サンタクルス初黒星!! ジャッカル・フランプトンに判定で敗れる!! え? 117-111? そんな大差の試合だったか?【結果】

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ジャッカルイメージ
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2016年7月30日(日本時間31日)に米・ニューヨークのバークレイズ・センターでWBA世界フェザー級タイトルマッチが行われた。
挑戦者カール・フランプトンが王者レオ・サンタクルスを2-0(117-111、116-112、114-114)の判定で下し、王座を獲得。これでS・バンタム級と合わせて2階級制覇を達成した。

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体格的な不利をものともせずに王者レオ・サンタクルスと真っ向から打ち合ったフランプトン。2Rには左フックをカウンターでヒットしてぐらつかせるなど、戦前の予想を覆す勝利をもぎ取ってみせた。

これで戦績を23勝14KO無敗とした英国の雄はスーパースターへの階段をまた一歩進んだ。

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不利の予想を覆すフランプトン勝利!! フィジカル的にはそんなに差はないと思っていました

フランプトン勝利!!
でも意外なほど大差をつけたジャッジがいたな。

まず試合を観た感想を申し上げると、「さすがフランプトン」といったところだろうか。

試合が終わってから知ったのだが、この試合は多くの方がサンタクルス有利を予想していたとのことである。
体格的に差があり過ぎる。サンタクルスがグイグイ前に出てフランプトンをねじ伏せるのではないか。フランプトンはサンタクルスのプレスから逃げきれないのではないか。

だが、思った以上にフランプトンのフィジカルが強く、サンタクルスが前に出続けることができなかった。最終的には至近距離でのパンチの回転力でフランプトンがサンタクルスを上回った。

そんな感じで、サンタクルスが体力勝負で押し切れなかったという感想が多いようである(違ってたらすみません)。

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ただ、僕は案外両者にはフィジカル差がないような気がしていた。
前回の予想記事でも申し上げたように、階級アップ後のサンタクルスはなかなかのパワーの目減り感を見せている。フェザー級ですでに3戦しているにもかかわらず、いまだに完全になじんでいるようには見えない。

「サンタクルスとフランプトン予想!! 身長と体格のサンタクルスに高速コンビネーションのフランプトンか?」

S・バンタム級でも身体が小さいフランプトンなら体力で押し切れるだろうと思われていたようだが、正直そこまで差を見せつけられるほどの破壊力はないだろうと思っていた。

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そして、結果的にはその通りだったのではないだろうか。
フランプトンのフィジカルがすごかったというより、単純にサンタクルスがパワーレスだったのだと思う。

といっても、さすがに117-111はないけどね。

サンタクルスの前進を正面から受け止め、手数勝負に持ち込んだフランプトン

試合開始直後の1Rは大方の予想通り。サンタクルスがプレッシャ―をかけてフランプトンが距離をとる展開である。
だが、フランプトンはサンタクルスの前進をさばききれず、鼻先にパンチを被弾して顔を跳ね上げられてしまう。思った以上に伸びるサンタクルスのパンチ、そして距離の遠さに戸惑ったのではないだろうか。

2Rに入ると意外なことが起きる。
フランプトンが自分から前に出てサンタクルスと打ち合い始めるのである。
サンタクルスの打ち終わりを狙って得意のコンビネーションを打ち込み、サンタクルスが後退したところでさらに追い討ちをかける。

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サンタクルスの踏み込みが浅くなったところに左のショートフックをカウンターでヒット!!
よろけたサンタクルスがロープにもたれる!!

ロープ際でコンビネーションを打ち込むフランプトンだが、深追いはしない。
サンタクルスが距離をとり、再びリング中央で対峙。

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今回の試合のターニングポイントはここだった。
1Rにプレッシャ―をかけていたサンタクルスは、このラウンド以降も同じ作戦でいく予定だったはずである。だが、フランプトンの予想外の反撃に出足が止まってしまったのである。恐らく思ったよりもフランプトンの圧力が強かったのだろう。3R以降、距離を詰めるか離れるかの選択に迷いが生じてしまった。

「ゲイリー・ラッセルvsエスカンドンが楽しみすぐる。両方めちゃくちゃいい選手ですよねこれ?」

対するフランプトンの作戦は距離をとっての持久走。
1Rの動きを見れば、サンタクルスと正面衝突するのは危険だと考えていたのは想像に難くない。

だが、フランプトンは初回を終えたところで路線を変更する。
「あれ? そうでもねえな。これは前に出てもいいんじゃないか?」

体格的に不利なサンタクルスとまともに打ち合うのは危険だと思っていたが、いざ対峙してみるとそこまででもない。何発か被弾はしたが、あまり効いていない。

もともとパンチのスピードには分がある。
なおかつプレッシャ―もそこまで感じない。
だったらいけるんじゃないか?

