トレバー・バウアー、西武打線を3安打2失点に抑えて2勝目。左右を広く使うコツを掴んだ? 初回先頭へのスライダー2球で「今日はいい」って思ったよね【2023.6.3】

トレバー・バウアー、西武打線を3安打2失点に抑えて2勝目。左右を広く使うコツを掴んだ? 初回先頭へのスライダー2球で「今日はいい」って思ったよね【2023.6.3】

2023年6月3日に神奈川県・横浜スタジアムで行われたプロ野球横浜DeNAベイスターズと埼玉西武ライオンズの交流戦。
DeNA先発のトレバー・バウアーは8回109球を投げ被安打3、奪三振10、四死球3、失点2と好投。チームも6-2で勝利し5月3日の広島カープ戦以来1ヶ月ぶりの2勝目をマークしている。
 
 
5月3日の初登板で幸先よく1勝目を挙げたバウアー。
ところがそこから2試合続けて7失点、関係者やOB、評論家がこぞって球の高さを指摘するなどNPBへの早急な適応を求められる事態に。
 
だが中止を挟んだ5月27日の中日戦では6回90球2失点と結果を残し、この日の登板でついに2勝目を飾る。
ランナー1塁時のクイックや被本塁打の多さ等課題も残るが、今後に期待できそうである。
 
生トレバー・バウアーのためにハマスタで現地観戦。苦労しながら阪神打線を7回途中3失点にまとめて5勝目。お目当てのシーンを山ほど観たぞ笑
 

バウアー、ナイスピッチング。登板を重ねるごとに適応が見られる。好不調の波が小さいのも素晴らしい

2試合連続の炎上によってサイヤング賞の実力に疑問符がついたものの、続く中日戦で結果を残し研究の成果を発揮したトレバー・バウアー。
今回の西武戦では8回109球2失点と来日最長イニングを投げ、1ヶ月ぶりの2勝目を挙げている。
 
僕もこの日は自宅で試合をリアルタイム視聴していたのだが、うん、ナイスピッチング
前回の中日戦もよかったが今回はそれ以上。登板を重ねるごとに日本野球への適応が見られる。
 
また、この選手のいいところは好不調の波を極めて小さくできること。
前回もちょろっと申し上げたが、どこをどう動かせばどんな結果が出るかをよく理解しているのだと思う。
 
常に自身のコンディションを数値化、その日の状態を把握し練習メニューや強化部分を明確にする。
自分の意見を曲げずに周囲と軋轢を生むこともあるが、毎試合一定の状態に仕上げてくるプロフェッショナルっぷりは文句なしに素晴らしい。この部分に関しては本当にすごいと思う。
 
トレバー・バウアーが中日相手に6回90球2失点。2試合連続の炎上から一定の結果を残す。左右を広く使う投球スタイルが少し見えた気がするよ
 
そして、NPBへの適応もかなり精度が上がってきている(気がする)。
 
 
何度か申し上げているようにトレバー・バウアーは投げている球自体はいい。
 
ホップ成分の高いまっすぐにブレーキの効いたパワーカーブ、カッター系と大きめのスライダー(スイーパー)、高速で横滑りする2シーム、左打者の外に沈むスプリットチェンジ。
 
コンディションも2020、2021年の9割くらいには戻っている印象で、ボールやマウンドの違いは些細なレベルと言っていい。
普通にやれば問題なく活躍すると思っていた次第である。
 
ところが上述の通り初登板以降は2試合連続の炎上。勝利を挙げた最初の試合も被安打は多く予兆があったと言えなくもない。
 

ゾーン内に集めすぎかな。左右に広い日本のゾーンをうまく使えれば改善すると予想

初登板から何試合か観てきた感想としては、球をゾーンに集めすぎかなと。
多くの評論家やファンが変化球が高いことを盛んに指摘しているが、僕は高低よりもむしろ左右を広く使うべきだと思った。
 
日本はMLBに比べて左右にゾーンが広くボール1個以上外れてもストライクがコールされるケースが目立つ。
当然打者もそれに対応しなければならず、多少のボール球には手を出してくる。
 
