ホルヘ・リナレスvsジョーリャ・アマザリアン、フランク・マーティンvsマイケル・リベラ。明確に落ちたリナレスとラッセルっぽいマーティン。吉野修一郎の現在地はどの辺?【結果・感想】

ホルヘ・リナレスvsジョーリャ・アマザリアン、フランク・マーティンvsマイケル・リベラ。明確に落ちたリナレスとラッセルっぽいマーティン。吉野修一郎の現在地はどの辺?【結果・感想】

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最近ボクシングの観戦熱が減退しているだけでなく異様に忙しい日々を送っている。
おかげで気になっている試合が視聴できずにいたのだが、そのうちのいくつかをようやく観た次第である。
 
 
2022年は日本国内では先日の井上尚弥vsポール・バトラー戦、寺地拳四朗vs京口紘人戦を始め多くの注目試合が行われている。
その一方で北米ではいまいちハネなかった感じが……。
 
寺地拳四朗vs京口紘人ほか振り返り。拳四朗のあまりの強さに目が覚めた。皮肉でも批判でもなく拳四朗は事件を起こしてから一気に人生が開けたよな
 
中でもウェルター級の頂上決戦、テレンス・クロフォードvsエロール・スペンスJr.戦が流れたのは大きい。そして、それについて僕自身が「まあ、そうだよな」と冷静に受け止めているのも……。
 
デオンティ・ワイルダーとアンソニー・ジョシュアのヘビー級の無敗対決がポシャった2018~2019年辺りから「ボクシングはそういうもん」とネガティブ方面に達観しているのだが、おかげさま? でクロフォードvsスペンス戦に関しても「OKOK、相変わらずボクシングがボクシングしとるわ」といった感想しか出てこない笑
 
北米ではボクシングはMMAに人気を奪われていると言われて何年も経つが、それを取り返すために「少しでも報酬を増やす方法を模索する→お互いの主張が食い違って決裂→結果的に人気低迷に拍車がかかる」という悪循環に陥っている印象。
 
「試合をしてこそ価値がある」
「自分より強いヤツの存在が許せない」
といった原点をないがしろにしてビジネスに傾倒したツケを払わされているというか。
 
 
まあ、諸々の後ろ向きな話はともかく。
今回は最初に申し上げた「僕が気になっていた試合」の感想を言っていくことにする。
 
 
てか、改めて業務に忙殺される日々というのはよろしくないですね。
精神的な余裕を失うだけでなく毎日がちっとも楽しくない
“暇こそ至高”を標榜する僕としては、こんな日々からは早く脱却できることを願うばかりである笑
 

○フランク・マーティンvsマイケル・リベラ×(判定3-0 ※120-107、118-109、117-110)

まずはコレ。
2022年12月17日(日本時間18日)に米・ネバダ州で行われたWBA世界ライト級挑戦者決定戦。ランキング2位マイケル・リベラと10位フランク・マーティンが対戦、3-0(120-107、118-109、117-110)の判定でマーティンが勝利した一戦である。
 
 
マイケル・リベラはトランクスに“ALI”と入れるほどモハメド・アリを崇拝? しており、以前から風貌やファイトスタイルに注目が集まっていた選手。
戦績もここまで24戦全勝14KOと順調そのもので、今回満を持して挑戦者決定戦を迎える。
 
対するフランク・マーティンだが、こちらは正直よく知らない選手だった。
ところが先日、SNSだかYouTubeだかのハイライト動画がたまたま目に入って「お、誰だ? コイツ。すげえいいじゃん」と。
 
で、近々マイケル・リベラと対戦すると聞いて楽しみにしていた経緯がある。
 
デビン・ヘイニーvsライアン・ガルシア。アマチュア時代3勝3敗だって。ガルシアが勝つなら後半勝負かな。ホルヘ・リナレスのパターンで
 

フランク・マーティンの圧勝。この選手のゲイリー・ラッセルっぽさが好みっす笑

試合の感想だが、フランク・マーティンの圧勝だった。
 
この選手はカウンターと見切りが持ち味&センス抜群のサウスポーという周辺階級によくいるクネクネマンの1人なのだが、その中でも一段抜けている印象。
 
一瞬で距離を詰めるダッシュ力に方向転換の鋭さ、ストップ&ゴーを活かした動きで一か所に留まらない。
 
遠間から右リードをヒットしすぐさまサイドに退避。
相手の反撃姿勢が整う前に追撃の左を当ててパッと離れる。
 
この絶え間ない出入りとサイドへの動き、右リードの的確さにマイケル・リベラはなかなかついてこられない。
どことなく元フェザー級王者のゲイリー・ラッセルJr.を彷彿とさせる選手である(顔と髭も)。
 
