吉野修一郎vs中谷正義迫る。後半勝負? 接近戦で吉野が攻め落とすか、中谷が支配するか。吉野はなるべく早い段階でボディが当たる位置までいきたい【予想・展望】

吉野修一郎vs中谷正義迫る。後半勝負? 接近戦で吉野が攻め落とすか、中谷が支配するか。吉野はなるべく早い段階でボディが当たる位置までいきたい【予想・展望】

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2022年11月1日にさいたまスーパーアリーナで行われるWBOアジアパシフィックライト級タイトルマッチ。同級王者吉野修一郎に元OPBF同級王者中谷正義が挑戦する試合である。
 
この日はメインに世界L・フライ級2団体統一戦、WBC王者寺地拳四朗とWBAスーパー王者京口紘人の統一戦、セミファイナルにはWBO世界L・フライ級タイトルマッチ、同級王者ジョナサン・ゴンサレスvs岩田翔吉戦が組まれており、吉野vs中谷戦はそのアンダーカードに予定されている。
 
WBO-AP王者吉野修一郎は前戦で元S・フェザー級世界王者伊藤雅雪を敗るなど国内の強豪相手に無敗を継続中。
対する中谷正義はテオフィモ・ロペス、フェリックス・ベルデホ、ワシル・ロマチェンコと海外のトップ選手との対戦経験を持ち、この試合で勝利し世界トップ戦線への再浮上を目指す。
王者吉野も「勝った方が海外に行ける」とコメントするなど、今回の中谷戦を“勝負の試合”と位置付けている。
 
吉野修一郎vs中谷正義現地観戦。凄みを感じさせた中谷、割り切りとタフネスの吉野。めちゃくちゃ感動したけど中谷敗北のショックも大きい
 

吉野修一郎vs中谷正義戦が楽しみ。というよりこの試合以外にいまいち興味がわかない笑

吉野修一郎vs中谷正義。
 
“国内ライト級頂上決戦”と言われる組み合わせで、今年6月に中谷正義がハルモニート・デラトーレを1RKOで下したときから待望されていた試合である。
 
中谷正義が復帰戦でハルモニート・デラ・トーレを1RKO。左ジャブ→右打ち下ろし→左ボディでフィニッシュ。短い時間で持ち味が全部出た完璧な勝利っすね
 
個人的にもこの一戦はめちゃくちゃ楽しみにしていて、吉野修一郎が言うように勝利した方が海外のリングに立つ資格を得られるのだろうと。
 
 
というか、僕は今のところこの試合にしか興味がない。
 
メインでは寺地拳四朗と京口紘人によるL・フライ級王座統一戦、セミファイナルでは同じくL・フライ級のジョナサン・ゴンサレスvs岩田翔吉戦が組まれているが、残念ながらいまいち僕の琴線に触れるものがない。
 
また元WBO世界フライ級王者中谷潤人がS・フライ級契約でフランシスコ・ロドリゲスJr.と対戦するが、こちらも「ふ〜ん、そうなんだ」と冷めたテンションで眺めている。
 
さいたまスーパーアリーナのような大会場での軽量級3連発はなかなか厳しいんじゃないの? という思いもあるが、とにかく吉野vs中谷戦以外にいまいちピンとこないのが本音である。
 

吉野がどれだけ早く接近戦に持ち込めるか、中谷がそれをさせずにジャブで支配できるかかなぁ

とまあ、自分勝手な理屈を並べてみたわけだが……。
今回は僕が大注目している吉野修一郎vs中谷正義戦についてである。
 
 
まず試合展開だが、吉野修一郎がどの段階で近場での打ち合いに持ち込めるかが見どころになるのではないか。
 
中谷正義は身長182cmとライト級ではかなりの長身。
鋭いジャブで距離を測り、打ち下ろし気味の右につなぐ流れを得意とする。近場のボディも強烈で、2019年7月のテオフィモ・ロペス戦でも中に入りたいロペスをこのボディで大いに苦しめた。
 
中谷正義惜しい! テオフィモ・ロペスに判定負け。でも間違いなく通用するとは思ったよね。5Rまで粘れば大健闘とか言われてたけど
 
なので、吉野としては中谷のジャブをかいくぐって近場の打ち合いに巻き込むのがもっともチャンスがありそう。
 
 
逆に中谷はいかに吉野を中に入らせないか、ジャブの差し合いで上回れるかが重要になる。
 
この選手はいわゆる“デカくて動ける”タイプの人だが、足を使って逃げ切りを狙うスタイルとは少し違う。
前回のハルモニート・デラトーレ戦でも前で勝負したように左を起点に自分から試合を動かすケースが多い。どちらかと言えば中間距離での差し合いが得意なのだと思う。
 
と言っても、恐らく中谷の中間距離は吉野にとっての遠距離になる。
どちらにしても吉野が勝機を見出すには中谷の腕が伸びる危険地帯を通過する必要がある。
 
そして、吉野修一郎はそれができるスペックの持ち主だとも思っている。
 

吉野の持ち味は打ち合いでの強さとそれを12R継続できるスタミナ。富岡樹も伊藤雅雪も後半に逆転されている

吉野の持ち味は高いガードに鋭いジャブ、そして何と言ってもボディを含む近場での打ち合いの強さ。さらにそれを12R継続できるスタミナも持ち合わせる。
 
前回の伊藤雅雪戦でも序盤は伊藤のスピードに押され気味だったものの、タイミングを覚えた中盤以降は真正面からの打ち合いを制するシーンが目立った。
また現地観戦した2020年2月の富岡樹戦では中盤まで富岡の出入りに苦労させられたが、ジャブの差し合いを諦めてガツガツ前に出ることでペースを引き寄せ8Rに仕留めてみせた。
 