なので、全体的にMLBの打者よりも広いゾーンへのコンタクト能力が高い。ゾーン内にポンポンストライクを投げ込んでくるバウアーのピッチングは非常に相性が悪かったのではないか。
 
もともとバウアーは球の力よりも球種の組み合わせで抑えるタイプ。
あれだけ無遠慮にゾーンに投げ込んでくると、打者としてはめちゃくちゃ待ちやすかったと想像する。
 
トレバー・バウアー2戦目先発で7失点初黒星。単純に球が遅い&ゾーン内で勝負しすぎ&巨人がこれ系の投手が得意ってのが感想かな。ランナー1塁の対応は急務ですね
 
つまり、今後バウアーがNPBに適応するには左右を広く使うことが大事。
 
ゾーンからボール1個分外or内に意識的に散らすことで打者の体勢を崩す。そうすればたとえ高めに投げても今ほど決め打ちされることはない(はず)。
極論、1球目はボールでもいいくらいの方が逆に球数を少なくできるのではないか。
 

今回はよかった。初回の源田壮亮へのスライダー2球で「今日はいい」って思ったよ

試合の具体的な感想だが、今回はかなりよかったと思う。
低めへの意識はもちろん、左右をうまく活用できていたのがいい。
 
初回、1番源田壮亮に投げた2球のスライダーはいずれも膝もとに食い込む軌道。ボール球になったものの、アレを観た際に「お、今日のバウアーはいいかも?」と思った次第である。
 
そうそう、それそれ。
あの軌道のスライダーなら多少外れても日本の打者は手を出してくる。たとえボールになっても次への布石になる。
 
実際、この日もフワッと抜ける球が目についたが大怪我せずに済んだ。
それも右打者の外や左打者の内側に食い込む球が利いていたおかげで、仮にアレがゾーン内だった場合は打者は強気に踏み込んできていたはず。
 
これまでゾーン内に集めすぎていた分、本人も適度に散らす配球の効果を実感できたのではないか。


「まだまだ高めに抜ける球が多い」との指摘もあるようだが、いや、無茶言うなよと。
すべての球種、すべての球を狙ったコースに投げ切るなどまず不可能。そこまでビタビタに球がいくのは数年に一度あるかないかのレベルで、何球かに一度甘いコースにいくなどごく普通のことである。
 
それこそ前回引き合いに出した日ハム上沢直之も当たり前のように変化球が高めに浮く。ただ、ゾーンを広く使えているため失投が失投にならない。それどころか意表をつくアクセントにすらなっているのである。
 
トレバー・バウアーの2024年所属チームは? バウアーはパリーグが合ってると思う。DeNAが山川穂高を獲得すれば残留もある?
 

このくらいバラけた方が逆に効率がいいよね。本人は納得いかないみたいだけど。先頭打者を出さないことは重要

現実問題として、コースにビタビタに投げ分けるよりもある程度左右に散った方が効率は上がる気がする。
 
実際、この日のバウアーは8回を109球、10奪三振。
少ない球数でイニングを消化しつつ三振も多く奪う理想的な内容である。
 
試合後のコメントや表情から本人は納得いっていないようだが、僕はむしろあのくらいバラけた方がうまくいく思うのだが。
 
 
もちろん先頭打者を出さないことは何より大事。
バウアーがクイックを苦手としているのは明白だが、現状ランナーを気にせず打者に集中するというのは難しそうである。
 
僕はある程度走られても打者に集中した方がいいのでは? と思っているが、実際にはそんな簡単な話ではない。ランナーに動かれると明らかにイライラし始めるので、それを防ぐためにもとにかく先頭打者を出さないことが重要になる。
 
 
被本塁打の多さは、まあ……。
高めのまっすぐで勝負する限り仕方ないのかなぁと。
 
ブチ切れバウアー6回2失点で勝敗つかず。放送禁止用語連発からの159km→1塁へ猛ダッシュでピンチを切り抜ける。MLBの一流プレイヤーの負けず嫌いっぷり
 
ピンチの局面では球速が150km後半まで伸びているので、ランナーを背負ってのドカンはまずないだろうということで。
 
 
そんな感じで、バウアーの次回登板が楽しみである笑
 

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