スルタンがカラバロにアップセット。これが俺たちのプエルトリコ。ファン・カルロス・トーレスも!? 期待の2トップが揃ってコケる(期待に応える)って笑

スルタンがカラバロにアップセット。これが俺たちのプエルトリコ。ファン・カルロス・トーレスも!? 期待の2トップが揃ってコケる(期待に応える)って笑

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先日「第2のファンマを探す旅。俺たちのプエルトリコ期待の5人」と題して、プエルトリコ出身のスター候補(僕が勝手に選んだ)5人をランキング形式で発表している。
 
第2のファンマを探す旅。俺たちのプエルトリコ期待の5人。彼らの散り際の美学は瞬間芸術と言っても過言ではない()
 
プエルトリコ出身の選手は倒し方と倒され方両方に華があるのが特徴で、これまでにもフェリックス・ベルデホやファンマ・ロペス(両方犯罪者だけど)といったド派手なスターを多数輩出している。
 
・スタイリッシュでスピードがあり動きも派手
・面長の骨格とはっきりとした二重で見た目がいい
・盛大にカウンターを被弾して空中で時を止める
主な特徴としてはこんなところ。
 
 
で、2021年10月30日(日本時間31日)に上記のランキング入り選手の中の第1位、2位が揃ってコケる(期待に応える)まさかの事態に。
 
14勝14KOのカルロス・カラバロがジョナス・スルタンに4度のダウンを奪われた末に判定負けを喫し、19勝15KOのファン・カルロス・トーレスはダーウィン・プライスに6RTKO負けという。
 
僕自身、どの選手にもいつかこういうことが起きるだろうと思っていたが、それがまさかこんなに早く訪れるとは。しかも1位と2位の選手が同日にコケる(期待に応える)状況は完全に予想外だった。
 
 
というわけで、今回はこのカルロス・カラバロvsジョナス・スルタン戦、ファン・カルロス・トーレスvsダーウィン・プライス戦の感想を適当に言っていくことにする。
 

4度のダウンを喫して僅差判定負けのカラバロ。ダウンしたラウンド以外はほぼフルマークという風格

まずは米・ニューヨーク州で行われたカルロス・カラバロvsジョナス・スルタン10回戦について。
 
結果は3-0(94-93、94-93、94-93)の判定でスルタンが勝利したわけだが。
 
この試合のカルロス・カラバロを大雑把に表現するなら、
・14勝14KOのパーフェクトレコード継続中
・計4度のダウンの末の僅差判定負け
・ダウンを喫したラウンド以外はほぼフルマーク
といった感じ。
 
うん。
素晴らしすぎる笑
 
スタイリッシュでセンス抜群のファイトに冗談みたいな打たれ弱さ。
 
これぞ俺たちのプエルトリコというか、字面から漂う風格は凄まじいものがある。「第2のファンマを探す旅」ランキング2位の称号に違わぬパフォーマンスと言えそうである。
 
冗談でも何でもなく、カラバロのダウンシーンだけで僕は3日間飯が食える。

空中で一瞬時が止まり、そこからゆっくりと崩れ落ちる。
 
2回目のダウンなどは「え? それでダウンするの?」という倒れ方。
人種の違いと言っていいのかはアレだが、先天的に埋められないレベルの脆さが彼らにはあるように思える。
 

まさに俺たちのプエルトリコ。対戦相手のレベルが上がると頭打ちになる

実際の試合も“まさに”な内容。対戦相手のレベルが上がると頭打ちになるプエルトリコ出身選手の特徴そのまんまである。
 
スピーディな連打と当て勘抜群のカウンターでKOを量産してきたものの、そこにカウンターを合わせられる相手と遭遇すると一気に壁にぶつかる。
 
今回のスルタンはカラバロの連打に怯まず前進を続け、連打の合間を縫ってカウンターをねじ込みダウンを奪ってみせた。
根本的な馬力、打たれ強さ+被弾にめげずにパンチを返す根性がカラバロのセンスを上回ったと言えそうである。
 
アンカハスがロドリゲスに判定勝利で9度目の防衛成功。でも井岡一翔なら勝てると思うんだよな。接近戦での精度に差があるような…
 

階級アップによって一段ゴツくなったスルタン。これはカラバロ苦労するかも?

開始直後に両者を観て思ったのが、スルタンがだいぶゴツいということ。
 
肩周りと腹回りが僕の記憶よりも一回り大きく首もぶっとい。
スタスタと距離を詰める足取りからも力強さが感じられる。
もともとずんぐり体型の選手ではあったが、そこからさらにゴツくなったというか。
 
数年前のカシメロ戦やアンカハス戦に比べてフィジカルが一段アップした印象である。
 
 
そして、その馬力を前面に出したファイトで強引に距離を詰めていく。
カラバロにロープを背負わせ、体重を預けた状態から丸太のような腕をぶん回す流れ。
 
また、カラバロの連打を浴びても気にするそぶりも見せず、数回顔を左右に振っただけで再びプレッシャーをかける。
 
 
ああ、なるほど。
これは苦労するかもしれんぞカラバロ。
 
自分のスピードについてくる相手、連打にカウンターを返してくる相手と遭遇すると頭打ちになるのがプエルトリカンの特徴と申し上げたが、今回のジョナス・スルタンがそれに当たる? かも?
 
