シャクールvsナカティラ、鈴木雅弘vs永田大士、赤穂亮vs杉田ダイスケ振り返り。地獄のシャクールにあの名選手とそっくりな鈴木雅弘【結果・感想】
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ここ最近、MMAの試合を観る機会が非常に多い。
UFC263でイスラエル・アデサニヤが勝利したりRIZINで朝倉未来が負けたり。
さらに今月25日(日本時間26日)には米・コネチカット州で開催されるBellator 261に日本の渡辺華奈が出場する。
その翌日にはRIZIN29大阪大会も控えているし、MMAの動向を追うのに忙しくて仕方ないww
朝倉未来がクレベル・コイケに失神KOで敗れる。リングならではの決着だったな。勝負論のある好ファイト
その分ボクシングネタを仕入れるのが疎かになっているわけだが、後追いでいくつかの試合を視聴したので今回はその感想を。
具体的にはシャクール・スティーブンソンvsジェレミア・ナカティラのWBO世界S・フェザー級暫定王座決定戦、鈴木雅弘vs永田大士の日本S・ライト級タイトルマッチ、赤穂亮vs杉田ダイスケのフェザー級10回戦の計3試合である。
○鈴木雅弘vs永田大士×(10R2分9秒TKO)
最初はこの試合。
永田大士は2020年7月に井上浩樹に勝利して日本王座を戴冠した選手で、僕もその試合にはめちゃくちゃ感動させていただいた。
不調の井上浩樹が負けたんじゃなくて絶好調の永田大士が王者を攻略したんだろ。覚悟を決めて試合に臨んだ永田大士に感動しました
前回の近藤明広戦は未視聴なのだが、今回もゴリゴリ前に出るファイトを期待していたところ……。
鈴木雅弘すげえ!!
いや、ちょっとすごかったですよね鈴木雅弘。
先に永田に手を出させてカウンターを被せ、さらに追撃の連打を浴びせる。
永田がガードを固めればスルスルっと距離を詰め、空いているところにスパスパと打ち込んでいく。
前に出て腕を振っているのは永田だが、パンチの的確さやヒット数は断然鈴木の方が上。
パワフルなスイングの合間にカウンターをねじ込み、上体をクネクネ反らして芯を外す姿はお見事としか言いようがない。
前に出ている側がだんだんボロボロになっていく光景というのは久しぶりに観た気がする。
「あれ? これの選手って誰かと似てる気がするぞ?」と思いながら眺めていたのだが、ようやく思い出した。
亀海善寛にそっくりやねん。
上体の柔軟さを活かしたカウンターや相手が怯んだ際にガードの間を通す連打など。
接近戦で芯を外しまくる攻防兼備? のファイトは亀海善寛を彷彿とさせる(気がする)。
しかも、この選手は亀海にはない強烈なボディ打ちを兼ね備える。
今後どういう路線でいくのはか不明だが、最初の3Rを観ただけでめちゃくちゃテンションが上がってしまった。
一方敗れた永田大士だが、今回はもう仕方ない。
あれだけ精度の高いカウンターと見切りを両立できる相手は恐らく永田が一番苦手なタイプ。
ブロック&リターンでゴリゴリ攻めるファイトとはすこぶる相性が悪い(と思う)。
7Rくらいで多少左のタイミングを掴んだものの、それまでに抱えたダメージがあまりに大き過ぎた。
正直、9Rにストップしてもよかったんじゃないの? というくらいの滅多打ち。
音声を消していたので会場の雰囲気はわからなかったのだが、ちょっと危険な領域に入りかけているようにも思えた。
宇津木秀vs鈴木雅弘感想。ジャブで圧倒した宇津木が9RKO勝利。“何か偉そうなおっさん”との遭遇率UPで後楽園ホールが不快な空間に逆戻り
○赤穂亮vs杉田ダイスケ×(3R1分49秒KO)
世界戦を含むキャリア40戦を誇る赤穂亮がアマチュア上がりの杉田ダイスケに3RKOで勝利し、試合後に「これからも世界を目指す」とアピールした試合。
なのだが……。
申し訳ないことに僕は1Rで視聴を断念している。
理由は赤穂亮の反則打アピールにうんざりしたから。
もともとこの選手はローブローやバッティングに異様に神経質なところがあり、勝手に試合を止めてアピールをおっ始めるシーンが目立つ。
以前にも申し上げたが、僕はああいうアピールで無防備な姿を晒すのが大嫌いである。
チャーロ弟とかいう強化版カシメロ。カスターニョと大激戦の末にドローで4団体統一ならず。でも、おもしろい試合だったね
試合が止まっていないのに目の前の相手から目を切って「レフェリー!! 注意してよ」と喚くなど、はっきり言って意味がわからない。
どれだけ強い選手だろうが、アレを見せられると一気に冷めてしまうのである。
しかもこの選手は2015年のプンルアン・ソー・シンユーとの世界戦でも、後頭部を叩かれたことをアピールしているうちに2RKO負けを喫している。
あの負けから6年近くも経っているのに、いっさい変化が感じられないメンタルにはがっかりさせられる。
あ? “暴君推参”だっけ?
