消耗戦ゴルァw ヒルベルト・ラミレスvsジェシー・ハート。フラッフラで打ち合う疲労感満載の壮絶なシーソーゲーム【結果・感想】
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2017年9月22日(日本時間23日)に米・アリゾナ州で行われたWBO世界S・ミドル級タイトルマッチ。王者ヒルベルト・ラミレスが同級1位ジェシー・ハートと対戦し、3-0(115-112、115-112、114-113)の判定で勝利を飾った試合である。
オーソドックスのハートが足を使って距離をとり、サウスポーのラミレスがガードを上げて追う展開。
序盤からハートの動きを捉えたラミレスが2Rにダウンを奪い、試合を有利に進める。
対するハートは、続けざまのボディによって深いダメージを負うものの、あきらめずに間合いの見極めに集中。1発ずつカウンターを返し、何とか流れをつなぎ止める。
的確なカウンターで序盤の劣勢を盛り返したハートに対し、中盤以降、出足が鈍ったラミレス。被弾が増え、試合は一進一退の様相を呈する。
疲労困憊ながらも一歩も引かない両者。
最後はお互いにもたれるような打ち合いが続き、終了のゴングを聞く。
そして、前半のリードを何とか守りきったラミレスが2度目の防衛を果たした。
「リナレスはキャンベルに二度と関わるなww 2-1の判定でスレスレ勝利。危ない試合だった。再戦したら負けるんでない?」
一番楽しみにしていた試合がこのラミレスvsハート戦。ヒルベルト・ラミレスは僕のお気に入りの1人でございます
ヒルベルト・ラミレスvsジェシー・ハート。
先週末、僕がもっとも楽しみにしていたのがこの試合である。
そして、実際に一番楽しんだのもこの試合。
メインのオスカル・バルデスvsジェネシス・セルバニア戦に注目が集まっていたが、どちらかというと僕にとってのメインはこの試合だった。
まず、何と言ってもヒルベルト・ラミレス。
確か2014か2015年にWOWOWエキサイトマッチで観て以来、ちょいちょい動向を追いかけていた選手である。
身長189cm、リーチ191cmという大柄な体格ながら、なぜかインファイトを得意とする。
リーチが長く、歩幅も大きいために中間距離での打ち合いがそのままインファイトになるという、不思議な特徴を持った選手である。
やっぱり、身体が大きいというのはそれだけで才能ですよね。みたいな。
しかも試合を通してペースを崩さず、常に自分に有利な展開を保ち続ける試合巧者。別の言い方をするなら決定力、爆発力不足というヤツで、この辺は僕の好きなウィリー・モンローJr.とも共通する。
塩分濃度の高めな癒し要素満載ピースフルファイター。それが僕の考えるヒルベルト・ラミレスという選手であるww
「サンダースvsウィリー・モンローJr.とかいうアラサー大男2人のお見合いが36分間続く地獄。俺がリゴンドーを嫌いな理由がコレですよww」
ジェシー・ハートは長身のアウトボクサーだが、フィジカルの弱さが目立つオーソドックス。この選手の塩分濃度もなかなかいいねww
対する挑戦者のジェシー・ハート。
この選手は身長191cm、リーチ197cmと、長身のラミレスをさらに上回る長身を誇る。
長いリーチを活かした左で距離をとり、相手の踏み込みに合わせて右のカウンターを叩き込む。
また、腕を鞭のようにしならせるように打つフックと左右へのステップで距離をキープし、遠い位置で釘付けにする。
まさしくアウトボクサーという言葉がピッタリの選手である。
ただ、ディフェンス面はやや身体能力に依存する面があり、足運びも頼りない。
過去の試合をいくつか観たところ、身体能力は高いがフィジカル面が弱い。これだとステップを封じられて懐に入られた場合に脆さを露呈するのではないか。
だいたいそんな感じの印象を受けていた。
「ヒルベルト・ラミレスvsカーペンシー感想。ラミレスはこの階級でも活躍できる?」
なので、展開予想としては、ラミレスの追い足がハートに届くか。懐に入られた際にハートがどれだけ耐えられるか。
だいたい7-3くらいでラミレスが有利かな?
