映画「君の名は。」感想。こんなん好きなんやろ? お前らって言われてる気がした。めちゃくちゃよかった。基本的には【映画・感想】
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映画「君の名は。」を観た。
〜〜〜〜〜
「君の名は。」(2016年)
岐阜県飛騨地方に暮らす女子高生宮水三葉は、自身の家柄や何もない町にうんざりし、憂鬱な日々を過ごしていた。
そして「来世は東京に住むイケメンにしてください!!」と願うほど、東京での暮らしに憧れていた。
一方、東京で暮らす男子高校生立花瀧は、ある夜妙な夢を見る。
行ったこともない山奥の町で、自分が女子高生として生活する夢。
また三葉の方も、たびたび自身が東京の男子高校生として生活している夢を見る。
朝起きると記憶が薄れているのだが、奇妙なリアリティを持った夢だった。
不思議な感覚を抱えたまま生活するうち、2人は不可解なことに気づく。
ノートに書かれた見覚えのないメモやスマートフォンの履歴。
やがて2人は、夢の中でお互いが入れ替わっていることを確信する。
三葉が瀧、瀧が三葉として生活するうち、しだいにお互いのことが気になり始める2人。
そして、1200年ぶりに地球に接近した彗星「ティアマト彗星」が、三葉の目の前で……。
〜〜〜〜〜
映画「君の名は。」はかなりよかった。作者から煽られてる感じもしたが、それも含めて満足の作品
今さらながら映画「君の名は。」を観たので、その感想を。
「すげえよかった」
これが率直な感想である。
まず僕が思うに、この映画はたぶん男向け。それもピュアな(というか、モテない)男。
いわゆる「非リア充」と呼ばれる男に向けて、作者が「お前、こんなん好きなんやろ?」と言うための映画ではないか。
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おい、モテないお前、ちょっとこっちこい。
どうせアレだろ?
こんな奇跡的で幻想的な出会いに憧れてんねやろ?
だったら見せてやんよ。
ほれほれ。
こんなん、好きやろ? 自分。
あ?
何やその希望に満ちた目は?
もしかしてお前、自分にもこんな奇跡が起こるかもしれないとか思ってねえか?
いやいや。
んなわけあるかいww
アホやろ自分ww
いくらワイがお前の理想を具現化しても、お前の生活が終わってることに変わりあれへんのやで?
明日も明後日も、クソみたいな毎日が続くんやで?
だってお前、アレだろ?
家出ないじゃん。
と、作者に上から目線で言われている気がしてくる(偏見半端ねえww)作品である。
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とにかく観て損はないというか、「なるほど、世間で話題になっていたのはこういう意味ね」と納得させられる内容だった。
「時をかける少女」と同じような映画だろ? って思ってました。立花瀧に感情移入できたのがよかったね
とりあえずこの映画で僕がいいなと思ったのが、主人公に感情移入できたこと。
宮水三葉を思う立花瀧の一生懸命さやまっすぐさは、モテない男たちの心を掴むのに大きな役割を果たしていた。
まあ僕がモテないかどうかはともかく、ああいう実直でピュアなキャラクターに視聴者が親近感を持ちやすいことは間違いない。
実を言うと、僕はこの映画を「時をかける少女」(2006年)と似た雰囲気なのかと思っていた(勝手に)。
「タイムリープ」がテーマだと聞いていたので、
・主人公が過去と現在を行ったり来たりする
・タイムリープの数には制限があり、それに気づかずラスト1回を使い切る(割と雑に)
・大きな問題が起きて狼狽
・根性で「泣きの1回」をひねり出し、無理やり奇跡を起こして問題解決
という話かなぁと、漠然と考えていた次第である(ドラゴンボールだったら、ビルス様が激怒するパティーンね)。
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そして、大ざっぱなストーリーはだいたいその通り。だが、主人公のキャラクターは僕の想像とはまったく違っていた。
