安全運転で完勝のトラメイン・ウィリアムズ。デリック・マレーに判定勝利。てか、ホントにリゴンドーに似てる【結果・感想】

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オールドスーパーカーイメージ
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2017年9月23日(日本時間24日)、米・カンザス州パークシティで行われたフェザー級10回戦。トラメイン(トレメイン)・ウィリアムズがデリック・マレーと対戦し、3-0(98-91、98-91、97-92)の判定で勝利した試合である。
 
 
次期PFPとしての期待が高まるトラメイン・ウィリアムズが、約2ヶ月のインターバルでリングに上がった。
相手は戦績13勝2敗1分のデリック・マレー。身長170cmのオーソドックスで、163cmのトラメイン・ウィリアムズにとっては見上げる格好になる。
 
「尾川堅一がテビン・ファーマーに勝つには? どうすりゃいいのかサッパリわかりませんが、一応考えてみる」
 
試合は予想通りウィリアムズの一方的な展開。
だが、絶えず左を出し、カウンターを恐れずに前に出るマレーをウィリアムズはやや攻めあぐねる。
要所で有効打を当ててペースは渡さないものの、期待されたKO勝利はかなわず。
 
「ロマチェンコ圧勝。リゴンドーにもノーマス。体重差じゃないぞ? 相性が悪過ぎた結果だぞ?」
 
これで2017年は4試合目と、ハイペースでリングに上がり続けるウィリアムズ。
今年、さらにもう1試合こなすのか。
それともタイトルマッチへ一気にコマを進めるのか。
 
「トラメイン(トレメイン)・ウィリアムズ試合し過ぎ問題。ジョエト・ゴンサレスがなかなかよさげ問題」
 
フェザー級の最強王者ゲイリー・ラッセルJr.の対抗馬として、どこまで伸びるかに注目である。
 

トラメイン・ウィリアムズはやっぱり攻撃型リゴンドー。ラッセルとはちょっと違うと思う

まずこの試合、僕は本人のFacebookにアップされていた動画で観た。
リングサイドから撮影したものらしく、下からのアングルだったためにすこぶる観づらい。おまけに時間の経過もよくわからないという。
なので、いつものテレビ映像とは違い、試合の全体像がうまく掴みきれていない。
それを踏まえた上で、適当に感想を申し上げていきたいと思う。
 
 
とりあえず率直な感想としては、
「こいつ、ホントにリゴンドーに似てるな」
 
以前から申し上げている通り、この選手の完成型はギジェルモ・リゴンドー。
ゲイリー・ラッセルJr.の後継者的な言われ方をしているらしいが、ちょっと違うと思う。
 
相手との距離をキープし、射程に踏み込むのはほんの一瞬。
安全圏から相手の踏み込みに合わせてカウンターを返す。
ポジショニングと距離感、ハンドスピードを存分に活かしたカウンターボクシング。
 
ここ2試合のKO勝利でインパクトある強打者ぶりを印象づけたが、実際には安全志向の待ちのスタイルである。
 
「リゴンドーに勝てる選手見つけた。リゴンドーの倒し方、勝ち方考えた。無謀な挑戦を前向きな妄想に」
 
ただ、完全に勝利至上の安全運転ではなく、倒せるときには倒しにいく。
一気呵成の爆発力には目を見張るものがあり、ここ2試合ではそれがうまく機能していた。
また、今回の試合でも距離を詰めてラッシュを浴びせるシーンは見られ、KOを狙う意思ははっきりと感じられた。
 
注目を集めるためにあえてやっているのだとは思うが、そこがリスク回避を最優先するリゴンドーとは一線を画す部分である。
 
「ロマチェンコvsリゴンドー予想。利害の一致だろ? 先行きが見えない同士の消去法マッチ。ってゴメン、ちょっと楽しみにしてるw」
 

手を出す。前に出る。お見合いをしない。これを1試合実行し続け、マレーはKO負けを免れた

そして、今回のデリック・マレーはよくやったのではないかと思う。
 
防御もヌルく、打ち終わりに大きく身体が流れるなどバランスも悪い。
スピードもウィリアムズについていけるようなものはなく、完全にかませ犬と言って差し支えない選手だった。
 