コーナーに追い詰められたところからクルッと反転して脱出する動きなどはさすがのセンスだが、決して余裕があるようには見えない。
 
どこかで捕まる危険性も十分ありそうな……。
 
ドネアvsガバリョ、ヘイニーvsジョジョ・ディアス、井上岳志vsチュー、クロフォードvsポーター、フルトンvsフィゲロア。正式決定した注目試合を適当に勝敗予想してみる
 

カラバロの連打に怯まずスルタンが前進し右をヒット。パワーの違いでこれまでのパターンが通用しなくなる

そして、2R開始30秒で早くもそれが表面化する。
 
左を出しながら前に出るスルタンに対し、サイドに回りながら連打を浴びせるカラバロ。
対するスルタンはスルッと方向を変えて正面に入り、右ボディ、左フックを出しつつカラバロを追いかける。
 
カラバロも近場の右ショートで対抗するが、スルタンはまったく止まらず。
身体ごとぶつける打ち方で右を顔面にねじ込み、カラバロをふっ飛ばすようにダウンを奪う。
 
おお、すげえ!!
馬力でねじ伏せやがった。
 
やっぱりスルタンのフィジカルは一段上がってるよね。
 
 
一方のカラバロだが、あそこはこれまでの相手なら離れ際の連打で止まっていたはずの場面。いったん距離をとって仕切り直しできていたのが、相手のレベル、耐久力が上がったことによって危険地帯への踏み込みを許してしまった。
 
上述の“相手のレベルが上がると頭打ちになる”パターンがモロに出たダウンである。
 
シャクールがヘリングを「じわじわとなぶり殺しにしてくれる!」10RTKO。同じ土俵で勝負したら厳しいよ。バルデスと統一戦? 冗談でしょ?
 

3Rにも再びダウンを奪うスルタン。終了間際のアレは完全に誤審だよね笑

3R前半、カラバロをコーナーに追い詰めたスルタンが鋭く踏み込み右を振るう。
そこにカラバロが左カウンターを合わせるものの、同時打ちのタイミングで出したスルタンの左をカラバロが被弾、ふっ飛ぶようにダウンを喫する!!
 
一瞬「え? 今ので倒れるの?」というダウンだったし、スローで観てもカラバロの左のほうが深く当たっているような気もする。
 
スルタンの前に出る勢いもあったとは思うが、これだけ簡単に倒されてしまうのは本当に大変だなぁと。
 
などと思っていると……。
 
3R終了間際、今度はカラバロが右フックでダウンを奪い返す!!
リング中央での交錯の中、ハンドスピードで上回ったカラバロが打ち勝つ。
 
だが、よくよく観るとカラバロの右はスルタンの背中に当たっている。
 
しかも態勢を戻そうとしたスルタンをレフェリーがコーナーに突き飛ばすという意味不明な事態に笑
 
いや、何でやねんw
ダウンした側の選手を抑え込んで突き飛ばすってどういうことよアンタ。
 
てか、そもそもダウンじゃねーし。
 
場内の大歓声にレフェリーがパニくったのか、ラウンド終了直前だったせいでことなきを得たものの、アレはスルタンにとってはかわいそうな采配だった。
 

4、5Rと調子を上げるカラバロ。ところが6Rに再びペースアップしたスルタンにあっという間に捕まり…

それ以降もめちゃくちゃおもしろい展開が続く。
 
3R終了間際のダウン(誤審)で調子付いたカラバロは4、5Rとキレのいい動きを見せる。
遠間から前手の右でボディを突き刺し、スルタンの左をバックステップでかわしながら左右の連打を顔面に。
 
中でもスルタンの左に合わせる左カウンターはさすがとしか言いようがない。
4R後半の左アッパーに合わせた左ストレートなどはマジですごい。ああいうのを見せられると、この選手のセンスの高さは本物だと思わされる。
 
そして、この華麗な動きに対する声援は「おお〜!!」ではなく「ヒュ〜!!」が妥当な気がする()
調子に乗っているときの彼らのスタイリッシュさ、オーディエンスを釘付けにする輝きはガチで素晴らしい。
 
目を奪われる魅力、華のある選手5選。倒し方だけでなく、倒され方にも華があってこそのスター性。PFPとは別次元のランキング遊び
 
逆にスルタンは3Rのダウンで警戒心を強めたか、前に出る圧力がやや落ちた印象。
両目の下の腫れも目立ち、このまま押し切られる雰囲気すらも漂い始めていた。
 
だが、6Rに入ると再びスルタンの動きが戻る。
 
試合開始直後のような圧力でズンズン前進し、被弾もお構いなしに近場で腕を振る。
カラバロも得意の連打とサイドへの動きで対処するが、各局面でワンテンポ遅れるシーンが目に付く。
 
そして1分過ぎ。
リング中央でカラバロの左にスルタンが右を合わせ、これが顎にヒット!!
後ろにふっ飛ぶようにカラバロが尻餅をつく。
 
おいおい、すご過ぎるだろ笑
スルタンの動きが戻った途端に捕まるって。
 
こんなにわかりやすい展開あります?
 