一番予想外だったのは、間宮千昭的なヤツがいなかったこと。
「時をかける少女」の間宮千昭はヒロイン紺野真琴が惚れるイケメンなのだが、あのキャラクターはどうにも僕には受け入れられなかった。
いかにも現実世界にはいないスカしキャラというか、間宮千昭のいけ好かない印象が強かったせいで「時をかける少女」にはいまいちテンションが上がらなかった。
「時をかける少女」の間宮千昭や「エヴァンゲリオン」の渚カヲル、「黒子のバスケ」の青峰大輝、「銀魂」の高杉晋助、「スラムダンク」の流川楓など、スカしたイケメンキャラを全面に出した作品は明らかに女性向けで、正直ちょっと感情移入がしずらい。
そういう意味で、これまで僕はどうしても「君の名は。」を観る気が起きなかった次第である。
ところが、実際に観た「君の名は。」の立花瀧は、一途で素直な突貫野郎。
好感度抜群というか、まさしく僕が感情移入しやすいキャラそのものだった。
三葉を探して奔走する瀧。
三葉に思いを馳せ、一心不乱に当時の記事を読む瀧。
三葉の名前を思い出せず、涙が止まらない瀧。
もうアレだ。
「『みつは』だろが!!」
と、大声で叫びたくなるレベルww
そうそう。
現実離れした世界だからこそ、登場人物には親近感が欲しいんですよ。
作者に「お前、こんなん好きなんやろ?」と煽られていることはわかるのだが、「おお、好きだけど、それがどうした」「何か文句あんのかゴルァ」と開き直らざるを得ないというww
ただ、僕にはこんな奇跡は起きるわけがないんですけどね。
なぜなら、家から出ないからww
映像美は特筆ものだと思う。絶対に大画面で観るべき映画ですね
また、多くの方がおっしゃっているように、このアニメの映像は本当にすばらしい。
特に宮水家のご神体のある盆地(と呼んでいいのか?)と、糸守湖の風景描写はすごかった。
三葉にinした瀧が初めて宮水家のご神体を目にしたシーンなどは、僕も思わず「おおっ」と声が出てしまったほど。
空いっぱいに広がる彗星を瀧が見上げる描写もすごかったし、確かにこれは映画館で観るべき作品である。今さら言っても仕方ないが。
・瀧がご神体を初めて目にする場面
・俯瞰の糸守湖
・ティアマト彗星
ぶっちゃけこの3つだけでも、この映画を大画面で観る価値はあると思う。
50インチは必須でね。
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未視聴の方は、開始5分を飛ばしてスタートすることをお薦めします。思いっきりネタバレしてっから
そして、この作品を初めて観る方に、僕がもっともお薦めする方法がコレ。
「開始5分を観ないこと」
読んで字のごとくなのだが、もしDVDや地上波などで視聴する機会があれば、開始5分を飛ばすことをお薦めする。
なぜなら、壮大にネタバレしちゃってるから。
僕はこの作品をWOWOWで観たのだが、たまたまトイレに行っていたせいで開始から5分を見逃した。
戻ったのがちょうど三葉がお父さんにどなられるシーンで、結末をまったく知らない状態でスタートできたのは本当によかった。
おかげで瀧と三葉の対面シーン以降の顛末がわからず、ハッピーエンドなのかバッドエンドかがわかるまでにたっぷり40分、ドキドキさせられた次第である。
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基本、この作品は開始5分で結論をぶち上げ、どうやって最後の「君の名は。」に着地するかがすべてと言っても過言ではない。
ただ、その結論ありきで観るのと、そうでない状態で観るのでは印象も変わったはずで、僕の場合はそれがいい方向に作用したと思う。
脇役キャラの魅力をもっと出せればよかったかな。特に奥寺パイセンの扱いは残念だった
興行収入250億円を突破し、日本映画史上歴代2位となった映画「君の名は。」。
いたるところで話題となり、多くの方が絶賛した本作品。
