今井達也の出番がない(リリーフ転向後の8月はわずか3登板)。与四球率(BB/9)大幅な悪化(2025年:2.47→2026年:5.85)の要因を考える。際立ってノーコンではないけど初球ストライク率、立ち上がりの悪さが…

今井達也の出番がない(リリーフ転向後の8月はわずか3登板)。与四球率(BB/9)大幅な悪化(2025年:2.47→2026年:5.85)の要因を考える。際立ってノーコンではないけど初球ストライク率、立ち上がりの悪さが…

MLBヒューストン・アストロズ今井達也の出番がない。
8月からブルペン待機となったものの1か月でわずか3登板。
現地時間8月20日のLAエンゼルス戦でのリリーフ登板(3回57球2失点)以降、マウンドから遠ざかっている。
球団がイニング数によるインセンティブを払いたくないからという話も聞こえてきたが、その辺はよくわからない。
 
今井達也は今シーズン唯一興味を持って追いかけていた選手で、これだけ干される? と僕の観戦熱も下がる一方である。
 
とりあえず今月のリリーフ3登板を(後追いで)観た感想とともに、日本時代の成績と比較して苦戦の理由を考えていく。
 

リリーフ登板3試合。最初の登板はよかったけどその次はビミョい

リリーフの3登板を観た感想だが、とりあえず8月3日のブルージェイズ戦はよかった。
 
だがその後の2登板(ジャイアンツ戦、エンゼルス戦)は微妙。
8月12日のジャイアンツ戦は3回無失点と見た目こそいいが内容は被安打3、四球2とそこまでよくない。
特に最初の回(2回)は被安打1、四球2で2アウト満塁→内野ゴロで切り抜けたが相当際どかった。
 
8月20日のエンゼルス戦も同じく被安打3、四球2。
3試合9イニングで計11三振と奪三振能力は相変わらずだが、同時に四死球の多さも変わらない。
さらにイニングによってよかったり悪かったりの落差が激しい。
 
いわゆる“外れ”が出たときに立て直せないことが先発として信頼されない要因だと思われる。
 
8月の3登板でそこが改善した向上した感じもなく、シーズン前に「今井は時間がかかるかも?」と申し上げた通り(ブルペンに回されるとは思わなかったけど)の状況が続いている。
 
今井達也1回持たず降板。前回「チェンジアップを使えたのがよかった」「次回登板が楽しみ」ってほざいたのに笑 アストロズベンチも見切り時を把握したね
 

球速は変わらない。被打率も悪くない。奪三振率は良化。でも…

今井達也のここ数年の成績を振り返ると、
 
・2023年
まっすぐ平均球速の:150.4km
奪三振率:8.80
与四球率:4.13
被打率:.192
 
・2024年
まっすぐ平均球速の:152.7km
奪三振率:9.71
与四球率:3.64
被打率:.215
 
・2025年
まっすぐ平均球速の:152.1km
奪三振率:9.79
与四球率:2.47
被打率:.176
 
・2025年
まっすぐ平均球速の:152.7km
奪三振率:11.04
与四球率:5.85
被打率:.220
 
3年連続で二けた勝利を挙げた2023年から振り返ってみたが、まっすぐの平均球速自体は変わっていない。
 
被打率も2025年の.176から.220と悪化したものの、リーグ平均が.244なので優秀な部類。通用しているかしていないかで言えばめちゃくちゃ通用している
 
奪三振率の向上は日米の打者の傾向の違いが大きいと推察する(三振を怖がらずにゾーン内のボールをどんどん振っていく)。
 
今井達也、チェンジアップ解禁!! マーリンズ戦に先発、4安打1失点で今季6勝目。被打率の悪い左打者に効果的な球になれば。まっすぐも走っててよかったね
 

与四球率の大幅悪化。ここまで試合を作れないのは誤算だった

その中で燦然と輝く()与四球率5.85。
9回換算で四球をいくつ出すかのスタッツだが、今井の場合は2025年の2.47から5.85と2倍以上増えている
 
与四球率(BB/9)の目安は、
2.00未満:スペシャル
2.00~3.00:優秀
3.00~4.00:平均値
4.00以上:課題あり
という感じ。
 
今井はもともと荒れ球タイプで好不調の波が激しいピッチャーだが、2025年はここが大幅に改善した。
僕は「選手はコツを掴んだ年にMLBに行くべき」「今井の場合はそれが2025年」だと言い続けてきたが、スタッツもその通りの数値が出ている。
 
今井達也がポスティングでMLB移籍を目指す!! まあ当然ですよね。コツを掴んだタイミングで行くのがベスト。フィジカルと感覚がバチっと合ったピークの状態が続くのは3年?
 
