ダニエル・ローマンvsアフマダリエフは下がったら負ける? ローマンのセミファイナリスト感。テビン・ヘイニーのアンダーだって【予想・展望】
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2019年9月13日(日本時間14日)、米・ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行われるWBA/IBF世界S・バンタム級タイトルマッチ。同級統一王者ダニエル・ローマンがWBA2位のムロジョン・アフマダリエフと対戦する。
「ダニエル・ローマン陥落。アフマダリエフの馬力と足がコンビネーションを機能させず。うん、コイツ相当すごいな」
2017年に日本の久保隼をKOして初戴冠を果たしたローマン。3度の防衛を経て迎えたIBF王者TJ・ドヘニーとの統一戦では、2度のダウンを奪うなど2-0の判定でクリア。2団体統一王者に就いて以降、今回が初の防衛戦となる。
指名挑戦者アフマダリエフは戦績6勝無敗5KOのサウスポー。リオデジャネイロ五輪銅メダリストでもあり、左右のフルスイングを持ち味とする好戦的な選手である。
なお、当初はIBF返上が噂されたローマンだが、目標をWBC王者レイ・バルガスとの3団体統一戦に定め防衛路線を進むとのこと。その他、IBFの指名挑戦権は日本の岩佐亮佑が獲得しており、日本人選手との絡みにも注目が集まる。
「これが僕のコバレフ! ヤードに苦戦しつつも11RKO勝利で初防衛に成功。もうカッチョいい。最高にカッチョいいww」
ダニエル・ローマンの防衛戦迫る。この選手の圧倒的“セミファイナリスト感”すごい
日本でもおなじみのダニエル・ローマンの防衛戦が迫っている。
今回の挑戦者ムロジョン・アフマダリエフは6戦全勝5KOの強打者。元五輪銅メダリストでもあり、低いガードから自由自在な角度で打ち込む強打を持ち味とする。
過去、久保隼、TJ・ドヘニーと難敵サウスポーに勝利しているローマンだが、恐らくこういう変則タイプとの遭遇は初めて。個人的にもこの相手をどう攻略するかに注目している。
まず、今回のタイトルマッチはなかなかおもしろくなりそうな匂いがする。
挑戦者ムロジョン・アフマダリエフの試合を漁ってみたのだが、結構いいんじゃないでしょうか。
低いガードと見切りのよさ、躊躇のないフルスイングはかなりやっかいで、何となくのイメージとしてはWBAフライ級王者アルテム・ダラキアンを左構えにした感じ。
ダニエル・ローマンにとっても前回のTJ・ドヘニー戦と同様、かなり苦労する試合になるのではないか。
「ダニエル・ローマンがTJ・ドヘニーから2度ダウンを奪い王座統一! ドヘニーもナイスファイト」
ついでに言うと、ダニエル・ローマンの異常な“セミファイナリスト感”はさすがである。
この日はライト級プロスペクトであるテビン・ヘイニーの12回戦が組まれているのだが、メインを飾るのは当然のようにこの試合。階級も近く実績もある2団体統一王者の防衛戦がノンタイトルマッチのアンダーに甘んじる状況は明らかにおかしいのだが、どこか納得してしまう部分もある。
確かにダニエル・ローマンをセミファイナルに置きたくなる主催者の気持ちはわかる。
堅実で辛抱強く、淡々と試合を進める優等生タイプ。見た目通りの好青年で、性格やコメントも落ち着いていて好感度が高い。
ただ、試合自体は起伏が少なく華はない。残念ながら今後もスーパースターになる素養は感じられず、メインイベンターとして大々的に!! というタイプではない。
大きくハネることはないが、ハズレもない。
この地味強な安定感こそがダニエル・ローマンの圧倒的“セミファイナリスト感”なのだと思う。
「テオフィモvsコミーはテオフィモにも勝機があると思う。ウダウダやってないでさっさと正式決定しれ。コミーvs中谷も観たかった」
勝敗予想はダニエル・ローマンの11RKO。アフマダリエフは難敵だが、ローマンが一枚上と予想
前置きが長くなったが、そろそろ勝敗予想を。
ダニエル・ローマンの11RKO。今回はこれでいきたいと思う。
