リナレスvsジャック・カテラル、リナレスすげえな。適正階級なら倒してたかも? ルーク・キャンベル、ロマチェンコをダウンさせた右【結果・感想】

リナレスvsジャック・カテラル、リナレスすげえな。適正階級なら倒してたかも? ルーク・キャンベル、ロマチェンコをダウンさせた右【結果・感想】

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2023年10月21日(日本時間22日)に英・マージーサイド州リヴァプールで行われたS・ライト級12回戦。元3階級制覇王者ホルヘ・リナレスが王座挑戦経験を持つジャック・カテラルと対戦、3-0(117-111、116-112、116-112)の判定でカテラルが勝利した試合である。
 
 
先日「最近忙しくてボクシングを観る暇がない」とがんばってるアピールをしまくったが、そのバタバタもようやく落ち着きつつある。
ただ今回のリナレスvsカテラル戦をリアルタイム視聴するまでには至らず。ようやく見逃し配信で視聴し終わったところである。
 
 
敗れたリナレスは試合後に引退を表明、現役生活に別れを告げるとのこと。
 
僕はリナレスに対して何の思い入れもないが、通算56戦47勝の戦績は文句なしにとんでもない。
今後どこを拠点にするのか、ボクシングに関わっていくのか等、まったくの不明だが、とにかくお疲れさまでした。
 
サム・グッドマンが階級上のミゲル・フローレスを全局面で圧倒。これは指名挑戦者の先頭に立ったでいいんじゃない?
 

リナレスがよかった。引退するのが惜しいくらいに。もっと厳しい試合になると思ってた

試合の感想だが、思った以上にリナレスがよかったなぁと。
 
・適性を超えた階級
・相手はジョシュ・テイラーに肉薄したジャック・カテラル
・敵地開催
・3連敗中
・明らかに下降線に入っている
 
諸々を加味すると、正直今回はかなり厳しい。
観るのがしんどい試合になるかも? とすら思っていた。
 
下記のレビューを読み返してみたが、やはり「デビン・ヘイニー戦以上に厳しい試合になりそう」と申し上げている(忙しいアピールも山ほど笑)。
 
デビン・ヘイニーvsライアン・ガルシア。アマチュア時代3勝3敗だって。ガルシアが勝つなら後半勝負かな。ホルヘ・リナレスのパターンで
 
なので、3-0の判定負けという結果は十分健闘の部類である(僕の中では)。
 
コンディション的にもここ最近の中では好調な方。特に序盤は瞬間的な踏み込み、ハンドスピード等、端々に全盛期を彷彿とさせた。
 
それこそ体格が同じであればチャンスがあったのでは? というくらいに。
 
実際、カテラルと同じ? 技巧派サウスポーのルーク・キャンベルには勝ってるしね。
 
 
割と冗談抜きで引退するのが惜しいレベル。
上位陣への挑戦が難しい&4連敗ということを考えれば仕方ないのかもしれないが。


 

ダッシュ力、連打スピードがカテラルに通用した。端々に全盛期を彷彿とさせる動きが見られた

具体的にはリナレスのダッシュ力、連打が普通に通用していたこと。
上述の通りこの日のリナレスは動きがよく、踏み込みやワンツーのスピードが全盛期を彷彿とさせた。
 
ジャック・カテラル前手を器用に使うサウスポーで、多彩なリードを駆使して離れて勝負するのが得意。懐の深さ、リーチの長さ、足運びのうまさ等、どことなくミドル級のジャニベク・アリムハヌリっぽさがある。
 