ゲイリー・ラッセルが右肩ベコンでマグサヨに判定負け。思った以上にショックがデカいw 年一キングは勝ってこそのネタキャラなのに
 
リベラもどうにか状況を打開するべく3R辺りから打ち終わりのカウンター狙いに切り替えたが、あまり効果はなく。突破口を見出せないままダラダラとラウンドを消化しフルマークに近い完敗を喫してしまった。
 
なるほど。
やっぱりいいですねフランク・マーティン。
 
同じ無敗のサウスポーでもフェザー級のレイモンド・フォードよりもはるかに好き。
個人的にあの選手にはいまいちピンときていないのだが、今回のフランク・マーティンはかなり好みである。
やはり僕はゲイリー・ラッセルさんの系譜がお気に入りらしい笑
 

マイケル・リベラはちょっと無策過ぎたかな。サウスポーが苦手なのかもしれないけど

対するマイケル・リベラだが、こちらはあまりに無策過ぎた。
 
マーティンのカウンターにビビりながら届きもしない左を延々と出し続ける。
また、上述の通りマーティンの踏み込みにそのつど反応が遅れ、キワの部分で常に一歩二歩上を行かれた。
 
そして、その状況を打破する策がいっさい見当たらなかったのが……。
 
遠い位置では勝負にならない。
勝機を見出すには前に出るしかないのだが、マーティンの右リードとカウンターをかいくぐってプレスをかける術がない。
 
もともとこの選手はカウンター使い&サウスポーが苦手なのかもしれないが、それでも。
 
結果、カウンター合戦で置いてきぼりを食うパターンの繰り返しでダラダラとラウンドを消化、山場を作ることなく敗れてしまった。
 
「10位が2位に圧勝したWBAライト級挑戦者決定戦」

とてもアリと比較されるレベルにはなく、いつかメッキが剥がれるだろうと感じざるを得なかった。
「日本人ライト級選手に美味しい相手」と記した。

まあまあ辛辣でワロタww
相変わらず自分の好みを全面に反映するのが好きな御仁でござる。
 
もしかしたら「実力が足りないくせに偉大なモハメド・アリ様を模倣してんじゃねえよ」的な思いもあるのかもしれないっすね。
 
 
まあでも、確かに注目度の割にインパクトが足りないのはあったよね。
王者クラスと比較すると一段見劣りするというか。
 

×ホルヘ・リナレスvsジョーリャ・アマザリアン○(判定3-0 ※99-91、98-92、96-94)

続いはこの試合。
2022年12月11日(日本時間12日)にロシアのエカテリンブルグで行われたライト級10回戦。元3階級制覇王者ホルヘ・リナレスがジョーリャ・アマザリアンと対戦し、3-0(99-91、98-92、96-94)の判定でアマザリアンが勝利した試合である。
 
少し時間が空いてしまったが、リナレスの復帰戦をようやく視聴したのでその感想を。
 

本格的に厳しくなったリナレス。パンチに対する反応の遅れが顕著で誤魔化しが利かなくなってる

率直な感想としては、リナレスが本格的に厳しくなったなぁと。
僕が知る限りリナレスは2019年辺りから足の運びが怪しくなり、衰えの兆候も出ていた。で、同年9月のアル・トヨゴン戦でそれが明確になった印象である。
 
だがハンドスピードを活かしたコンビネーションの鮮やかさは相変わらずで、依然としてトップレベルの力を残しているとも思っていた。
 
 
ところが今回はハンドスピードだけでは誤魔化せないレベルまで落ちた感が強い。
 
前々回のデビン・ヘイニー戦などは相手が悪かったと割り切れる部分もあったが、前回のアブドゥラエフ戦、今回のアマザリアン戦に関しては……。
 
パンチに対する反応が明らかに鈍っているのがキツい。
 
リナレス負けとるやん。アブドゥラエフになら普通に勝つと思ったけどな。足が動いてなかったし反応も悪い? 圧迫感のある会場だったのも
 
以前から頭の位置が変わらず危ないもらい方をするタイプではあったが、これまでは鋭いバックステップと上体反らしで十分補えていた。
一方、この試合ではそのつど反応が遅れてガードの間から再三顔を揺らされてしまう。
 
