マイキー・ガルシア(ミゲル・アンヘル・ガルシア)復活!! ライト級戦線の主人公が戻ってきたぞ。エリオ・ロハスに圧勝して健在アピール。でもやっぱり内山戦観たかった【結果】

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2016年7月30日(日本時間8月1日)に米・ニューヨークにあるバークレイズセンターで、元2階級制覇王者のマイキー・ガルシア(ミゲル・アンヘル・ガルシア)の復帰戦が行われた。

ここまで34勝28KO無敗の戦績を残しながら、契約問題によるブランクで今回が約2年半ぶりの試合となったマイキー・ガルシア。
そして、対戦相手はこちらも約2年のブランクから開けたエリオ・ロハス。2009年に日本の粟生隆寛を敗り、WBC世界フェザー級王座を獲得した強敵である。

お互いが階級をアップし、S・ライト級契約で行われた今回の試合は、開始直後からマイキーがパワーで終始ロハスを圧倒し、老獪なロハスから合計4度のダウンを奪う。最終的に5R2分2秒でマイキー・ガルシアがTKOに下し、復帰戦で勝利を収めた。

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切れ味鋭いパンチとパワーの健在ぶりを見せつけたマイキーは今後、1階級下のライト級を主戦場にするとのこと。アンソニー・クロラやホルヘ・リナレス、テリー・フラナガンなど、各団体の王者との一騎打ちが期待される。

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マイキー・ガルシア健在!! パワーもアップしてめちゃくちゃいいじゃないっすか

マイキー・ガルシア復活KO勝利!!

待望の復帰を果たしたボクシング界のスター候補、マイキー・ガルシアが満点の出来で勝利を飾った。

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僕自身、結果は知っていたもののなかなか観ることができず、先日ようやくWOWOWエキサイトマッチで視聴した次第である。
 
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試合の率直な感想を申し上げると、「マイキー健在」といったところだろうか。

パンチの切れ味や積極的な追い込みなど、2年半のブランク明けでも特に問題なし。強敵のロハスを相手に格の違いをきっちり見せつけての快勝である。
特に階級アップによるパワー面の優位性は顕著だった。あの標的が数歩後ろにいるような貫通力と切れ味はそのままで、パンチ力と身体全体の力強さがワンランク増した印象である。

以前は相当無理してS・フェザー級のウェイトを作っていたと聞くし、もしかしたらマイキー・ガルシアにとっての適正階級はS・ライトなのではないかとも思ってしまった。

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やりにくい選手代表格のロハスはアムナット的な狡猾さがあるベテラン

今回の対戦相手であるエリオ・ロハスは33歳のベテランだが、間違いなしの実力者である。

長い腕と柔らかい上半身を巧みに使い、絶えずポジションを変えながら相手の出方をうかがう。独特のタイミングで打ち込むパンチは距離も長く非常に避けにくい。

特に得意の右ストレートは軌道の途中でいきなり伸びるイメージで、妙な当て勘もある。今回の試合でもマイキーの顔面を幾度か捉えるシーンがあり、そこまでスピードはないのになぜかもらってしまうという類のパンチである。

2009年の粟生戦でもサウスポーの粟生の顔面を幾度も捉えたロハスの右。今回の試合を観て改めて思ったが、長谷川穂積の劣化版である粟生との相性は確かに悪そうである。

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また、長い腕と柔らかい上半身は防御面にも活かされており、マイキーの硬質なパンチをもらってもうまくダメージを逃がすことができる。
ピンチの際には腕を巻きつけて相手の動きを封じたり、あえて自分から倒れて攻撃を寸断するなどの狡猾さも持ち合わせている。

そして、ダーティなテクニックを見せた後に「え? 何がいかんの?」「別にルール破ってねえし?」と、何食わぬ顔を見せる憎たらしさ。この辺は若干アムナット・ルエンロエンとも共通する部分がある。

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まあ、ひと言で言うと非常にやりにくいタイプというヤツである。

ちなみに僕はロハスやアムナットのように、勝つために手段を選ばない、スポーツマンの風上にも置けないようなタイプが大好きであるww
サミュエル・L・ジャクソンを畜生顔にした面構えもまた憎たらしくていいww

後楽園ホールなどではめちゃくちゃ嫌われそうな気はするが。

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いつも通りプレッシャーをかけるマイキーがロハスにアウトボクシングをさせない

持ち前のパワーと積極性でぐいぐい前進し、プレッシャーで相手を下がらせコーナーに追い込む。
じわじわと距離を詰め、貫通力の高い拳を内側から最短距離でねじ込む。相手を精神的にも肉体的にも疲弊させておき、最後は至近距離で切って落とす。

試合展開としては、基本的にこれまでのマイキーの試合そのままである。

あまり連打が続く方ではないが、とにかく一発のパンチのキレがすごい。
ガードを上げて小刻みにリズムをとりながら前進し、細かいフェイントを織り交ぜ切れ味鋭いジャブで組み立てる。まさしくオールドスクールといった様相で、観る者を魅了するカリスマ性とわかりやすさを持った選手である。