右と見せかけて左。スルタンがカラバロのお株を奪う? カウンターを炸裂させる

9Rのダウンはもっとすごい。
リング中央でのフェイントの掛け合いから右を打ち込むと見せかけ、サッと切り替えた左のショートを顎にヒット。
この1発で再びカラバロに尻餅をつかせる。
 
6Rに右カウンターで奪ったダウンを逆手に取った左の1発。
スタイリッシュなカラバロのカウンターを打ち消すようなスルタンの華麗さである笑
 
 
結局このダウンが決め手となってスルタンが判定勝利を挙げたわけだが、いや〜、おもしろい試合でしたね。
 
繰り返しになるが、カラバロの当て勘、センスは目を見張るものがある。
ダウンを喫したラウンド以外はほぼフルマークだったと思うし、能力の高さに関しては文句のつけようがない(と思う)。
 
ただ、ディフェンスの甘さと根本的な頑丈さが足りないのが……。
ハンドスピードで勝負してもスルタンの前進は止まらず、1発に力を込めて打つとそこにカウンターを合わせられてしまう。
カラバロのカウンターも抜群のタイミングで何発もヒットしていたが、最後までスルタンの勢いを抑え込むことはできなかった。
 
 
とんでもなくおもしろい試合だったが、同時に“ザ・プエルトリカン”な一戦でもある。
カルロス・カラバロのパフォーマンスは「第2のファンマを探す旅」ランキング2位の称号に偽りなしだったと言っていい()
 
ヌネスvsアリエタの全勝対決が好きすぎる件。“無敗のプエルトリカン”のフレーズに惹かれて観てみたらヌネスがめちゃ好みだった笑
 

ファン・カルロス・トーレスお前もか…。「第2のファンマを探す旅」ランキング1位の名に恥じない姿だったんだろうなぁ

続いて上記の試合と同日に米・カリフォルニア州で行われたファン・カルロス・トーレスvsダーウィン・プライス戦について。
 
 
ファン・カルロス・トーレスは「第2のファンマを探す旅」ランキング堂々の1位に輝いた選手で、顔面、ファイトスタイルともにファンマ・ロペスにそっくりなところから“ファンマの後継者”“右構えのファンマ”と名付けた経緯がある。
 
で、いつかファンマのような豪快な散り様を披露してくれるのでは? と期待していたのだが……。
 
割と早い段階でそれがきてしまったなぁと。
 
できればもう少し大きい舞台、注目度の高い場所であってほしかったが、それもまた“ファンマの後継者”ゆえの宿命なのか……。
 
映像を確認できていないのだが、記事を読むと試合はトーレスの負傷棄権だったとのこと。


だが、それまでにも数度のダウンを奪われているようで、こちらも「第2のファンマを探す旅」ランキング1位の名に恥じない姿だったと思われる。
 
 
いや、もうね。
何となく危ない感じがしたんですよね。
 
対戦相手のダーウィン・プライスは身長180cm、リーチ191cmと大柄な選手。
腕が異様に長く、過去の試合を観てもニュルニュルと巻き付くようなパンチを打つ。
 
さらに前戦ではウェルター級契約でリングに上がっており、S・ライト級のファン・カルロス・トーレスにとっては結構厳しい相手に思える。
 
平岡アンディvs佐々木尽、栗原慶太vs中嶋一輝。数日遅れで視聴したので感想を。さすがの平岡アンディと栗原慶太の圧勝っぷり
 
ただ、トーレスの圧力と連打が機能すれば何とかなるのではないか。
せっかくメイウェザー・プロモーションと契約したばかりだし、この選手にはもう少し大きい舞台に進んでもらいたい。
 
難しい相手かもしれないけど、どうにかしてくれるでしょ。
みたいな。
 
ところが残念ながら結果は6RTKO負け。
ディフェンス面のヌルさ、先天的な顎の弱さはやはり俺たちのプエルトリコだったということか。
 
 
そう考えると、キャリアの途中でディフェンス重視のスタイルに傾倒したミゲール・コットは自らのスペックをよく客観視できていたのかもしれない。
 
コットのキャリア初期の試合を観ると、どこかの時点でカウンターを被弾して盛大にふっ飛ばされそうな匂いがプンプンするのでね笑
 
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