ベストバウトその1:バドゥ・ジャックvsスティーブンソン。いい試合過ぎて笑いが止まらんww どっちも出し切った消耗戦【結果・感想】

NO IMAGE

カナダモントリーオルイメージ
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2018年5月19日(日本時間20日)にカナダ、トロントで行われたWBC世界L・ヘビー級タイトルマッチ。同級王者アドニス・スティーブンソンと挑戦者バドゥ・ジャックの一戦は、大激戦の末に0-1(114-114、114-114、113-115)のドローにより、スティーブンソンが防衛に成功した。
 
 
序盤から右ジャブを多用し、得意の左を打ち込むタイミングを測るスティーブンソン。対するバドゥ・ジャックは距離とポジショニングを意識し、致命打を避けながら反撃の機会をうかがう。
 
スティーブンソンのプレッシャーになかなか手数が出ないジャックだが、中盤から身体を寄せてボディの打ち合いを挑む。
 
スティーブンソンも身体の強さを活かして受けて立つが、要所でジャックのボディストレートを被弾して失速。後半にかけて徐々にジャックが試合の流れを掴む。
 
「田口良一陥落。ブドラーに判定負けで統一王座防衛ならず。てか、地上波ボクシング中継なくなるんすかね」
 
10Rに入るとジャックにも疲れが見え、逆にスティーブンソンの連打でぐらつきを見せるシーンも。
そのまま激しい打ち合いが続き、両者ともに決め手を欠いたまま終了のゴングを聞く。
 
結果的にドローで防衛を果たしたスティーブンソン。
だが、両者ともに自らの勝利を主張するなど、早くも再戦への機運が高まっている。
 
「ネリ再起。WBSS参戦目指してパブスタンとの10回戦に挑む。今後、ネリが体重超過をしない理由」
 

最高の一戦でしたねジャックvsスティーブンソン。今週末の試合がベストバウトだらけだったね

やっばいww
最高だったんじゃないっすか? この試合。
 
このバドゥ・ジャックvsアドニス・スティーブンソン戦は僕が以前から楽しみにしていた試合で、ガチでどうなるかがわからないと思っていた。
 
予想記事でも申し上げたように、どちらが勝つにしても紙一重。
相性的にも実力伯仲。
絶対にスルーしたらアカンやつ。
マッチメイク自体にはケチがついたが、そんなことは関係ないくらいの大試合になる。
 
「ジャックvsスティーブンソン? これは予想しにくいよね。ハード路線のジャックか、引退間近のスティーブンソンか」
 
そして、実際の試合もマジでその通りだったのではないか。
 
 
というか、この週末の主な試合は僕が楽しみにしていたものばかり。
 
・バドゥ・ジャックvsアドニス・スティーブンソン
・ジョシュ・ウォーリントンvsリー・セルビー
・ゲイリー・ラッセルJr.vsジョセフ・ディアス
 
かねてより「絶対におもしろくなる」と喚き散らし、すべての試合が期待通りだったという。
正直、田口良一vsヘッキー・ブドラー、京口紘人vsビンス・パラスにちっとも興味が向かないくらいに。
 
「ラッセルとかいう年1の風物詩。今回はジョセフ・ディアスとのお戯れですかww フェザー級最強の試合枯れマン」
 
へえ、田口負けたんだ。
そんなことよりジャックvsスティーブンソンだろ、お?
みたいな。
 
「ベストバウトその2:ウォーリントンvsセルビー。お互いがクソ意地張りまくった名試合。目まぐるしくて脳みその処理が追いつかん」
 

バドゥ・ジャックがすげえがんばった。序盤3Rを取られたのが最後まで響いたな

具体的にはバドゥ・ジャックがよくがんばったなと。
いや、もちろんスティーブンソンもがんばったのだが、あそこまでスティーブンソンを追い詰めたジャックはマジでお見事だったと思う。
 
まず、序盤はだいたい予想した通りの展開。
スティーブンソンの右をバドゥ・ジャックがいかにかいくぐるか。
必殺の左をもらわない位置取りを意識しつつ、どれだけ自分のペースを握れるか。
 
「スティーブンソンvsグヴォジク!! ま〜たおもしろそうな試合を組みやがってw キャリア終盤に勝負に出たかスティーブンソン」
 
そして、残念ながら中間距離の差し合いではスティーブンソンが一枚上だった。
バドゥ・ジャックはスティーブンソンの左が届かない位置にとどまり、左を伸ばして牽制する。だが、ポジショニングとガードを意識するあまりなかなか手数が出ない。
ときおり右ストレートをヒットするものの、スティーブンソンの多彩な右でコントロールされてしまう。
 
中盤から強引に自らの流れに引き込むのだが、序盤の3Rを取られたことが最後まで響いた感じか。
 
「ベストバウトその3:ラッセルvsディアス。ラッセルたんの猛打に耐えたディアスたんすげえ。フェザー級頂上決戦でしたね」
 

至近距離でのボディの打ち合いを挑むバドゥ・ジャック。スティーブンソンも真正面から受けて立つ

5Rに入ると、バドゥ・ジャックがガードを上げて身体を寄せ、ボディの打ち合いを挑む。
中間距離での差し合いでは分が悪いと踏んだか、至近距離でのフィジカル勝負に切り替える。
 
