みんな大好きルイス・ネリがアラメダに勝利して二階級制覇。でもパワフルさと回転力が目減りしたかな。次戦はローマン? フィゲロア?【結果・感想】

みんな大好きルイス・ネリがアラメダに勝利して二階級制覇。でもパワフルさと回転力が目減りしたかな。次戦はローマン? フィゲロア?【結果・感想】

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2020年9月26日(日本時間27日)、米・コネチカット州で行われたWBC世界S・バンタム級王座決定戦。同級1位ルイス・ネリと6位アーロン・アラメダの一戦は3-0(118-110、116-112、115-113)の判定でネリが勝利。バンタム級に続く二階級制覇を達成した一戦である。
 
ちなみにもともとこの試合は指名挑戦者決定戦として組まれていたが、王者レイ・バルガスの負傷により急遽王座決定戦に昇格したとのこと。
 
 
試合は序盤から両者の鋭いリードが交錯する展開。
身体を振って踏み込みのタイミングを測るネリに対し、アラメダは多彩な右を駆使してネリの前進を止める。
 
フック気味の右と返しの左で距離を詰めるネリだが、身体の大きなアラメダをなかなか崩し切れない。逆に右リードで顔を跳ね上げられるなど、自分の距離に入れない状況が続く。
 
だが、パンチのスムーズさと正確性で上回るネリは的確にポイントをピックアップ。最後まで決定機は作れなかったものの、ジャッジ1人が118-110をつける文句なしの判定勝利で二階級制覇を達成した。
 
 
なお、試合後のインタビューでネリはWBA王者ブランドン・フィゲロアとの統一戦を希望するとコメントしている。
 
チャーロ兄がデレビヤンチェンコさんのがんばりに剛腕で勝利。ミドル級で初めてチャーロらしい試合。でも2年半で防衛4度か…
 

ルイス・ネリvsアーロン・アラメダ、いつの間にか王座決定戦に昇格してたんすね。そういえばエマヌエル・ロドリゲスどこ行った?

以前から楽しみにしていたルイス・ネリvsアーロン・アラメダの一戦。
情報を追っていなくて知らなかったのだが、レイ・バルガスが負傷→休養王者となったおかげでいつの間にかこの試合が王座決定戦に昇格していたとのこと。
 
ほほう、なるほど。
2019年11月にネリの体重超過により試合をキャンセルしたエマヌエル・ロドリゲスはあれ以来ちっとも話題を耳にしなくなったが、試合消滅の原因を作った張本人のネリはしれっと二階級制覇に挑戦するわけか。
 
「1ポンド程度の超過で大事な試合をトバされたらたまん」という主催者側の意向なのか、単純にWBCとビバ・メヒコがズブズブなのか。もしくはその両方なのかは不明だが、とにかく王座認定団体や主催者にとってはルイス・ネリの方が序列が高いらしい。
 
てか、現状は井上尚弥とジョン・リエル・カシメロでバンタム級の3団体を独占しちゃってますからね。狙えるタイトルがWBCしかないというのがロドリゲスにとっては不運だったわけで。
 
モロニー(マロニー)がんがれ。井上尚弥相手にどこまで粘れるかの試合かなぁ。モロニー好きだし、井上の苦戦も観たいけど
 
ボクシングという不条理かつモンキービジネスな業界で世界一を獲ろうと思えば、こういう理不尽も甘んじて受け入れなくてはならないのである()

割とおもしろい試合だった。アーロン・アラメダは想像通り負けにくいタイプの好選手でしたね

実際の試合の感想だが、割とおもしろかった
 
どうやら「単調でつまらない試合」という意見が多いようだが、僕的には案外そんなこともなく。
確かに山場らしい山場はなかったものの、急遽昇格した王座決定戦としてはそれなりに楽しんだ次第である。
 
 
まずアーロン・アラメダについてだが、こちらは想像通りの好選手だった。
 
ルイス・ネリvsアーロン・アラメダ結構接戦になると思うねんな。てか、またサウスポーw 右リードの差し合いと接近戦でのボディ合戦?
 
身長168cm、リーチ170cmというサイズで、全体的に分厚くずんぐりむっくりの体型。
動きはなめらかで器用な印象が強く、中でも右の多彩さはこれまでネリが倒してきたサウスポーに比べて一段レベルが高い。十分な身体の強さもあり、いいタイミングでパンチを食ってもビクともしない。
 
試合後のインタビューでネリの左目がはっきりと腫れていたが、要するにそれだけアラメダの右リードをもらい続けたのだろうと。

特別スピードがあるわけでもなく、ビックリするような1発を打つわけでもない。
位置取りのうまさや押し引きのタイミングを含め、とにかく“負けにくい”タイプだったなと。
 
