フェリックス・トリニダードvsフェルナンド・バルガスってすげえ試合だったよね。WOWOWエキサイトマッチでO.A.されるってよ。ジョー小泉が出演するから僕は観ないけど

フェリックス・トリニダードvsフェルナンド・バルガスってすげえ試合だったよね。WOWOWエキサイトマッチでO.A.されるってよ。ジョー小泉が出演するから僕は観ないけど

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2020年7月13日のWOWOWエキサイトマッチでフェリックス・トリニダードvsフェルナンド・バルガス戦がO.A.されるとのこと。
 
この試合は現地時間2000年12月2日に米・ネバダ州ラスベガスで行われた世界S・ウェルター級2団体王座統一戦。
WBA王者フェリックス・トリニダードとIBF王者フェルナンド・バルガスによる一戦は、計5度のダウンを奪ったトリニダードが12R1分33秒TKOで勝利。見事王座統一を果たしている。
 
 
なお、勝利したトリニダードはこの翌年にミドル級に進出し、ウィリアム・ジョッピーを5RTKOに下して3階級制覇を達成する。
だが、同年9月にバーナード・ホプキンスとの3団体統一戦に敗れて初黒星を喫するとともに王座から陥落している。
 
「1000年に1度の世紀の対決」と銘打たれたオスカー・デラホーヤとの一騎打ちを僅差判定で勝利し、2000年にS・ウェルター級に進出。デビッド・リード、ママドゥ・チャム、フェルナンド・バルガスを相手に3連勝を飾るなど、この年はまさしく“フェリックス・トリニダードの年”だったと言っても過言ではない。
 
中でも20世紀史に残るKO劇と称されるフェルナンド・バルガス戦は必見である。
 
 
ちなみに僕はこの日のO.A.を観る気はいっさいない。なぜなら解説者にジョー小泉の名前があるから
 
ルイス・ネリvsアーロン・アラメダ結構接戦になると思うねんな。てか、またサウスポーw 右リードの差し合いと接近戦でのボディ合戦?
 

両者のジャブがすげえw 強烈な左でいきなりピヨらせたトリニダードと、カウンター狙いでじっくり立て直したバルガス

まずこの試合を観て驚かされるのが、両者の左ジャブがめちゃくちゃ鋭いこと。
 
リラックスした構えから力感なくスッと打ち出すにも関わらず、見るからに重そうなバルガスのジャブ。それに対し、トリニダードの左はナイフのような鋭さで“ピュッ”と伸びる。
 
特にトリニダードの左の切れ味は特筆もので、目標物がはるか後方にあるのでは? と思うほどの貫通力を誇る。
 
強ジャブの使い手でパッと思いつくのは同時期に活躍したアイク・クォーティだが、トリニダードのジャブはあの選手のジャブとも少し質が違う。
 
クォーティのジャブは重くて硬い拳がドスッとぶつかるイメージだが、トリニダードのジャブはどちらかと言えばスパッと切り裂く感じ。鋭利な刃物というか、より小さく鋭い突起物で刺されているような。
 
この試合も1R開始直後に得意の左フックでバルガスをピヨらせるわけだが、まさに“切り裂く”という言葉がぴったりの一撃だった。
 
アイク・クォーティのバズーカが朴政吾を粉砕。寒気がするほどの一方的なタコ殴りに絶望した話
 
一方、“悪童”フェルナンド・バルガスも負けてはいない。
 
この試合時点での戦績が20戦全勝で年齢も22歳とイケイケの時期。真正面から打ち合う自信たっぷりの試合運びと端正なマスクが相まって、オスカー・デラホーヤにも迫る人気を得ていた選手である。
 
もちろん実力自体もトップレベルにふさわしい。
4度目の防衛戦で上述のアイク・クォーティに勝利し、シェーン・モズリーを2度下したロナルド・ライトを馬力でねじ伏せるなど、トリニダードとの全勝対決はまさしく最強同士の頂上決戦。
 
1Rにいきなり2度のダウンを奪われたものの、そこで怯まず凹まずじっくり立て直していったのはさすがだった。
 

トリニダードは攻撃パターンが少なくダウンを喫することも多い。最初は面食らったバルガスも4Rにダウンを奪い返した

申し上げたようにこの試合は開始直後の左フックでバルガスが甚大なダメージを負ったのだが、それ以降は一進一退の攻防が展開される。
 
フェリックス・トリニダードは凄まじい切れ味の左リードやフック、ワンツーを武器にKOを量産した強打者。だがその反面、パンチは単発気味で攻撃のバリエーションも少ない。
 
基本的に連打は2発までで、大きくダッキングして放つ左フックが主な入りのパターン。
打ち終わりにカウンターを被弾してダウンするケースも多く、この試合でも4Rにバルガスの左で豪快に尻餅をつかされている。
 
