アニメ映画「HELLO WORLD」これは酷い。ギャン泣き目指してピュアッピュアなテンションで観たのに見事にスレた自分出てきちゃった笑【感想】

アニメ映画「HELLO WORLD」これは酷い。ギャン泣き目指してピュアッピュアなテンションで観たのに見事にスレた自分出てきちゃった笑【感想】

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アニメ映画「HELLO WORLD」を観た。
 
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「HELLO WORLD」(2019年)
 
西暦2027年。
京都に住む堅書直実はごく普通の読書好きな高校生。
だが優柔不断で自分に自信が持てず、いつも決断が遅れて失敗する性格に強いコンプレックスを感じている。
 
 
そんなある日、目の前に飛んできた三本足のカラスを追いかけ伏見稲荷大社の大鳥居にたどり着いた直実は、突然現れた不思議な青年につきまとわれることに……。
 
彼の名は「カタガキナオミ」。
2037年から来た10年後の自分であり、実はこの世界は現実ではなく過去の歴史が保存された仮想世界とのこと。
 
ナオミが言うには、今から3ヶ月後に直実は同級生の一行瑠璃と恋人となる。だが、初めてのデートで瑠璃は帰らぬ人となってしまう。
 
 
瑠璃への思いを引きずるナオミはせめて仮想世界の中だけでも瑠璃に生きていて欲しい、瑠璃の幸せな未来が見たいと願い、この世界の 瑠璃を助けてもらうよう直実に懇願するのであった。
 
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ここ最近の忙しさ、ストレスを解消するために「HELLO WORLD」に手を出してみたけど…

主人公堅書直実役に北村匠海、カタガキナオミ役に松坂桃李、ヒロイン一行瑠璃役に浜辺美波を起用して2019年9月に公開されたアニメ映画「HELLO WORLD」。
 
日本での興行収入は6億円ながら、2021年6月に公開された中国では20億円を超える大ヒットとなった作品とのこと。
京都を舞台としたストーリー、すべてがデジタルで作られたSFという要素も相まって大きな注目を集めたらしい。
 
 
僕自身はこれまでこの作品にはあまり食指が動かなかったのだが、ここ最近“そういう”テンションだったせいで思い切って観てみることに。
 
具体的には「ささくれた精神を浄化してくれそう」だったから。
 
実は先週から今週にかけてかなり忙しく、なおかつ理不尽な要求ばかり受けたおかげでだいぶイライラが溜まっていた。
 
身体はクタクタな割に精神面のささくれが酷く、これを何とかしたいと思っていたところ。
 
 
このストレスを手っ取り早く解消するには映画が最適に違いない。
 
それも適度に短い+内容もベタな作品。
観やすさ、取っ付きやすさを考えるとアニメ映画がいい。
 
何かないナリか?
僕の要望に応えてくれそうなヤツ。
 
などと考えていたところ、今作「HELLO WORLD」にいきついた次第である。
 
・2016年「君の名は。」の流れに乗ったタイムリープもの
・声優に芸能人を起用しまくった商業主義丸出しの作品
・好き嫌い、賛否が分かれる内容
 
諸々の情報は耳に入っていたものの、今の僕ならたぶん大丈夫。
アニメ映画をあれこれと漁っていた頃のやさぐれた僕ならアレだが、今の疲れ切った状態であれば素直な気持ちで視聴できるはず。
 
