映画「ラッシュアワー」感想。ジャッキー・チェンの香港映画のノリをそのままハリウッドに持ち込んだヤツ。クリス・タッカーのコメディな演技もピッタリだった

映画「ラッシュアワー」感想。ジャッキー・チェンの香港映画のノリをそのままハリウッドに持ち込んだヤツ。クリス・タッカーのコメディな演技もピッタリだった

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映画「ラッシュアワー」を観た。
 
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「ラッシュアワー」(1998年)
 
香港警察で働くリー警部は、根気強い操作の末に香港マフィアのジュン・タオに奪われた美術品を取り戻すことに成功する。
 
 
だが、その2ヶ月後。
LAの中国領事ハンの娘が誘拐される事件が起きる。
娘を誘拐され狼狽するハンは、友人でもあるリー警部を香港から呼び出しFBIと協力して捜査を進めるよう要請する。
 
ところが、当のFBIは捜査によそ者が介入することをよしとしない。かといって、領事の頼みを無下に断ると国際問題にも発展しかねない。
そこでFBIのラス捜査官はリー警部を体良く追い出すため、ロス市警に捜査協力の名目で彼を監視する人材を派遣するよう依頼するのだった。
 
この依頼を受けて出向したカーター刑事はロス市警きってのトラブルメーカー。つい先日も自分勝手な捜査で大事な証拠品を爆破してしまうなど、署内では厄介者扱いされている男である。
 
うまく事件を解決すればFBIの捜査官になれると大張り切りのカーターだが、任務の実態を聞いて酷く幻滅する。しかもカーターを出し抜いてハン領事の娘救出に向かおうとするリーに何度も振り回されるなど、ことあるごとに2人は衝突を繰り返す。
 
 
自分をバカにしたFBIや市警を見返したいカーター。
友人であるハン領事や娘のスー・ヤンのために事件を解決したいリー。
 
同じ目的を持つ者同士、いがみ合いながらも協力するうち、2人の間にはいつしか信頼関係が生まれるのだった……。
 
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“アジア発のスター”が欧米でどこまでやれるか。ジャッキー・チェンはその先駆者的存在だったのかも

「ラッシュアワー」。
1998年に公開され、興行収入2.444億ドルの大ヒットとなった作品。
と同時に、香港映画界の大スター、ジャッキー・チェンがハリウッドスターの地位を築いた最初の映画でもある。
 
例によってたまたまWOWOWでこの作品がO.A.されていたことを知り、オンデマンドで視聴した次第である。
 
 
ちなみにだが、僕がこの作品を最初に観たのはかなり前。それこそ劇場公開から数年後の2000年代前半くらいだったと思う。
 
当時のジャッキー・チェンはアジアでは押しも押されぬスーパースターで、スタントマンを使わずアクションシーンをこなす本格派として名を馳せていた時期。
 
僕の周りにもブルース・リーとジャッキーを比較してあれこれ言っていた人も多く、それなりにアンチもいた記憶がある。逆に言うと、この人の全盛期のアクションにはそれだけキレとインパクトがあり、ブルース・リーと比較されるほど偉大な俳優だったという証左でもあるのだと思う。
 
そのジャッキー・チェンがハリウッドでどれだけ通用するのか。
いつの時代でも“アジア発のスター”が欧米でどこまでいけるかというのはジャンルを問わず注目を集めるネタだが、もしかしたら当時のジャッキー・チェンはその先駆者的な存在だったのかもしれない。
 
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最高におもしろかった。そういうことだよ。何も考えずに鼻くそをほじりながら観られる映画こそが至上()

今作を観た率直な感想だが、めちゃくちゃおもしろかった。
 
申し上げたように僕がこの作品を観たのは本当に久しぶりだったのだが、もう思いっきり楽しめた。前回観たときは「まあ、こんなもんかな?」という印象だったのだが、10数年ぶりに観た今回は「サイコーw」の言葉しかない。
 
そうなんだよな。
いつも言っているように、僕の中での映画の評価は「わかりやすさこそが至上」
 
頭を空っぽにして鼻くそをほじりながらボーッと観られる。
ややこしいことを考えずに笑ったり泣いたり怒ったりできる。
 
人間の生き様とか、人生とは? 差別とは? などの考察はクソ喰らえ。
複雑な謎解きや難解な揶揄、思わせぶりな抽象表現とか、そんなんいらんねん。
 
全員が笑顔で終われるハッピーエンドなら言うことなしだよね。
 
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そして、今回の「ラッシュアワー」はこれらの条件に高確率で合致した作品と言える。
 
