ミラン・メリンドが一か月で? 八重樫に挑戦? マジかよそれこそ本物の激闘王じゃねえかww【予想2016年12月30日】

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フィリピンの海イメージ
2016年12月30日に東京・有明コロシアムで行われるIBF世界L・フライ級タイトルマッチ。同級正規王者八重樫東が、暫定王者ミラン・メリンドとの統一戦に臨む。

今年5月にマルティン・テクアペトラとの防衛戦をクリアした八重樫だが、試合前から痛めていた肩の治療のため休養に入る。

「八重樫の試合にイラつく…。テクアペトラ程度に激闘王って、ただの泥試合だろ」

その間を埋めるために暫定王者決定戦が開催され、ファーラン・サックリンJr.に判定で勝利したミラン・メリンドが八重樫との統一戦へコマを進めた形である。

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だが、この試合は11月26日に行われており、12月30日のタイトルマッチまで約一ヶ月しかない。これまで最低でも3ヶ月程度のインターバルで試合を重ねてきたメリンドにとっては未経験のスケジュールである。

怪我からの復帰を果たす八重樫とハードなスケジュールで試合に臨むメリンド。果たしてどのような結末を迎えるのか。

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なお、この試合は井上尚弥vs河野公平のWBO世界S・フライ級タイトルマッチと同日に開催される予定となっている。

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インターバル一か月? ミラン・メリンドを日本で観られるのは嬉しいけど、さすがにかわいそうじゃないの?

ミラン・メリンドが日本に来る。
って、マジで決定なの? 試合まで一ヶ月しかないけど。

長らく対戦相手が未定となっていた八重樫東。
12月30日の有明コロシアムに出場することはアナウンスされたが、なかなか相手が決まらず気になっていた方も多いのではないだろうか。

そして、蓋を開けてビックリ。
先日暫定王者決定戦で勝利したばかりのミラン・メリンドである。

実を言うと、個人的にこの選手はちょっと好きな選手で、日本で観られるというのは割と嬉しい。
 
「八重樫がメリンドにまさかの1RTKO負け!! L・フライ級日本人王者4人体勢が1夜で崩れ去る」
 
日本人との対戦は今回が初めてだが、ファーラン・サックリンを含めなじみの深い選手との絡みが多い。
八重樫と対戦経験のあるマルティン・テクアペトラやハビエル・メンドサとも戦っているし、井岡との統一戦が期待されていたファン・フランシスコ・エストラーダには惜しくも判定負けを喫している。

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暫定ながらも王座を初奪還した選手ではあるが、間違いなく実力者。八重樫の対戦相手としては文句なしである。

とはいえ、インターバルが一ヶ月?
そもそも決定でいいんですかね?
正式発表はまだみたいだけど。

予定していた井上拓真のタイトルマッチが流れ、なおかつ八重樫の相手が決まらない。この状況に相当焦っていたのだろう。かなり強引に話を進めている印象である。

「井上拓真がタパレスに挑戦!! って、何を焦ってるんだ拓真さん」

やっぱり年の瀬のこんなクソ寒い時期に極東の島国に来たがる選手なんて少ないんでしょうね。

勉強熱心な凡人メリンド。最上位互換は内山高志ですね

ミラン・メリンドの印象をひと言で申し上げると「ガリ勉の凡人」

この選手、はっきり言ってめっちゃ努力家だと思う。

パワーがあるわけではない。
スピードもない。
特別見切りがいいわけでもない。
その他、突出した何かがあるわけじゃない。
正直な話、才能の部分でメリンドを上回る選手は山ほどいると思う。

ただ、とにかくこの選手は全体的なバランスがいい。

無駄に動かず、最小限のアクションで攻撃の芯を外す。
ほんの少しのポジションチェンジとガードのみで相手のパンチを受け、自分の攻撃姿勢を崩すことがほとんどない。

小刻みに身体を振りながら相手の踏み込みに合わせて距離を詰め、インサイドのポジションで小さなフックを打ち込む。
相手の打ち終わりに返すパンチは非常にコンパクトで、最短距離を通って相手に届く。
パンチの戻りも速く、動き出しのタイミングを掴むのもうまい。

見た目は地味でエキサイティングにはほど遠い。
だが、チャンスの際には一気に襲いかかるギアも持っており、必ずしもパワーレスというわけでもない。

すべての動きが基本に忠実というか機能的というか。
勤勉な努力を積み重ねてこのスタイルにたどり着いた感じがひしひしと伝わってくる選手である。

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僕は日本の内山高志を「凡人が努力でたどり着ける極致の選手」だと思っているが、このミラン・メリンドにも同じような空気を感じている次第である。スケールは内山の方がはるかに大きいが。

勝敗予想は僅差判定で八重樫。調子がよければスピードと手数で勝てるんじゃないかな

今回の勝敗予想だが、八重樫の僅差判定勝ちでいきたい。

とはいえ、正直なところよくわからない。
理由は以前にも申し上げたように八重樫の不安定さである。

八重樫東という選手は長谷川穂積同様、本当に好不調の波が激しい。
調子のいいときは「こんなヤツに誰が勝てるんだ?」というほどキレキレの動きを見せるが、調子が悪いときはまったくダメ。
反応も鈍く、踏み込みも弱い。「激闘王」と呼べば聞こえはいいが、実情は相手の泥試合に巻き込まれての辛勝がほとんどである。

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怪我の影響もあったと思うが、前回5月のテクアペトラ戦はダメダメな方の八重樫が登場していた。