このピュアッピュアなテンションでベタな感動作にギャン泣きすれば、明日からの活力を得られるのではないか。
 
そんな感じで、はりきって視聴をスタートしたわけだが……。
 
 
ダメでした……。
 
映画「君の名は。」感想。こんなん好きなんやろ? お前らって言われてる気がした。めちゃくちゃよかった。基本的には
 

全然ダメでした。ストーリーにしょーもない上乗せをした結果、「今はそれじゃねえよ」感が尋常じゃない

うん。
ダメでしたね。
 
全然ダメでした。
 
アニメ映画「HELLO WORLD」は残念ながら僕にはまったく刺さらず。
全編98分、クソほど冷めた時間を過ごしたことを報告しておく。
 
 
理由としては、いろいろと詰め込みすぎてタルくなったことが大きい。
 
申し上げたようにここ最近の僕は日々の忙しさにかなり疲弊しており、そのストレスを解消するために今作に手を出した経緯がある。
 
求めている要素としては、
・わかりやすい
・感動できる
・短い
主にこの3つ。
 
で、その中の1つ「わかりやすさ」の部分でいきなり躓かされてしまった。
 
 
いや、実際にはわかりにくいとまでは言わない。
 
冒頭の15分〜20分、未来からきたカタガキナオミがこの世界の成り立ち、堅書直実との関係を説明してくれたのでだいたいのところは理解できた。
 
堅物で無愛想な一行瑠璃の牙城をどう崩していくか、その部分でのワクワクも感じられた。
 
ただ、めんどくさい
 
記憶の保存とか、仮想世界とか、「アルテラ」なる無限記憶装置とか、そういうのはいらない。
普通に「未来からきた自分が過去を変えるために“今”の自分と共闘する」だけでよかったのに。
 
過去と現在の時間軸に妙なループ構造を上乗せしたせいで、劇中世界を理解する方に脳みそが持っていかれていちいち集中力が削がれる。
 
おかげでカタガキナオミが一行瑠璃の姿に涙するシーンを見せられてもちっとも心が動かない。
僕の理解がようやく追いついた直後だった分、導入部分としての感動は恐らく想定の1割未満。
 
 
「銀魂 THE FINAL」の際にも申し上げたが、こういうのは本当に“普通”でいい。
過去に干渉するタイムリープものをやるなら単純に「ターミネーター」でよかったのに、変に「俺頭いい」アピールをおっ始めたせいで一気にごちゃごちゃしてしまう。
 
銀魂 THE FINAL感想。やっちまったなぁ。普通でよかったのに「銀魂らしさ」の呪縛にガッチガチで身動きできなくなってるw
 
僕自身のコンディションがあまりすぐれなかったのもあるが、とにかく尋常ではないほどの「今はそれじゃねえよ」感に襲われた次第である。
 

「神の手(グッドデザイン)」って要するに「鋼の錬金術師」でしょ? しかもノーリスクで神になれちゃダメですよw

また、有名作品からのインスパイアが露骨すぎたのもいただけない。
 
よく言えば“いいとこ取り”、悪く言えば“寄せ集め”。
「アホなお前らはこれをやっておけば喜ぶんだろ?」的な傲慢さが感じられたことも僕が今作にハマれなかった要因である。
 
 
主人公堅書直実は未来から来たカタガキナオミから「神の手(グッドデザイン)」なる手袋を託されるわけだが、この手袋の能力がまあ酷い
 
直接手で触れたものを好きなものに変化させられるとのことで、それには使い手の想像力が大きく影響する。
で、直美はナオミの指導のもと一行瑠璃との初デートまでの3ヶ月間、「神の手(グッドデザイン)」を使いこなせるように訓練を重ねるわけだが。
 
これって、要するにアレですよね。
「鋼の錬金術師」ですよね?
 
手袋をつけた手で地面を触って力を込めると、そこから様々なものが生えてくる。
 
相手の攻撃を防ぐ壁だったり、高いところに登るための道だったり。
ときには鋭利な刃物にも変化する。
 
燃えてしまった古本を復活させるあたりまではよかったのに、後半以降は完全に「鋼の錬金術師」のエドワード・エルリックそのまんま。
 
しかもエドの使う錬金術が等価交換を基本としているのに対し、「神の手(グッドデザイン)」は完全にノーリスク。
 
「鋼の錬金術師」では物質を生成する際、そこにあるもの(空気中の成分、環境その他)を使用する。当然戦う場所や相手との相性も重要だし、生成する物質の知識も必要となる。
 
また、人間そのものを生成することは禁じ手とされており、禁忌を犯した者には相応の罰が下される。
実際、母親を生き返らせようとしたエドは片腕と片足を失い、弟のアルフォンスは肉体そのものを失っている。
 
つまり、錬金術で何かを生み出すために彼らは相応のリスクを背負っているのである。
 
 
この「人知を超えた力を発揮するにはリスクを伴う」というのはフィクションものでは基本中の基本。
 
「時をかける少女」ではタイムリープの上限が決まっていたし、「君の名は。」ではヒロインがすでに亡くなった世界でストーリーがスタートしていた。
「空の青さを知る人よ」のしんのは最終盤までお堂から一歩も出られないままだった。
 
アニメ映画「空の青さを知る人よ」感想。それでも将来、お前になってもいいかもしんねえって、思わせてくれよ! 今の俺はあの頃の自分に胸を張れんのか? ダサいヤツになってないか?
 
