比嘉大吾vs堤聖也感想。比嘉は強打と連打の両立を模索中? 堤聖也の動きがめちゃくちゃよかったですね。でも判定結果には文句ないかな【結果・感想】

比嘉大吾vs堤聖也感想。比嘉は強打と連打の両立を模索中? 堤聖也の動きがめちゃくちゃよかったですね。でも判定結果には文句ないかな【結果・感想】

「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2020年10月26日、東京・後楽園ホールで行われた「ガッツファイティング LIFETIME BOXING FIGHT4」。世界2階級制覇を目指す元WBC世界フライ級王者比嘉大吾が日本バンタム級13位堤聖也とバンタム級10回戦で対戦し、1-0(96-94、95-95、95-95)の判定で引き分け。今年2月以来の復帰2連勝を逃した試合である。


今年10月末に行われた比嘉大吾vs堤聖也のバンタム級10回戦。
試合から20日以上が経過してしまったが、11月18日の深夜放送でようやく視聴した次第である。
 
 
 
正直、バンタム級の比嘉大吾にはあまりそそられるものがないんですが、今年2月の復帰戦を現地観戦したこともあり。一応観ておくかということで、眠い目をこすりながらチャンネルを合わせたわけであります。
 
吉野修一郎vs富岡樹at「ダイヤモンドグローブ」最高過ぎワロタw 比嘉大吾の復帰戦もあったよ
 
なので、これから申し上げる感想は脳みそがフワッフワの状態で観たものだということを報告しておきます(盛大な予防線)。
 

比嘉はやっぱり小さいよね。リングが広く感じた。でも、聞いていたほど負けてなかった

まずリング上で対峙した両者を観て思ったのが、「比嘉が小さい」
 
相手の堤に比べて全体的に小柄で、筋骨隆々でたくましかったはずの背中は微妙にこじんまりして頼りない。それこそ画面越しでは後楽園ホールのリングが広く感じるほど。
 
身長が161cmの比嘉に対し、堤聖也は166cm(Boxrec調べ)。
もともと両者には5cmの身長差があるが、それ以上に骨格的な分厚さが違うように思えた。
 
前回の現地観戦の際にも「比嘉、小さいな」と思った記憶があるが、俯瞰で観るとそれが余計に際立つ。
 
 
そして同時に思ったのが、案外比嘉は負けていないということ。
 
先日、この試合を現地観戦した方の感想を漁ったところ、堤勝利/堤有利の声が圧倒的に多かった(と思う)。中には「比嘉を負けさせないための忖度があった」的な意見すらも見られるなど、限りなく負けに近い引き分けなのだろうと勝手に想像していた。
 
だが、全体を通して見ればそこまで堤有利の内容ではない。
手数、試合のペースは堤寄りだが、1発の威力、精度は断然比嘉の方が上。純粋なダメージだけなら堤の方が大きかったのではないか。
 
ざっくりとした印象では前半が比嘉、中盤からは堤。上述の記事内に公式のスコアカードが掲載されているが、真ん中の福地ジャッジの採点が一番僕の印象に近いかなと。
 
「おや、比嘉が厳しかったって聞いたけど、実はそこまででもないんちゃう?」
「比嘉の僅差勝利もしくは引き分けかな。だいたい判定結果通りだったと思うぞ」
 
FAのカネロがカラム・スミスとWBAタイトル戦。カネロの保持タイトルと王座の細分化がエグくて目がチカチカすんなw
 

バンタム級でのスタイルを模索中なのかな。どうやって連打と強打を両立するか。能力の高さは随所で見られたけど

ただ出来自体はそんなによくなかったというか、今はバンタム級でのファイトスタイルを模索中なのだと思う。
 
リング中央で対峙した両者は体格差以上に距離が遠く、そのままでは比嘉のパンチは届かない。だが1歩前に出ればそれに合わせて堤が間合いを詰めて先に手を出してくる。そのため得意の連打を発動するきっかけがつかめない。
 
身体が大きい上に激しい出入りを繰り返す堤の動きになかなかついていけず、単発頼りの大振りが目立つ比嘉。
上から覆いかぶさられるような状態でガードの上から連打を浴び、反撃姿勢に入ったときにはすでに堤は目の前にいない。
 