 
5Rに2度スリップダウンがあったが、正直アレは両方ともダウンだったと思う。
 
どちらもワンツーパンチャーでそれなりにハンドスピードもある。
パンチを芯でもらいまくるリナレスに対し、アマザリアンは上体の柔軟さを活かして威力を吸収するスタイル。
若さによる勢いもあったと思うが、リナレスだけが一方的にダメージを蓄積させていく光景はなかなかしんどいものがあった。
 
 
いや~……。
この負けはちょっとアレかもしれませんね。
 
もともとスピードとキレ? センス? で勝負するタイプな分、生命線とも言えるアジリティが落ちるとどうにもならない。
今からスタイルチェンジをする余地もないだろうし、ここから先は健康を害する危険すらあるのではないか。
 
ロシアのプロモーターと複数試合契約を交わしたとのことだが、今回のパフォーマンスを観ると……。
 
実際、前回のアブドゥラエフ戦も調子さえ戻れば勝てると思ってましたからね。
 
本人次第なので何とも言えませんが。
 
ポール・バトラーの井上尚弥戦後のインタビュー記事が納得感が高い。井上は階級アップ後も普通に通用すると思うけど、“モンスター”でい続けられるかは…
 

改めてライト級の厳しさが…。吉野修一郎の現在地はどの辺?

上述の通り僕が注目していたライト級の2試合について感想を述べたのだが、こうして見ると改めて厳しい階級だなと思わされる。
と同時に、日本の吉野修一郎がどの辺りに位置するのかも興味深い。
 
マーロン・タパレスに2RKO負けを喫した勅使河原弘晶やジョン・リエル・カシメロに圧倒された赤穂亮のように分厚い壁を見せつけられるのか。
 
もしくはフェリックス・ベルデホに勝利した中谷正義やクリストファー・ディアスに勝って王座戴冠を果たした伊藤雅雪のように日本人の強さを証明できるのか。
アジアで無双する吉野修一郎がランキング上位相手にどこまでやれるのかはここ最近の僕の一番の関心ごとである笑
 
吉野修一郎がシャクール・スティーブンソンに勝つ姿しか想像できない。未来のレジェンドの一番勢いのある時期に日本人選手との対戦が組まれたことってこれまであったっけ?
 
恐らくだが、フランク・マーティンに敗れたマイケル・リベラは先日ワシル・ロマチェンコと激闘を繰り広げたジャーメイン・オルティスとどっこいくらい。王者レベルからは一段落ちる第2グループの先頭前後だと想像する。
 
また、前回リナレスに勝利したザウル・アブドゥラエフも似たような感じ。同じくリナレスに勝ったジョーリャ・アマザリアンはそこからわずかに落ちる実力なのではないか。
 
じゃあ吉野修一郎はどうなのよ? という話なのだが、僕の希望としては何とか第2グループ付近にはいてほしい
 
元S・フェザー級王者シャクール・スティーブンソンのライト級初戦の相手に吉野の名前が挙がっているらしいが、これは正直厳しい気がする(決まればゲロ吐くほど応援するけど)。
 
一方、ジャーメイン・オルティスがシャクールとの対戦に立候補しているとのこと。
「何かの間違いで吉野修一郎vsジャーメイン・オルティス戦が組まれないかな?」と言ったのはそういう意味である。


ちなみにだが、諸々を踏まえると実はライト級のロマチェンコはそこまで強くはない? のかも? と思い始めている。
兵役によるブランクどうこう以前に。
 
今までは「適正をオーバーしてるのは確かだけど超絶技巧とプライドの高さで王者レベルの強さを維持している」と思っていたが、ジャーメイン・オルティスとギリギリだった試合を考えると……。
 
ロマチェンコが苦労の末に判定勝利。ジャーメイン・オルティスは期待以上にいい選手だった。でも勝負どころを見極めたロマチェンコはさすが。衰えについては…
 
それはともかく、吉野修一郎のビッグマッチ決定&ライト級トップ戦線での活躍に期待である。
 
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