また、この塩分濃度の高い両者なら、さぞ優しい世界が堪能できるのではないかと考えていた次第であるww
ラミレスがとんでもないパンチでハートをダウンさせる。すげえカウンターだなオイ。ってか、何ダウンとってんだよww
とりあえず、試合展開としては概ね予想通り。
ジェシー・ハートが左右に動いて距離をとり、それをヒルベルト・ラミレスが追いかける流れ。
そして、ハートはラミレスのプレスから逃げ切ることができず、あっさりインファイトに持ち込まれる。
懐に入られボディを山ほど打たれ、顎が上がったところにフックを被弾。
ラミレスのスムーズなコンビネーションにハートは対応しきれず、劣勢を強いられる展開である。
「エリクソン・ルビンvsジャーメル・チャーロ予想。覚醒したチャーロ弟か、期待の新星ルビンか。チャーロ弟がドネアとか井上尚弥っぽい」
特に、2Rのダウンシーンはすごかった。
ハートの左フックにラミレスがコンパクトな右を合わせる。
ハートの外旋回のフックの内側をラミレスの右が突き抜け、見事にカウンターで顔面にヒット。追撃の左で、押し倒すようにダウンを奪う。
あの一瞬、僕には何が起きたのかがまったくわからなかった。
「あれ? 何でハートがぶっ倒れてんの?」
「足でも引っかかったか?」
まあ、ハートのピヨり方を見れば、パンチによるダメージというのは一目瞭然なのだが。
とにかく、その瞬間はなぜハートが倒れたのかがわからず、ラウンド間のスローでビックリしたという流れである。
おおう、さすがヒルベルト・ラミレスだな。
というか、何ダウンとってんだよww
ピースフルファイターでも何でもねえじゃねえかww
野蛮なことしてんじゃねえよww
「近藤明広がリピネッツを圧倒しながら惜敗。試合は支配してたけど、手数とヒット数がまったく足りず。やってしまいましたなぁ」
序盤の劣勢を盛り返したハート。カウンターのタイミングを掴み、ラミレスの前進をストップする
ダウンのダメージでピヨりまくるハート。
対するラミレスは積極的に距離を詰め、執拗にボディを叩いてハートをロープ際に追い詰める。
このままラミレスが勝利まで突っ走るか、一方的な展開で終わるかと思われたこの試合。
だが、後半8Rから流れが変わる。
これまで防戦一方だったハートが、ラウンド序盤から力を込めたパンチでラミレスの前進をストップ。
左を出しつつラミレスの右サイドに回り、ラミレスの左に右を被せる。
至近距離ではラミレスの腕をつかんでコンビネーションの発動を抑え、スペースを確保してカウンターを叩き込む。
前半から前進し続けたせいか、明らかな失速が見られるラミレス。これまでのように懐でもみ合う展開に持ち込むことができない。
逆に打ち終わりを狙われ、身体が流れた瞬間に強烈なカウンターを被弾して後退する。
「激戦のアレクサンダーvsベルト。思った以上におもしろかったし、思った以上に泥試合だった」
カウンターのタイミングを完璧に掴んだものの、疲労とダメージで思うように足が動かないハート。
前に出てプレスをかけたいが、疲労とダメージで距離を詰められないラミレス。
疲労困憊の両者による壮絶な消耗戦。
塩分濃度高めのピースフルな意地の張り合いww
そうそう。
僕はこういう試合が観たかったんですよww
お互いの意地と意地がぶつかり合う大接戦。
両者一歩も引かない打ち合いに、場内からも歓声が沸き起こる。
だけど、なぜか癒されるww
これぞ優しい世界ww
ウィリー・モンローJr.vsビリー・ジョー・サンダース戦にも匹敵するアロマテラピーであるww
個人的な印象としては「強化版亀田興毅vs劣化版レイモント・ピーターソン」。いや、おもしろい試合でしたね
癒し要素満載の激闘の末、ラミレスがハートを退けたこの試合。
全体的な印象を申し上げると、
「強化版亀田興毅vs劣化版レイモント・ピーターソンだったな」
え〜、わかりにくくて申し訳ないww
一応申し上げておくと、強化版亀田興毅がヒルベルト・ラミレスで、劣化版レイモント・ピーターソンがジェシー・ハートである。
高いガードをキープし、プレスをかけてスムーズなコンビネーションにつなげるラミレス。攻撃的な亀田興毅というか、L・フライ、フライ級までの亀田興毅に近い気がする。自分の体格を活かせていた頃の亀田興毅っぽいイメージである。
そして、ジェシー・ハートのフィジカルの弱さや下半身の不安定さ。
パンチを打つたびに身体がぶれ、左右へのステップも頼りない。
身体能力は高いが、コンタクトにすこぶる弱い。
風貌も含めてレイモント・ピーターソンと印象が被るのだが、全体的な脆弱っぷりはあの選手をはるかに下回る。マジな話、なぜ22勝のうちKOが18もあるのか不思議なくらい。
「【優しい世界】久しぶりのピーターソンがアバネシャンを敗って2階級制覇。応援してる選手だから嬉しいね」
そういう意味での「強化版亀田興毅vs劣化版レイモント・ピーターソン」だったのだが、いかがだろうか。
いや、いかがもクソもないのだが、とにかく亀田興毅ばりの慎重さと爆発力のなさが目立つラミレスと、レイモント・ピーターソンを彷彿とさせる脆弱さと強靭なメンタルが同居するハート。
見応え十分で、なおかつ癒し効果もある本当に楽しい試合だったww
ジェシー・ハートはこれからも塩分多めのピースフルファイターとしてがんばってもらいたいし、ヒルベルト・ラミレスにはさらなる世界平和の実現を目指して精進してもらいたいww
ウィリー・モンローJr.との二大巨頭を目指して(何のこっちゃ)。
というか、以前にも申し上げたのだが、この選手にはIBF王者のジェームス・デゲールとの統一戦を実現してほしい。
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