大坂なおみをこのまま諦めるにはあまりに凄すぎる。ノッてるときのプレーは完全に世界1位ですよ。ラケット投げと客席に打ち込みで警告

大坂なおみをこのまま諦めるにはあまりに凄すぎる。ノッてるときのプレーは完全に世界1位ですよ。ラケット投げと客席に打ち込みで警告

2021年9月3日(日本時間4日)、米・ニューヨークで開催中のテニス全米オープン。
世界ランキング3位の大坂なおみがシングルス3回戦でランキング73位のレイラ・フェルナンデスと対戦し、セットカウント1-2で敗れた一戦である。
 
 
第1セットを7-5で先取し、第2セットも6-5と勝利まであと1ゲームとした大坂。
ところが12ゲーム目にブレイクを許すと、そこから一気に崩れてしまう。
ゲームカウント6-6で迎えたタイブレークでは、3-0とリードを許した時点でラケットをコートに投げつけるなどイライラを抑えられず。
 
3セット目は第1ゲームでブレークを許したことが響き、6-4で奪われ万事休す。2年連続の全米オープン制覇とはならなかった。
 
 
また試合後の会見では、メンタル面の悪化を理由にしばらく競技から離れることを示唆している。
 
「大坂なおみ「しばらく競技から離れる」ボールをスタンドに強打の“暴挙”も」
 

大坂なおみは悪目立ちしすぎではあるけど、今の批判のされ方はちょっと異常

昨年度優勝の全米オープンを3回戦で敗退した大坂なおみ。
 
相手のレイラ・フェルナンデスはランキング73位と格下ながらも試合は序盤から接戦に。思い通りのプレーができずに集中力を切らし、最後は自滅する形での敗退となった。
 
また試合中にイライラを爆発させてラケットを叩きつける、ボールを観客席に打ち込むといった暴挙もあり、客席からはブーイングが起きる一幕も。
 
翌日の報道でも試合内容よりもこの行動に対する記事が目立つなど、ここ最近の大坂の不安定さを象徴するような出来事となっている。
 
 
僕も2020年以降の大坂なおみの不調は幾度となく見聞きしていて、試合中にラケットを破壊したことへの批判が大々的に報じられていたのもよく覚えている。
 
本人が積極的に行うBML運動、敗戦後の会見拒否騒動、東京五輪での聖火ランナーに抜擢されたこと、その他。
プレー以外の部分で注目を集めることが多く、それが批判に拍車をかけているようにも思える。
 
正直、僕はテニス選手のラケット破壊はそこまで目くじらを立てるようなことではないと思っている。試合を観ていればちょいちょい目撃するし、罰金やポイントを失うといった規定が大会ごとに決められてもいるらしい。
 
さらに選手とスポンサーは「ラケット破壊1回につき○○%の罰金」などの契約を結んでいるのが通常とのこと。
 
スポーツ選手の品格、規範となるべき云々も理解できるが、どうせああいうのは今後もなくなることはない。「まーたやってるよ」程度にとどめておくのがちょうどいい気もする。
 
 
なお、最近荒れ気味な大坂なおみに対して人格そのものを否定するような誹謗中傷も散見されるが、さすがにそれはアウトである。
申し上げたようにプレー以外の部分での悪目立ち? が影響しているのだとは思うが、だからと言って今の状況は明らかに異常。
 
完全に「コイツは罵声を浴びせていいヤツ」に認定された感がある。
 
木村花選手の逝去に思うこと。いくら考えても誹謗中傷? 罵声? を浴びせた人間が最悪としか思えないんだよな。番組側の姿勢を見直すべきってのはもちろんとして
 

試合自体はめちゃくちゃおもしろかった。ラケット投げや客席へのボール打ち込みばかりにフォーカスされているのがもったいないほどに

とまあ、大坂なおみの周辺があーだこーだと騒がしいわけだが、それはそれとして。
試合自体はめちゃくちゃおもしろかったことをお伝えしておく。
 
マジな話、今回の大坂なおみvsレイラ・フェルナンデス戦の激戦っぷりは間違いなく必見。
試合中のイライラなどどうでもよくなるくらいの好試合だったと思う。
 
 
第1セットから両者がサービスキープを重ね、5-5で迎えた第11ゲームで大坂がついにブレークに成功。続く第12ゲームをラブゲームでキープし、そのセットを奪取する。
 
第2セットは3ゲーム目までラブゲームでのキープが続くと、4ゲーム目を大坂が苦しみながらもキープに成功。そこから一気に波に乗り、第11ゲームでついにブレーク。
 
次のサービスをキープすれば勝利というところまで追い詰めながらも、ミスを連発して逆にブレークを許してしまう。
 
で、ここから大坂がガタガタと崩れていくという……。
 
 
この日は前の試合で男子世界3位のステファノス・チチパスが18歳の新鋭カルロス・アルカラスに敗れる波乱が起き、続く試合で同じ18歳のレイラ・フェルナンデスが大坂を追い詰める光景に場内は異様な雰囲気に。
 
フェルナンデスがポイントを取るたびに大歓声が沸き起こり、その状況に大坂がイライラをさらに募らせる。
第2セットで勝負を決めたタイブレークでは、大坂がラケットをぶん投げたこともあり会場は完全にフェルナンデス一色となる。
 
だが、第3セットに入っても調子の戻らない大坂に対し、観客席からは再び大坂に声援が飛ぶ流れに。
 

流れが二転三転する中で会場の雰囲気も変わる。大坂のメンタルの乱れとともにフェルナンデスがゾーンに入っていった

何というか、本当におもしろかったですよね。
 
第1セットを横綱相撲で奪取し、第2セットもゲームが進むにつれて調子を上げてきた大坂なおみ。
会場の空気も「やっぱり大坂なおみ強いわ」「フェルナンデスもいい選手だけど、世界3位に勝つにはまだ早い」という雰囲気が漂っていた。
 
