モロニー弟vsジョシュア・フランコ戦のビデオ検証が思った以上に酷かった件。僕がビデオ検証が嫌いな理由が凝縮されたクソさだったな
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2020年11月14日( 日本時間 15日)、米・ネバダ州で行われたWBA世界S・フライ級タイトルマッチ。同級正規王者 ジョシュア・フランコと前王者アンドリュー・モロニーの一戦である。
今年6月以来、約5か月ぶりのダイレクトリマッチに臨んだ両者。
開始直後から軽快なフットワークで細かいヒットを重ねるモロニーに対し、フランコはガードを高く上げて打ち終わりを狙う。
だが、スピードと正確性で上回るモロニーがフランコの反撃を許さず早くも試合をコントロール。
2Rに入っても流れは変わらず、絶えずサイドに動きながらジャブをヒットするモロニーにフランコは追いつけない。逆にリズムを掴んだモロニーはフランコの腫れ上がった右目を重点的に狙い、さらにギアをアップしていく。
ところが2R終了間際にフランコの目の腫れが大きくなったためにドクターチェックが入る。そのまま2Rは終わったものの、3R開始直前に再びドクターチェック。
そこで偶然のバッティングにより続行不可能と判断され、まさかの無効試合が告げられてしまう。
その後、26分にもわたるビデオ検証が行われるも裁定は覆らず。モロニー陣営はこの裁定を不服とし、異議を申し立てる予定とのこと。
井岡一翔vsジョシュア・フランコ決定間近? 井岡なら何とかできそうだけどな。もし2団体統一に成功したらWBOを返上して中谷潤人戦を回避するのもアリじゃない?
ビデオ検証がグダグダだったと聞いて。モロニー弟にはまったく興味がないけど、一応視聴してみたぞ
WBO世界ウェルター級タイトルマッチ、テレンス・クロフォードvsケル・ブルック戦のアンダーで行われたこの試合。
クロフォードよ、お前がNo.1だ…。ケル・ブルックを4RTKOで沈める。見えない右キター♪───O(≧∇≦)O────♪
アンドリュー・モロニーとジョシュア・フランコは今年6月にも対戦し、その際は終盤にダウンを奪ったフランコが僅差ながらも判定勝利を挙げている。
今回はそれ以来のダイレクトリマッチとなったわけだが……。
結果はフランコの負傷によるまさかの無効試合。1Rに起きた偶然のバッティングによってフランコの右目がふさがったためとされているが、モロニー陣営はパンチによる傷であると主張。
プロモーターのボブ・アラムも後日異議を唱えるなど、モヤモヤの残る結末となってしまった。
僕自身、以前にもちょろっと申し上げた記憶があるが、アンドリュー・モロニーという選手にはまったく興味がない。井上尚弥と対戦した双子の兄ジェイソン・モロニーは好きな選手なのだが、弟のアンドリューに対してはなぜか食指が動かないまま。
当然第1戦目も観ていないし、今回のダイレクトリマッチも当初は視聴する予定がなかった。
だが、ビデオ検証が前代未聞レベルでグダグダだったと聞いて「へえ、そうなんだ」「じゃあちょっと観てみるか」と。重い腰を上げつつ、ようやく視聴を終えた次第である。
ガチでしょーもなかったw ビデオ検証によって強制的に「試合の流れを止める」のがよくないよね。陣営の戦略がめちゃくちゃになる可能性
率直な感想だが、ホントにしょーもなかった。
僕はスポーツにおけるビデオ判定/ビデオ検証がゲロを吐くほど嫌いなのだが、その理由がすべて詰め込まれたようなクソさ。
「お前らにはビデオ検証なんか無理だからやめとけ」と言いたくなるほどの不毛な時間だったことを報告しておく。
僕がビデオ判定/ビデオ検証が大嫌いな理由として、
・試合の流れを止める
・イベントを中断して観客/視聴者を放置する
というのがある。
まず「試合の流れを止める」に関しては、ペース配分等、陣営が用意した戦略がめちゃくちゃにされる可能性が生じるのがよくない。
今回はフランコの負傷による無効試合なのであまり関係ないが、先日のアーノルド・バルボサvsアレックス・サウセド戦などはその最たる例である。
アーノルド・バルボサvsアレックス・サウセドとかいうセミファイナル感満載の好試合。地味強バルボサはバドゥ・ジャックっぽくて好き
7Rで起きたスリップダウンのビデオ検証が8Rの開始前に行われ、ラウンド開始が大幅に遅れたアレ。
ダウンしたバルボサにダメージがなかったからよかったものを、仮にあのダウンで甚大なダメージを負っていたら?
中途半端なタイミングでのビデオ検証によってバルボサは回復タイムを与えられ、逆にサウセドは千載一遇のチャンスを奪われてしまったことになる。
また、サウセド陣営が8Rからペースアップするという作戦を立ててたとしたら?
