村田諒太vsゴロフキン年末合意? 中谷潤人vsアコスタ入札、清水聡vs森武蔵戦感想。今の日本って海外の選手にとっては旨味がないからな

村田諒太vsゴロフキン年末合意? 中谷潤人vsアコスタ入札、清水聡vs森武蔵戦感想。今の日本って海外の選手にとっては旨味がないからな

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ここ最近、ラグビーのプレーオフトーナメントをガッツリ観たりバスケの現地観戦に行ったりしていたせいであまりボクシングの情報に触れていないのだが、そんな中で目に止まったネタをいくつか。僕が思ったことを適当に言ってみたいと思う。
 
パナソニックがサントリーを下す。無敗対決を制して6度目の優勝。FB野口竜司のプレーの軽さが流れを変えたよな
 
なおノニト・ドネアとノルディ・ウーバーリによるWBC世界バンタム級タイトルマッチがいつの間にか今週末に迫っていたことに気づいてめちゃくちゃ驚いている次第である。
 
と言いつつ、僕はこの試合にあまりテンションが上がっていない。
根本的にウーバーリという選手に興味がないのでドネアに勝ってもらいたいが、ドネアvs井上尚弥の再戦ってのはどうなのよ?
 
ドネアvsウーバーリ感想。ドネアのクソかっこいい主人公属性と往生際の悪さ。もうお前、サウスポー得意じゃねえかw 最高だったぞ
 
再戦指令が出ているレイマート・ガバリョvsエマヌエル・ロドリゲス戦の勝者との統一戦なら多少は興味が出るが、果たしてすんなり決まるものなのか。
 
 
どちらにしても、井上尚弥の目指す4団体統一はなかなか遠い道のりだなぁと。
 

村田諒太vsゴロフキン戦、2021年末合意の報道。ここまでプロテクトされた選手が過去にいたんだろうか

まずはこの話題。
現WBO世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキンがWBA同級スーパー王者村田諒太と2021年末に東京で統一戦を行うことに合意したとのこと。


記事内では1990年2月のマイク・タイソンvsジェームス・バスター・ダグラス戦が引き合いに出されているので、東京ドーム開催の可能性もあるということか。
 
また両者ともに夏頃に1戦挟むという話も出ているとかで、まだまだ不確定要素は多い。だが、どちらにしろ待望の一戦が現実味を帯びてきたことは間違いなさそうである。
 
 
これを言うと怒られるのかもしれないが、僕は村田諒太ほど強固にプロテクトされ続けた選手を見たことがない
 
仮にゴロフキン戦が実現したとして、村田にとってはプロキャリアの集大成となるはず。負ければ確実に引退、勝ったとしても現役を続ける保証はない。
 
 
そして、この大一番にこぎつける? までの過程がいろいろな意味ですごかったなと。
 
 
デビュー戦で柴田明雄に勝利したあとは微妙な相手に勝利を重ね、タイトルマッチでハッサン・ヌジカムに負けた直後に会長が判定にブチ切れ→即再戦で戴冠に成功。
 
初防衛戦で微妙な挑戦者に勝利したはいいが、次戦の対戦者選びが難航。会長が「相手にする価値もない」とこき下ろしたロブ・ブラントに敵地でボロ負けを喫する。
 
周囲への多大なる感謝(?)とともに一度は引退をほのめかすものの、数ヶ月後に再起を決意。約8ヶ月後の再戦で2RTKOで勝利し再び王座を取り戻す。
と同時にこれまでのじっくり攻めるスタイルから脱却、初防衛戦となったスティーブン・バトラー戦では一気に覚醒した姿を見せる。
 
ところが直後に新型コロナウイルスの感染拡大によりキャリアが停滞。なぜかレギュラー王者→スーパー王者に格上げされるが、1年半以上のブランクを作ってしまう。
 
 
要所要所で“大人の考え”が見え隠れするというか、陣営が一直線にゴロフキン戦に突き進もうとしていたことがよくわかる経歴である。
 
村田はもともとスタイル的に不得手がはっきりしているタイプ。本来は勝ったり負けたりを繰り返しながら成長していくのが定石だったが、大事にされ過ぎたせいで成長を阻害された感が強い。
 
で、ロブ・ブラントとの第2戦、スティーブン・バトラー戦で覚醒しかけたところで今度はコロナによる停滞である。これは完全に運に見放されたとしか言いようがない。
 
村田諒太の覚醒とコロナによるブランクがもったいなさすぎな件。ブラント、バトラー戦の勢いのまま間髪入れずに次戦に行きたかった
 
と思っていたら、急転直下で今回の「東京でゴロフキン戦合意!!」の報道。
 
ここまでいくと逆に清々しさすら感じてしまう。
 
ゴロフキンがアウェイを厭わず自らの拳で道を切り開いた“ピープルズ・チャンピオン”なら、村田諒太は“自国でお膳立てされた箱入りヒーロー”。
 
かつての最強王者が衰えたタイミングで、箱入りヒーローがすべてを奪いにいくという構図もなかなかオツである()
 
村田諒太vsゴロフキン正式発表。予想云々はともかく勝つしかねえよ。厳しい試合になると思うけど、最初から攻めるしかないんじゃない?
 