「やっぱりすげえなトラメイン(トレメイン)・ウィリアムズ。ウィリアム・ゴンサレスを1RKOでぶち抜く。現時点でも王者級?」
 
ただ、ウィリアムズのようなタイプへの対抗策というか、自分にできることをすべて出し切った感が強い。
 
サウスポーのウィリアムズと正対せず、左に回りながら距離を詰める。
常に前進して自分から手を出し続け、ウィリアムズにカウンターの隙を与えない。
また、打ち終わりのバランスの悪さは、すばやくガードを上げることとその場に留まらないことでカバー。
 
「トラメイン・ウィリアムズvsアレクセイ・コラド。ウィリアムズの2017年ラスト。超絶見切りのテクニシャンが登場するぞ」
 
特に、自分から常に手を出しながら距離を詰めることを意識したのはよかったと思う。
今年6月のクリストファー・マーティンもそうだが、ウィリアムズのようなカウンター使いとタイミング勝負をしても歯が立たない。
じっくり見極められ、一瞬の交錯で打ち落とされておしまい。
 
それより、細かい被弾は前提でジャブを出し続けた方が、よっぽどカウンターを防ぐには有効な手立てとなる。
 
「星勝優とトラメイン・ウィリアムズがお気に入りな件。ここ数日の僕の推しメン備忘録」
 
抜群の見切りを攻略できずにクリーンヒット自体はほとんどなかったが、結果的にウィリアムズの手数を抑えることには成功した。マジな話、もう少し踏み込みが鋭く連打が続く選手なら、一気に突破口を開けた可能性があるのではないか。
 
「ジョシュ・テイラーvsミゲル・バスケスが本日No.1の名勝負だった件。テイラーはヤバいww こいつならクロフォードにも勝てるかも」
 
まったく手を出さずに近づいてカウンターの機会を作らせないか、絶えず手を出してカウンターを打つ暇を与えないか。
リゴンドー戦のモイセス・フローレスのように、中途半端な位置で中途半端に手を出すというのが一番アカン。
 
まあ、明らかにカウンターを狙っている相手の懐に飛び込むというのも、相当な勇気がいるのだろうが。
 
「ララvsハードが決定しただと……?! さすがS・ウェルター級だなオイ。こんなビッグマッチがサラッと決まっちゃう激戦階級」
 
そういう意味でも、ゲイリー・ラッセルJr.ならリゴンドーに対抗できるのでは? というのは間違いではないと思う。
ラッセルの踏み込みとハンドスピードがあれば、リゴンドーのバックステップに追いつける可能性はゼロではない。
 
ああ、でもリゴンドーはロマチェンコ戦が決定したんだっけか。
不人気チート対決、確かに楽しみではあるな。
階級が違い過ぎてどうなのよ? という思いもあるが、気が向いたら予想でもしてみるか。
どうせ当たらないと思うけど。
 
「はあ、ラッセルたん…。エスカンドンを接近戦で圧倒して勝利!! この試合好き過ぎて、もう5回くらい観てるw」
 

サウスポーの完成型同士の対決。リゴンドーvsロマチェンコ。勝利至上を突き詰めると、結局ここに行きつくんだろうね

ちなみにだが、トラメイン・ウィリアムズや前回のルーク・キャンベルを見ていると、サウスポーが勝利至上を突き詰めると最後はリゴンドーに行きつくというのが本当によくわかる。
 
「リナレスはキャンベルに二度と関わるなww 2-1の判定でスレスレ勝利。危ない試合だった。再戦したら負けるんでない?」
 
間合いを一定に保ち、極力射程には踏み込まず。
カウンターの脅威で相手の前進を抑止し、的確な1発を叩き込む。
 
リスク回避を極限まで追い求めたスタイルというか、それこそ1ラウンドのヒット数が1-0でも俺の勝ちでしょ? ボクシングってそういうもんでしょ? とでも言いたげな。
当て逃げ上等のポイントゲームと化した現代ボクシングを12R乗り切るための最適解というイメージがピッタリである。
 
「グヴォジクすっげえわコイツ。クレイグ・ベイカーを圧倒して6RTKO。何? この内山と井岡とリー・セルビーのいいとこ取り」
 
また、オレクサンデル・ウシクやジョシュ・テイラーのように、アングルとフットワークを最大限に活かした攻撃スタイルも、サウスポーの行きつく到達点といえるのかもしれない。
 