「八重樫は衰えた。もう引退した方がいい」
「今日の八重樫はよかった。まだまだ全然いける」

試合のたびに周囲の評価が乱高下するのも長谷川穂積との共通点である。

それを受けての今回の防衛戦。果たしてどちらの八重樫が出てくるのだろうか。
年末のイベントということで、僕としてはイケてる方の八重樫に期待しているのだが。

被弾の多い両者。タイプは全然違うけど、ヒット数の差が判定に直結しそう

八重樫の持ち味はご存知のように、何と言ってもスピードである。
この選手はとにかくパンチの回転が速く、相手を手数で圧倒する試合が多い。

以前は遠い距離からパパパッと打ってからすぐに離れてサイドに回るというスタイルだったのだが、ここ最近の試合ではその場で打ち合うシーンが目立つ。
恐らく全盛期と比べると足のスピードが鈍ってきているのだろう。試合がエキサイティングになった分、受けるダメージも増加している。

そして、基本的に狙うのは打ち終わり。
相手に先に攻めさせ、パンチをガードしてから手数で勝負するスタイルである。
足の動きは落ちたがハンドスピードは健在で、スピード差で相手を翻弄することに関しては問題ない。

だが、足の動きが落ちた分相手の射程圏内にとどまる時間が長くなり、なおかつガードも低い。おかげでどうしても被弾が増え、必ず試合中盤からは激しい打ち合いに突入する。つまり、これが「激闘王」と呼ばれる所以である。

対するメリンドだが、実はこの選手も被弾は多い
この選手は最小限の動きで攻防を連動させるために、食っていいパンチと食ってはいけないパンチを見極めて戦う選手である。なので、ある程度の被弾は織り込み済みで、見栄えの悪さとのトレードオフで自分の反撃姿勢を崩さないことを優先している印象が強い。

ただ、エストラーダやハビエル・メンドサに負けた試合を観返してみると、ああいうフィジカルが強いタイプには呑み込まれてしまう傾向が見受けられる。
恐らくこれが凡人の限界というヤツなのだろう。どれだけ勤勉だろうが周到に対策を練ろうが、どうしても才能の部分で後れをとる。残酷な現実である。

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とはいえ、今回の相手である八重樫とはそこまでのフィジカル差があるわけではない。
根本的なスケールの大きさで負けるようなことにはならないだろう。

となると懸念されるのはやはりスピード差。
果たしてメリンドが八重樫の激しい動きとハンドスピードに対抗できるのか。
メリンドのパンチは八重樫に当たるとは思うが、それ以上に被弾も増えるように思える。

両者のスタイルから考えて恐らくKOはない
勝負は高確率で判定になるわけだが、お互いのヒット数の差がそのまま判定結果に直結するという結論になる。……気がする。八重樫のコンディション次第だが。

待ちのスタイルが基本の両者。攻撃型の選手をさばいて手数で勝負する八重樫と、相手の動きを見てから対応を決めるメリンド

なお、試合展開はどんな感じになるのだろうか。

申し上げたように八重樫は基本的に打ち終わりを狙う選手である。
相手のパンチを避け、打ち終わりに体が流れた瞬間に連打を打ち込み、パッと離れる。
直近の相手がペドロ・ゲバラ、ハビエル・メンドサ、マルティン・テクアペトラと攻撃型の選手が続いたこともあるが、もともと相手の攻撃の後の切り返しを得意とする選手である。

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そして、実はメリンドもあまり自分から仕掛けるタイプではない。
ガードとポジショニングで攻撃の芯を外し、しっかり足を踏ん張り腰の入ったパンチを返す。
相手が強引に出てくれば自分も前に出てスペースを潰す。
一歩踏み込んできたときにはその分だけ後退して、次の展開を許さない。

あくまで相手の動き出しに合わせて対応を決めるため、自分から仕掛けるシーンは少ないのである。

メリンドは八重樫の1発目を防げば有利な展開に持ち込める? 持ち味のハンドスピードを発揮させないことが勝利へのカギ

全盛期の足がなくなり、その場で先に相手に攻めさせてから手数で勝負する八重樫。
特別スピードもパワーもないが、相手をよく観察してから自分の対応を決定するメリンド。

果たして先に攻めるのはどちらになるのか。
どちらがより多く返しのパンチを当てるのか。

まあ、なんだかんだで先に攻めるのはメリンドの方になるのだろう。
挑戦者(暫定王者だけど)、敵地、試合間隔が短く体力的にキツい。
もろもろの要素を踏まえると、やはり今回はメリンドが仕掛けると考えるのが妥当だ。

そして、メリンドが試合を優位に進めるには左がどれだけ当たるか。八重樫のスピーディな踏み込みにどの程度対応できるか。この2つにかかっている。

左のジャブがうまく当たれば距離感も掴めて、なおかつ右のフックにつなぎやすい。
また、八重樫の踏み込みとタイミングを合わせることができれば連打の発動も防げる。

八重樫は当然左の戻り際を狙ってくるはずだが、メリンドはこれを何としてもガードしたい。鋭い踏み込みからの八重樫の1発目。これさえ防げばそのまま右フックや至近距離でのボディで悶絶させられる可能性も上がる。

とにかくハンドスピードではかなわないので、メリンドはなるべく1発目をガードするのだ。
左の打ち終わりを注意しつつ、八重樫のパンチをガード。そのまま体を当てるなりで連打の発動を封じ、自分の間合いを保ちながらコンパクトなパンチで主導権を握る。

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被弾が前提のスタイルなので間違いなくパンチはもらう。だが、八重樫の1発目を外すことさえできれば、1発1発を力を入れて打つメリンドの方が各ラウンドをわずかに優勢に進めることができるのではないだろうか。

ん?
いつの間にかメリンドが勝ちそうな気がしてきたけど、どういうこっちゃ……?

そもそも、わずか一か月のインターバールでメリンドが準備できるかが疑問なのだが。

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