ところが12ゲームでブレークを許したところから徐々に空気が変わる。
場内の歓声に後押しされるようにフェルナンデスが調子を上げ、逆に大坂は投げやりな仕草が目につくように。
 
で、第3セットで苦労しつつもサービスをキープし続ける大坂の姿に触発され、再び大坂への声援が増えるという。
 
試合の流れが二転三転する中、メンタル面が乱高下する大坂に対してフェルナンデスは集中力をグングンと高めていく。
 
イライラを爆発させる大坂の姿にフェルナンデスは「しめしめ」と思ったはず。
素人目にもフェルナンデスの充実度はわかるくらいで、それこそゾーンに近かったのでは? というくらい。第2セット後半のプレーは文句なしにすごかった。

 

行為の是非はともかく、真剣勝負の最中にあそこまでメンタルを乱したら勝てるわけない

同大会で大坂なおみがセリーナ・ウィリアムズを下し、歴史的な優勝を果たしたのが2018年9月。
 
あの試合のセリーナは試合中にラケットを破壊すなどで計3度の警告を受け、主審に再三抗議を繰り返したことは有名な話。
その際、主審から差別的な扱いを受けたとかで、試合後に物議を醸している。
 
一方、対戦相手の大坂なおみは最後まで集中を切らさずプレーを続け、見事に6-2、6-4のストレートで勝利を挙げてみせた。
 
大坂なおみのグランドスラム優勝がいかにすごいかを語ってみる。全米オープンでセリーナに勝ったって、とんでもないことですよ?
 
実際に主審による差別的な言動、行動があったかどうか。
それに対するセリーナの行為が正しかったかどうか。
 
諸々議論するべき部分はあるが、どちらにしても真剣勝負の真っ最中にあそこまでメンタルを乱していては話にならない。
実力どうこう以前に、あの試合のセリーナは四大大会の勝者になれるような状態ではなかった。
 
 
そして、今回の大坂なおみもまさにコレ。
勝負の最中にイライラを募らせ、その隙に格下に足元をすくわれた。
 
ラケットを投げつけたり客席にボールを打ち込む行為の是非はともかく、試合中にあれだけメンタルを乱せば勝てるわけがない。
WOWOWの解説陣も言っていたが、ああいう姿を相手に見せるのは間違いなく悪手。
 
この人の人間性どうこうはともかく、勝負師として完全に負けていたと断言できる。
 
 
道具を使用する競技は自分の意思を道具に伝える必要がある分、メンタル面はより重要になりますよね。
テニスの他にはゴルフ、野球などなど。
自分の身体と打点部分が離れているほど、メンタルの重要性が増すような気が……。
 

大坂なおみがこのまま離脱するのはあまりに惜しい。乗っているときのプレーは間違いなく世界1位。全盛期のセリーナ・ウィリアムズを彷彿とさせる

表題の通りだが、個人的にはこのまま大坂なおみが離脱してしまうのはあまりに惜しい。
 
今回のフェルナンデス戦を観ればわかるが、乗っているときの充実度は間違いなく世界トップクラス。
 
ごっついサーブに弾丸のようなリターン。
常に前でボールを捉え、馬力とスピードで相手をコートの奥に追いやっていく。
 
それこそ本人がリスペクトしているというセリーナ・ウィリアムズの全盛期を彷彿とさせる。
 
 
ランキング1位のアシュリー・バーティ、2位のアリーナ・サバレンカ、4位のカロリナ・プリスコバ、5位のエリナ・スビトリナといったランキング上位の選手をざっと眺めてみたが、彼女らに大坂が劣っているとはまったく思わない。
 
端々に見せるスーパープレーを目の当たりにすると、この才能が失われるというのはガチでもったいない。
 
 
と言っても、直近2年の試合数を見ると相当やばそうなのが……。
 
2017年:46試合(23勝23敗)
2018年:62試合(42勝20敗)
2019年:51試合(40勝11敗)
2020年:19試合(16勝3敗)
2021年:24試合(18勝6敗)
 
割と冗談抜きでこの減り方は引退直前のベテランとそっくり。
何とも言えないところだが、フィジカル以上にメンタル面がぶっ壊れてしまったのだろうと。
 
ナチュラルなしぐさで客席にボールを打ち込む姿などからも、もしかしたら普段の練習からあんな感じなのかも? と思ったり……。
 
 
てか、やっぱりテニス選手って過酷ですよね。
日程を見ると2週間〜1ヶ月ごとにツアーに出ていて、トップ選手はそこでしっかり結果も残している。
 
恐らくだが、才能に恵まれていてもツアーの過酷さに精神面が追いつかずに潰れた選手は過去に何人もいたと想像する。
 
錦織圭とかいう史上最強()のスロースターター。フルセットでの勝率が歴代1位って、どんだけ勝負強くて燃費悪いんだよ
 
なお、ランキング1位のアシュリー・バーティの生涯成績が294勝102敗(大坂なおみは251勝139敗)というのを考えると、最近はすべての試合を勝ちにいくより得意な試合、大きな大会にピークを合わせるやり方が主流なのだと思われる。
 
実際、年間62試合をこなした2018年の大坂なおみも普通に1回戦負けが散見される。
 
「2018年試合結果」
 
スピード&パワーが飛躍的に向上した近代テニスでは、すべての大会で全力を出していては身体がもたないというのが実情のようである。
 
 
ちなみに歴代レジェンドたちの生涯成績は下記。
 
セリーナ・ウィリアムズ:855勝152敗
シュテフィ・グラフ:900勝115敗
マルチナ・ナブラチロワ:1442勝219敗
 
意味わからなすぎワロタww
 

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