中谷正義が復帰戦でハルモニート・デラ・トーレを1RKO。左ジャブ→右打ち下ろし→左ボディでフィニッシュ。短い時間で持ち味が全部出た完璧な勝利っすね【結果・感想】

中谷正義が復帰戦でハルモニート・デラ・トーレを1RKO。左ジャブ→右打ち下ろし→左ボディでフィニッシュ。短い時間で持ち味が全部出た完璧な勝利っすね【結果・感想】

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2022年6月13日、東京・後楽園ホールで行われた137ポンド契約10回戦。元OPBFライト級王者でWBC世界同級13位の中谷正義がハルモニート・デラ・トーレと対戦し、1R1分16秒KOで勝利した一戦である。
 
 
2021年6月のワシル・ロマチェンコ戦以来、約1年ぶりの復帰戦となった中谷正義。
 
あの試合は個人的にめちゃくちゃ悔しかったことを覚えているのだが、中でもイラついたのがロマチェンコの余裕しゃくしゃくの態度。
試合前から穏やかに中谷をたたえるなど好意的な空気を漂わせ、計量前のフェイスオフでは長身の中谷にしゃがむように指示するジョークも。
 
SNS等では人格者!! などと言われていたが、アレはそんな生ぬるいもんじゃない。
 
最初から最後までピリピリだったテオフィモ・ロペス戦とは真逆というか、余裕たっぷりのロマチェンコがクソほど腹立たしかった記憶がある。
 
先日来日したゲンナジー・ゴロフキンの貴族階級を思わせる所作、受け答えの数々は当時のロマチェンコと共通するものがあったが、正直村田諒太には大した思い入れがないせいで普通に楽しむことができた。
 
ゲンナジー・ゴロフキンは覇王色の覇気の持ち主()内容ペラッペラの杓子定規なコメントが最高すぐるw 支配層のみに許されたエレガントさ
 
だが中谷正義のことは以前から応援していたせいもあってムカムカが止まらない笑
ナチュラルに日本人選手を見下すコイツの鼻をどうにか明かしてほしいと願っていた次第である。
 
 
その試合から約1年。
再起戦のリングに立つ中谷正義の対戦相手はフィリピンのハルモニート・デラ・トーレ。
戦績22勝3敗14KOの選手でツグスソグ・ニヤンバヤル、吉野修一郎、ヤン・ヨンキャンといった強豪との対戦経験を持つ。
 
僕も2019年10月の吉野修一郎vsデラ・トーレ戦を現地観戦したのだが、しっかりと強かった記憶がある。
 
結果だけ見れば吉野の1RTKOだが、パワフルな圧力と躊躇のないフルスイングは「あ、ヤバいかも」と思わせる迫力を兼ね備えていた。
 
今回の中谷も油断してると(しないと思うけど)食われる可能性もあるんじゃねえか?
 
などと言っているうちに
終わったああああぁぁぁ……!!!
 
 
右ストレートで最初のダウンを奪い、直後の左ボディで勝負あり。
 
わずか76秒、昨年の中谷正義vsロマチェンコ戦に思いをはせているうちにあっという間に終了してしまった笑
 
おおう、マジか。
フワッと眺めていたせいで経過がよくわからんぞ。
 
 
そんな感じで、今回はこの試合の感想を(覚えている範囲で)言っていくことにする。
 

完璧な勝利だったんじゃないっすかね。短い時間で持ち味をすべて出した試合

まず開始直後にリング上で対峙した両者を観て思ったのが、中谷がデカい
今回は137ポンド(約62.1kg)契約ということで普段のライト級(約61.2kg)よりもやや重いウェイト。
そのせいもあってか、肩回りを中心に少しゴツくなった印象である。
 
 
やや離れた位置で小刻みにリズムを取り、ジャブを打ち込むタイミングを測る。
これは過去何度も観た中谷正義のアクションと同じもので、なぜかそこに意味不明な感慨深さを感じてしまった笑
 
 
デラ・トーレの強打に注意しつつ距離を調整。
得意のジャブを何発かヒットし、今度は同じタイミングでワンツーを放つ。
この右がガードの間から顔面を真っすぐ打ち抜き、たまらずデラ・トーレが膝を落とす。
 
くるっと背中を向け自陣に向けて小さくガッツポーズを見せる中谷。
セコンドからの声掛けに2、3度うなずき、立ち上がったデラ・トーレを鋭く見据える。
 
そして再開の合図とともに悠然と距離を詰め、顔面へのフェイントを入れてから左ボディをズドン。
腹を抑えてうずくまったデラ・トーレを見て勝利を確信した中谷は両手を高く上げて喜びを表現する。
 
膝をついたまま立ち上がれないデラ・トーレ。
カウントを数え終えたレフェリーが両腕を交差し中谷の勝利を宣言する。
 
いや、完璧だったんじゃないですかね
 
得意の左で距離を測り、抜群のタイミングで打ち下ろしの右をヒットし最初のダウンを奪う。
で、とどめは近場で顔面へのフェイントからの左ボディ。
 
・自分の距離で対峙
・ジャブで怯ませ右につなぐ
・得意のボディでフィニッシュ
 
短い時間ながらも持ち味をすべて出せたというか。
 
中谷があそこまで喜ぶ姿はあまり観たことがなかったのだが、本人が言うように村田諒太、尾川堅一と同僚が続けざまに敗れたこともあって相当プレッシャーを感じていたのだろうと。
 