7Rまでは力をセーブし、後半に勝負をかける予定だったとしたら?
あの時間がバルボサにとってのちょうどいい休憩となり、サウセドの積み重ねがすべてパーになった可能性すらあり得るわけで。
本来であればビデオ検証などはラウンド間にもできるし、仮に検証が1分で終わらない場合は時間制限を設けて極力試合への影響を少なくなるよう配慮するべき。
今回のように結論が出るまで30分近くかかるなど言語道断である。
観客/視聴者の放置タイムは苦痛でしかない。垂れ流される“無”によって気持ちも冷める
2つ目の「イベントを中断して観客/視聴者を放置する」については、もうホントにそのまんま。
どんなスポーツでもそうだが、ビデオ検証が行われている最中、観客/視聴者はプレー再開まで待たなくてはならない。
基本的にビデオ検証中は何が行われるでもなく、ただただ“無”が垂れ流されるのみ。現地観戦時などは特にこれが苦痛で、検証時間が長ければ長いほど気持ちは冷めていく。
もちろんテレビ中継でも同じ。解説者や実況が間をつなぐのにも限界がある。勝負を分ける重要な局面なのは理解できるが、それなら制限時間を決めてきっちり区切れよという話。
今回はメインイベントが控えていた分、なおさらタチが悪い。試合自体は終わっているのだから、イベントの進行を妨げてまで無理やり結論を出す必要はなかったはず。
仮にモロニー陣営がゴネたのだとすれば、相応のペナルティは必須である。
ノニト・ドネアの相手がロドリゲスに変更? ようやく興味が出てきたかな。ウーバーリは気の毒だけど、いまいちそそられなかったのよね
ビデオ検証を実施するならルール整備は急務。ノーリスクでビデオ検証に入れるのもおかしいと思うよ
恐らく今後はビデオ検証が行われる機会が増えていくのだと思うが、それならしっかりとしたルール整備は急務になる。
実施可能な回数、時間制限、要求の方法、見返りやリスクその他。
今回のビデオ検証がどんな経緯(誰かの抗議? 指示?)で行われたのかは不明だが、現状ではあまり細かい取り決めがあるようには見えない。
正直、アーノルド・バルボサvsアレックス・サウセド戦のような微妙なダウンなどはしょっちゅう目にするし、今回のようにバッティングかどうかの判別がつかないケースも多々ある。
そして、そのたびに試合を止めていてはお話にならない。試合終了後に30分近くもダラダラ検証を続けるなど、イベント進行上も問題が大き過ぎる。
そもそも論として、微妙なプレーに対してノーリスクでビデオ検証を実施できるというのは違う気がする。そこをフリーパスにしていたら、それこそ片方が休憩目的でビデオ検証を要求することも可能になってしまう。
たとえば判定が覆らなかった場合は減点1とかね。タイミングや制限時間、リスク等の明文化を
米・バスケットのNBAで採用されている「チャレンジ」では、1試合での上限回数が決まっている上に、要求する側はタイムアウトを1回消費する必要があるとのこと。
「コーチのチャレンジ制度が正式に採択」
そうそう、こういうことですよ。
これをボクシングで再現するのであれば、たとえば判定が覆らなかった場合は要求した側の1ポイント減点とか、そんな感じだろうか。もちろん上限回数、検証時間の制限は大前提として。
要は、レフェリーの権限はそのくらい尊重されるべきであり、試合の規模に見合った技量の人間がレフェリー、ジャッジとして採用されるべき(だと僕は思う)。
てか、ビデオ検証を本格導入するならこのレベルの設備を用意せいやって話でね。
視聴者と同じ映像をいくらリプレイしても限界はあるし、今回に関して言えばレフェリーがどのシーンをバッティングと判断したのかを明らかにしないと。
さすがにすべての会場、世界戦にNBA並みの設備を整えるのは現実的ではないが、せめて検証のタイミングや制限時間、要求する側のリスクくらいは何とかならんかなと。
トップランク主催イベントはしばらくこの会場での開催が多くなるのであればなおさら。会場独自のハウスルールを作って適用するとかね。
陰謀論云々を言う気はないが、仮に見えない力を疑われても仕方がないほどボクシングにおけるビデオ検証は成熟度が足りていないように思える。
119-109ロペス! 118-110カネロ!←これってホントに陰謀? 人種差別なの? あからさま過ぎる気が…。採点方法を変えるなら加点方式だろうな
ここ最近「ボクシングにも早くビデオ判定を」という声をよく聞くが、実際はそんなに容易いものではなさそう。NBAもトライ&エラーを繰り返しつつ、最適解に近づく努力をしている段階なわけで。
とは言え、あそこまでグダグダなビデオ検証はついぞ見たことがないww
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