもみんな期待通りの実力を発揮してくれている。
 

山口俊(ブルージェイズ)

vsヤンキース
2回、37球、被安打3、奪三振3、四死球1、失点1、自責点1
2勝3敗0S
 
 
開幕後2試合連続で敗戦投手となって地元メディアから“獲得失敗”の烙印を押されたものの、徐々に持ち直して8月の月間防御率1.54と上々の結果を残した山口俊。
 
この日もストレートを見せ球に得意のスプリットを駆使し、2回3奪三振1失点で勝利投手に。
 
ただ、出来自体はあまりいいとは言い難い。
日本時代から突然ストライクが入らなくなってガタガタと崩れるケースがたびたびあるのだが、今回はまさにそれ。
 
ウォーカーの後を受けた5回はなかなか制球が定まらず、2本のヒットと四球、犠牲フライであっという間に1点を失ってしまう。
ヤンキース打線の早打ちに助けられて立ち直ったものの、今後データが揃ってくればじっくり待たれて厳しくなる? かも?
 
とりあえずはどこかの段階で先発起用されて長いイニングを任せられるようになればいいのだが……。
現状の便利屋的な使われ方だと、調子を維持するのも難しいだろうしね。
 

田中将大(ヤンキース)

vsオリオールズ
5回、91球、被安打3、奪三振5、四死球1、失点1、自責点1
2勝2敗0S
 
 
ヤンキースの田中将大については、8月末に初めて観て「なかなかいい」「今年は期待できるかも」と申し上げた。
そして、ここまで期待通りの投球内容を続けており、この日は初回にD.J.スチュワートに許したソロ本塁打による1失点に抑えての白星。防御率も3.16まで良化させている。
 
2020年の田中将大はちょっと期待していいかも? ストレートの球速が92マイル付近にボーダーラインがあるんだろうな。まあ、もうすぐシーズンが終わるんですけどねw
 
だが、調子自体はあまりいいとは言えず。
得意のスライダーはキレがいまいちで、苦し紛れに投げたカッターも芯で捉えられる。前回同様スプリットの落ちも悪く、さすがに今日はやばいんじゃねえか? と思わせる立ち上がりだった。
 
ところがホームランを打たれて目が覚めたか、そこから徐々に調子を上げる。
今シーズンはあまり投げていなかったツーシームを軸に、スライダーとストレートをうまく織り交ぜる組み立て。左打者の外側にスプリットを落としつつ、2回から5回まで12人連続で打ち取る見事な投球である。
 
この辺の切り替えというか、日によって投球パターンを変える柔軟性はさすがの田中マー君。
高クオリティの球種を複数操る器用さはもちろんのこと、引き出しの多さに関しては日本人投手の中でもダントツのNo.1と言えるのではないか。
 

前田健太(ツインズ)

vsインディアンス
7回、94球、被安打4、奪三振7、四死球2、失点0、自責点0
5勝1敗0S
 
 
続いて僕が開幕当初から「今シーズンはいい」と言い続けているツインズのマエケン。
この日は7回94球被安打4で無失点、5勝目を挙げる文句なしの投球だったのだが……。
 
実はマー君同様、調子がそこまでよかったわけではない。
ストレートは90マイルちょいとスピードが出ず、得意のスライダーも若干抜け気味。生命線のチェンジアップを軸にうまくしのいでいたが、例のノーノー未遂以降調子が落ち気味なのは前回と同じ印象である。
 
前田健太がノーノー未遂。すげえなマエケン。今年はいいと思ってたけど、まさかここまでとは。めちゃくちゃワクワクしたわ。なお勝ち星
 
あとは単純にインディアンス打線がしょっぱい(チーム打率.244、30チーム中27位)ことに加え、2回から使い始めたツーシームが効果的だったのも大きかった。
 
ア・リーグ中地区でホワイトソックスと熾烈な首位争いを繰り広げるツインズだが、プレーオフに向けてマエケンがどこまで調子を維持できるかはかなり重要である。
 

ダルビッシュ有(カブス)

vsレッズ
6回、98球、被安打2、奪三振9、四死球3、失点3、自責点3
7勝2敗0S
 
 
ラストはカブスのダルビッシュ有。
開幕2戦目から続く連勝を8に伸ばすべくマウンドに上がったが、結果は6回3失点で負け投手に。盟友バウアーとの投げ合いに敗れ、戦績を7勝2敗としている。
 
だが、内容的には初回の2四球と1本塁打以外はほぼ完璧。
立ち上がりはスライダーがすっぽ抜けまくりで「これ、大丈夫か?」「今日はアカン日だな」と思ったものの、ハップを空振り三振に打ち取った辺りから一気にエンジンがかかる。
 
その後はカッター、スライダーを軸にツーシームで真逆の変化を見せて打者を翻弄。“支配的”とも言える投球で6回まで投げきってみせた。
惜しくも敗戦投手にはなったが、内容的には文句のつけようがない。
 
 
ただまあ、こうして見るとサイヤング賞の頂の高さをつくづく思い知らされる。
今シーズンのダルビッシュの投球は間違いなくサイヤング賞級だが、それでも今回のように立ち上がりにバタバタするケースは少なからずある。
 
実際にサイヤング賞を獲得するにはああいう綻びすらも許されず、ライバルたちがコケる運も必要になる。その上、今年のような短縮シーズンではなく、本来は160試合の長丁場でコンディションを維持し続けなければならない。
 
どなたかが「サイヤング賞を獲得するには確変並のぶっ飛んだ好調さが必要」とおっしゃっていたが、マジでそんな感じ。今シーズンのダルビッシュのクオリティを1年通して維持するって、どれだけ超人なんだよと。
 
つまり、サイヤング賞とは投手にとってそれほど崇高な賞だということを意味する。
 
 
現在、サイヤング賞レースのトップを走るインディアンスのシェーン・ビーバーも文句なしに素晴らしいのだが、60試合で防御率1点台と言われてもいまいちピンとこない。
こんな変則シーズンで「サイヤング賞とったどー」と言われてもなぁというのは大いにある。
 

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