1Rを終えたところでそう判断したのだろう。

その後のラウンドは見ての通りである。
サンタクルスは覗き見ガードでにじり寄り、距離を詰めての連打。
フランプトンは時おり出入りを繰り返しながらサンタクルスの連打にコンビネーションで対抗するという構図である。

至近距離での打ち合いはほぼ互角。だが、パンチの軌道が外旋回であるサンタクルスに対して、インサイドを最短距離で飛んでくるフランプトンのパンチが精度は上回っていた。

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終盤の11Rにサンタクルスがカウンターを何発かヒットしたが、タイミングを掴むのが若干遅かった。もう少し早いラウンドからあのカウンターが出ていれば展開は変わっていたのかもしれない。
まあ、それも自分から圧力をかけてサンタクルスの迷いを誘ったフランプトンがうまかったとも言えるのだが。

毎回言っているように僕はフィジカル至上主義者なのだが、今回もフィジカル的な差で勝敗が決した試合ではないかと思う。

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といっても、さすがに117-111はないが。

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会場の空気を自分のものにするフランプトンのカリスマ性は辰吉丈一郎的

フランプトンの試合を観るたびに思うのだが、この選手のカリスマ性というか観客の心を掴む力というのは本当にすごい。両者にそこまで明確な差があったわけではないのだが、会場の雰囲気を自分のものにして何となく自分が勝っている感じを出してしまうのである。

それが顕著だったのが11R。
ポイント的には非常に微妙で、僕はサンタクルスだったと思っているのだが、公式ジャッジでは2人がフランプトンを支持している。

ラウンド終了間際にコーナーからスルッと身体を入れ替え、ゴングと同時に手を挙げてガッツポーズを作る。観客は総立ちで盛り上がり、会場はフランプトン一色になる。

この選手には持って生まれた華があるのだろう。
会場のジャッジがあの空気感に引っ張られていないとは決して言いきれない。
どことなく辰吉丈一郎と同種の雰囲気を持った選手である。

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それでもやはり117-111は開き過ぎだとは思うけど。

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フェザー級でいくならゲイリー・ラッセルJr.でしょ。S・バンタム級でリゴンドー? いや、アイツは別にいいよ

サンタクルスとのビッグマッチに勝利し、2階級制覇を達成したフランプトン。
今後はどのような路線でいくのだろうか。スコット・クイッグ、レオ・サンタクルスというマッチメークを見ると、ビッグマッチ路線にあまり躊躇がないタイプに思えるのだが。

「クイッグがフランプトンに敗れる!! 英国スター対決は凡戦の末にフランプトンに軍配が上がる」

これからもフェザー級でいくのであれば、とりあえずの標的はゲイリー・ラッセルJr.だろうか。両者ともに防衛戦を1度ほど挟んで2017年初めころに実現してくれれば最高である。何となくラッセルが勝ちそうな気がするが。もしくはオスカル・バルデス戦でもいいな。というか、その前にサンタクルスとの再戦か?
まあ、どうなるかはわからないが。

「ゲイリー・ラッセルがロマチェンコに熱烈片思い? ハイランド戦を2RTKOで圧勝防衛!!」

とりあえずS・バンタム級に戻してのリゴンドー戦というのだけは止めていただきたい。
今回の試合を観て、フランプトンがリゴンドーに勝てないのはさらにはっきりしたし、第一アイツの試合はクソつまらない。どうかこのままリゴンドーはシカトし続けて、蚊帳の外でビッグマッチを開催していただきたいと思う。
ギジェルモ・リゴンドーが大嫌いな人間の自分勝手で切なる願いである。

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