ところがMLBに移籍した途端……。
 
まさかここまでノーコン化して、1回持たずにマウンドを降りるパターンが繰り返されるとは。
しかもナイスピッチングをして「きっかけを掴んだか?」と思った直後の登板にガタガタっといく。
これはアストロズも誤算だったのではないか。
 
少なくとも僕の中では大誤算だった笑
 

日米のゾーンの違い、打者の傾向が影響? 荒れ球タイプには今のMLBは厳しい環境

そして、以前から申し上げている通り日米のゾーンの違いも大きいと想像する。
 
NPBのゾーンはMLBに比べて横に広く、なおかつMLBでは今年からロボット審判によるチャレンジ制度(ABS)が導入された。
 
さらに上述の通り日本の打者は三振を嫌う? 傾向にある。
横に広いNPBのゾーンに助けられていたことに加え、多少コースから外れていても打者が手を出してくれる。
 
ぶっちゃけ今井の球威であればアバウトに投げていてもNPBでは大ごとにはならなかった。
だが打者のレベルが一段上がった&ゾーン外の球に手を出してこないMLBではそうはいかない。
 
今井のような荒れ球タイプにとって今のMLBは厳しい環境なのだろうと。
 

1人の打者に費やす球数が増加。9回換算で160球はやヴぁいよね

またこれも以前から指摘しているが、今井は打者1人に費やす球数が多い。
MLB移籍以降は深いカウントまでいくケースが目に付く。そのせいで“当たり”の日でも5回、6回でマウンドを降りてしまう。
 
アストロズ今井達也、4回80球を投げて2HRで6失点。球種の少なさとメジャーのゾーンの狭さが響いてる。やっぱり時間がかかるかもしれんね
 
球数を9回に換算すれば一目瞭然。
2023年:147.0球
2024年:145.7球
2025年:140.2球
2026年:158~162球(推定値)
 
日本時代から球数がかかるピッチャーではあったが、年々改善傾向にあった。
ところがMLB初年度でここが一気に悪化している。
 
 
投球全体の空振り率(SwStr%)は、
2023年:12.9%
2024年:14.4%
2025年:15.6%
2026年:13.8%
と依然として高い数値が出ている。
 
またMLBのみのデータだが、Whiff%(打者がスイングした数の中での空振り率):31.6%はめちゃくちゃ優秀(リーグ平均は24~25%)。
 
つまり、今井は球の質自体はMLBでも上位に位置する。バットに当てさせない能力はトップクラスということがわかる。
 

空振りを取る能力は高い。絶望的なノーコンというわけでもない。だったらなぜ?

もっと掘り下げると、
・ストライク率(Strike%)
2025年:65.4%
2026年:59.0%
 
本人のコメント通りボールやマウンド等の適応に苦しんでいるのだと思うが、ストライク率が6.4%低下した(100球中ボール球が6~7球増えた)だけでは与四球率2.47→5.85の説明はつかない。
 
・ストライクゾーンを通過した率(Zone%)
2026年:43.4%
リーグ平均:48.7%
リーグ平均が48.7%なので悪い方ではあるが、悪すぎるほどではない。
 
・ゾーン外のボールを打者がスイングした率(Chase%)
2026年:27.7%
リーグ平均:28.6%
ほぼ平均値。
 
・ゾーン外のボールを打者がバットに当てた率(hase Contact%)
・2026年44.3%
リーグ平均:57.9%
これはめちゃちゃ低い。
 
上記のスタッツでわかるのが、今井はゾーン内に投げ込む能力自体は低いが絶望的なノーコンではない。
またボールゾーンを振らせた際の空振り率は相当高い。
そして、ボール球を見逃されるケースがリーグ平均と比べて際立って高いわけでもない。
 

初球ストライク率の低さ、1-0になった際のBB%の高さが要因?