吉野修一郎vs伊藤雅雪はこの日のベストバウト。日本のてっぺんってすげえんだよな。剛腕吉野にロマンチスト伊藤が真っ向勝負。伊藤は自分の役回りをよく理解してた
 
後半になっても動きが落ちない&勝負どころでもっともしんどい打ち合いを展開する体力と気力は特筆もので、伊藤も富岡もそれに対応できずにねじ伏せられている。
 
最初からフルスロットルで打ち合った伊藤は中盤あたりでペースダウン。
富岡樹はスピーディな出入りで序盤は優位に立ったものの、まったくスタミナが落ちない吉野に終盤で捕まった。
 
極論、ジャブの差し合いより打ち合いの方が強さを発揮できるのでは? というくらい。
 
 
恐らく中谷正義は伊藤のような打ち合いはせずにジャブ中心の差し合いを選択するはず。
なので、上述の通り吉野が勝つには中谷のジャブをどう回避するか、いかに時間をかけずに接近戦に巻き込むかが最重要課題になるのではないか。
 
接近戦に持ち込みさえすればボディで頭を下げさせる→外旋回気味の両フックを側頭部をぶち当てる流れでペースをつかめる(はず)。伊藤戦のように頭が当たる懸念もあるが、そこを躊躇すると吉野のよさが失われてしまうわけで。
 
 
中谷のようなジャブ使いを攻略するにはフェリックス・ベルデホや富岡樹がやったようにジャブの戻り際に距離を詰めてカウンターを被せるのが効果的だとは思うが、それには一瞬で間合いをゼロにするダッシュ力が必須になる。
 
スピードもパワーもセンスもベルデホの方が上だけど、勝ったのは中谷正義なんですよ。やっぱり中量級以上の日本人には気持ちが入るよね
 
ただ、過去の試合を観る限り吉野修一郎にそこまでのバネはない。
やはり吉野が勝つにはどの段階でボディが当たる位置まで近づけるかかなぁと。
 

中谷「吉野は接近戦が強い」吉野「中盤〜後半KOで」。両者ともにマジでその通りだと思う。勝敗予想は…

中谷正義「接近戦は相当強い。そこでどう戦っていくかがカギになる」


 

吉野修一郎「中盤から後半、倒せるんじゃないかと思う」


中谷は吉野の接近戦での強さを警戒し、吉野は中盤から後半にかけてのKOを狙う。
お互いに中盤以降の接近戦を想定しているのだと思うが、これはマジでその通り(だと思う)。
 
吉野は伊藤戦でも富岡戦でも序盤にポイントを先行されたところから盛り返している。散々申し上げているように今回もなるべく早めに接近戦の展開に持ち込みたい。
一方の中谷は極力中間距離での優位を長引かせつつ、接近戦にも対応できる力強さ、スタミナを後半まで維持しておきたい。
 
何となくだが、中谷正義が勝つなら判定、吉野が勝つなら後半KO? という感じ。
単純に吉野がKO負けを喫する姿が想像できないのと、判定になれば中谷有利かな? というのが僕のペラッペラな根拠である笑
 
というわけで勝敗予想は判定ドロー
12Rの激闘の末に勝負がつかないまさかの結末を予想しておく。
 

どっちもがんばれ。どっちも負けんな。楽しみな試合だけど、本当は組んでもらたくなかった

いや、ホントにどうにもならんのですよね。
両者に負けてほしくないせいでどちらが勝つかを言うことすらできないという笑
 
前回も申し上げたように僕はできればこの試合を組んでもらいたくなかった人間で、正式発表された際は「うわぁ……。ホントにやるのか」とつぶやいている。
 
吉野修一郎vs中谷正義ホントにやるんだな…。もう一段上の舞台で観たい対戦だった(マッチアップとしてはおもしろい)。どっちもがんばれどっちも負けんな
 
吉野修一郎はこれまで散々国内サバイバルを勝ち抜いてきた経緯があり、いいかげん次のステージに進むべきだと思っていたところ。
それがここにきてラスボス的存在の中谷正義をぶつけられる過酷さ。もし負ければすべてを失う上に同じ位置まで戻るのは困難を極める。
 
対する中谷正義もかつてOPBF王座を11度防衛し、一度はワシル・ロマチェンコ戦まで進んだ経験を持つ。今さら国内最強決定戦はどうなのよ? という感じで、こちらもできれば次の段階を模索してもらいたいと思っていた。
 
展望やら勝敗予想も結構なのだが、とにかく「どっちもがんばれ、どっちも負けるな」としか言いようがない。
 
クソほど楽しみな反面、両者に負けてほしくない。
そういう意味での判定ドロー予想である。
 
 
だからアレだ。
帝拳プロモーションは仮に吉野が勝った場合もちゃんとその後の面倒を見てやれよな。
 
中谷潤人に関しても「フライ級王座返上→S・フライ級転級→WBO指名挑戦者に昇格」の流れで井岡一翔包囲網を画策しているようだが、そういうジムパワー全開の駆け引きをするならなおさら。自軍の選手が負けたとしても“同じ日本人選手”として井岡(吉野)の希望する試合を組んでやれよと僕などは思うのだが。
 
難しいっすかね……。
 
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