チャーロ弟とかいう強化版カシメロ。カスターニョと大激戦の末にドローで4団体統一ならず。でも、おもしろい試合だったね【結果・感想】

チャーロ弟とかいう強化版カシメロ。カスターニョと大激戦の末にドローで4団体統一ならず。でも、おもしろい試合だったね【結果・感想】

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2021年7月17日(日本時間18日)、米・テキサス州で行われた世界S・ウェルター級4団体統一戦。WBC/IBF/WBAスーパー同級王者ジャーメル・チャーロとWBO王者ブライアン・カスターニョの一戦は、最終ラウンドまで激しい打ち合いが展開されるも決着はつかずに1-1(117-111、113-114、114-114)の判定でドロー。2021年5月のジョシュ・テイラー以来の4団体統一王者の誕生とはならなかった。
 
 
高いガードと力強いプレスで序盤からグイグイ前に出るカスターニョに対し、チャーロは足を使って左右に動きながらのジャブで対抗。
時おりカスターニョにロープに詰められ打ち合いに巻き込まれるものの、鋭い左リードとカウンターを駆使して決定打を許さない。
 
2Rにはチャーロの左カウンターでカスターニョがグラつきを見せるが、続く3Rにはカスターニョの左フックで逆にチャーロが腰を落とす。
 
その後も一進一退の攻防が続くが、全体的にはカスターニョが優勢をキープ。
終盤10Rに右ストレートをヒットして山場を作ったチャーロだが、そのラウンドでは決めきることができず。
 
ラスト2Rも大激戦が続き、互いに一歩も引かないまま試合終了のゴングが鳴らされる。
 
結果は1-1のドロー判定。終始優勢に試合を進めていたと思われたカスターニョだが、惜しくも4団体統一を果たすことはできなかった。
 
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チャーロ弟vsカスターニョ。117-111でチャーロ勝利はなかなか…。でも、ジャブの多さが評価されたのかな?

2021年5月のジョシュ・テイラー以来、史上7人目の4団体統一を目指して行われた今回。
 
WBC/IBF/WBAスーパー王者ジャーメル・チャーロは現在34勝1敗18KO。2018年12月にトニー・ハリソンに初黒星を喫して以降、ここまで3戦連続KO勝利中と波に乗る。
 
対するWBO王者ブライアン・カスターニョは現在17勝1分12KO。2021年2月にパトリック・テシェイラを下して初戴冠を果たし、初防衛戦で4団体統一戦の大一番を迎える。
 
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上述の通り試合は両者一歩も譲らぬ大激戦の末に1-1(117-111、113-114、114-114)の判定でドローとなったわけだが……。
 
全体的にカスターニョが優勢だったという声も多く、チャーロの6ポイントリードはさすがにあり得ないといった意見も。
 
僕も結果を知った上で試合を視聴してみたところ……。
 
なるほど確かに。
終始カスターニョがペースを掴んでいたように見えたし、チャーロが明確に効かせた2、10R以外はカスターニョのラウンドでもいいくらい。
 
ただ、遠い位置からワンツーを出し続けたチャーロに対し、カスターニョは基本的にブロックが中心のスタイル。
ガードの間からチャーロの左がヒットするシーンが多かったことを考えると、ヒット数の差でチャーロにポイントが傾いたとも考えられる?
 
何とも言えないところだが、どちらにしてもおもしろい試合だった。
 
 
ついでに言うと、両者ともに中途半端なアピールをしないのがよかった。
 
まあまあの頻度でローブローが当たっていたようだが、どちらもまったく意に介さず。打ち合いの真っ最中だったこともあったと思うが、頭が当たっても気を抜かずに集中力を持続する姿勢はめちゃくちゃ好感度が高い。
 
先日、中途半端なバッティングのアピールによって観戦意欲を根こそぎ刈り取られる試合と遭遇したばかりだった分、今回の両者の意識の高さは本当に素晴らしかった。
 
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ロマン溢れるカスターニョ。格上と思われたチャーロ弟をあそこまで追い詰めたのはよかった

まずWBO王者ブライアン・カスターニョについてだが、僕がこの選手を初めて観たのは前回のパトリック・テシェイラ戦。
 
身長171cmとこの階級では小柄ながらも力強い前進+左右フックのフルスイングでテシェイラを下し、我々オーディエンスにロマン()を感じさせてくれた。
 
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恐らく自分より大きな相手との対戦に慣れっこなのだと思うが、この試合でもそれは随所に発揮されている。
 
チャーロの強力なワンツーに怯むことなく距離を詰め、得意な間合いまで近づいたところで攻撃開始。
一見大振りに思える左右フックも実はそこまでではなく、むしろチャーロのパンチよりも先に当たっていたくらい。打ち合いの局面ではそのつどチャーロを根負けさせていた。
 
