ラッセルさんがニャンバヤルに安定の判定勝利。でもニャンバヤルはいい選手だったな。那須川天心はラッセルを目指そうぜ【結果・感想】
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2020年2月8日(日本時間9日)、ペンシルベニア州で行われたWBC世界フェザー級タイトルマッチ。同級王者ゲイリー・ラッセルJr.が指名挑戦者トゥグッソト・ニャンバヤルと対戦し、3-0(116-112,、117-111、118-110)の判定で勝利。5度目の防衛に成功するとともに戦績を31勝1敗18KOとした一戦である。
安定王者ゲイリー・ラッセルJr.がロンドン五輪銀メダリストのニャンバヤルを迎えた今回。
開始直後から上体を振りじっくりと距離を詰めるニャンバヤルに対し、ラッセルは鋭い右の連打を打ち込んでいく。持ち前のハンドスピードを活かし、時おり左ストレートを顔面にねじ込むなどニャンバヤルに間合いを作らせない。
前半はラッセルのスピードに面食らってなかなか手が出なかったニャンバヤル。だが後半6Rからは積極的に踏み込み連打を浴びせていく。たびたびラッセルをコーナーに追い詰め、激しい打ち合いに巻き込むシーンも。
対するラッセルも速射砲のような連打とサイドへのステップで芯を外し、ニャンバヤルにペースを掴ませない。終盤再びペースアップを図り、勝負を決定づけるラウンドを作る。
そして、試合はそのまま終了のゴングが鳴り、判定へ。
前半の貯金を守りきったラッセルが3-0の大差判定で5度目の防衛に成功した。
俺たちのクリス・コルバートの相手がトゥグッソト・ニャンバヤル!? ガンボアの負傷離脱により急遽決定。これは厳しそうな組み合わせ…
さすがはラッセルJr.。五輪銀メダリストでも牙城は崩せず。毎年同じこと言ってるけど
五輪銀メダリスト、トゥグッソト・ニャンバヤルが“5月の男”ゲイリー・ラッセルJr.に挑んだ今回。
毎年5月にだけ登場し、仕事始めと仕事終わりを同時に行うラッセルJr.に鉄の掟を破らせてまで実現した試合なので、挑戦者ニャンバヤルにはそれなりに期待していたわけだが……。
残念ながら結果は大差判定でラッセルJr.の勝利。ニャンバヤルの後半の追い上げはすごかったが、安定王者の牙城は崩せず。さすがはPFP No.1のロマチェンコと真正面から渡り合っただけのことはある。
って、毎年同じことを言ってるなコレ。
ニャンバヤルはいい選手だった。うまくラッセルをコーナーに追い詰めて攻略しかけていたと思う
まず挑戦者トゥグッソト・ニャンバヤルだが、かなりいい選手だったと思う。
序盤はラッセルの速射砲のような右に面食らっていたが、中盤からは徐々に対応。連打に臆さず近場での打ち合いに巻き込むなど、かなりいいところまでいっていたのではないか。
前回(と言っても去年)のキコ・マルチネスはラッセルの右をまったく攻略できず5RTKOに沈んだが、ニャンバヤルは一味違う。
被弾を許しながらも何度もラッセルをコーナーに追い詰め、自ら手を出し続けて超絶ハンドスピードをどうにかねじ伏せてみせた。また、左足でうまく進路を塞ぎ、ラッセルに糞詰まりを起こさせるシーンも。試合中、何度かラッセルがマットに転んでいたが、アレは決して偶然ではない。むしろニャンバヤルのプレスがうまかったのだと思う。
予想記事でも申し上げたが、ニャンバヤルの実力は相当高い。イメージとしてはIBF S・フェザー級王座を戴冠したジョセフ・ディアスと同等くらい。少なくともキコ・マルチネスに比べればワンランク上の困難な相手だった。
「ラッセルさんを過労で潰す気か。無敗のニャンバヤルとのタイトルマッチを2月だと!? 労働への意識が低すぎる」
ここ数戦(と言っても3年前)でややスタイルの変化が見られるラッセル。フルパワーの連打を抑えて安定感を重視
だが、そこはさすがのゲイリー・ラッセルJr.。
相手の実力が上がっても多少のことではビクともしない。僕も「年一の風物詩」などとネタにしているが、結局試合を楽しみにしているだけのことはある()
前半は速射砲のような右リードの連打でニャンバヤルの出足を止め、後半からは近場での打ち合いに応じる。