ロマゴンvsイスラエル・ゴンサレス感想。連打とスタミナでフィジカル不足を克服。次はエストラーダ戦? ロマゴン最終章に突入ですね
 
上体を振りながら高いガードでグリグリ前に出るのが比嘉本来のスタイルだったが、相手のフィジカル、耐久力が上がるバンタム級ではそれをそのまま再現するのは難しい。
 
1発に力を込める分、振りが大きくなって次が続かない。遠間から身長差のある相手の顔面を狙うせいで身体が伸び上がり、打ち終わりのケアが一瞬遅れる。
 
S・フライ級初期のロマゴンも似たような状態に陥っていたが、比嘉も同じ道を歩んでいるのかなと。僕は案外比嘉大吾はインファイトが上手くないと思っているのだが、それがさらに強調された感じ。
 
 
ただ、1発の威力はあるし、左フックやアッパーの精度も相変わらず。遠間からのジャブもそれなりに機能するなど、能力の高さは随所に発揮されていた。
 
今後もバンタム級でやっていくなら自分よりも大きな相手との対戦が増えるはずで、その中で比嘉がどの方向に進むかに注目しようと思う。
 
フライ級時代と同様、強打と連打の両立を目指すのか、それともキャリア後半のマイク・タイソンのような1発頼りマンに傾倒していくのか。
バンタム級への適応を含め、あと数戦を経ないと何とも言えない気がする。
 

堤聖也はめちゃくちゃよかった。1発の威力、精度は比嘉が上だけど、試合のペースは終始堤

一方、堤聖也についてだが、こちらはめちゃくちゃよかった。
この選手の試合を観たのは今回が初めてだったのだが、いや~、いい選手っすね~。
 
プロではまだ7戦ながら、アマチュアでは100戦以上のキャリアがあるとか。しかもアマ時代に比嘉と対戦して2戦2勝とのことで、いわゆる“比嘉キラー”的な存在らしい。
 
比嘉を遠間で釘付けにする左リード、比嘉の前進と同じレンジで距離をとるバックステップ、微妙にアングルを変えながら距離を詰めるフットワーク、打ち終わりに必ずカウンターを返す勤勉さ等々。
 
内容的にも比嘉大吾を山ほど研究してきたことが感じられる試合運びだった(気がする)。


遠い位置で対峙し、比嘉が前進した分だけバックステップ、絶えずサイドに回って正面を外す。
比嘉が強引に出てくればそれに合わせて自分も1歩踏み出し、先に手を出して連打につなぐ。また、大振りのフックの打ち終わりにカウンターを合わせ、そのつど比嘉のリズムを寸断する。
 
極力比嘉の正面に立たず、近場ではなるべくリング中央から下がらず。
比嘉の持ち味である連打の発動を事前に抑え込み、逆に自分は常に得意な距離をキープする。
 
くっつくときは思い切りくっつき、離れるときは目いっぱい距離をとる。
メリハリの利いた出入り&手数で最後まで走り切って見せた。
 
申し上げたように1発の威力、精度は比嘉が上だったが、ペース自体は終始堤が握っていた。
 

研究熱心かつ器用でクレバーな選手なんでしょうね。もう少しクリンチを多用すれば勝てた? かも?

中でも僕がいいと思ったのが、微妙に立ち位置を変えながら比嘉の正面を外していたところ。
 
サイドに動きながら空いているところを打つスタイルとしては2017年5月のファン・エルナンデスが思いつくが、あの選手はどちらかと言えばアウトボクサー寄り。一つ一つのアクションが大きく、その分パンチ力を犠牲にしていた。
 
だが今回の堤はそのあたりのバランスが絶妙だった。
必要最低限のフットワークで比嘉の正面をわずかに外し、直撃を受けない位置から攻撃をスタート。
エルナンデスほど動きが大きくないためにパンチの威力は失われず、近場で当たり負けしない身体の強さもある。
 
研究熱心さに加えて器用さもあるのだと思うが、恐らく自分と相手の特徴を捉えて最適解にたどり着く観察眼、クレバーさを兼ね備えた選手なのだろうと。
 
宮崎辰也vs佐々木尽感想。宮崎選手は数少ない思入れのある選手。A-SIGN BOXING in新宿FACEを現地観戦してきたぞ
 
あとはアレかな。
素人の勝手な意見だが、もう少しクリンチを多用すれば勝てた試合だったかもしれない。
 
相手の初弾を避けると同時に腕を絡めて動きを封じるヤツ。
試合としておもしろいかはともかく、勝利のみを追い求めるのであれば悪くなかった? かも?
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 

Advertisement

 




 

 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!