クロフォードよ、お前がNo.1だ…。ケル・ブルックを4RTKOで沈める。見えない右キター♪───O(≧∇≦)O────♪【結果・感想】
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2020年11月14日(日本時間15日)、米・ネバダ州ラスベガスのMGMグランド・カンファレンス・センターで行われたWBO世界ウェルター級タイトルマッチ。同級王者テレンス・クロフォードが元IBF王者ケル・ブルックと対戦し、4R1分14秒TKOで勝利した一戦である。
と言いつつ、僕はこの試合をリアルタイムでは視聴していない。
午前中から外出予定があったのもあるが、それだけでなく。
朝起きると、住んでいるマンションが停電中というまさかの事態に。
目を覚まして枕元のタブレットを開いたところ、なぜか自宅Wi-Fiがうまくつながらない。
「あれ? 調子悪いのかな?」と思いつつ身体を起こし、洗面所で顔を洗おうと蛇口をひねるのだが……。
待てど暮らせど冷水しか出てこない。
おや? 変だぞということで部屋の電灯のスイッチを入れてみると、うんともすんとも言わず。
ん、これはおかしい。
ここではっきりと異変に気付き、携帯の液晶で照らしながらブレーカーを確認するものの、しっかりと“ON”になっている。
アカン、停電や!!
軽く狼狽しつつ停電情報を調べるためにタブレットを開くが……。
いや、だから!!
Wi-Fiがつながってねえんだよ!!
慌てて携帯で検索すると、特に近隣地域に停電情報は出ていない。
嘘だろ!?
まさかの我が家だけ?
これは一大事やぞと、玄関から外に出て自分の部屋のインターフォンを押すが、案の定反応はなし。
いよいよヤバいか? と思い、エレベーターの昇降ボタンを押してみると、あれ? ここも動かない……。
ってことはアレか。
このマンション全体が停電ってこと?
念のためにベランダから顔を出して外の様子をうかがうと……。
世界はいつも通り。
僕の狼狽など、まるで存在しないかのごとくに普段の光景が広がっている。
って、ふざけんなww
これ、何がキツいかと言うと、電気が使えないと人間としての生活が半分ほど奪われてしまうのである。
凍らせておいた白飯を食べようにも、レンジが使えないのでカチンコチンのまま。
大慌てでコンビニに走って朝食は済ませたものの、携帯の充電もできないのでこのままでは情報弱者まっしぐら。
洗濯もできない、風呂にも入れない、エアコンも使えない。
この日は割と気温が高かったからよかったものの、これが真冬だったらと思うと……。
ガチでシャレになっていない。
おかげで午前中の外出予定は見事に遅刻。帰宅後には何とか復旧していたが、冗談抜きでボクシング観戦どころの話ではない。完全に「人間辞めますか?」状態だったことを報告しておく。
いやまあ……。
なぜ突然こんなことを言い出したかと言うと、単純に誰かに聞いてもらいたかったから。
あまりにしょーもないネタ過ぎて話す相手もおらず、今に至った次第である。
クロフォードよ、お前がNo.1だ(1年8か月ぶり2回目)。スペンスを2Rでほぼ攻略、赤子扱いする。スペンスにとっては相性最悪だったかも?
クロフォードよ、お前がNo.1だ…。この勝ち方ならクロフォードがPFP No.1でいいでしょ
無関係な前置きが長くなったがようやく本題に。
テレンス・クロフォードとケル・ブルックによるWBO世界ウェルター級タイトルマッチの感想を。
もう、クロフォードが強過ぎて……。
表題の通りなのだが、今回の試合をもってテレンス・クロフォードがPFP No.1でいいと思う。勝ち方や対戦相手のグレード等、いろいろな面で井上尚弥を凌駕していたと言えるのではないか。
「クロフォードよ、お前がNo.1だ……」
PFPランキング自体にあまり興味はないが、そう断言せざるを得ないほどの凄まじい勝ち方だった。
先日、適当に予想した内容を振り返ってみると、
クロフォードvsブルック、案外いい勝負になると思うねんな。ブルックのピーキング次第、前半勝負だけどクロフォードの苦戦もあり得る?
・ケル・ブルックはサウスポーをまったく苦にしない
・そこまでクロフォードの一方的な展開にはならない? かも?
・でも、勝敗予想はクロフォード
・クロフォードの右リードがケル・ブルックの低い左ガードを突き抜けるのでは?
・スペンスに通用したケル・ブルックのカウンターはクロフォードには間に合わない
・序盤は拮抗→中盤からクロフォードが抜け出し、後半にKOするんじゃない?
・ピーキング次第だけど、ケル・ブルックが勝つとすれば前半KOか?