カウンターを狙うというより、自分から手を出す。
相手がパンチを出せず、自分のパンチだけが当たる位置に素早く移動し、ひたすらめった打ち。
自分のターンで始まり、自分のターンで終わる。ある意味攻防分離ともいえるが、フィジカルが強く能動的に動くサウスポーの最適解(いや、ウシクはちょっと違うか?)。
 
「パウンド・フォー・パウンド(PFP)決定。僕のPFPを考えたので、発表してみる【2018年3月現在】
 
恐らくだが、ラウンドが少なくヘッドギアも廃止されたトップアマにとって、もっとも効率よく勝利できるスタイルがこれなのだと思う。
そして、その完成型はもちろんロマチェンコ。機動力と手数、ポジショニングを極めたパワフル系サウスポーの究極といえるのではないか。
 
「ロマチェンコ攻略の糸口見っけ? マリアガボッコボコ。今日も対戦相手をオモチャにして遊ぶ」
 
つまり、リゴンドーvsロマチェンコはサウスポーの完成型同士の対決。
どちらが未来型、どちらが従来型なのかは僕にはわからないが、現状考えられる最高峰の技巧派対決になることは間違いない気がする。
 
なお、先日メイウェザーに敗れたコナー・マクレガー。
あの選手がもしこの先もボクシングを続けるのであれば、ジョシュ・テイラーやウシクのようなスタイルを目指せばいいと思う。
 
「衰えまくったメイウェザーがセンス抜群のマクレガーにTKO勝利!! お前ら最高やww 報酬100億円のメイウェザーは久しぶりのKO」
 

トラメイン・ウィリアムズはどこを狙えばいい? 適正階級はS・バンタム級だと思うけど、意外と入る余地がないんだよね……

比較的安パイと思われたデリック・マレーを攻めあぐみ、期待されたKO勝利を果たせなかったトラメイン・ウィリアムズ。
 
「こんなん予想できるかww ジャーメル・チャーロが怪童ルビンをワンパンKO!! まさかの1R決着で注目の対決を制す」
 
だが個人的な評価というか、僕のこの選手に対する印象は特に変わっていない。
もともとディフェンス重視の安全志向な選手で、上背のある相手が手数重視でくれば、この展開になるのもわかる。
 
リゴンドーほどの超絶カウンターがあるわけでもなく、リスク回避を最優先したポジショニングをとるわけでもない。
相手の出足を止める抑止力より、攻撃力を活かすためのスタイル(リゴンドーに比べれば)なので、微妙にグダグダするのは仕方がない。
 
「フランプトンvsサンタクルス再戦感想。ハイレベル? なの? よくわからなかったな」
 
ただ、この先どういうプランでいくかはちょっと難しい気がする。
とりあえず、この選手の適正階級はS・バンタム級というのは間違いないと思う。
163cmの上背も含め、フェザー級の選手と対峙すると身体の小ささが目立つ。
 
といっても、今のS・バンタム級でチャンスがあるかどうか。
WBAのダニエル・ローマンは日本が第二の故郷になりそうだし、IBFの岩佐亮佑も国内に呼べる選手専門になるのではないか。
WBCのレイ・バルガスはビッグマッチ志向で、塩分濃度の高い地味実力者を避けそうな気がする。
じゃあWBOのマグダレノは?
う〜ん、アイツはよーわからん。
 
「岩佐圧勝で世界王者!! 小國は手も足も出ず、試合後に引退を表明。ラフさが足りなかったかな小國は」
 
となるとフェザー級でということになるのだが、こちらはより難しいのではないか。
WBAのサンタクルスやアブネル・マレスはお金儲けの微妙ビッグマッチに一生懸命で、リー・セルビーは英国から出てこない。
金の卵オスカル・バルデスの挑戦者に指名されるとは思えず、本人が希望しているゲイリー・ラッセルJr.は相性が悪い。
 
「バルデス完勝!! セルバニアを寄せつけず。思ったよりいい選手なのかもなオスカル・バルデス」
 
あまりマッチメークに詳しくないのでアレなのだが、トラメイン・ウィリアムズが入る余地はかなり少ないように思える。
それこそ、WBA暫定王者のモイセス・フローレスを狙うくらいか?
 
てか、マジで日本で観たいけどね。
地味な実力者ってのもいろいろ難しいっすね。
 
「久保隼陥落…。ダニエル・ローマンすごかった。こりゃ勝てんわ。まるでゴロフキンじゃねえかww」
 
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