ジョシュ・テイラーvsミゲル・バスケスが本日No.1の名勝負だった件。テイラーはヤバいww こいつならクロフォードにも勝てるかも【結果・感想】

NO IMAGE

サウスポーイメージ
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2017年11月11日(日本時間12日)、英・スコットランドで行われたWBCシルバーS・ライト級タイトルマッチ。
同級王者でWBC6位、IBF11位のジョシュ・テイラーが、WBC13位のミゲール・バスケスと対戦。9R2分23秒KOで勝利し、初防衛に成功した。
 
「ジョシュ・テイラーvsポストルうおお!! 期待のテイラーが虚弱内山ことポストルに挑む」
 
ロンドン五輪出場経験のあるジョシュ・テイラーが、元IBFライト級王者ミゲル・バスケスの挑戦を受けた一戦。
 
開始直後から距離をとって細かいパンチを当てにいくテイラーに対し、バスケスは1発打つごとに身体を預け、腕を絡めてテイラーの動きを封じる。
 
両者が頭をつけてインファイトするシーンが増えた中盤、巧みなポジショニングとパワフルな連打でテイラーが徐々にバスケスを追い詰めていく。
 
そして9R。
バスケスの失速を確認したテイラーが一気にペースアップ。
サイドに回り込んで逃げ場を塞ぎ、ボディを叩いてダウンを奪う。
 
ダメージの深いバスケスは立ち上がれず、そのまま10カウントを聞いて試合終了。
 
各団体でランキング上位に名を連ねるジョシュ・テイラーが、世界タイトルマッチに向けてまた一歩前進した。
 
「アンカハスvsコンランが楽しみ。こんなロックな兄貴を観たことがないww そして、有村藍里が好きな俺もロックだろ?」
 

テイラーvsバスケス戦がダントツで名試合No.1。元王者のミゲル・バスケスはやりにくい試合巧者

L・ヘビー級アルツール・ベテルビエフのタイトルマッチや、ミドル級ダニエル・ジェイコブスの再起戦など。
注目度の高い試合が多かったこの日だが、個人的にNo.1の試合はコレ。ジョシュ・テイラーvsミゲル・バスケス戦である。
 
まず挑戦者のバスケスだが、この選手は約4年間IBFのライト級王座を防衛し続けた選手で、間違いなく強豪と呼べる実力の持ち主である。
 
スタイルとしては、巧いというよりやりにくい。
スピードもなく足運びもバタバタとしていて、一見、そこまでいい選手には思えない。
だが、相手の腕が伸びにくい位置へのポジショニングや、長い腕を絡めての時間稼ぎなど、経験値の高さを感じさせる動きが随所に見られる。
 
また、相手がフッと力を抜いたタイミングを狙うのが得意で、ユルユルとごまかしながらも、いつの間にかポイントを奪うタイプの選手である。
 
過去の対戦でもデニス・シャフィコフに判定勝利、ミッキー・ベイにも1-2の判定まで持ち込むなど、とにかく粘り強くめんどくさい。
 
トップアマ出身のジョシュ・テイラーと言えど、決して簡単な相手ではなかったはず。
 
「ヤファイが無難に石田匠に勝利。うん、石田全然間違ってない。アレで正解だしアレしかない。やっぱりヤファイに勝てるのはアイツだろ」
 

ジョシュ・テイラーはいいですよ。足が速くパワフルなサウスポーという意味ではロマチェンコと近いタイプ

対するジョシュ・テイラーについてだが、はっきり言ってこの選手はめちゃくちゃいい
 
以前にもちょろっと申し上げた記憶があるが、長身でパワフルなサウスポーというアドバンテージを活かした攻撃型の選手である。
 
位置取りを変えてうまくアングルをずらしながらヒットを重ね、徐々に相手を削っていく。
強弱のつけ方も絶妙で、空いた場所にどんどん拳をめり込ませていくスタイル。
タイプ的には少しワシル・ロマチェンコに近いのではないか。
 
ただ、ロマチェンコほどリスク管理を優先した安全ボクシングではなく、むしろその逆。相手の腕が届かない位置取りというより、自分のパンチが当たる場所に移動して積極的にカウンターを狙っていく。チャンスと見れば、多少リスクを背負ってでもKOパンチを振るタイプである。
 
「ロマチェンコvsリゴンドー予想。利害の一致だろ? 先行きが見えない同士の消去法マッチ。ってゴメン、ちょっと楽しみにしてるw」
 
そして、この試合で証明したのがインファイトでの強さ
くせ者ミゲル・バスケスのディフェンスを突き破り、インファイトでKO勝利を挙げたのはすばらしいとしか言いようがない。
 