2014年時点と変わりないマイキーの姿に安心した方も多いのではないだろうか。

対するロハスはリーチ差を活かして距離をとるアウトボクシング。
長い左でマイキーを牽制し、自分のパンチだけが当たる距離から得意の右を叩き込む作戦である。

だが、残念ながら結果は見ての通りである。

左をいくら出してもマイキーの圧力を防ぐことができず、厳しいプレッシャーにさらされコーナーに追い詰められる。
やむなく右を出しながら飛び込み、腕を絡めて苦し紛れのクリンチ。ブレーク後にリング中央に戻ってやり直し。
 
「マイキー・ガルシアvsブローナー決定!! マジかよスゲー試合だよこのマッチメイク。体重超過あり?」
 
つまり自分のタイミングで右を出しているのではなく、出さざるを得ない状況というヤツである。
恐らくこの試合はロハスのプランの中でも最悪の展開だったのではないかと思う。

カウンターを狙い過ぎるあまり相手に追い込まれてしまうフェリックス・ベルデホの試合を連想してしまったのだが、どうだろうか。

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3Rの残り38秒辺りで、ロハスがこの試合2度目のダウンを喫するのだが、実質勝負はあそこで決まったと言っても過言ではない。
1度目のダウンからの流れを変えようと勝負をかけたロハスが、逆にマイキーのパワーにねじ伏せられてしまったダウン。ロハス陣営にとっては絶望感漂うダウンだったのではないだろうか。

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正直、体力的な面で言えばロハスはまだまだ余力を残していたと思う。
立ち上がった後もピンピンしていたし、5Rのダウン後もそこまで深いダメージを負った感じはしない。マイキーの強打を持ち前の狡猾さでその都度吸収していたのである。

ただ、「このままやっても勝てない。ちょっとモノが違う」という精神的ダメージの方が甚大だった。
今後のキャリアを考えれば、これ以上続けることは得策ではない。今夜は自分の夜ではなかった。そんな判断を下した上でのギブアップだったのではないだろうか。

ダウンに悔しがるそぶりを見せながら、長期的な視点で自分のキャリアを考察する。諦めの感情をオブラートに包んで「俺は負けてない」という雰囲気を出しつつリングを降りる。そんなところもさすがのロハスさんであるww

真正面から衝突するパワーボクシングだけにカウンターをもらいやすい側面がある? やっぱり内山高志戦は観たかった

2年半のブランクをものともせず、強豪ロハスを下したマイキー・ガルシアだが、あえて懸念材料を挙げるとすればやはりディフェンス面だろう。

ガードを上げてプレッシャーをかけ、殺傷力の高いパンチを打ち込んでいく。コーナーに追い込み、一発で切って落とす。
このスタイルは非常にわかりやすく魅力的だが、いかせんあまりに真っ向勝負過ぎる面がある。どこかフェリックス・トリニダード的というか、カウンターをもらって仰向けにコテンと倒される可能性は決して低くないのではないだろうか。

現に今回の試合でも、ガードの間からロハスの右を被弾するシーンが何度か見られている。
もう少しパワーがあり、マイキーの強打を恐れず飛び込む勇気を持った相手であれば、もしかしたら別の展開になっていたのかもしれない。

そういう意味でも、やはり僕は内山高志との一騎打ちを観たかった。
オールドスクールなマイキー・ガルシアと、圧倒的な強さに引き出しの多さを兼ね備えた内山高志の大一番。間違いなく小細工抜きのメガマッチになっていたと思う。

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まあ、今となっては臨むべくもないのだが。

マイキー・ガルシア、ライト級戦線に殴りこみ。ズラチカニン狙いって相当ヤバいな

いや、たまりませんねマイキー・ガルシア。
しかもライト級?

王者以外にもいい選手がいっぱいいるし、誰と絡むことになってもワクワクできそうである。
アンソニー・クロラに負けたイスマエル・バロッソとか、僕の好きなランセス・バルテレミとか。

そして、近々S・フェザーでやることがなくなるであろうロマチェンコもいる。

「ロマチェンコがゴロフキン化? マルティネスに手も足も出させず完勝!! アカンわこりゃww」

果たしてマイキーにはこの面々の中で主役になれるだけの実力があるのだろうか。

しかも噂によるとWBC王者のズラチカニンを狙っているとか。

マジかおい。
それはかなりの冒険なんじゃないのか?
ああいうタイプはバルテレミに任せておいた方がよくないか?

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まあ、だからこそ観てみたいというのもあるのだが。

今後マイキーがどのような路線でいくのかはわからないが、ライト級の面々を見る限りガチ路線だと相当厳しいキャリアになるだろう。
だが、そこは「帰ってきたヒーロー、マイキー・ガルシア」。ぜひともがんばってもらいたい。

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