映画「オペレーション・フォーチュン」感想。テンポのよさ、スタイリッシュさを強調した“だけ”のペラペラな作品。僕の求めてるステイサムはコレジャナイ。武器商人のグレッグとハリウッドスターのダニーはよかった

映画「オペレーション・フォーチュン」感想。テンポのよさ、スタイリッシュさを強調した“だけ”のペラペラな作品。僕の求めてるステイサムはコレジャナイ。武器商人のグレッグとハリウッドスターのダニーはよかった

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映画「オペレーション・フォーチュン」を観た。
 
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「オペレーション・フォーチュン」(2023年)
 
英国諜報局MI6の敏腕エージェント、オーソン・フォーチュンは突然リーダーのネイサン・ジャスミンに呼び出される。
仕事内容は謎の組織に盗み出された「ハンドル」の回収。イギリス政府直々の依頼とのことである。
 
休暇中なことを理由に一度は固辞するオーソンだったが、破格の条件と引き換えに引き受けることに。
 
協力者として紹介されたのはやたらとクセが強いハッカーのサラ・フィデルと新人スナイパーのJJ・デイヴィスの2人。
オーソンは彼らの立ち振る舞い、雰囲気に不安を覚えるのだが、ネイサンに説得され渋々承諾するのだった。
 
 
敵の組織に近づくカギとなるのが武器商人のグレッグ・シモンズ。
彼の警戒心を解くため、オーソンたちはグレッグが大ファンだと公言するハリウッドスター、ダニー・フランチェスコの弱みを握り……。
 
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「オペレーション・フォーチュン(字幕/吹替)」
 

 

ビミョーだった。実態がないままスピード感でごまかされた印象

「オペレーション・フォーチュン」
 
先日の「キラー・エリート」に続いて視聴したステイサム映画である。
 
今作を選んだ理由は特になく、強いて言うなら「一番上に出てきた」から。
順番にステイサム映画を観ていく中でたまたま出会った一本である。
 
 
そして、感想としてはビミョかった
設定がゴチャついている割に展開が早く理解が追いつかない。
盗まれた「ハンドル」とは何なのかが明かされないまま物語が進むせいで「コイツらはいったいどこの誰と戦ってるんだ?」感が消えない。
 
何というか、実態がモヤっとしたままスピード感だけでごり押しされる印象。
 
サクサク進むテンポのよさでスタイリッシュさ、スマートさを強調しているのだと思うが、ガワだけカッコつけて中身が伴わないのである。
ガイ・リッチーのプロトタイプは「007」シリーズや「オーシャンズ」シリーズだと思うが、今回はその路線で盛大にスベった感じ。
 
先日の「キラー・エリート」はステイサム映画にしては泥臭すぎたと申し上げたが、今回の「オペレーション・フォーチュン」はスタイリッシュすぎて乗れないというもどかしさ笑
 
映画「キラー・エリート」感想。僕の求めていたステイサム映画とは少し違った。仲間の無能さ、ラスボスの格落ち感がよくも悪くもリアル。ハンターおじさんが恋人を守るパートで急にシゴデキになるのも…
 
・元特殊部隊
・人里離れた場所で隠居生活
・トラブルが起きて現場復帰
・多勢に無勢で無双
ステイサム映画に僕が求める要素は主にこれだが、今作にその要素はほぼ皆無。
いわゆる「ちょうどいいヤツはおらんのかw」状態である。
 

クセ強メンバーが有能すぎて…。失敗しなさ加減が作品から緊張感を失わせる

オーソンをサポートするクセ強メンバーも無駄に有能すぎて……。
 
新人スナイパーのJJは無表情で沈着冷静、オーソンのイエスマンだが与えられた仕事には100点満点の結果を出す。
遠距離からの狙撃だけでなく近接戦もそつなくこなす。オーソンの右腕としてめちゃくちゃ優秀で、オーソンからの信頼度が爆上がりしていく様子が見て取れる。
 
またハッキング担当のサラ・フィデルは仕事面だけでなく毒舌とテンポのいい皮肉、ジョークを交えながらのスタイル。これは典型的なガイ・リッチー風味であり、彼女こそが今作を象徴する存在と言える。
ピンチでも動じない、すべてを見透かしたような態度、焦りを見せたら負けの芸風に色仕掛けを上乗せしたキャラは“まさに”だった。
 
そしてこの急造チーム、まったく失敗しない。オーソンの相棒としてパーフェクトな働きっぷりを見せるのだが、残念ながらそれが裏目に出ている。サラッとしすぎて作品から緊張感を失わせているのである。
 
