ロマゴンvsクアドラス? クアドラスに勝ち目あるか? 判定までいけば上出来でしょ。ロマゴンのプレッシャーから逃げきれるわけない【予想】

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ローマフォーラムイメージ
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2016年9月10日(日本時間11日)、米カリフォルニア州イングルウッド、ザ・フォーラムでWBC世界S・フライ級タイトルマッチが開催される。

「怪物ロマゴンも人間だった? クアドラスを判定で下して4階級制覇達成!! キャリア最大の苦戦」

王者カルロス・クアドラスにWBC世界フライ級王者ローマン・ゴンサレスが階級をアップして挑戦する一戦。PFP最強の無敗王者がかねてから目標としていた4階級制覇に向けて始動する。

また、期待される日本の井上尚弥との一戦も見据えた階級アップとも言われ、軽量級最強を決める戦いがますます白熱の様相を呈している。

「名前で損してるぞペッチバンボーン。そんなに悪い選手じゃないような…。勝つのは井上尚弥だけど」

勝敗予想はロマゴンの10RKO勝利。さすがに今回ばかりはクアドラスは厳しいでしょ

今回は最初に勝敗予想から。
ロマゴンの10RKO勝利。これでいきたいと思う。

「ローマン・ゴンサレスvsカルロス・クアドラス戦決定!!」
「クアドラスの再三の挑発により、ロマゴンが当初の予定よりも早くS・フライ級への挑戦を決めた」

この報道を聞いた際、僕がまず思ったのが、
「クアドラスってこんなに自己評価の高いヤツだったのか」

正直、江藤光喜を相手に苦戦しまくったクアドラスがロマゴンに勝てるわけがない。クアドラスとは実質2階級の差があるとはいえ、あのフットワークでロマゴンの千手観音のようなコンビネーションとプレッシャーをさばききれるとは思えない。
ロマゴンの調子が普通なら終盤のKO負け。判定までいけば大健闘といったところではないか。そんな風に思った次第である。

「江藤、クアドラスの牙城を崩せず大差判定負け!!」

そして、実際に両者の過去の試合を観直してみたところ、やっぱりロマゴン圧倒的有利は動かない。試合後半9〜12RのどこかでKO勝ちするのではないかと思ったわけである。

クアドラスは才能のあるいい選手だが、ロマゴンはレベルが違う

まず申し上げておきたいのだが、僕はクアドラスのことを嫌いでもないし、非常に才能のあるいい選手だと思っている。

足も速くハンドスピードもある。
一瞬で距離を詰めてコンビネーションをまとめ、パッと離れる。左ボディを含むコンビネーションは迫力があり、場面場面で強気に打ち合うことも辞さない。しかもここ数年は円熟味が増しており、試合の流れや状況によって攻防の使い分けもうまくなっている。
風格はまだまだ足りないが、無敗王者として十分な実績を積み重ねている選手である。

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ただ、残念ながらロマゴンには敵わない。
クアドラスは才能豊かな選手であることは間違いないが、正直、ロマゴンとはレベルが違い過ぎる。

今回の試合を予想する際、とりあえず観たのが2015年4月のルイス・コンセプション戦である。そして、実質それで十分だった。

勝つのはロマゴン。
以上!!

そんな感じで早々に結論が出てしまったのである。

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先行逃げ切りタイプのクアドラスだが、ロマゴンが相手じゃ先行すらできないんじゃ?

クアドラスの最も得意とするスタイルは先行逃げ切り。
試合序盤にスピードとフットワークで主導権を握り、大量リードを奪う。中盤から後半にかけて失速を見せるが、要所要所でカウンターをヒットしてペースだけは渡さない。中盤以降は一進一退のシーソーゲームが続き、結果的には序盤のリードが効いての判定勝利。こんな感じで、毎試合クタクタになりながらの防衛を果たすのである。

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僕の観たルイス・コンセプション戦や日本で行われた江藤光喜戦もこのパターンで、前半は持ち前のスピードと出入りで翻弄し、後半はボディを効かされてグダグダになりながらも何とか逃げ切るというお決まりの展開を炸裂させている。

