ヌネスvsアリエタの全勝対決が好きすぎる件。“無敗のプエルトリカン”のフレーズに惹かれて観てみたらヌネスがめちゃ好みだった笑【結果・感想】

ヌネスvsアリエタの全勝対決が好きすぎる件。“無敗のプエルトリカン”のフレーズに惹かれて観てみたらヌネスがめちゃ好みだった笑【結果・感想】

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2022年1月7日(日本時間8日)、米・フロリダ州で開催されたShowtime興行。メインイベントで15戦全勝11KOのルイス・レイナルド・ヌネスと14戦全勝8KOのカルロス・アリエタによるS・フェザー級10回戦が行われ、ヌネスが10R1分41秒TKOで勝利。全勝対決を制した一戦である。
 
 
開始直後から持ち前のハンドスピードを活かして連打を打ち込むアリエタに対し、ヌネスは高いガードとフットワーク、ボディワークで対応。うまく芯を外しつつ打ち終わりにカウンターを返していく。
さらに動き出しを狙ったジャブでアリエタの顔面を跳ね上げるなど、序盤から有利に試合を進める。
 
中盤以降、徐々に自分から手を出せなくなったアリエタは意を決して接近戦での打ち合いを挑むものの、ヌネスのボディ、顔面へのカウンターで迎撃されて思ったようにペースが掴めない。得意のコンビネーションが機能せず、クリンチでしのぐ苦しい時間帯が続く。
 
 
ヌネスのペースのまま迎えた最終10R。
ラウンド序盤から力を込めたワンツーで逆転を狙うアリエタだが、ヌネスはフットワークとカウンターを駆使して対抗。アリエタのワンツーをダッキングでかわし、打ち終わりに右のカウンターを顔面に打ち込む。
 
この1発で大ダメージを負ったアリエタはたまらず後退。ヌネスはすかさずコーナーで追撃の連打を浴びせる。
 
腰を落として打たれるままになったアリエタを見たレフェリーが試合をストップし、その瞬間にヌネスのTKO勝利が決定した。
 
ゲイリー・ラッセルが右肩ベコンでマグサヨに判定負け。思った以上にショックがデカいw 年一キングは勝ってこそのネタキャラなのに
 

「14戦全勝」「プエルトリカン」の文字に惹かれて視聴した試合。“俺たちのプエルトリカン”は2022年も飛ばしていくぜ()

ルイス・レイナルド・ヌネスvsカルロス・アリエタ。
 
まだまだ年初めで試運転段階というか、有名選手が登場するのはもう少し先になりそうなボクシング界。
 
僕自身もテンションが低いままボーッとネットニュースを眺めていたところ……。
 
偶然目に入ったのが下記の記事。
 
「間も無くゴング!全勝同士の新鋭対決」
 
この林壮一というライターは私情が入りすぎであまり好きではないのだが、今回僕の目を引いたのが「14戦全勝」「プエルトリカン」の文字である。
 
以前から何度か申し上げているが、僕の中でのプエルトリカンの特徴は
・スタイリッシュでスピードがあり動きも派手
・面長の骨格とはっきりとした二重で見た目がいい
・盛大にカウンターを被弾して空中で時を止める
 
面長のシルエットにパッチリ二重、顔面偏差値が高くファイトスタイルもスピーディでスタイリッシュ。
見栄えのいいコンビネーションでド派手なKOを量産する試合運びには華があり、将来的なスター性を感じさせる。
 
ただ、どの選手も動きが直線的で攻撃のバリエーションが乏しい。そのせいで対戦相手のレベルが上がる(スピードについてこられる)につれて頭打ちになる傾向が強い。
 
しかも面長な骨格のせいか、異様に打たれ弱く倒され方も豪快という。
 
見た目のよさ、見栄えのいいファイトスタイルと圧倒的な打たれ弱さ。これらが相まって“倒すときも倒されるときもド派手”という危なっかしさが生まれる。これが(僕の中での)プエルトリカンの大きな魅力である。
 
第2のファンマを探す旅。俺たちのプエルトリコ期待の5人。彼らの散り際の美学は瞬間芸術と言っても過言ではない()
 
そして、彼らが壁にぶち当たるのがだいたいキャリア15戦前後。
格下をスピード&パワーでねじ伏せる脳筋ファイトの時期を終え、地域タイトルやそれに準ずるテストマッチに臨む段階というか。
 
今回のルイス・ヌネスとの全勝対決などはまさにそれ。
「14戦全勝」「プエルトリカン」の文字を目にした瞬間に「キタコレ!!」と。アイドリング状態だった僕のテンションが一気に上がった次第である。
 

スピード&パワー重視で見栄えのいいアリエタと存在が地味でいまいちよくわからないヌネス。どっちが主役なのかも判然としないまま…

そんな感じで“俺たちのプエルトリカン”による瞬間芸術を求めて視聴をスタートしたわけだが……。
 
実際、僕の目を釘付けにしたのはルイス・ヌネスの方だった。
 
まず、カルロス・アリエタという選手は完全にスピード&パワー重視の突貫タイプ。
スピーディな踏み込みとハンドスピードを活かした強烈な左右ボディ、顔面へのコンビネーションを得意とする。
 