テイラーのボクシングの幅が尋常じゃない。ミゲル・バスケスをインサイドでねじ伏せるとは

今回の試合、テイラー陣営は遠い位置からの当て逃げで勝てると踏んでいたように思う。
 
開始直後はリング中央で構え、しっかりジャブを出しながら左を打ち込むタイミングを測っていた。
 
「パウンド・フォー・パウンド(PFP)決定。僕のPFPを考えたので、発表してみる【2018年3月現在】
 
だが、1発打つたびに身体を密着させ、頭を押しつけた状態から離れ際に追撃を浴びせるバスケスを、テイラーは明らかに持て余していた。
2Rにはバッティングでの出血もあり、アウトボクシングでキレイに勝利するのは早々に諦めた感じである。
 
そして、3Rから低い体勢で足を踏ん張り、頭をつけての打ち合いに切り替えたテイラーは本当によかった。
 
右を出しながら距離を詰め、右足を外側に踏み込んで左ボディ。
右腕をバスケスの首に巻き付け、左肘でわずかにスペースを作って左ボディ。
さらに空いた右で側頭部を1発。
巧みにバスケスの動きを封じながらインサイドで圧倒し、レフェリーのブレイクを待つ。
 
「井上尚弥がヨアン・ボワイヨと年末ファイト。余裕? の勝利でいけるのか? 2月の米国参戦も視野」
 
遠い位置からテイラーが1発。
そこに合わせて身体を密着させるバスケス。
だが、インサイドでうまく優位に立てず、ペースを掴めない。
 
離れて打ち合っても勝負にならず、得意のもみ合いでも勝てない。
ラウンドが進むごとに徐々に疲弊させられ、最後はダメージが蓄積したボディを叩かれジ・エンド。
 
いや、すごい。
ミゲル・バスケス相手にこれだけインサイドで強さを見せるとは。
1発目の交錯から右肩で押し込み、そのままサイドに動いてスペースを作ってのボディ。
 
アウトボクシングでの巧さは十分知っていたが、ここまで戦術の幅があるとは思わなかった。
この柔軟な切り替えというか、引き出しの多さはランセス・バルテレミーにも匹敵するのではないか。
 
「待ってましたのデボン・アレクサンダー! オルティスとのサバイバル戦が2月にあるってよ。元王者対決が地味~に楽しみ」
 
というか、S・ライト級のバルテレミーが若干フィジカル面で目減りしているところを見ると、むしろジョシュ・テイラーの方が上かもしれない。
 
それくらい、この試合のテイラーはお見事だったと思う。
 

ジョシュ・テイラーのS・ライト級最強説を提唱しますww この選手なら、もしかしたらクロフォードにも勝てたかも……

この試合を観て、僕の中でジョシュ・テイラーの階級最強説が濃厚になりつつある。特に、今回を含めた直近の3戦はすばらしいとしか言いようがない。
 
「ジョシュ・テイラー出陣。ライアン・マーティンとの無敗対決。vsプログレイス戦実現に向けてがんがれテイラー」
 
前戦のオハラ・デービス戦。
中間距離での差し合いを諦めて打ち合いを挑んできたデービスをしっかり見極め、カウンターで迎撃。右のウィリー・モンローJr.を思わせるオハラ・デービスとの無敗対決をきっちり制している。
 
また、その前のウォーレン・ジュベール戦では、得意のポジショニングと連打で蜂の巣にしての完全勝利。
作曲家のような名前のジュベールだが、恐らく実力的にはレネ・リピネッツに敗れた近藤明広と同格くらい。その強豪をまったく寄せつけず、最後はまたしてもカウンターでのKO勝利である。
 
ジュベール戦で持ち前の機動力を見せつけ、オハラ・デービス戦では下がりながらのカウンター。そして、今回のミゲル・バスケス戦ではインファイト。
この3戦で、テイラーはほぼ全局面での対応力を示してしまった。
 
割とガチで、この選手ならエイドリアン・ブローナーにも勝てるのではないだろうか。
恐らくレネ・リピネッツよりも普通に強いし、テレンス・クロフォードの対抗馬にすらなれた気がする。今さら言っても仕方ないのだが。
 
「クロフォードww インドンゴをボディ一閃!! 4団体統一戦に3RKO勝利。ナミビアのシンデレラストーリーを破壊する」
 
無理やりケチをつけるとすれば、ミゲル・バスケスがライト級上がりということくらいか。
インファイトで勝利したといっても、ライト級の選手相手では説得力に欠けると言われてしまうかもしれない。
 
そう考えると、次の相手はキリル・レリクか。
ナチュラルなS・ライト級のキリル・レリクに勝てば、ジョシュ・テイラーがこの階級で証明するものはほぼなくなる。ブローナーでもアミール・イマムでもバルテレミーでも、誰が相手でもいいからさっさと王座を戴冠すればいい。
 
「テイラーvsバランチェク実現? WBSSとかいう壮大な茶番に幸あれ。アリトロフィーの名誉()よりも実が欲しい」
 
まあ、そう考えるとアレだな。
近藤は何としてでもリピネッツに勝っておくべきだったな。
 
ジョシュ・テイラーが王者になれば、間違いなく英国内での最強伝説がスタートするだろうし、本当にもったいなかった。
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 
 

 
 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!