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だが、このスタイルがロマゴンに通用するとはとてもじゃないが思えない。
あのスピーディな出入りとコンビネーションとやらがロマゴンに通用するのか、そして後半の失速をロマゴンが見逃してくれるわけがないだろうというのが主な理由である。

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ルイス・コンセプションは攻防分離気味のスタイルで、なおかつ射程距離も短い。パワフルなパンチを出すにはじっくりと距離を詰めて、自分の間合いまで近づく必要がある。加えて上半身が固くガードも甘い。
そのため、クアドラスの出入りについていけずに再三パンチを被弾し、結果大差判定負けを喫してしまった。

江藤光喜も同様、追い足と身体全体のフィジカルのなさが響いてクアドラスのスピードについていけず、最後まで捕まえることができなかった。

ただ、そんな中でも両者とも盛大にボディを効かせ、試合後半には一進一退の攻防に持ち込んでいるのである。そして、江藤光喜に至っては「あと一発いいのが入れば」と思わせるほどの大健闘を見せたのである。

そう考えると、やはり今回の試合はロマゴンが勝利すると言わざるを得ない。
侵入経路を先回りするプレッシャーは江藤の比ではないし、ルイス・コンセプションのような攻防分離のぎこちなさもない。腕が6本あるのではないかというコンビネーションをジグザグに距離を詰めながら打つことができ、シフトウェイトでパンチの芯も外す。
ひとたび相手が動きを止めれば小さなサイドステップで角度を変え、おまけにクアドラスの弱点とされるボディを得意としている。

何から何まで絶望感しかない。
恐らく前回のアローヨ戦よりも残酷な試合になるのではないだろうか。

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クアドラスが勝つとすれば持久走作戦か? 体格差もあるし、致命傷を負うことはなさそう? いや、無理か

唯一懸念材料があるとすれば実質2階級差がある骨格の違いだが、よくよく調べてみるとロマゴンの身長が160cmに対してルイス・コンセプションは157cm。クアドラスと対峙してもあまり体格差を感じなかったルイス・コンセプションよりも実はロマゴンの方が背が高いのである。
まあ、身長だけで判断するものでもないし、BoxRecの情報なのでどこまで正確かは定かではないが。

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とはいえ、ロマゴンは前回のマックウィリアムス・アローヨ戦も体格的なハンディを背負った上で圧勝していたし、そこまで心配することもないのかなと思っている。

逆にクアドラスが有利な展開に持ち込めるとすれば、左のリードがロマゴンに通用した場合だろうか。
遠い距離から大きく踏み込み、左をガードの隙間から通してすぐに離れる。コンビネーションで勝負せず、パンチは常に1、2発の単発のみ。足を使ってロマゴンの周りを回り続け、12Rにわたって持久走勝負に徹する。

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体格差もあるので、まともにもらわなければKOされることはない。ひたすら単発の当て逃げでポイントアウトを狙えば、もしかしたら勝利が転がり込むかもしれない。

いや、無理か……。
クアドラスにそんな芸当ができるわけがない。

最も参考になるのが隠れ名勝負と言われる2009年のロマゴンvs高山勝成戦だろうか。
ただ、クアドラスには高山のように激しく動きながらしっかりとコンビネーションを打ち込むほどのバランス感覚はない。しかもその高山でさえ10R以降は足が止まり、打ち合わざるを得ない状況に追い込まれているのである。
体格差があるとはいえ、毎回様式美のような失速を見せるクアドラスがフルラウンド走りきれるわけがない。

足が止まったところに半身をずらされて左ボディ。身体をくの字に曲げた瞬間に猛ラッシュにさらされ、ロープ際で棒立ちになったところでストップ。何となくそんな結末が待っているような気がするのだが、どうだろうか。

S・フライ級での試運転で、いきなり難敵のカルロス・クアドラス。
そして、日本のファンが期待する井上尚弥との一騎打ち。
文句なしのPFP最強ローマン・ゴンサレスの快進撃はまだまだ続きそうである。
※前回のアローヨ戦は相当体調が悪そうだったが、今回はどうなるか。

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