 
逆に言うと、いきなり2度のダウンを食ったにも関わらず崩れなかったバルガスの精神力はひときわ際立つ。
 
スピーディで強烈なワンツーに最初は面食らったものの、それ以降は丁寧なカウンター狙いでペースを奪い返す。5、6Rあたりはしっかりとポイントを奪取していたし、ダウンを引きずらずにさっと切り替えたのは本当にお見事だったと思う。
 

9Rの右1発で勝負あり。何とか均衡を保っていたバルガスのダメージが噴き出す

そして、この試合の勝負を決定づけたのは恐らく9R。
 
強烈なワンツーでグイグイ押し込むトリニダードに対し、バルガスは遠い間合いからのジャブと打ち終わりのカウンター、コンビネーションを駆使して何とかペースをキープする。
 
だが1分半過ぎ。
トリニダードの強烈な右がバルガスの顔面を捉え、バルガスが大きくバランスを崩す。
ほとんどの攻撃を左からスタートさせていたトリニダードが放ったいきなりの右にバルガスはまったく反応できず。
ロープ際に追い詰められ、打ち下ろし気味のワンツーを立て続けにもらって急速にペースダウンしていく。
 
一方、これでリズムをつかんだトリニダードは一気にギアを上げ、ぐいぐい前に出て腕を振る。
初弾の左にカウンターを合わせられてもお構いなしで右を振り抜き、ガードの真ん中から顔面を跳ね上げる。
 
どうにかロープ際で踏みとどまっていたバルガスだが、明らかにダメージは深い。これまで蓄積した疲労が噴出した感じで、結果的にこのラウンドで勝負ありだった気がする。
 
ジュリアン・ジャクソン←アホみたいなパンチ力で対戦相手を全員アミール・カーンにする男。攻撃にパラメータを振り切ったグラスジョー
 

感動的な結末。限界を超えても立ち上がり続けるバルガスを最後は右1発で沈める

トリニダードペースで迎えた最終12R。
 
リング中央で打ち合う両者だが、すでにバルガスに反撃の力はなく。
40秒あたりで豪快にトリニダードの左フックを被弾し、この日3度目のダウンを喫する。
 
何とか立ち上がって続行の意思を見せたバルガスだが、直後にまったく同じタイミングで左フックをもらい再びダウン。
この一発で勝利を確信したトリニダードはコーナーに登って喜びを爆発させる。
 
ところが……。
なんとバルガスはこのダウンからも立ち上がり、再度ファイティングポーズをとる。
 
 
すでに肉体は限界を超え、本能と気力のみで前に出るバルガス。
 
だが、もはや奇跡など起こるはずもなく。
最後はトリニダードの右をテンプルにもらい、こと切れたようにゆっくりとマットに沈む。
 
 
いやもう、本当にすごい。
 
絶頂期のトップファイター同士が最高の状態でリングに上がり、実力を目いっぱい発揮し合った試合。
 
正直に申し上げて、最後のダウンは必要なかったとは思う。
この試合のダメージによってバルガスはその後のキャリアが大きく狂ったとも言われているし、止めるタイミングを間違えた感は強い。
 
だが、それを踏まえた上で。
 
 
のちにバルガスは禁止薬物陽性が発覚し、トリニダードはグローブに細工をしていたという噂もある。
いろいろといわくつきの両者ではあるが、試合自体の盛り上がり、感動の大きさに関しては文句のつけようがない。
 
 
お互いの顔面偏差値の高さを含め、スーパースター同士の歴史的な一騎打ちだったなと。
 
「俺は避けられているッッッ!!」チャーロ兄とデレビなんたらさん(ちっとも覚えられない)のマッチメークは実現させるべきだと思うの
 

中間距離での真っ向勝負はやっぱりおもしろい。華のあるスター同士のどつき合い

しかしアレだな。
2000年6月のオスカー・デラホーヤvsシェーン・モズリー戦もそうだが、中間距離での差し合いが得意な選手同士の真っ向勝負というのは改めておもしろい。
 
シェーン・モズリーとかいうデラホーヤ戦の9Rですべてを使い切った男。天才肌脳筋ワンマン短距離型最強全盛期クソ短いけど試合超おもしろいマン
 
ゲンナジー・ゴロフキンやローマン・ゴンサレスのようにプレスと連打を両立するスタイルもいいが、やはりリング中央での打ち合いには華がある。
 
オスカー・デラホーヤはもともと長いリーチを活かしたアウトボクサーだったものをあえて中間距離でのコンビネーション使いに矯正したとのことだが、その狙いはめちゃくちゃ理解できる。
 
 
ってお前、まーた復帰するとか言ってんのかいww
 
「Oscar De La Hoya Hints At Felix Trinidad REMATCH」
 
デラホーヤ、トリニダードともに現在47歳。
がんばればギリギリ何とかなっちゃいそうな年齢なのがまた……。
 
 
まあ、さすがにないとは思いますが。
 
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