ところが今作の「神の手(グッドデザイン)」は発動条件が使い手の“想像力”のみ。
「鋼の錬金術師」のエドワード・エルリックが幼少期から勉強を重ね、腕と足を失ってようやく手に入れた力をわずか3ヶ月で何のリスクもなく使いこなしてしまうという。
 
3本足のカラスが手袋に変身する意味不明さも含め、疲れ切った僕をさらに冷めさせるには十分な要素である。
 
 
てか、さすがに太陽とかブラックホールを想像だけで作れちゃうのはダメでしょww
 

有名作品を散々インスパイアしまくった挙句、ラストは「東京大学物語」。予想はしてたけど、まさかそのまんま放り込んでくるとはね

その他のインスパイアもなかなか酷い。
アルタラのセンター長のおっさんは明らかに宮崎駿だったし、自動修復システム「狐面」はどこからどう見ても「妖怪大戦争」のアレ。
 
さらに同じ顔をした大量のモブが集合して巨大なドロドロの異形をなす流れは完全に「もののけ姫」のデイダラボッチ。
 
「モコモコと蠢きながら巨大化→ラスボス登場」は「AKIRA」がプロトタイプになっていると想像するが、いや、せめてもう少しヒネれよと。
 
「AKIRA」のアレは“優秀なリーダーに対する陰キャラの嫉妬”という怨念が具現化、巨大化したものだったが、今作の「狐面」は単なる作業員でしかない。
 
ドラクエのキングスライムみたいな出世魚もどきを「さあ、どうだ!!」と言われてもねぇ……。
 
「バケモノの子」のクジラも大概だったが、何のアレンジもなくここまで「もののけ姫」を流用すればさすがの僕でも気づく。
 
映画「バケモノの子」感想。前半の「ベストキッド」からの転換がスムーズ。熊徹は「はじめの一歩」の鷹村守だろうな。“普通”が一番を体現した映画
 
で、すべてが解決した末のラストは「夢オチ」(正確には違うけど)というね。
散々有名作品から寄せ集めた挙句、最後の最後に「東京大学物語」で締めやがったww
 
正直、これはあるかな? とは思っていたのだが、マジでそのまんま放り込んでくるとは。
 
 
いや、わかるけど。
もともとピュアな学園ものだし、着地地点としては決して悪くない。
 
とは言え、他作品のオチをそのまま流用するのはやっぱり違うぞと。
 
タイムリープの設定は普通に「ターミネーター」をコスればよかったのに、そこは妙な上乗せでストーリーをややこしくする。
逆にデイダラボッチや錬金術、夢オチといったヒネりが必要な箇所では表層部分を流用するだけ。
 
「ターミネーター:ニュー・フェイト」最高だった。ようやくT2の呪縛から解き放たれた。サラ・コナーのカッコよさに震えて眠れ
 
その割に登場人物の名前にはやたらと凝っていたり。
堅書直実に一行瑠璃ってそんなバカな笑
 
そこはもっと、高橋とか松本とかでよかったのに。
 
劇中世界の理解と同様、主要人物の名前を覚えるのに神経を使わされるのはどう考えてもよろしくない。
 
「こんなことを考えつく俺、頭いい」をやりたいのであれば、視聴者の集中力が削がれる要素は極力排除すべきだったと思うのだが。
 

細かい演出はよかったけどね。根幹部分での稚拙さがデカすぎて…

一応言っておくと、直実と瑠璃が手に取った本の図書カードに記載されていた名前などの演出はなかなかよかったと思う。
細かく見ていけば、他にも「おお!!」と思わせるような演出があったのかもしれない。
 
だが、今作はそういった芸の細かさを根幹部分での稚拙さが大きく上回る。
その結果、ひたすら僕を冷めさせる作品に成り下がってしまった。
 
 
 
恐らくだが、この作品に刺さる人は相当数いるのだと思う。
中国での大ヒットを見るに、複雑なループ構造の上に成り立つハッピーエンドは感動を呼ぶものだったのだろうと。
 
ただ、申し上げたように僕にはいっさいハマらなかった。
 
ギャン泣きどころの話ではない。
目薬が必要になるほどのカラカラっぷりである。
 
せっかく日々の忙しさに疲弊したピュアッピュアなテンションでの視聴だったのに()
我ながらこんなにスレた自分が出てくるとは思わなかった笑
 
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