なので、リナレスが勝機を見出すにはまずはこの左をかいくぐる必要がある。
 
スタイル的にジャブの差し合いをしても勝ち目はない。持ち前の踏み込みスピード、ハンドスピードを活かして中に入る以外に方法はない(と思う)。
 
ただ、ここ数戦のリナレスを見ると相当難しいのでは? というのが僕の展望である。
 
 
通用したね。
 
いや、通用しましたね。
 
リナレスのダッシュ力、ハンドスピードは全然通用した。
 
それどころか何度かカテラルをのけぞらせてみせた。
ルーク・キャンベルからダウンを奪ったリナレスの右はカテラルの顔面にもばっちり届いていた。
 
すごいなリナレス。
ホントにすごい。
 
上述の通り適性階級なら倒せたんじゃないの? というほど。
 
カネロvsチャーロ弟。久しぶりに「カネロ様」な試合だった。チャーロ弟は早々にスペースを潰されてできることがなくなった
 

“待ち”の相手に強さを発揮する、vsサウスポーに慣れっこのリナレス

序盤からカテラルの足を踏みまくって懐に侵入するタイミングを探すリナレス。
左右に動きながらチャナスを待ち、スルスルッと距離を詰めて高速のワンツーを打ち込む。
 
カウンター狙いの“待ち”の相手にはめっぽう強い、反撃の間を与えないリナレスの勝ちパターンそのまんまである。
 
 
もっと言うと、単純にvsサウスポーに慣れっこなのもありそう。
今回のジャック・カテラルやルーク・キャンベル以外にもアントニオ・デマルコやメルシト・ゲスタ、ワシル・ロマチェンコなどなど。実は強豪サウスポーとの対戦はかなり多い。
 
中でもロマチェンコからダウンを奪った右はリナレスのベストショットとも言える1発。
 
角度、タイミング、スピードその他。
もしかしたらあの右はサウスポー殺しの1発なのかもしれない。
 
違うかもしれない。
 
4団体統一王者デビン・ヘイニーがロマチェンコの追い上げを振り切り僅差判定勝利。またしても不動のPFP No.1っぷりを証明したな
 

パンチに対する反応は落ちたよね。カテラルも深追いせずに勝ちに徹した

だが、根本的なスペックの低下? はどうにもならなかった。
 
右を器用に使うカテラルのジャブをもらいまくり、左ストレートで顔面を揺らされる。
中間距離での差し合いではかなわない上に打ち終わりのカウンターも間に合わない。
 
スピードが生命線のスタイルな分、反射神経の衰えがモロに影響する。
 
確かに瞬間的なダッシュ力、パンチスピードは好調時を彷彿とさせた。
懐に入りさえすれば勝負できる&近場での連打も十分機能していた。
 
ただ、そこに至るまでの被弾があまりに多い。
1回のチャンスを捻り出すために3回のピンチを許容するというか。“肉を切らせて骨を断つ”の「切らせる肉」がデカすぎてなかなかポイント奪取に至らない。
 
それどころか中盤以降はダメージが溜まって動きが鈍る→より被弾が増える悪循環に。
 
カテラルもリナレスの攻撃力を警戒して極力危険はおかさない。深追いせずに“置きにいく”ファイトを最後まで貫いてみせた。
この辺は地元開催が優位に働いた印象である。
 
ジョシュ・テイラーvsジャック・カテラルどんだけ注意されんねんオマイラw 8Rにダウンを喫するも2-1の僅差判定勝利。僕はカテラル勝ったとオモタ
 

リナレスにとっては「相手がデカすぎた」という悔しい負け。時間が経てば「まだやる」って言うかも?

マジな話、今回の負けはリナレスにとってかなり悔しいのではないか。
 
・相性は悪くない
・慣れっこのサウスポー
・アウェイ&3連敗中で失うものはない
 
これだけの要素がありながらもポイントで引き離されたのは、
 
・相手の地元
・カテラルが勝ちに徹した
・適性を超えた階級だった
ことが大きい(と思う)。
 
特に適性を超えた階級+カテラルがS・ライト級としても大柄なのが……。
 
繰り返しになるが、ルーク・キャンベルに勝利していることを踏まえれば体格さえ同じなら全然勝ち目はあった。
 
「相手がデカすぎた」「階級が合わなかった」というのは敗戦の理由として悔いが残る部類だと思うが、どうだろうか。
 
リナレス負けとるやん。アブドゥラエフになら普通に勝つと思ったけどな。足が動いてなかったし反応も悪い? 圧迫感のある会場だったのも
 
なお、試合後のリナレスはすっきりした表情だったとのこと。
 
 
と言いつつ、しばらく時間が経てば“おかわり”もある? かも?
 
僕自身、今回の試合を観て「リナレスすげえじゃん」「続けるなら応援するぞ」と思ってしまったので。
 
 
もちろん個人的に「晩節を汚すな」という言葉が大嫌いなのもある。
 
そんなもんは本人とその周りが決めることだろと。
部外者の分際で勝手に他人の人生に干渉してんじゃねえぞと。
何様なんだよてめえはと。
 
いつも見えない敵と戦っている笑
 
 
 
まあでも、現実的には引退なんでしょうね。
 
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