シャクールがヘリングを「じわじわとなぶり殺しにしてくれる!」10RTKO。同じ土俵で勝負したら厳しいよ。バルデスと統一戦? 冗談でしょ?【結果・感想】

シャクールがヘリングを「じわじわとなぶり殺しにしてくれる!」10RTKO。同じ土俵で勝負したら厳しいよ。バルデスと統一戦? 冗談でしょ?【結果・感想】

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2021年10月23日(日本時間24日)、米・ジョージア州で行われたWBO世界S・フェザー級タイトルマッチ。同級正規王者ジャメル・ヘリングと暫定王者シャクール・スティーブンソンが対戦し、スティーブンソンが10R1分30秒TKO勝利。王座統一に成功した一戦である。
 
 
スピードと見切りを信条とするサウスポー同士の対決となった今回。
開始直後からキレのあるジャブの応酬が展開されるが、そのつどスティーブンソンがへリングを圧倒。ガードの間から次々と顔面にヒットを重ね、2Rで早くも実力差を見せつける。
 
流れを変えたいヘリングは3Rから自ら前に出て打ち合いを挑むが、スティーブンソンのバックステップと的確な右に阻まれ距離を潰せない。
 
 
スティーブンソンの絶対優勢で迎えた7R。
意を決して打ち合うヘリングだが、そのつどスティーブンソンに先手を取られてヒットを奪えず。逆に近場の連打で後退させられてしまう。
 
そしてへリングの両目がふさがり、ダメージも色濃くなった10R中盤。
左ストレートから右のダブルを被弾したへリングがロープを背負った瞬間にレフェリーが試合をストップ。10R1分30秒、シャクール・スティーブンソンの勝利が決定した。
 
井上尚弥vsケンナコーン(アラン・ディパエン)。いや、これはさすがに…。勝てる可能性があるとすれば、井上が出てきたところに右を当てるくらいか?
 

大嫌いなジャメル・ヘリングと試合がつまらないシャクール・スティーブンソン。他に観るものもないので視聴してみた

実を言うと僕はジャメル・へリングのことが大嫌いである。
 
理由は何年か前にコイツに大損させられたから。
 
詳細は伏せるが、かつてホープ? だった頃のヘリングを“勝手に”信じて“勝手に”撃沈した経緯がある。
それ以来僕はジャメル・ヘリングのことが大嫌いで、2019年5月に日本の伊藤雅雪を下した際もだいぶ腹立たしい思いをさせられた。
 
 
一方のシャクール・スティーブンソンだが、この選手に対しての僕の感想は「すごいけどつまらない」
 
抜群の見切りに鋭い右リード、とどめの左ストレート。
 
“ネクストメイウェザー”筆頭と呼ばれるだけあり、素人の僕が観てもすごいことはわかる。
 
いわゆる“打ち気を消す”のがうまいというか、動き出しのオーラをゼロから一気に100まで上げることができる選手。
打ち気ゼロの状態からいきなりパンチが飛んでくることにより、相手はどれだけ注意していても虚をつかれて被弾を許してしまう。
 
静と動のメリハリ、緩急を必要最小限の動きで完了させるスタイル。
 
だがつまらない。
クソほどつまらない。
 
ひたすら相手との距離をキープし、前手の右で圧倒。
たまーにタイミングを測って左を打ち込み、パッと離れて再び右リードで牽制する。
以上!!
 
倒せるのに倒さない。
熱量を上げることもしない。
 
“作業”とも呼べる試合運びを毎ラウンド淡々と繰り返すだけ。
 
シャクール・スティーブンソンの試合を観ていると、ほぼ100%の割合で睡魔に襲われる。
 
シャクールvsナカティラ、鈴木雅弘vs永田大士、赤穂亮vs杉田ダイスケ振り返り。地獄のシャクールにあの名選手とそっくりな鈴木雅弘
 
凄まじいまでの技巧、才能なのだとは思うが、エンターテイメントとして正しいかと言えば甚だ疑問。
週末の余暇にスカッとしたい、鮮やかな勝利、KOを観て英気を養いたい等の欲求を満たす対象としては圧倒的に不適切である。
 
 
大嫌いなジャメル・ヘリングと、試合がクソつまらないシャクール・スティーブンソン。
 
どんな試合になるか? どころの話ではない。
いっさい興味がわかない組み合わせだったのだが、ほかに観るものもないので試しに手を出してみた次第である。
 
スルタンがカラバロにアップセット。これが俺たちのプエルトリコ。ファン・カルロス・トーレスも!? 期待の2トップが揃ってコケる(期待に応える)って笑
 

ちょっとレベルが違ったなぁ。序盤2Rで両者の力量差が浮き彫りに…

前置きが長くなったが、ようやく本題に。
 
試合を観た感想だが、ちょっとレベルが違ったなと。
 
どちらも鋭い右リードと見切りのよさでスペースを確保し、後ろ手の左で顔面を打ち抜くスタイル。
やや低め+L字気味の構えでボディを隠し、顔面への攻撃は距離と見切り、上体反らしを中心に対処する。
 
 
そして、こういう勝負になると力の差が露骨に出るのがキツい。
 
申し上げたように今回は身体能力の高さと慎重さ、距離感を持ち味とするサウスポー同士の対決。
必然的に中間距離での右リードの差し合いで上回った方が有利になるわけだが、へリングはこの局面でまったく歯が立たなかった。
 
自分のジャブは鼻先でかわされ、打ち終わりと動き出しにそれぞれ1発ずつ被弾。
サイドに回ってボディを打ち込もうとするも、スティーブンソンの低いガードに阻まれ狙いどころが見つけられない。
 