「リナレスがS・ライト級進出? アブネル・コットを3RTKOで再起に成功。S・ライト級でマイキー、ラミレスに挑戦だと?」
 
身体を密着させ、半身ずらした位置から右ボディを叩き込むジャック。
さらに、下を意識させておいて右を顔面に。
得意の位置取りと距離感を活かしたスタイルから、いきなり泥臭いもみ合いに移行する。
 
対するスティーブンソンも足を踏ん張ってボディを返す。
お互いに引かず、リング中央で一進一退の攻防が続く。
 
「もはや芸風w レイ・バルガスがフラフラでアザト・ホバニシャンを退ける。お前はそれでいいよw 実写版間柴了の試合はおもろいw」
 
うん。
やっぱりスティーブンソンは身体も強い。
 
以前、アドニス・スティーブンソンは強化版岩佐亮佑だと申し上げたことがあるが、インファイトでのこの強さは岩佐にはないもの。仮に岩佐がこれをやられたら「きゅう〜〜〜ん」と縮こまってしまうのではないか。
 
あれだけのプレッシャーを受けても粘れる強靭なフィジカル。
むしろバドゥ・ジャックが押し返されていたくらいで、この辺はさすがスーパーマンと呼ばれるだけある。
 
「リナレスがロマチェンコにKO陥落。あ〜惜しい。もう少しだったけどな。これがスピード&パワーの偉大さですよ」
 
また、押し返されながらも要所でボディストレートをヒットし続けたバドゥ・ジャックもよかった。
スティーブンソンの強靭なフィジカルに押されながらも何とかスペースを確保し、腰を落として右をボディに伸ばす。さらにノールックの右をカウンターで顔面に。
これで徐々にスティーブンソンの失速を誘い、終盤の反撃につなげてみせた。
 

ボディを効かされ、失速するスティーブンソン。だが10Rに無理やり盛り返し、逆にペースを取り戻す

5〜7Rでボディを効かされ、大幅に消耗させられたスティーブンソン。
後半8Rあたりから右リードが徐々に減り、左を打ち込むタイミングを失う。
 
逆にジャックは右リードの弾幕がなくなったことで、容易にスティーブンソンの正面に回り込める。
邪魔な右が来ないので自分の右が当てやすく、反撃は左だけに注意していればいい。
ボディストレートをヒットしつつ、ジャックがペースを掌握したまま試合が進む。
 
「グヴォジクがスティーブンソンをKO! うわぁ…、とんでもないもん観たわ。世代交代の大激戦だったな」
 
そして10R。
僕はこのラウンドでバドゥ・ジャックが勝負をかけると予想していたのだが、結果はまさかの逆。
 
リング中央でスティーブンソンがいきなり左ストレートを出し、そのまま距離を詰める。
自ら身体を寄せ、サイドに回りながら右ボディ。
ジャックの左に右を被せ、根気よくボディを叩く。
 
「ジャーメル・チャーロがトラウトに完勝。野性味満載の1発狙いで2度のダウンを奪うも倒しきれず。ハード戦はよ」
 
リング中央でのもみ合いで押し返され、ど真ん中のボディを被弾するジャック。
これで一気に失速し、腰をかがめたまま後退する。
 
スティーブンソンはさらに必殺の左ストレートをボディへ。
ロープ際まで逃げるジャックを追いかけ、右を浴びせる。
 
「ハード路線の申し子バドゥ・ジャックが今度はマーカス・ブラウンとノンタイトル戦。どれだけキツい思いすりゃ気が済むんだよ」
 
うおお、すげえ。
ここで盛り返すかよスーパーマン。
 
会場もこの日一番の盛り上がり。
リングサイドのメイウェザーも立ち上がって声援を送る。
 
「サンキューコバレフ、お前はサイコーだった。アルバレスに7RKO負けで王座陥落。クラッシャーの終焉か?」
 
続く11R。
ロッキーのテーマをBGMに、2人の戦士がコーナーを出る……。
 

何度も言うけどすごい試合だった。非科学的な底力を発揮したスティーブンソンと名勝負製造機のバドゥ・ジャック

いや、もうホントにすごい試合だった。
 
お互いがお互いの力量を測る序盤。
強引にインファイトを挑んだジャックに対し、スティーブンソンが真正面から迎えうった中盤。
完全にジャックにペースを支配された局面から、スティーブンソンが根性で流れを引き戻した終盤。
 
そして、両者がすべてを出し切って打ち合ったラスト2R。
 
「ドネアvsフランプトンやっとオワタ(^▽^)/ 退屈過ぎて観てるのがしんどかった試合。フランプトンの完勝だけどいろいろキツい」
 
たまらんですね。
わけのわからん底力というか、非科学的な二番底というか。
この理解不能なパワーを引っ張り出せるのも、やっぱり王者ならではということか。
 
どっちもマジでナイスファイト。
いい試合過ぎて笑いが止まらないww
 
「おおお…ハードがララに勝ちやがった! いい試合だったな。両方がんばった。ちょっとロマvsリゴ戦ぽくもあったかな」
 
この試合を観ればスティーブンソンが「左の大砲だけの人」じゃないことはわかっただろうし、バドゥ・ジャックの名勝負製造機っぷりも改めて証明されたと思う。
 
いろいろな意味でベストバウトと言える試合だったのではないか。
 
「ビボルvsチレンバ感想。おいおい、チレンバ次は勝てるんじゃないか? いい試合だったな。ビボル勝利は文句ないけど」
 
あ、でも再戦にはあまり興味ないかな。
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 
 

 
 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!