だいたいこんな感じなのだが、ほほう、なるほど。
当たってるような、当たってないような。
両者の特徴自体は間違っていなかったが、僕の予想以上に決着が早かったというか。クロフォードの前手の鋭さがケル・ブルックを圧倒した試合だったなと。
立ち上がりのケル・ブルックはまあまあよかったよね。得意のカウンターでクロフォードとも互角の差し合いを展開していた
まず今回の試合、ケル・ブルックの出だしはぼちぼちよかったと思う。
リング中央でのフェイントの掛け合いから、鋭い左の交錯。
お互いがお互いの打ち終わりを狙ってカウンターを被せる流れで、激しいペース争いが繰り広げられる。
手数自体は少ないものの、トップレベル同士の緊迫感溢れる立ち上がり。
どちらかといえばクロフォードの方がヒット数が多かったとは思うが、ケル・ブルックも得意なカウンターでクロフォードの顔を跳ね上げていた。
そうそう、身体を目いっぱい伸ばしてリーチ差を相殺する身体能力の高さ、ハメドばりのバネこそがケル・ブルックの持ち味。
火花が散るような一瞬の交錯は観ているだけでも手に汗を握ってしまう。
クロフォードが右構えでスタートしたこともあると思うが、1、2Rはほぼ互角と言ってもいいのではないか。
ナジーム・ハメドvsケビン・ケリー。伝説と言っても過言ではないハメドのベストバウト。両者合わせて7度のダウンの末の衝撃的な結末
クロフォードが左構えにスイッチした途端に試合の流れが変わる。右リードにカウンターが間に合わず、顔を跳ね上げられまくる
だが、2R残り30秒あたりでクロフォードが左構えにスイッチ。
ケル・ブルックのサイドへの動きに合わせて足を組み替える流れで、それこそ「いつの間に左になったの?」というくらいのナチュラルさである。
そしてこのスイッチ以降、試合の流れが一気にクロフォードに傾く。
2R終了間際に右の連打でクロフォードがケル・ブルックの顔を揺らすと、3Rに入ってからもクロフォードが右リードでヒットを重ねる。
左ガードを低く構えたケル・ブルックの顔面を刃物のような右で跳ね上げ、ブルックがカウンターの態勢に入ったときにはすでにガードのポジションに戻っている。
ブルックがいきなりの右で飛び込んでくれば、わずかなバックステップとサイドへの動きで右フックを合わせる。
また、序盤2Rはやや手を焼いたブルックの左も、前手の差し合いで圧倒することで機能不全に陥らせる。
ああ、これはアカンわ。
ケル・ブルックの左ガードの低さがモロに狙い目になっているし、案の定クロフォードの右にカウンターが間に合わない。
前回申し上げたようにエロール・スペンスJr.は右リードを放ったあとにもう一歩前に出て連打につなぐスタイルだが、クロフォードはそうではない。両足に均等に体重を乗せたまま鋭い右リードを打ち出し、身体がいっさい流れることなくもとのガードポジションに戻ることが可能。
しかも1発1発のキレ、威力を保ったままそれができる。
ケル・ブルックとしては被弾覚悟でここに得意のカウンターを被せる予定だったと想像するが、まったくそうはならず。完全にクロフォードがペースを掴んだまま3R終了のゴングが鳴る。
ノニト・ドネアの相手がロドリゲスに変更? ようやく興味が出てきたかな。ウーバーリは気の毒だけど、いまいちそそられなかったのよね
何が起きたかわからないほどの右フックのカウンター。ケル・ブルックもこれをもらったらどうにもならんわw
いよいよ決着の4R。
開始直後にケル・ブルックの左リードに右フックをカウンターで合わせるクロフォード。
軽く顔面を揺らすだけの軽いパンチではあったが、よくよく振り返ればあの右が入った時点でこの試合は勝負ありだったのかもしれない。
上述のように、左に構えた際のクロフォードの前手の右は凄まじいキレを誇る。これまで幾度となく衝撃的なダウンを演出してきたもので、ガードの低いケル・ブルックにはもっともやっかいなパンチだった。
4R40秒過ぎ。
鋭く踏み込みいきなりの右を放つブルックに対し、クロフォードはサイドに移動しながら右フックをカウンターで合わせる。
この1発でブルックは大きく態勢を崩し、たたらを踏んでそのままロープにもたれかかる。
恐らく序盤3Rでタイミングを覚えたのだと思うが、この1発はすごい。マジですごい。
ブルックの踏み込みとともにわずかに右サイドに移動し、外側から右フックをカウンターでヒット。
ブルックにとっては死角からいきなり飛んできたパンチだったはずで、それこそスローで観なくては何が起きたのかがわからなかったほど。
いや〜、さすがにこれをもらってはどうしようもない。
ケル・ブルックもキャリアを重ねて若干打たれ弱くなっていたのかもしれないが、それを差し引いても。
直後のスタンディングダウン? や中途半端なストップなど、妙なレフェリングによっていまいち盛り上がりには欠けたものの、あそこまで深いダメージを負ってはどうしようもない。遅かれ早かれクロフォードのKO勝利という結末が訪れていた気がする。
クロフォードが僕の大好きな右フックを見せてくれたので大満足です。ケル・ブルックが負けたのは残念だけど
しかし、今回のクロフォードは本当にすごかった。
前回のカバロウスカス戦での喧嘩ファイトでは一段スケールアップした姿を見せつけられたが、この試合では得意な右フックを炸裂させてのKO勝利。
クロフォードさすが。カバロウスカスを9RTKO。もっと無双してほしかったけど
先日、クロフォードの好きなパンチはカウンターの右フックと申し上げたばかりだが、まさかそれと同じようなタイミングでケル・ブルックを仕留めるとは。
クロフォードの試合で好きなのはガンボア戦の最初のダウンの直前の右フックかな。
あまりに速過ぎて、それまで攻めてたガンボアが空中で一瞬停止してからガクガクッとなるヤツ。
大昔のお前誰やねん? なドレッドヘア時代のクロフォードも同じパンチでダウン奪ってた。https://t.co/5qjp3HFpjX https://t.co/m8bDxp4pdQ
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) November 13, 2020
ガンボア戦での5R。
キャリア初期のデリック・カンポスさんとの2R。クロフォードのドレッドヘアにビックリするw
ケル・ブルック戦同様、どちらもスローで観ないと何が起きたのかすらよくわからない。
まさに「見えないカウンター」というヤツで、マンガ「はじめの一歩」で沢村竜平が使ったパンチを彷彿とさせる。
ユリオルキス・ガンボアやケル・ブルックなど、ガードが低く身体能力が高いタイプを仕留めるのに適したパンチなのだと思うが、とにかくすごかった。
心情的に今回はケル・ブルックを応援していたのだが、ここまでの実力を見せられればお見事としか言いようがない。
非常に満足度の高い一戦だった。
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