過去の試合を観ると、スピード差で相手を煽りまくる→反撃を許さないほどの連打でねじ伏せるというのが基本の勝ちパターンっぽい。
 
これまで僕が観てきたプエルトリカン同様、非常にスタイリッシュなファイターである。
 
スルタンがカラバロにアップセット。これが俺たちのプエルトリコ。ファン・カルロス・トーレスも!? 期待の2トップが揃ってコケる(期待に応える)って笑
 
一方のルイス・ヌネスだが、こちらはあまりピンとくるものがなく。
特別スピードがあるわけではなく1発で試合を終わらせるパンチがあるわけでもない。アリエタほどの爆発力も感じない。
身体の強さはそこそこありそうだが、ひと言で言うと「地味でよくわからん」。
 
 
上記の記事を読む限りではこの試合の主役がどちらなのか、プロモーターやファンがどちらに期待しているのかは判然としない。
ただ、何となくカルロス・アリエタがAサイドなのかなぁと思った次第である(“俺たちのプエルトリカン”だしね)。
 

ヌネスが完全に支配した一戦。アリエタのフルスロットルをすべて吸収してカウンターを合わせていく

ところが試合が始まってみると、内容はヌネスのワンサイド。
「おいおい、ルイス・ヌネスが完全に支配しとるじゃねえか」と。
 
申し上げたようにルイス・ヌネスは特別スピードがあるわけでもなければ目の覚めるような1発があるわけでもない。容姿を含めた見栄えはカルロス・アリエタの方がはるかに上。
 
 
ただ、ちっとも当たらない。
アリエタのスピード&パワー、得意のコンビネーションは試合を通してまったく機能していなかった。
 
中間距離では動き出しを狙って左をヒット、アリエタが踏み込んでくればスッと下がって距離を取るルイス・ヌネス。
近場の連打、ボディへの攻撃は上体の柔軟さを活かして芯を外しつつ、高いガードとパリングで威力を吸収していく。
 
その場に留まらない、頭の位置を変える、ボディワークとパリングで芯を外す。
ヌルヌルとした動きで直線的なアリエタの攻撃をそのつど無効化していく。
 
 
対するアリエタは動き出しを狙われ、自分から仕掛ければスルッといなされ、打ち終わりにそのつどカウンターを合わせられる。そのせいで中盤以降はなかなか自分から手を出せなくなる。
カウンターをチラつかされ、ガードを上げたままコーナーに詰まる流れ。
 
スピードや回転力で圧倒できない相手に遭遇すると手詰まりになるパターンはこれまでのプエルトリカンとまったく同じである。
 
目を奪われる魅力、華のある選手5選。倒し方だけでなく、倒され方にも華があってこそのスター性。PFPとは別次元のランキング遊び
 

ヌルヌルとしたわかりにくい試合巧者はめちゃくちゃ好み。ルイス・ヌネスはアムナットにイメージが一番近いかな

表題の通りなのだが、一見強そうには思えないけど実は試合巧者でめんどくさいタイプ(性格が悪ければなおいい)は個人的にめちゃくちゃ好みである。
 
特に今回のルイス・ヌネスのようにヌルヌルとしたわかりにくい選手。イメージ的には井岡一翔に勝利したアムナット・ルエンロエンが一番近い
少しだけアンドレ・ウォードっぽさも感じたのだが、ヌネスの動きにはあそこまでキビキビとしたメリハリはない。
 
何とな〜く芯を外しながら相手の動き出しと打ち終わりを狙う。
実はスピード勝負でもそこそこ対抗できる(疲れるからあまりやらない)。
数値上のリーチはあまり長くないのに、試合中はすこぶる長く感じる。
攻略できそうでできない、いつの間にかポイントを奪われている。
 
諸々の要素を踏まえると、やはりアムナット・ルエンロエンがしっくりくるのかなぁと。
 
いや、マジでたまりませんねルイス・ヌネス。
接近戦が得意なはずのカルロス・アリエタがいつの間にか接近戦を嫌がって自分からクリンチにいってましたからね。近場でヌルヌル動くヌネスが相当鬱陶しかったのだろうと想像する。
 
 
と同時に、一つわかったことがある。
僕はアムナット・ルエンロエンのことが大好き笑
 
攻略できそうでできない試合巧者っぷりに加え、
・相手の嫌なことを進んでやる性格の悪さ
・反則ギリギリのラインを攻めるダーティさ
を兼ね備えた選手を見つけるたびにアムナットを引き合いに出しているが、それもすべて僕がアムナットを好きだから。
要するにそういうことである笑
 
アムナットさんのベストバウトは井岡一翔戦で間違いない。今振り返っても好きすぎる試合。人生の厳しさを教えたゾウ・シミン戦も捨てがたいけどね
 
「14戦全勝」「プエルトリカン」のフレーズにつられてカルロス・アリエタ目的で視聴をスタートした試合だったが、いつの間にかルイス・ヌネスの“アムナット感”に釘付けになってしまった。
 
 
しかも最終ラウンドに(期待通りの)ド派手な結末が待っていたというね。


最初から最後まで文句のつけようがない、すべてが僕好みの一戦だった。
 
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