まあでも、本当にゴロフキンが日本に来るならアンダーカードにホルヘ・リナレスと中谷正義を出すしかないですよね。
 
リナレスがデビン・ヘイニーに勝つことは決定しているので、リナレスのWBCタイトルに三代大訓vs吉野修一郎戦の勝者が挑戦する感じで。
あとはロマチェンコに勝った中谷正義(これも決定している)がテオフィモ・ロペスの返上後のタイトル決定戦に出場できれば。
 
おいおい。
2021年末に東京ドームでトリプル世界戦、ガチであるんじゃねえの?(適当)
 
リナレスvsヘイニー感想。ヘイニーは若さが出たけど経験を積めたんじゃない? 野口将志選手がヘイニーを気にいるのはちょっとわかるw
 

中谷潤人vsアコスタ戦入札に。今の日本って海外の選手から見てまったく旨味がないよな

続いてはこの話題。
中谷潤人vsアンヘル・アコスタのWBO世界フライ級タイトルマッチの興行権が入札になったとのこと。


記事によると当初は2021年5月29日に大阪で開催される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で白紙に。今後は中谷陣営、アコスタ陣営、第三者のどこが落札するかによって得られる入札額の割合が変わってくる。
 
 
これに関しては、村田諒太の防衛戦のアンダーカードに予定されていたものがコロナの影響で流れた(らしい)ところまでは聞いていたのだが……。
いつの間にか単独? での大阪開催→ポシャって入札になっていたとは。
 
現状、海外選手を日本に招聘する場合は必然的に2週間の隔離期間がついてくる。以前にも申し上げたようにそこがどうにも引っかかるところ。
 
それでも帝拳ジム主導であれば、京口紘人vsタノンサック・シムシー戦のような胸糞の悪い結果にはならんだろうという思いもありつつ……。
 
 
なるほど、結局は入札になりましたか。
確かに今の日本って、海外のスポーツ選手の出稼ぎ先としてはまったく旨味がないですからね。
 
ラグビーもリーグ戦開幕が大幅にずれ込んだし、準決勝の1試合がコロナで中止になっている。
プロ野球でも助っ人外国人が来日できなかったり、シーズンインが大幅に遅れた選手が大苦戦を強いられたり。ただでさえ初年度の外国人選手は難しいのに、さらに不利な状況に追い込まれているという。
 
それこそアメリカのように1日に結構な人数が亡くなっている中でも経済活動を再開するか、2、3ヶ月間経済をストップして台湾やオーストラリアのように完全な封じ込めを図るか。
多方面に気を使いながら緩い制限でダラダラやってる現状が一番アカンですよね。
 
まあ、今となってはすべてが遅きに失した感がありますが。
 
 
と言いつつ、それでもプエルトリコよりはまだ日本開催の方がメリットがあると思いたいところだが。
正直、アンヘル・アコスタになら普通に勝てると思っているので、公平性を確保できる場所でさっさとやってもらいたい。
 
ロブ・ブラントvsジャニベク・アリムハヌリ、リンドルフォ・デルガド、オマール・ロサリオ。井上尚弥、中谷正義のアンダーカードを予習する
 

清水聡vs森武蔵戦感想。OPBF東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・フェザー級統一戦

最後はこれ。
2021年5月21日に東京・後楽園ホールで行われたOPBF東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・フェザー級統一戦。OPBF王者清水聡がWBOアジアパシフィック王者森武蔵に3-0(116-1112、118-110、118-110)の判定で勝利し、王座統一に成功した一戦である。


この試合は先日TVerで視聴したのだが、とにかくOPBF王者清水聡の老獪さが際立っていたなと。
 
1R目は森武蔵が中間距離での差し合いを挑むが、ラウンド中盤に清水の左でグラつかされる。
腕が伸びる位置での打ち合いでは分が悪いと思ったか、2R以降強引に身体を寄せて超接近戦に持ち込む森武蔵。
 
だが、ここでも優位を確保したのは清水の方。
身体を低く落として斜に構え、体重を預けるように身体を寄せる森に対して清水は長身を活かして上から両腕を絡ませ動きを封じる。
相手と正対しないように右肩でスペースを作り、打ち下ろし気味の左を森の右テンプルにヒットしていく。
 
逆に森は斜に構えているせいで左腕の自由が利かず、頭を下げているので右を打つ際に相手の位置を確認できない。
リング中央での押し合い、1発の威力は互角だが、清水の方が接近戦でのもみ合いに慣れている印象である。
 
至近距離で差を見せられた森は6Rから再び離れて勝負するが、すでにタイミングを掴んだ清水は付け入る隙を与えない。動き出しの一瞬を狙って再三右リードをぶち当て森の出足を止める。
 
中間距離と至近距離で完全に上回られ、なかなか活路を見出せない森は飛び込み際の1発に勝負をかけるが、ダメージのせいか踏み込みに迫力が感じられない。
 
最後まで懸命に前進して腕を振り続けたものの、清水の牙城を崩すことはできず。
 
 
恐らくだが、清水聡は相手の動き出しを察知する能力が高いのだと思う。
上背やリーチ、1発の威力はもちろんだが、それ以上に踏み込みの瞬間を狙って放つ右がめちゃくちゃキレていた。
 
森が身体に力を込める刹那の硬直を狙って打ち込む右リード。
押し出すように放つ右で森の足を完全にストップし、同時打ちのタイミングで左をぶち当てる。
 
飛び込み際にフックを当てたい森はこの右を何とかかいくぐろうとするが、早く動こうとすればするほど力みが増す。いつの間にか左右へのフットワークも忘れ、真正面からの被弾がさらに増えてしまう悪循環。
 
その他、若干斜めに身体を倒した構えと清水の左の軌道がバッチリ合ってしまったのも痛かった。
 
比嘉大吾、堤駿斗、森武蔵振り返り。割と強かったカルコシア、ちゃんと強かったジェミノとサルダール。比嘉のガッカリ感が尋常じゃない
 
179cmの長身を活かした強烈な左の打ち下ろしに加え、意味不明な当て勘の右に接近戦での身体の強さ、老獪さも兼ね備える清水聡。
 
これはチャンスさえあれば世界王座戴冠もあり得るのではないか。割とガチで。
もちろんどのタイトルを狙えばいいか、チャンスが巡ってくるかはまったくの別問題だが。
 
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