だが、有名作品だけあって相応の批判があるのも確かである。
その中でも、僕の耳に多く入ってきたのが「わかりにくい」という声。
瀧と三葉の時間軸に3年のズレがあるのがこの作品のミソなのだが、その部分の説明が足りないと感じた方が多かったとのこと。
また、過去に町1つが消えるほどの災害が起きたのにもかかわらず、主人公の瀧がそれを失念しているのはおかしいという指摘。
なるほど。
確かにその通りだし、設定を膨らませ過ぎたせいで、2時間半では説明しきれない部分があったのかもしれない。
ただ僕個人としては、そこまで気になるほどではなかった。3年のズレは普通に理解できたし、そもそもタイムリープものを矛盾なく2時間半で描ききるのは至難の業である。
なので、そこにいちいちカリカリするのもヤボじゃない? という思いの方が強い。
以前足を運んだ映画「バスーラ」で、「上映後にミーティングをしま〜す」と抜かした関係者にブチ切れた経験を持つ僕にとって、この程度の説明不足は許容範囲である。
「映画「BASURA バスーラ」←タガログ語で「ゴミ」。映画自体が「ゴミ」ってこと? フィリピンのスモーキーマウンテンの実情らしいけど」
それより残念だったのが、脇役キャラの魅力が足りなかったこと。
特に奥寺パイセンを使い捨てたのは、僕的にはもったいなかった。
登場した時点で三葉のカマセなのはわかったのだが、それでも途中から完全にモブキャラ化したのは残念で仕方ない。
糸守に行った際の小物臭といったら……。
タバコとか吸っちゃって、そういう感じだったっけか?
初登場ではあんなにラスボス感満載だったのに。
期待の奥寺パイセン、雑に処理してんじゃねえよww みたいな。
あとは三葉のおばあちゃんね。
「アンタ、夢を見てるね」
「私も同じ経験をしてきたんだよ」
など、宮水家に代々伝わる不思議体験を語っておきながら、三葉(in瀧)が彗星の落下を訴えたときには「んなわけあるかいや」。
いやいやいやいや。
そこは信じてあげようず。
それまでの神秘的な発言の数々は何だったんだww
唯一、テッシーが三葉(in瀧)の避難活動に協力してくれるわけだが、むしろその役目はおばあちゃんだろと。
まあ、アグレッシブに町中を駆け回るおばあちゃんってのも無理があるけどねww
でも、口噛み酒を飲んだ瀧が三葉と出会い、かたわれ時(黄昏時)が終わった途端に離ればなれになったところだけは理解できなかったかな。
いろいろと解釈はあるようだが、どれもピンとくる説明ではなかった印象である。
ハリウッドでの実写化だってさ。ってか、できます? この作品。アニメだから成立してた部分が多いと思うけど
なお、この「君の名は。」は海外でも評価が高く、ハリウッドでの実写化も決定したとのこと。
うっそマジか。
大丈夫かオイ。
ちゃんとやれんのかハリウッド。
僕自身、アニメの実写化に対するアレルギーはまったくないし、「君の名は。」自体にそれほど思い入れもないので別にいいのだが、それでも「大丈夫か?」という思いは強い。
設定が難しいとかキャラが崩壊するとかではなく、単純にあの壮大な描写を実写化できるのだろうか?
口噛み酒とかご神体とか、日本風のならわしはちゃんと表現できるの?
ご神体や糸守湖の描写は、視聴者が納得できる完成度になるの?
変電所を爆破したり、実写でやったら「僕らの七日間戦争」になっちゃうんじゃないの?
彗星の落下や廃墟と化した糸守町なんて、実際ただの大災害だぜ?
アニメだから幻想的な雰囲気が出てたけど、災害の悲惨さを押し出す作品じゃないでしょ?
などなど。
正直、アニメだから成立していただけで、実写になった途端に生々しくて直視できないものが多過ぎる気がするのだが。
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まあ、日本のアニメのクオリティが高いことの証明でもあるし、決して悪いことではないのだろう。
別に僕が作ってるわけじゃないけど。
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