一応、その他の可能性として考えられるのがダニエル・ローマンの判定勝利とアフマダリエフの中盤KO。この3つのうち、もっとも可能性が高いと思われるのがダニエル・ローマンの後半KOではないかと。
正直、結果予想にはあまり自信はないが、ローマンが勝つ確率はそれなりに高いと思っている。
理由は勘で。
このマッチメークを受けて前回のローマンvsTJ・ドヘニー戦を観直してみてが、改めてダニエル・ローマンは左の使い方がめちゃくちゃうまい。
ドヘニーの右を小刻みな左でけん制しつつ、戻り際に距離を詰めて得意の連打につなぐ。
前手の差し合いでは敵わないと感じたドヘニーが1発目から左を打てば、冷静にそこに右を合わせる。
日本の高橋竜平や岩佐亮佑が翻弄されたように、ドヘニーの右も多彩でやっかいなことは間違いない。だが、ローマンの器用さにはわずかに及ばない。前回の試合での敗因はこの部分でローマンに上回られたのが一番かなという印象。
それを踏まえてアフマダリエフの試合を観ると、この選手はローマンに対抗するには前手のバリエーションが若干足りないように思える。基本、腕を振るスペースを確保した上でのフルスイングが攻撃の中心で、決して連打型とは言えない。どちらかと言えば単発気味なため、これだとローマンのプレスをかいくぐるのはかなり難しいのではないか。
「デビン・ヘイニー、お前はまだエゴイストでいい()完成度が高杉君でスケール感が…。ザウル・アブドゥラエフはよさそう?」
ダニエル・ローマンに近いタイプとして思いつくのは元4階級制覇王者ミゲール・コットだが、あの選手はザブ・ジュダーやセルヒオ・マルチネスに勝利しオースティン・トラウトに敗れている。
右は単発気味で左のカウンターが中心のジュダーをKO、セルヒオ・マルチネスには前手の差し合いで上回った上で判定勝利を挙げ、オースティン・トラウトには右リードの連打で左を機能不全にさせられ大差判定負け。
どの試合もリードの差し合いが試合の流れを大きく左右したわけだが、今回の試合もそれと似たような感じでローマンの左が機能すると予想している。
アフマダリエフにも勝機? あのフルスイングが機能すれば中盤KOもあり得る?
逆にアフマダリエフが勝つ可能性も十分あると思っている。
アフマダリエフは右リードに多彩さがないとは言ったが、自分からどんどん腕を振っていく躊躇のなさは文句なしにすばらしい。
ローマンは前戦でもドヘニーのフルスイングにタジタジになるシーンが散見されたので、ラフなパンチを振るう相手にはそれなりに苦労すると思われる。動きに慣れていない序盤にアフマダリエフの強打が爆発すれば、そのまま一気にKO勝利というパティーンもあり得るのではないか。
そして、アフマダリエフが中盤でローマンをKOするようなことがあれば、僕が以前から提唱している「ラフなスイングを浴びせて反撃の余裕を与えるな」というローマン対策も実証される()
「ジョシュ・テイラーvsレジス・プログレイス訴訟で消滅? 実現すると思ってるんですけどね」
なので、結局は相手を下がらせた方が有利になるのかなぁと思う。
ダニエル・ローマンは中間距離~至近距離でのプレス、連打が得意で、同じペースで根気よく前に出続けられるのが持ち味。対するアフマダリエフはスペースのある位置では思いきり腕を振れるが、インファイトはやや苦手。
アフマダリエフはローマンの左リードを目のよさと見切りでさばきつつ、持ち前のフルスイングを浴びせてたじろがせたい。ローマンはアフマダリエフの強打をシフトウェイトとガードで芯を外しながら前進、懐に侵入してコンビネーションにつなぎたい。
つまり、どちらが自分の得意な間合いをキープし、相手を後退させられるかの勝負。お互いに前に出てナンボの選手なので、そこの部分で試合の流れが決まりそうな……。
そして、僕は6:4or7:3の確率でダニエル・ローマンのプレスが上回ると予想する。アフマダリエフの直近の試合が8回戦、10回戦なので、ペース配分の面でもローマンに分があるかなぁと。
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