・ボール球を空振りさせる能力は抜群
・絶望的なノーコンではない
・際立ってボール球を見逃されているわけではない
2つ目、3つ目は個人的に意外だったのだが、ではなぜ与四球率(BB/9)が異様に悪いのか。
 
・初球ストライク率(1st Pitch Strike%):52.5%
・1-0のBB%(初球ボールだった与四球率):24.4%(推定)
・0-1のBB%(初球ストライクだった与四球率):5.6%(推定)

 
上記によると、今井は約5割の確率で初球がボール(MLB平均61.2%)になる。
これは100打席あれば
・MLB平均
→ 約61打席で0-1
→ 約39打席で1-0
となるのに対し、
 
・今井
→ 約53打席で0-1
→ 約47打席で1-0
 
平均的な投手よりも8打席多く「1-0」からスタートしており、その状況になると約4回に1回の割合で四球を出す(1-0後のBB%が24.4%)。
 
上述の通りボール球を空振りさせる能力は抜群に高い。
ところがゾーンの厳格さ、ボールを振らない打者の傾向により“ボール球を振らせてカウントを整える”今井の持ち味がMLBでは発揮しにくくなっている。
なおかつカウント管理が絶望的に下手(初球ストライク率の低さ、1-0後のBB%の高さ)という。
 
これれがリーグトップクラスに三振を取れる(K/9:11.04)が、四球率は最下層(BB/9:5.85)という両極端なスタッツの中身である。
 
今井達也は負の部分が全部出てる。思い通りにならないと不貞腐れる、投げやりになるあの感じ。村上宗隆の爆発は完全に予想以上。岡本和真は今のところ期待値を下回ってるけど…
 

Advertisement

 

立ち上がりの悪さとふた回り目での苦戦も一つの容易かも。それを是正するためのリリーフ登板は理にかなってるけど…

今井の被打率は全投球の被打率.220に対し、
1回の被打率:.296
3回の被打率:.319
1番打者の被打率:.357
となっている。
 
以前から申し上げていたが、今井はふた回り目(3回り目だっけ?)に苦戦する印象。
3回の被打率.319からもそれがわかるのではないか。
 
また1回の被打率.296、1番打者の被打率.357を見ると立ち上がりの悪さが際立っている。
これもBB/9%の悪化に拍車をかけていると思われる。
 
ヒットはあまり打たれないのに自分からランナーを出す。
試合の入りや、打者が対応を作ってくる局面でカウントを不利にしてしまう。
 
これらを是正するためにショートイニングを全力でいくリリーフは確かに理にかなっている。
すべてのリリーフ登板で3回を投げていることの説明も一応つく。
 
今井達也、6回2安打10奪三振無失点で5勝目。スライダーがよかった。落ちる球がほしいと言い続けたけどスライダーがあれだけクネクネすれば十分。制球が安定したのも大きい
 
まあ、実際にチームがそんなことを考えているとは思えないが。
 
8月の登板数を踏まえれば、
「先発として信頼を失った」
「本人の承諾なく3Aに落とせない」
「いきなり崩れるピッチャーはリリーフとしても使いどころが難しい」
というのがファイナルアンサーだと想像する。
 
開幕前に今井の目安は菅野智之の1年目(10勝10敗、防御率4.64)と申し上げたのはそこまで的外れではないと思っているが、試合を作る能力には雲泥の差があった。
 
今井達也、村上宗隆、岡本和真のMLB1年目の成績AI予想。かなり納得感のある数字だけどどうすか? 今井には期待してるけど若干過大評価。案外村上よりも岡本の方がやりそうな気が…
 
アストロズのコーチ招へいがどこまで今井の改善に役立つかはわからないが、何かのきっかけになれば……。


 

Advertisement

 
大谷翔平背番号17 野球 Tシャツ ジャージ ユニフォーム 野球ユニフ半袖
 
侍ジャパン 番號18 山本 由伸 野球応援 フェイスタオル
 
今永昇太のピッチングバイブル