最短距離を通るコンパクトさとダイナミックさを両立した連打というか、躊躇のない連打がそのままナチュラルなカウンターになるイメージ。
 
また、あれだけ全力で動けば燃費も悪いのでは? とも思ったが、特に失速することなく12Rを走りきってみせた。
 
スタイル的にカウンターを食いやすくはあるが、格上と思われたチャーロをあそこまで追い詰めたのは文句なしに素晴らしい。
 
 
何かアレっすよね。
左リードから入るときはうまく連打に巻き込めていたけど、いきなりの右で突っかける際に左のカウンターを被せられてた感じですよね。
 
この階級のトップであることに違いないが、4団体統一を果たすには若干攻撃パターンが少なかったのかなと。
 

チャーロ弟とかいう強化版カシメロ。チャーロの方ができることが多いけど、結構似てる気が…

対する3団体統一王者のジャーメル・チャーロだが、僕はこの選手についてはよく知らない。
 
以前「チャーロ兄は好きだがチャーロ弟にはまったく興味がわかない」と申し上げたことがあるが、マジでそんな感じ。
 
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双子揃って出場していた2020年9月の興行でも、申し訳ないことにこの選手の記憶だけがすっぽり抜けている。
特に嫌いというわけでもないのだが、いまいち視聴意欲を刺激されないのが……。
 
ちゃんと試合を観たのは2017年10月のエリクソン・ルビン戦以来だったことをお伝えしておく。
 
 
つうか、チャーロ弟ってアレですよね。
強化版カシメロですよね
 
表題の通りなのだが、何年かぶりにチャーロ弟の試合をしっかり観たところ、現WBO世界バンタム級世界王者のジョン・リエル・カシメロと似てるなぁと思った次第である。
 
ガードを低く構えて遠間で相手と対峙。
軽い左で牽制しながら踏み込みのタイミングを測る。
 
身体全体のバネを活かした射程の長さ、1発の威力、瞬間的な当て勘に優れており、スペースのある位置では滅法強い。
 
その反面、ガードを上げてじっくりプレスをかけられると手詰まりになる傾向が強く、正面に立たれて連打を浴びることを極端に嫌う。
 
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接近戦が苦手な分、カスターニョのようなタイプとは相性がいいとは言えず。
ロープ際で懸命に左右に動いて正面を外す姿は2011年3月のジョン・リエル・カシメロvsモルティ・ムザラネ戦を彷彿とさせた。
 
・カシメロに比べて若干前傾姿勢
・追い詰められても打ち合いに応じる忍耐力
・12R失速せずに動き続けるスタミナ
・打ち合いの中でのカウンター
などなど。
 
完全な前半型+諦めが早いカシメロに比べてチャーロ弟はピンチに陥ってもできることが多く、今回も劣勢を強いられながらも最後まで粘ってみせた。
 
この辺に関しては、ムザラネのプレスで中盤に決壊させられたカシメロとは一味違うと言えそうである。
 

見切りと距離でパンチを避けるサウスポーを粉砕した両者。カシメロvsリゴンドー戦はカシメロにも十分勝機が?

チャーロ弟とカシメロが似ていると感じたところで思い出したのが下記の2試合。
 
2017年10月のジャーメル・チャーロvsエリクソン・ルビン戦と209年11月のジョン・リエル・カシメロvsゾラニ・テテ戦である。

 

どちらの試合もサウスポー相手に遠間からの踏み込み+右のショート1発で勝負が決したわけだが、改めて両者の特徴がよく表れた結末だったなぁと。
 
 
比較的ガードが低く、距離と見切りでパンチを避けるタイプのサウスポーを相手に左リードを撒き餌に使い、タイミングを覚えさせたところで遠間から踏み込み右をズドン。
 
踏み込みに合わせて相手がダッキングした瞬間、パンチの軌道を変えて右側頭部にねじ込む流れ。
 
・サウスポー
・基本、ガードが低い
・見切りと距離でパンチを避けるのが得意
・カウンター狙いの“待ち”のタイプ
 
一足飛びで距離をゼロにする踏み込みに加え、瞬間的にパンチの軌道を変えるアドリブ力、当て勘。
こういう野生的なファイトでアウトボクサータイプのサウスポーを粉砕するパティーンはまさしく彼らの真骨頂と言えるのではないか。
 
 
先日、PBCからジョン・リエル・カシメロvsギジェルモ・リゴンドー戦が正式に発表されたが、カシメロの勝利も十分あり得ると思っているのはこのゾラニ・テテ戦の印象が強いから。
 
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カシメロが勝つなら前半KO、リゴンドーが勝つなら中盤〜後半にかけてのKO、もしくは判定勝利かなぁと思っているが、それでもカシメロがリゴンドーをKOする確率はそこそこ高い気がしている。
 
ノニト・ドネアとのゴタゴタを考えるとリゴンドーを応援する方が多いのは理解できるが、それはそれとして。リゴンドー大っ嫌い人間としては、カシメロが勝ってくれた方がおもしろいのかなぁと思ったり。
 
 
いつの間にかカシメロvsリゴンドー戦の話になってしまったが、とにかく今回のチャーロ弟vsカスターニョはおもしろかった。
 
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