シャクール・スティーブンソンがジーマーでバイヤーすぎる件。吉野修一郎に6Rストップ勝ち。すでにエドウィン・バレロなら? パッキャオなら? の領域に見える【結果・感想】

シャクール・スティーブンソンがジーマーでバイヤーすぎる件。吉野修一郎に6Rストップ勝ち。すでにエドウィン・バレロなら? パッキャオなら? の領域に見える【結果・感想】

「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2023年4月8日(日本時間9日)に米・ニュージャージー州で行われたWBC世界ライト級挑戦者決定戦。同級3位シャクール・スティーブンソンと同4位吉野修一郎が対戦、6R1分35秒TKOでスティーブンソンが勝利した試合である。
 
 
 
先週末はキックボクシングからボクシングに転向した那須川天心のデビュー戦を現地観戦してきたのだが、それ以外にも見ごたえのある試合が多かった。
 
ただ、そこに至るまでのあれやこれや試合順を含めた微妙な部分が多すぎたことも事実。
 
ボクシング観戦は好きだが、関係者や取り巻きは反吐が出るほど嫌い。
そのことを改めて思い知らされた次第である。
 
那須川天心に全部を背負わせた日。天心のことが嫌いなのは構わんけど、ウジウジ揚げ足取ってる場合じゃないでしょ。佐々木尽の振る舞いには感情移入できたよ
 
てか、僕はもともと与那覇勇気を応援してたのに。
何でここまで顔を真っ赤にして那須川天心を擁護してんだよ笑
 
 
そして、紆余曲折(笑)を経てようやくたどり着いたのがこの試合。
将来のPFP No.1候補と言われるシャクール・スティーブンソンと日本の吉野修一郎がWBC王座挑戦権をかけて激突した一戦である。
 
結果を知った状態での視聴となったが、今回はその感想を言っていくことにする。
 

単なるスポーツ観戦でメンタルをやられるのはホントによくないw ストレス解消のための趣味なのに

吉野修一郎vsシャクール・スティーブンソン。
 
中谷正義に勝利した吉野修一郎が北米のリングに初上陸した今回。
対戦相手のシャクール・スティーブンソンは次世代のPFP、メイウェザー二世と呼ばれる超絶技巧の持ち主で、吉野にとっても間違いなく過去最強の相手となる。
 
 
まあ、それはそれとして。
久しぶりに“普通の”テンションでスポーツ観戦を楽しめたというか。
那須川天心絡みでトゲトゲしていた神経がようやく平時に戻った感じがする笑
 
いやもう、アレだ。
こう言っちゃなんだけど、たかがスポーツ観戦でメンタルを侵食されるのはホントによくないですよね。
ストレスを解消するはずの趣味で不幸になるなんて本末転倒ですよww
 
シャクール・スティーブンソンvsロス・サントス前代未聞の手数の少なさ。でも僕はおもしろかったw 突進力のある連打型のサウスポーに可能性を感じたよ
 

どうすれば吉野が勝てるのかがまったく想像がつかなかった…。散々「吉野が勝つ!」を連呼してきたけど

いきなり愚痴と反省から入ってしまったが、実際の試合について。
 
これまで僕は「吉野の勝ちしか見えない」「シャクールの地元で会場がシーンとなる」と散々喚き散らしてきたが、じゃあ具体的にどうすれば? という部分についてはほとんど触れてこなかった。
 
吉野修一郎がシャクール・スティーブンソンに勝つ姿しか想像できない。未来のレジェンドの一番勢いのある時期に日本人選手との対戦が組まれたことってこれまであったっけ?
 
というより、何をどうすれば勝機が見えるのかがまったくわからない。
 
・ジョエト・ゴンザレス
・フェリックス・カラバロ
・オスカル・バルデス
 
吉野とタイプが近いブロック&リターンの選手をことごとく完封してきたシャクール。
ガードを上げてにじり寄る相手を蹂躙するのが得意なことは明らかで、吉野も相当工夫しないと同じパターンで負けてしまう。
 
だが、どうすればいいのかが僕にはちっともわからない。
 
 
辛うじて可能性があるとすれば身体の強さか。
伊藤雅雪との壮絶な打ち合いを制し、長身の中谷正義をねじ伏せた馬力がシャクールにも通用すれば。
 
しかもシャクールは今回が初めてのライト級。S・フェザー級初戦でも線の細さを感じた覚えがあるので、今回ももしかしたら……。
 
吉野がジョエト・ゴンサレスやオスカル・バルデス以上のプレスを発揮できれば、得意のインファイトで何かを起こせる? かも?
 