 
ちなみにサラは実は銃も凄腕という設定で、カーチェイスの真っ最中に窓から追手を撃ち落とすシーンがある。
ところがそのシーン、素人目に見ても「当たるわけねえだろ」というくらい銃身がブレッブレ笑
 
映画「ワーキングマン」感想。思ったよりもステイサムがステイサムしてなかった。もちろんステイサムしてるけど想定よりもステイサムしてない。脚本がシルベスター・スタローンと聞いて納得したよ
 

マイクとはいったい何だったのか。フワッとした立ち位置、捻りのなさ

敵役であるマイクの立ち位置もフワッとしていてよくわからない。
 
誰の指示で、どんな目的でオーソンの邪魔をしてくるのか。
もともとオーソンとは競合他社のライバル関係のようだが、だとしたらなおさらプロ同士の仕事にああいう介入は許されるのか。
イギリス政府のダブルブッキングだとしたら、政府がそんな間抜けなマネをするのか? と。
 
また介入の仕方もいちいちしょぼい。一番いいところで「はい、そこまで」と横やりを入れてくるだけという。
 
いやいや、せめてもう少し捻れよOK?
実はグレッグと裏でつながってましたとか、能天気なパンピー(一般人目線の立ち位置)だと思ったダニー・フランチェスコがとんでもない黒幕だったとか。
 
散々裏があるのでは? と思わせておいて、実際には単なるコソ泥でしたって笑
 
上述の「ガワだけカッコつけて中身が伴わない」印象はまさにこういうところ。
「ワイルドスピード」シリーズのように相棒が筋肉ダルマ(ステイサムとは別方向の超人)だったり、ストンピングで地面が割れたりと、ドラゴンボール的に振り切っていればまた違ったと思うのだが。
 
ワイルド・スピード/スーパーコンボ感想。家族愛に溢れたピッコロとベジータがひたすら壊しまくる。ラグビーW杯リスペクトのローテククライマックス
 

グレッグとダニーはよかった。このコンビは今作における数少ない優良物件

表題の通りだが、武器商人のグレッグ・シモンズとハリウッドスターのダニー・フランチェスコはなかなかよかった。
 
“単なる演技バカ”が俳優担当としてプロ集団に巻き込まれるのはスパイものの定番パターンらしいが、僕は今作で初めて遭遇した。
 
今作のダニーは最初はビビりながらもある瞬間から“プロの俳優”としてのスイッチが入り裏社会の大物たちを手玉に取り始める。
それと並行してグレッグの器のデカさ、要領のよさに感銘を受ける間抜けっぷりである笑
 
グレッグはグレッグで大ファンのダニーに会えてテンション爆上がり、自分をモデルにして役作りをしろとほざき始める笑
闇取引の仲介役という真っ黒な経歴ながらも筋は通す、人柄も悪くない、ダニーの演技にコロッと騙される。このあたりの憎めなさもよかった。
 
(僕の中での)ビミョーな評価の今作において彼らは数少ない優良物件だったことをお伝えする。
 
映画「ビーキーパー」感想。いつも通りステイサムがステイサムするだけの105分。気に入らなければぶっ潰す。問答無用でぶっ潰す。大統領だろうがぶっ潰す
 
ついでに言うと、グレッグの秘書を務めるエミリア(ルルド・フェイバース)は成金富豪をサポートする姐さんというわかりやすいキャラ造形。
 
・笑わない
・相手をいっさい信用しない
・「どこまでボタンを外すんだよ」というくらいにはだけたシャツ
バブリーな海外ヤクザの定番的なド派手さは逆に好感度が高かったw
 

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過去作からのインスパイアを感じた。だから何? ではあるけど

物語後半のオーソンが声マネハッキングで暗証番号を聞き出すシーン。
カラクリがバレたのを受けてJJがモブを狙撃するわけだが、あそこで「リーサル・ウェポン」を思い出した人は多いはず。
 
映画「リーサル・ウェポン」感想。バディものの金字塔にしてシリーズ最高傑作。腕は立つが弱点だらけのリッグスの孤独がマータフの家族愛に救われる
 
またオーソンとサラ(とJJ)が腕を組んでネイサンを置き去りにするラストシーンは、何となく「コマンドー」や「ダイ・ハード」のラストと被る……。
 
ガイ・リッチーが過去作を参考にしたかは不明だが、何らかのインスパイアを受けているのは間違いなくあるのではないか。
 
まあ、だからどうした? という話だが。
 
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