尾川堅一がジョー・コーディナの狙いすました右で撃沈。距離の遠さとタイミングに慣れる前にもらったな。フラグになるから勝敗予想をしなかったのに笑
 
途中、自分から仕掛けていったことを含め、単なる再起戦以上に気合いを入れてリングに上がっていたのだと想像する。
 

ハルモニート・デラ・トーレは普通に強かったよね。そのデラ・トーレをあっさり倒したのはお見事すぎる

一応言っておくと、ハルモニート・デラ・トーレはこの日も普通に強かったと思う。
 
中谷の引きに合わせた踏み込みは鋭く直後の左のフルスイングも迫力十分。中谷の顔面に相打ちで打ち込んだジャブなどを観ると、あと一歩中に入れば豪打が発動しそうな雰囲気を醸していた。
 
2019年10月の吉野修一郎戦同様、顔面を打ち抜かれてダウンを喫したものの、実力の片りんは見せたのではないか。
 
前回もちょろっと申し上げたが、この選手はタイトルマッチ以外で日本に呼べる海外選手の中ではMAXに近い。
 
尾川堅一vsジョー・コーディナ、中谷正義vsハルモニート・デラ・トーレ、亀田和毅vsウィリアム・エンカーナシオン。日本人選手全員勝つでしょ。なぜなら僕がそう決めたから
 
そして、そのデラ・トーレに手も足も出させず1RKOで終わらせる中谷正義がいかにすごいかという話。
 
 
僕は今回の試合、2019年2月のカルロス・カストロvsジェネシス・セルバニア戦の再現かなぁと思っていた。
 
パワフルなスイングと馬力が持ち味&射程が短く追い足もないジェネシス・セルバニアをカルロス・カストロがサイズ差とジャブの鋭さを活かして翻弄した一戦。あの試合のカストロと同様、中谷も無理に倒しに行く必要はない。デラ・トーレの強打に注意しながらジャブをチクチクついていけばまあ大丈夫だろうと。
 
自分の距離をキープし続けた末の判定勝利、もしくは後半KO。
吉野修一郎の豪快な勝ち方とはちょっと違うが、“まさか”が起きる可能性を感じさせない展開を作れれば。
みたいな。
 
ところが結果は2度ダウンを奪っての1RKO勝利。
上述の通りジャブ、打ち下ろしの右、左ボディと持ち味をすべて発揮した上で瞬殺してしまった。
 
 
 
ああ、そうか。
本人的には進退を考えて挑んだ復帰戦だったわけね。


確かにロマチェンコにはぐうの音も出ないくらいパーフェクトに攻略されたしね。
「何をやれば~」とか「あそこでこうしていれば~」ではなく単純に“中谷正義が通用しなかった”のが……。
 
それが僕の悔しさが数日間尾を引いた理由でもあるんですが。
 
中谷正義がロマチェンコにTKO負け…。「悔しい」しか感想が出てこない理由? 中谷正義が負けて悔しいからですよ。完全に攻略されてたな
 

中谷の次の相手が結構難しい。東洋レベルを超えてて帝拳パワーを発動できそうなヤツ…

1R1分16秒KOという完璧な勝利で再起戦を飾った中谷正義。
 
ただ、ここから先のマッチメークを考えると結構難しい気がする。
 
今回で中谷の実力が東洋では頭一つ抜けていることがわかった。
 
だが、この辺の階級はそこを超えるとレベルが一気に上がる印象。
 
テオフィモ・ロペス戦、フェリックス・ベルデホ戦を観直すとわかるが、世界ランクの上位陣は中谷のジャブに普通にカウンターを合わせてくる。
 
スピードもパワーもセンスもベルデホの方が上だけど、勝ったのは中谷正義なんですよ。やっぱり中量級以上の日本人には気持ちが入るよね
 
ハルモニート・デラ・トーレの前進はあのジャブで寸断できたが、ロペスやベルデホはパンチの引きに合わせて距離を詰める→長身の中谷の顔面に届く右をカウンターで打ち込んでくる。
 
ロマチェンコに至っては、前後左右へのポジショニングで的を絞らせることすらさせてくれなかった。
 
僕は中谷正義ならリチャード・コミーでもジョージ・カンボソスでもいい勝負になると思っているのだが、それでもジャブを起点に組み立てる得意の展開を強いるのは難しい気がしている。
 
 
実際、東洋レベルを超える実力&帝拳パワーを発動できそうな相手って誰ですかね。
2015年5月に三浦隆司のタイトルに挑戦したビリー・ディブとか、割とよさそうですけど。

 
あとはネームバリューで言えばコイツ……。


村田とのW世界戦はなくなったものの、三浦隆司に引導を渡した張本人として印象深い。
 

吉野修一郎との対戦は必要ないかな。どちらも国内戦線はやり尽くしてるし吉野にもチャンスが来てほしい

ちなみに国内でパッと思いつくのはvs吉野修一郎だが、個人的にこの対戦は必要ないと思っている。
 
両者とも国内戦線は散々やり尽くしているし、特に吉野修一郎はここ数年でライト級の強豪とのタイトル戦をことごとくクリアしている。


直近の伊藤雅雪戦があれだけいい試合だったのに、直後にさらに手ごわいヤツを当てられんの?
で、負ければ数年間の積み重ねが全部パーになる?
 
吉野修一郎vs伊藤雅雪はこの日のベストバウト。日本のてっぺんってすげえんだよな。剛腕吉野にロマンチスト伊藤が真っ向勝負。伊藤は自分の役回りをよく理解してた
 
さすがにしんどすぎやしませんかね。
 
伊藤雅雪で言えば2018年7月のクリストファー・ディアス戦。
中谷正義で言えば2019年7月のテオフィモ・ロペス戦。
そろそろ吉野修一郎にも勝負の機会が巡ってきてもいいと思うのだが……。
 
まあ、どちらも相手が見つからなければ消去法で対戦せざるを得なくなるのかもしれませんが。
 
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