遠間での右リードと中間距離でのボディ等、ルイス・ネリが前手の差し合いで後れを取る試合を観たのは初めてだった気がする。
 

ルイス・ネリが階級の壁にぶつかったか。リードで出足を止められ、連打にカウンターを返され回転が上がらない

対するルイス・ネリだが、はっきり言って階級の壁にぶつかっていたと思う。
 
柔軟な上半身を活かしたクネクネディフェンスからのカウンター。そこからスタートする連打とパワフルな前進で相手を怯ませ、どんどん回転力を上げていくのがこの選手の持ち味だが、今回はその部分があまり発揮できず。
アーロン・アラメダの前手の多彩さに終始手を焼く展開を強いられてしまった。
 
ルイス・ネリの馬力。パヤノ善戦もボディ1発で沈む。リバウンドありきのバンタム級なんだろな。見るからにデケえし
 
ルイス・ネリがvsサウスポーを得意とする要因の一つに、右リードの差し合いで上回れるというのがある(と思う)。
 
だが、この試合ではそこの部分で大きく躓かされた。
フェイントの掛け合いから右リードで顔面を跳ね上げられ、慌てて打ち込むカウンターの左は届かない。
いつもであれば相手の右をスウェーで避け、一歩踏み込みながらのカウンターでリズムを掴むのだが、今回は自分の得意な距離になかなか入らせてもらえなかった。
 
また、強引に近づいて両フックを浴びせても、平然とアラメダが打ち返してくるのでちっとも回転が上がらない。
 
腕を振り上げた瞬間にカウンターで連打を寸断され、そのつどボディで突き放される。
2019年7月のファン・カルロス・パヤノ戦では馬力の差を見せつけてパヤノを再三コーナーに追い詰めたが、この試合では12Rを通してほぼリング中央付近から動けず。
 
 
ややヘッドハンター気味のパヤノは絶えず全力でルイス・ネリの前進を受け止め続けたが、9Rにとうとう力尽きた。
一方、身体も大きく多彩な右を持ち味とするアーロン・アラメダはリードジャブとボディを駆使してネリの前進を寸断。被弾を許してもまったく動じず、「ほーん、それで?」という感じでカウンターを返し続けた。
 
階級アップでフィジカル面の優位性を失い、ネリのこれまでの勝ちパターンが通用しなくなっている感が強い。
この選手のニックネームはスペイン語でヒョウを意味する“パンテラ”らしいが、少なくとも今回のネリからはネコ科の猛獣を思わせるどう猛さはまったく感じられなかった。
 

後半にアウトボクシングに切り替えたアラメダうまかった。この選手にもう少し爆発力があれば…

あとはまあ、9、10Rあたりからアウトボクシングに切り替えたアラメダもうまかったなと。
 
遠い位置から右リードを薄く当て、ネリが前に出ればその分後退する。
中間距離ではガードの上を叩かせ、ネリのフックに常にカウンターの右を被せる。
そして、無理に打ち合わずに適当なところでさっさと退散し、再び遠い位置から右リードをヒット。
 
後半のネリは何度か勝負をかけて前に出ていたが、そのたびにアラメダはスルスルといなして勢いを止めてしまう。
連打の正確性、手数の多さでポイントこそ奪取し続けたものの、vsサウスポーを得意とするネリがここまで苦労したのは初めてだった気がする。
 
それだけにアラメダの決定力不足は惜しい。
この選手にもう少し爆発力があれば、どこかでネリを追い詰めるシーンを作れた? かも?
 

次戦はダニエル・ローマン? レイ・バルガス? 素直にバンタム級に戻った方がいいと思うけど、それができないのがルイス・ネリだよね

ルイス・ネリはこれで二階級制覇を達成したわけだが、次戦は同興行でファン・カルロス・パヤノとの挑戦者決定戦を制したダニエル・ローマンの挑戦を受ける予定とのこと。
 
いや~、これはどうなんだ?
ダニエル・ローマンはちょっと厳しいんジャマイカ?
 
今回の試合を観る限りS・バンタム級のネリに絶対的な強さは見当たらないし、何よりダニエル・ローマンは連打型のオーソドックス。上体の柔軟さと見切りが中心のネリにとっては相当やりにくい相手に思える。
 
アーノルド・バルボサvsアレックス・サウセドとかいうセミファイナル感満載の好試合。地味強バルボサはバドゥ・ジャックっぽくて好き
 
たとえローマンを退けても、休養王者のレイ・バルガスが復活すれば再び困難な試合が待ち受ける。ブランドン・フィゲロアとの統一戦も結構だが、そこに至るまでの道はクソほど険しい。
一度でもキャリアに黒星がつけばこれまでの特別待遇もあっという間になくなるだろうしね。
 
 
マジな話、この選手は素直に馬力を発揮できるバンタム級に戻るのが最善だと思うのだが。
まあ、それができないから階級をアップしたわけだし、そこがルイス・ネリのルイス・ネリらしさ()でもあるわけですが。
 
こういうだらしないいちびりって、ホントに変わらねえからな……。
 
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