冗談でしょw
ホームでイキってるだけの甘ちゃんやんけ。
とまでは言いませんが。
とにかくあのしょーもないアッピール()を観た瞬間に視聴意欲が根こそぎ刈り取られたことを報告しておく。
赤穂亮vsカシメロ戦、試合後動画があまりに酷い件。「あそこでグローブタッチは絶対やっちゃダメ」って、それ今言う? わかりきってた弱点を放置したのはチーム全体の責任でしょ
相手の杉田もね。
あんなの気にせずにぶん殴っちまえばよかったんじゃないの?
ラウンド中盤のバッティングなどもそう。半身状態のまま顔を背けているのだから、どう考えてもチャンスだったと思うのだが。あそこで強引に振り回せば、もしかしたら別の展開があった? かも?
何でもいいけど。
ま、がんばって。
○シャクール・スティーブンソンvsジェレミア・ナカティラ×(判定3-0 ※120-107、120-107、120-107)
ラストはこの試合。
WBO世界S・フェザー級の暫定王座決定戦とのことで、シャクールが勝てば2階級制覇が決定する試合。
なお、先日WBO王者のジャメル・へリングがカール・フランプトンをKOしていた覚えがあるが、なぜわざわざ暫定王座戦を?
へリングって怪我でもしてたっけ?
よくわからないけど別にいいか。
視聴前のテンションとしてはこんな感じである。
試合の感想だが、もうコイツなんなん?
観客を楽しませようっていう気がいっさいあれへんやん。
相手のジェレミア・ナカティラは21勝1敗17KOのキャリアを持つ倒し屋。
ナミビア出身とのことで、手足が長く動きの端々から身体能力の高さを感じさせる選手。10戦連続KO中の勢いのまま今回の試合に挑んだわけだが……。
シャクール・スティーブンソンにはまったく通用せず。
前手の右で侵入を阻まれ、左のカウンターをチラつかされて制空権を支配される。
序盤でほぼ試合をコントロールしたシャクールだが、もちろん自分から攻めることはしない。
お互いがお互いの足を踏みつけ合うだけのダーティかつ穏やか〜な時間が流れていく。
シャクールがヘリングを「じわじわとなぶり殺しにしてくれる!」10RTKO。同じ土俵で勝負したら厳しいよ。バルデスと統一戦? 冗談でしょ?
実際、ジェレミア・ナカティラはかなりいい選手だったと思う。
顔面もオースティン・トラウトに似ているし、本来であれば決して侮ってはいけないアフリカ系の強打者。
相手の足を躊躇なく踏みつける割り切りもよかった。
恐らくこれまでは身体能力を活かした踏み込み+鋭い打ち下ろしでリズムを掴んできたのだと想像するが、そういった諸々もシャクールの前ではそよ風同然。濃口の塩成分にすべて消されてしまった。
すげえよなコイツマジで。
テレンス・クロフォードとエロール・スペンスJr.を足したようなスペックのくせに、メンタルが初期のギジェルモ・リゴンドーなせいで超絶劣化スヴェン・オットケへの道をひた走っているという。
無駄に手足が長い分、さらに塩分が強めになっているというか。
メイウェザー二世?
そんなバカな笑
レフェリーが「もっと打ち合いなさい」と注意する光景なんて初めて観ましたよボカァ。
で、次戦はいよいよシャクール・スティーブンソンvsジャメル・へリング戦が実現するって?
地獄かよオイww
マジな話、ワシル・ロマチェンコがこの選手をどう攻略するかには非常に興味がある。
リゴンドー戦のようにあっさり懐に入るのか、それともシャクールの長い手足とスピーディなバックステップに漬けられてしまうのか。
逆にロマチェンコくらいしか通用しそうな選手が見当たらないのがシャクールのすごさとも言えるのだが。
当のロマチェンコもライト級に留まった結果、近日中に中谷正義に負けることが確定している(?)のが何とも残念である。
中谷正義がロマチェンコに勝つ姿しか想像できない。負ける要素が見当たらない件。偉業でも過去最大のビッグマッチでもない単なる通過点
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