初弾を相手に出させてカウンターを狙うが、これまたスティーブンソンのスウェイの方がワンテンポ速く、逆に右ガードの外側から左フックをもらってしまう。
 
かといって外を警戒すればど真ん中から右のダブルが飛んでくる。
 
同時打ちのタイミングでも顔面を跳ねあげられるのは常にへリングの方。
身長、リーチともに上回っているはずなのに、自分のパンチは届かず相手のパンチだけが当たる。
 
 
いきなり生命線の右リードを封じられて手詰まりになったと言うか、序盤2Rの時点でお互いの力量差がはっきり出たと言っていいのではないか。
 
要注目プロスペクト!! でもないけど僕の目に付いた選手を取り上げていく。目玉カードのアンダーに出場予定のコイツらをメモしておこう
 

接近戦を挑むヘリングだが、あっさり弾き返されて手詰まりに

へリング自身、2Rを終わったところでこのままじゃダメだと感じたか、3R中盤あたりからガードを上げて距離を詰める。
 
高いガード+上体を揺らしながら前進し、シャープなワンツーを顔面に打ち込む。
上と見せかけて右をボディに伸ばし、オーバーハンドの左を顔面に。
さらに自らクリンチで動きを封じ、スティーブンソンにカウンターのタイミングを与えない。
 
だが、スティーブンソンに慌てた様子はなく。
激しく身体を振るへリングの顔面を右で正確に打ち抜き、微妙に角度を変えながらヘリングの正面を外す。
 
そして、へリングがひるんだ瞬間を狙って逆にワンツーを顔面にぶち当てる。
 
これで前進を止められたへリングは4R以降、再び中間距離での差し合いを強いられることに。
 
第2のファンマを探す旅。俺たちのプエルトリコ期待の5人。彼らの散り際の美学は瞬間芸術と言っても過言ではない()
 

ヘリングが接近戦に慣れてないのか、スティーブンソンがすごいのか。スティーブンソンがすごいんだろうな

いや〜、キツいっすねジャメル・ヘリング。
7Rから腹を決めて再び接近戦を挑んだものの、迫力も馬力も物足りない。
 
普段接近戦をやり慣れていないからなのか、スティーブンソンがすごすぎるからなのかは不明だが、あまりに無防備に真正面に立ちすぎ(な気がする)。勇気を持って向かっていったのはいいが、逆にスティーブンソンにとってはちょうどいいマトになってしまった。
 
スティーブンソンは顔面への攻撃をまともにもらわない自信があるのだと思うが、至近距離でもあれだけ見切れるのであればそれも納得である。
 
 
また、この選手はクリンチ際のもみ合いもうまい(のかもしれない)。
 
肘でへリングの顔を押して右を打つスペースを確保したり、肩を相手の顎の下に入れて力を使わずに押し込んだり。
 
遠間で圧倒し、近場でも当たり負けしない。
S・フェザー級進出当初は若干華奢だったスティーブンソンだが、この1年半で身体も階級に適応している印象。
 
距離を詰めての乱打戦に持ち込みさえすればと考えたへリングの希望が根こそぎ刈り取られていく光景に唖然とするばかりである笑
 
ついでに言うと、クリンチ際に股間を打ち込まれたのをしっかりお返ししたのもよかったw
ああいう性格の悪さは格闘技にとっては本当に大事なのでね(わざとかどうかを言い出すとおかしなことになるのでやりませんが笑)。
 
ジャーボンティ・デービスvsローランド・ロメロはおもしろそう。デービスは中量級のカネロになれるよ。ロメロとは噛み合うんじゃないの?
 

似たタイプの対戦は最初の差し合いが勝敗に直結する。それを踏まえてスティーブンソンはすごかったけど。オスカル・バルデスと統一戦? 冗談でしょ笑

しかし、今回のシャクール・スティーブンソンは本当にすごかった。
 
同じようなスタイル同士(細かい部分では違うんだろうけど)の対戦は最初の差し合いが勝敗に直結する、各局面で差が出て徐々に片方が疲弊させられていくのが常だが、ジャメル・ヘリングがここまで相手にならないのはかなりの衝撃。
 
似たようなパターンで思い出されるのは2013年4月のエリスランディ・ララvsオースティン・トラウト戦だが、あの試合は少なくとも12R判定までいったわけで。
バックギアの利くララが序盤から優位をキープしたものの、トラウトも中盤までは食い下がってみせた。
 
だが、今回のへリングは2Rの時点で「こりゃ無理だ」と気づかされ、同じ土俵での勝負を諦めた。
で、流れを変えるために3Rから接近戦に切り替えたものの、そこでもカウンターの餌食になり、「あ、中間距離の方がマシだ」と再び路線変更を強いられるという。
 
自分の土俵で歯が立たず、流れを変えるための接近戦も通用しない。
 
7R以降、意を決して接近戦を仕掛けたものの、すでに手詰まり感は尋常じゃない。
ダメージによって足の運びもおかしく両目の腫れも酷い。
 
曲がりなりにも3度防衛を重ねた王者をここまでコケにするというのはちょっとシャレになっていない。
 
 
以前WBC王者のオスカル・バルデスとの統一戦の話があると聞いたが、いや、悪いことは言わないからヤメとけって。マジで試合にならんから。
 
オスカル・バルデスvsロブソン・コンセイサン感想。コンセイサンの作戦とピーキングの勝利()バルデスはベルチェルト戦をうまく参考にされたかな
 
禁止薬物陽性反応どうこう以前に、バルデスとスティーブンソンでは現在地があまりに違いすぎる。
 
おとなしく防衛路線に切り替えて、ワシル・ロマチェンコが階級を下げるのを待った方がいい(下げるとは言ってない)。
 
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