 
結局フィジカル面以外に優位な点が思いつかなかったのだが、まあいいや。あとは優秀だと言われる陣営が何とかしてくれるはず。
作戦参謀? みたいな人が「シャクールにも癖はあるはず。そこに付け込めれば」とコメントしていたのでそれに期待しよう。
 
井上vsタパレス締結間近? でもタパレスじゃ厳しい? シャクールの相手のサントスは結構よさげ。リナレスが英国でジャック・カテラルと12回戦。諸々レビュー
 

シャクールがすごすぎた。吉野の調子も悪くなかったと思うけど

結果としては、シャクール・スティーブンソンがすごすぎた
 
漫画「Dr.STONE」風に言うならジーマーでゴイスーでバイヤー(笑)。

 
国内、アジア圏で長年無双した吉野修一郎がここまで歯が立たないとは。
 
よく「ライト級以上は魔境」と聞くが、え? これはそういう話なのか?
ライト級がヤバいというよりむしろ“シャクール・スティーブンソンが”単体でとんでもなかった気がするのだが……。
 
 
一応言っておくと、吉野修一郎は普通によかったと思う。
 
1Rは何度かシャクールの間合いに飛び込むなど「お?」と思わせるシーンも見られた。
 
いきなりの右で入ったり、逆ワンツーからのボディだったり。
いろいろなパターンを考えて対策を練ってきたことをうかがわせる立ち上がり。
 
ガードの間から被弾もするが、そんなことは想定内。覚悟の上での相打ちを狙っていたと想像する。
 
この1年でインパクトのあった試合5選。あまりの凄さに「嘘だろw」となった試合を挙げていくぞ。ESPNのPFPランキング更新を受けて思いついた
 

一瞬の隙間を狙うパンチがめちゃくちゃやっかい。あそこまでピンポイントでねじ込んでくるヤツなどおらんでしょ

だが、一瞬の間を縫うように飛んでくるシャクールのパンチがめちゃくちゃやっかい。
 
ガードの間を通される、差し合いで上を行かれることは当然想定していたと思うが、それをはるかに超えてきた印象。
 
上体を振って中に入るタイミングを探す吉野だが、永遠に頭を動かし続けるわけにはいかない。
一休みする瞬間、スッとガードが下がる瞬間は必ず訪れる。
気を抜いたとかではなく、ペース配分的な意味で。
 
そして、シャクールはその瞬間を狙うのが抜群にうまい。
 
動きが止まる、わずかにガードが開く一瞬を逃さずスパッと右をねじ込む。
これを繰り返しているうちにペースを奪われるというか、自分のターンがくる前に多額の負債を背負わされる。
 
吉野修一郎とシャクール・スティーブンソンの挑戦者決定戦? 中谷正義の次はシャクールかよ…。吉野修一郎「僕の世界戦を見たくないですか」←見たいに決まってんだろ笑
 
しかも2R後半あたりで早くもリズムを覚えやがる笑
吉野も攻撃する場所を探して頭を動し続けるものの、動き出しにグッと沈み込む動作が必ず入る。
シャクールはこの一瞬の硬直、身体が硬くなる瞬間にこれまた的確なパンチをねじ込んでいく。
 
2Rにフラッシュ気味に尻餅をつかされたダウンがまさにそれ。
 
恐らく吉野にとってもここまでピンポイントで動き出しを狙う選手と遭遇するのは初めて。
動き出しを狙うこと自体は誰もがやっているとは思うが、あんなに早くリズムを覚えられる&あそこまで高い精度でスパスパ打たれた経験はないのではないか。
 
というより、世の中のほとんどの選手がそうだと思うが。
 

ストップは仕方ない。あそこからの逆転はほぼ不可能。吉野の動きも悪くなり始めていた

前手のジャブは大きく突き出した右で潰され、中に入ろうにもことごとく動き出しを狙われる。
何とか距離を詰めても、今度はびっくりするくらい鋭いフックがショートレンジで飛んでくる。
 
頼みのインファイトですら上を行かれたというか、4、5Rくらいからはむしろシャクールが自ら呼び込んでいたほど。
 
踏み込みの際に吉野がシャクールの右足を邪魔そうにするシーンが何度かあったが、インファイターが勝機を見出すにはまずはアレを崩す必要がありそう。あの広いスタンスを棒立ちにしてようやくスタートラインに立てる?
 