連打の回転力を最大の持ち味とするラッセルだが、実はここ数戦(と言っても3年前)は初期に比べて手数が減り、カウンター中心の“待ち”のスタイルに傾倒しつつある。
ロマチェンコに敗れた2014年あたりまでは力みまくって1発1発を全力で打ち込み、ハンドスピードも常時MAXという状態。だが、ここ最近(と言っても3年前)はそれがやや抑え気味になり、守るときは守る、攻めるときは攻める。ガードをしっかり上げ、攻防のメリハリを大事にしているように思える。
常にフルパワーで腕を振っていては体力の消耗も激しく、スピードに慣れられた場合にグダりやすくもなる。ラッセルのハンドスピードは確かに凄まじいが、強弱という意味では若干足りなさが目立っていた。
だが、2017年5月のオスカル・エスカンドン戦あたりから自分のターンと相手のターンを意識するようになった感が強い。基本は相手に先に攻めさせてのカウンター狙いに徹し、自分のターンが来るのをじっと待つ。全力で腕を振るのはほんの一瞬だけに限定して体力の消耗を極力抑える。
「はあ、ラッセルたん…。エスカンドンを接近戦で圧倒して勝利!! この試合好き過ぎて、もう5回くらい観てるw」
特に近場での右フックの威力は健在。
2015年のジョニゴン戦でも見せたが、ラッセルは本当にこのパンチが得意である。
打ち合いの最中、抜群のタイミングで右フックをヒットしてニャンバヤルの連打を寸断し、そのつど流れを自分に引き戻す。
パンチをガード→リターンまでの速さは依然として世界一ではないかと思うほどのスピード、精度を誇る。
得意のカウンターが間に合わず、被弾しながら前進するしかできないニャンバヤル。
サイズで上回るはずのニャンバヤルが明らかに距離を感じていたのを見ると、回転力と精度の両立はそれだけで凄まじい圧力を感じさせることができるのだろうと。
爆発力という意味では多少落ちたかもしれないが、その分安定感は増した気がする。
まあでも、アレか。
後半からニャンバヤルにペースを持っていかれそうになったのを見ると、ハイスピードな連打と火力で圧倒するスタイルは目減りしつつあるのかな? と思わないでもない。
やっぱり那須川天心には和製ラッセルになってほしい。本格的にボクシングをやるなら
また、これは前回(と言っても1年前)も申し上げたのだが、キックボクシングの那須川天心がボクシングをやるならゲイリー・ラッセルJr.を参考にしてほしいと思っている(勝手に)。
亀田和毅vs三宅寛典の放送事故級の謎試合。クソ微妙なモズリーJr.がクイグリーと大接戦、アントワンがサンティアゴ相手にラッセルしてた
ハンドスピードはあるが、リーチは短く上背もそこまでではない。
踏み込みの鋭さやバックステップからのリターン、瞬間的なカウンターなど。同じサウスポーであることも含め、体型や得意なネタも共通している。今後、那須川天心が本格的にボクシングに転向するのであれば、ゲイリー・ラッセルJr.のスタイルが適していると思うのだが。
ちなみに2019年末のRIZINでの試合が56kg契約。少し減量をがんばってバンタム級まで落とせば、フィジカルのゴリ押しでねじ伏せられることもなさそう。
もちろんこれからもキックボクシングをがんばっていくのだと思うが、どこかで本格的にボクシングに転向する場合はぜひとも“和製ラッセルJr.”になってもらいたい。転向でも二刀流でもどっちでもいいけど。
って、は?
ラッセル王座返上!?
S・フェザー級でレオ・サンタ・クルス戦を目指す?
それがうまくいかない場合はライト級?
アメブロを更新しました。 『ゲイリー・ラッセルJr 「王座返上!サンタクルス挑戦熱望」』 #ボクシング #世界https://t.co/RC6xN0mms1
— 金元孝男@BOXING MASTER (@stanbox7) February 10, 2020
おいおい、本気で言ってんのかよ。
さすがにライト級はサイズ的に厳しいんじゃないか?
ビッグマッチを目指すのはわかるけど。
てか、これはちょっとビックリですね。
てっきりこれからも“年一の男”でいくのかと思ってたので。
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