クソ真面目で責任感が強いが、少し抜けたところもあるリー警部。
お調子者で軽薄だが、やるときゃやるタイプのカーター刑事。
 
ボケとツッコミのバランスがうまくとれた組み合わせで、バディものとしても無難かつ相性抜群の2人だった。
 
うん、おもしろいですね「ラッシュアワー」。
この勢いで「2」も観てみますか。
 

ジャッキー・チェンはあまりこの映画を気に入ってないらしい。でも、半分見栄もあるんだろうな

Wikipediaによると、ジャッキー本人はこの映画をあまり好きではないと言っているとのこと。
アクションがアメリカスタイル過ぎて気に入らないのと、アメリカナイズされたユーモアがいまいち理解できなかったのが理由だとか。
 
この映画への出演を決めたのは「アメリカの映画マーケットを試すため」であり、作品自体にはあまり期待はしていなかったとまで言っているらしい。
 
「ラッシュアワー (映画)」
 
ただ、僕としてはこれは半分本音、半分見栄だと思っている。
 
ジャッキー・チェンは今作以前に2度ハリウッドに進出し、その都度まったく振るわず跳ね返された経緯がある。
この「ラッシュアワー」は3度目の正直というか、今度こそ! という思いは少なからずあったはずで、作品のヒット自体は素直に嬉しかったと想像する。
 
そもそも「アメリカの映画マーケットを試す」のなら過去にその機会が2度あり、あまり芳しくないという結果も出ている。それでもめげずに立ち向かったのだから、むしろこれは試していたのではなく試されていたと言う方が正しい。
 
作品にあまり納得していなかったのは本当だとは思うが、本人がハリウッド攻略に並々ならぬ執念を燃やしていたのも事実なのだろうと。
 

香港映画でのジャッキー・チェンのノリをそのままハリウッドに持ち込んだ作品。むしろハリウッド仕様にアップデートされた感じだった

表題の通りなのだが、今作をひと言で表すなら「香港映画でのジャッキー・チェンのノリをそのままハリウッドに持ち込んだ」作品だと思う。
 
本人が「アメリカ的なアクションが気に入らない」と言っていたとのことだが、僕にはそうは見えず。
 
向き合った2人が「せーの」で呼吸を合わせてジャンプしたり、「上、上、下、下、中、下、中、上」のような感じでお互いに息を合わせてカンフーの攻防を展開したり。
 
「ポリス・ストーリー」シリーズでの軽快なアクションをベースに銃撃や爆破などの派手さをうまく上乗せしたというか。“アメリカ的”ではなく、ハリウッド仕様にバージョンアップされたと言った方が正解な気がする。
 
どう違うの? と聞かれるとうまく説明できないのだが、ニュアンスの違いが何となく伝われば幸いである。
 
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クリス・タッカーのノリもこの映画にめちゃくちゃマッチしていた。万人に優しい“安心・安全のバディ・ムービー”

また、クリス・タッカーの軽薄さを強調した演技がこの映画のノリとピッタリ合っていたのも大きい。
恐らくこの作品はエディ・マーフィの「48時間」シリーズや「ビバリー・ヒルズ・コップ」シリーズにインスパイアされているのだと思うが、クリス・タッカーは自分に課せられたミッションを本当によく理解していた。
 
口八丁なお調子者だが、正義感は強く義理にも熱い。
クールで真面目な刑事とハイテンションで破天荒な刑事という組み合わせは「48時間」シリーズのそれだし、カーター刑事の早口とノリのよさは「ビバリー・ヒルズ・コップ」シリーズをのアクセル・フォーリーを彷彿とさせる。
 
片方の刑事がめちゃくちゃ体術に優れていて、相方がそれを教わる流れは「リーサル・ウェポン」っぽくもある。
 
香港映画の軽快でテンポのよさを踏襲し、ストーリーがポンポン進んでいく感じもクリス・タッカーの芸風と見事にマッチしていた。
 
 
自分の求められる役どころに100点満点の回答を示したクリス・タッカーは文句なしに最高だし、何だかんだでハリウッド仕様にアップデートされたジャッキー・チェンを観られたのもよかった。
 
ストーリーのわかりやすさを含めて誰にでも優しい“安心・安全のバディ・ムービー”と断言できる。
 
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ただまあ、1998年の作品だけあり「これはアカンのちゃうの?」という表現はところどころに散見される。
僕はこの作品を字幕版で観たのだが、今では差別表現として糾弾されそうな言い回しがぼちぼち目につく。こういう表現にはハラハラさせられつつも時代を感じるのだが、1人で楽しむ分には別にいいかな? とも思うわけで。
 
そもそも「48時間」シリーズの“生真面目で正統派な白人刑事&破天荒で口八丁なお調子者黒人刑事”という組み合わせも、今の時代だとピリピリされるのかもしれないしね。
 
そういう意味では、ウィル・スミスとマーティン・ローレンスを同格のコンビとして起用した「バッドボーイズ」シリーズは当時としては革新的だった? のかも?
 
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