清水聡vsロベイシ・ラミレス決定! ドコモが井上尚弥を囲ってくれてよかったじゃん。2度とボクシングに関わるなまで言ってたのも見たけど。思い入れはゼロだけど
 
また止めるのが早かったという意見が多く聞かれるが、正直あのストップは仕方ない。
 
あそこからの逆転はほぼ不可能な上に吉野の動きも悪くなり始めていた。
逆にシャクールはどんどん力を強めてきていたし、無駄に長引かせるよりも終わらせた方がいいと考えるのは妥当に思える。
 
 
実際の身長は吉野の方が上だが、リング上で対峙するとシャクールの方が大きく(長く)見える不思議。


もちろん構えやファイトスタイルも影響しているとは思うが、こういうのって他の競技でもありますよね。
 
プレー中だけ異様にゴツく見えるラグビー選手。
打席に入るとやたらとバットが長く見える野球選手。
スキー場だと2割増しでかわいく見える女の子(それは違う)。
 
タパレスがアフマダリエフに勝っただと…!? 前で勝負するタパレスをアフマダリエフは攻めきれず。これで亀田和毅vs井上尚弥戦の可能性が?
 

相手の虚をつく、ちょっとした瞬間を見逃さないファイトに既視感。アイツと少し近いものがある?

今回のシャクールに何となく既視感があったのだが、ようやく思い出した。
先日ボクシングデビューを果たした那須川天心
 
那須川天心vs与那覇勇気現地観戦。天心すごかった。Amazonの中継は絶対に必要だよね。試合順は「打順」なんだよ
 
相手の虚をつく、離れ際や動き出し、攻防のつなぎに生じるちょっとした瞬間を逃さないセンス。これは那須川天心vs与那覇勇気戦で感じたものと近い(気がする)。
またタイプは違うが、日本バンタム級王者の堤聖也も似たことをやっている印象。
 
レベル云々の話はともかく、ああいう“見えない攻撃”を常時やれるのは本当に強みだなぁと。
 
 
いやしかし。
参りましたねコレは。
 
この試合で吉野が勝つにはどうすればよかったのか。
 
極論、なるべくコンタクトを避けつつリングの端っこでシャドーを繰り返すとか?
で、「ほら、手数で上回ったぞ!! ポイント寄こせ!」みたいな。
 
シャクールの地元で有利な判定が出るとは思えないが、それくらい絶望感が漂う一戦だった。
 

いずれ比較対象が歴代のレジェンドになりそうな…。バレラとかパッキャオとか?

マジな話、そう遠くない未来に「シャクールに勝てるのは誰?」の答えが2008~2009年のエドウィン・バレロ、同時期(マルコ・アントニオ・バレラ戦、ファン・マヌエル・マルケス戦前後)のマニー・パッキャオとか、そういう話になってくるのではないか。
 
エドウィン・バレロの化け物感。本能と勢いで戴冠を果たし、ピタルア戦での2階級制覇とともに一気に成熟した。ここからが全盛期だったんだよな
 
S・フェザー級時代のワシル・ロマチェンコが過去のレジェンドとの対戦を妄想させてくれたが、シャクールもそのレベルにいきそうな……。
 
一足飛びで間合いをゼロにする踏み込み、前手のジャブをかいくぐるプレス、前後左右のスピーディな出入りを兼ね備えつつ1発で試合を終わらせる破壊力の持ち主、もしくはシャクールを防御一辺倒に追い込むハンドスピード。
 
いますかねそんなヤツ。
 
冗談抜きでパッキャオとバレロくらいしか思いつかないのだが。
いや、カウンター使いが苦手なパッキャオはむしろ相性が悪いか?
 
だったら1998~1999年(ライト級時代)のシェーン・モズリーなんかどうよ?
ライト級のモズリーって笑うぐらい速いし。
あの身体能力全振りの脳筋ファイトなら逆に可能性があるんじゃないの?
 
まあ、難しいだろうな……。
メイウェザー相手に借りてきた猫になってたからなぁ。
 
などなど。
このまま順調にキャリアが進めば、こういったレジェンドとの妄想以外に楽みがなくなるパティーンも?
 
 
なお、現役で残っているのはジャーボンティ・デービスだろうか。
あの選手も爆発力はすごいけど、完成度はシャクールの方が上な気がががが。
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 

Advertisement

 


 

 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!